#損益分岐点売上高 に関連するブログ
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『収支分岐点と損益分岐点の実務活用法 〜現金と利益の視点から見る経営戦略〜』
2025.01.27
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にしたい」
そのために、一生懸命書き続けます。
では、スタート!
前回のブログで「収支分岐点売上高」と「損益分岐点売上高」の
簡単な出し方について書きました。
https://sato-insurance.jp/blog/278/
今回は、計算した数字を、
実際の経営にどのように活かすかについて
書いていこうと思います。
「収支分岐点売上高」と「損益分岐点売上高」の
話の前に、よくある話をします。
「利益」と「現金」の違いです。
わかっている方は、飛ばして下さい。
よく経営者の口から出てくる言葉に
「利益は出ているんだけど、思ったように現金が増えない」
があります。
いわゆる「稼いだ金は、どこに行った?」です。
一言で言えば「利益と現金は違う」となってしまいますが
わかりやすく違いを書きます。
「利益」とは
企業が一定期間(多くは1年間)に得た収入(多くは売上)から、
経費や費用(変動費や固定費)を差し引いた残りの金額です。
これは、企業の経済活動の成果を示す指標であり、
損益計算書に書いてある数字です。
ここで大切なのは、利益は「金額」であり「指標」である
ということです。
言ってみれば「計算上の数字」ということです。
「現金」とは
現金は、企業が手元に持っている実際のお金を指します。
これは、銀行口座にある預金や、手元にある現金など、
すぐに使用できる資産です。
現金は、企業の流動性を示す重要な指標です。
もっと平たく言うと
格闘ゲームでいう「HP」つまり「残りの体力」のことです。
ゲームでも、HPが0になったらゲームオーバーですよね。
それと同じです。
ちなみに、「利益」が0になっても、
一般的な企業は、ゲームオーバーになりませんよね。
もっと言えば赤字になっても、ゲームオーバーとは
ならない方が多いはずです。
それは、実際の体力(HP)ではない証拠です。
ここだけ見ても、利益と現金は違うことがわかると思います。
この概念を踏まえた上で、読んでみてください。
1. 収支分岐点売上高:キャッシュフローの視点
収支分岐点売上高は、
企業の収入と支出が均衡する売上高を示します。
つまり、キャッシュの流入と流出が同額となり、
収支が「トントン」になっている状態を指します。
「トントン」と言えば聞こえはいいですが
実際の会社で言えば「顔が水面ギリギリ」
と言う方が正確だと思います。
すなわち「収支分岐点売上高」を下回った売上しか
上げれなかった場合「溺れる」ことになります。
特徴として
・ キャッシュフローに着目した数字
・ 資金ショートのリスクを把握できる
・ 短期的な経営判断に有効
・売上げ目標数字を立てる時に有効
実務での活用例
1. 経営戦略の策定
収支損益分岐点を把握することで、
企業はどの程度の売上が必要かを明確に理解できます。
これにより、価格設定や販売戦略を見直すことができます。
2. 投資判断
新しいプロジェクトや製品の導入を検討する際、
収支損益分岐点を計算することで、
そのプロジェクトが現金を生むかどうかを判断できます。
3. パフォーマンスのモニタリング
企業や商品のパフォーマンスをモニタリングできます。
原材料などが値上がりしている昨今
「本当の利益」言い換えると「現金」を生み出している
商品かどうかなどを知ることができます。
市場環境やコスト構造が変化が激しい今
この数値を把握することで迅速な対応が可能になります。
4. 価格戦略の見直し
製品やサービスの価格戦略を見直すことができます。
競合他社の価格や市場の需要に応じて、
価格を調整することで、利益を確保することが可能です。
2. 損益分岐点売上高:利益の視点
損益分岐点売上高は、売上高から費用を差し引いた
利益がゼロになる売上高を示します。
つまり、この売上高を超えると利益が生まれ、
下回ると損失が出るという、企業の収益力を示す指標です。
特徴として
・ 利益に着目した数字である
・ 企業の収益構造を把握できる
・ 長期的な経営戦略に有効である
実務での活用例
1. 経営計画の策定
損益分岐点を把握することで、企業は売上目標を設定しやすくなります。
例えば、固定費や変動費を考慮し、
どの程度の売上が必要かを明確にすることで、
現実的な経営計画を立てることができます。
これにより、資金繰りや投資計画も立てやすくなります。
2. 価格設定の戦略
損益分岐点を理解することで、
製品やサービスの価格設定においても
戦略的な判断が可能になります。
例えば、価格を「10円」引き上げるた場合に
どれくらいの利益が生まれるのかや、
競合他社との価格競争の際にも、
どこまでなら下げても「利益」がでるのかなどを
計算できます。
3. コストの管理
損益分岐点を基に、固定費や変動費の管理が行いやすくなります。
コスト削減のための施策を講じる際、
「どの費用を削減」すれば損益分岐点を下げられるかを
シミュレーションすることができます。
これにより、効果的で根拠を持った経費削減が可能になり
企業の成長の妨げになるような経費削減を回避することが可能になります。
4. 売上のシミュレーション
損益分岐点を用いて、異なる売上シナリオを
シミュレーションすることができます。
例えば、売上が10%増加した場合や、逆に5%減少した場合や
仕入れ値を@1円下げた場合、家賃を10%下げたらなど
様々な場面を想定した利益状況を予測が可能になります。
5. 投資判断
新規事業や新製品の導入を検討する際、
損益分岐点を計算することで、
その事業がどの程度の売上を必要とするかを把握できます。
これにより、投資の妥当性を評価し、
投資リスクを最小限に抑えることができます。
6. その他
現在の売上高と損益分岐点売上高を比べることにより
あとどれくらいまで売上が下がっても赤字にならないかや
企業の安全性を示す数値の1つとして「安全余裕率」も
はじき出すことができます。
これらは、企業の営業活動、ようは「売上高」が
赤字になるまでどの程度余裕があるかを示しています。
(利益率を変えない。目標売上高達成のための
値引き販売はしない前提の話です)
また、「目標利益」を達成するための売上高の設定も可能です。
長期の視点で計画を立てる際、
現金の出入りは、不確実性が高いと言えますので
中・長期の計画策定には、こちらの方が適していると言えます。
収支分岐点と損益分岐点を活用した経営戦略
収支分岐点と損益分岐点は、
それぞれ単独で活用するだけでなく、
組み合わせて分析することで、より効果的な経営判断が可能になります。
明確な違いは「現金ベース」か「利益ベース」なのかであり
双方とも、実際の活用方法に大きな差異はみつかりません。
よって例えば、新規事業を立ち上げる場合、
損益分岐点分析で長期的な収益性を評価すると同時に、
収支分岐点分析で短期的な資金繰りの
安全性も確認する必要があります。
また、既存事業においても、
損益分岐点を下げるためのコスト削減や販売価格の見直しを行いながら、
収支分岐点を意識した資金管理を行うことで、
安定した経営基盤を築くことができます。
それぞれの指標の特徴を理解し、
適切に活用することで、企業は収益性と安全性を
両立させた経営を実現することができます。
兄弟(本物の兄弟です)で1つの「目標?」見つめてます
-
『誰でもわかる!収支分岐点売上高と損益分岐点売上高の計算方法 〜ブロックパズルで簡単算出〜』
2025.01.24
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にしたい」
そのために、一生懸命書き続けます。
では、スタート!
収支分岐点売上高と損益分岐点売上高の違い
収支分岐点売上高と損益分岐点売上高は、
どちらも企業の経営において重要な指標ですが、
残念ながら、文字を見ただけで
この先を読みたくなくなりますよね。
わかります。その気持ち。
web上には、検索すれば、説明がたくさん出てきます。
計算式も、簡便なものから、正式(複雑)なものまで
たくさん出てきます。
「こんなもん、いちいち、計算できるかい」と
思われた方のために、士業ではないからこそ書ける説明を書きます。
さらに、計算式ではない
「ブロックパズル」を使った算出方法まで公開します。
このブロックパズルなら、難しい計算なんかしなくても
「誰でも」必要な数字を出せるようになりますから
期待してください!
まず、大前提として
会社活動にかかる「費用」を
「固定費」と「変動費」に分けて下さい。
「固定費」や「変動費」ってなに?という方
以前のブログで何回も書いていますので
ご参照ください。
【決算書が劇的に変わる!】中小企業経営者必見!「生きた数字」で黒字経営へ! – (有)佐藤保険事務所
1. 定義
・ 収支分岐点売上高
収支分岐点売上高とは、企業の収支がプラスマイナスゼロになる売上高を指します。
つまり、全ての費用を回収できる売上高です。
全ての費用とは「固定費」「変動費」
それと、今回使う数字として銀行への「借金の返済額」
これも、確認しましょう。
あと、可能な限り「減価償却費」も決算書から拾っておきましょう。
もし、ここまでで既に、つまづいてしまった方は
私たちのような専門家の力をかりましょう。
一生ものの知識ですから、必ず、算出できるようにしましょう。
話を戻します。
収支分岐点売上高とは
「企業存続に最低限必要な売上高」と言えます。
事業活動を続けるのに必要な
人件費や家賃や仕入れ代金、そして、銀行への返済に
必要な金額です。
当然、月の売上は上下しますから
毎月、必要な売上高は変わります。
ある程度の現金を持っていて
月々の銀行への返済に支障がない場合は
年単位で必要な売上高を算出し、12で割ると
1か月平均の金額がわかります。
どうですか?
この数字「収支分岐点売上高」知りたくありませんか?
算出された売上高を「最低売上目標額」とし
超えたら、「枕を高くして眠る」
もう、心も体も会社も「健康経営」ですよね。
・ 損益分岐点売上高
こっちの言葉の方が聞いたことあるかなと思います。
損益分岐点売上高とは、企業が利益を「出し始める」売上高を指します。
要は、「この売上高を超えれば、それ以降の売り上げは
仕入れ代金(変動費)を差し引いた金額が全て「経常利益」
(プロや士業の方、細かなツッコミはしないでね)
ということになる大切な分岐点となる数字です。
どうですか?
知りたい数字だと思いませんか?
その目標数字を超えると「ウハウハ」状態になれる数字ですよ。
「こんな数字、必要ない」なんて経営者は、多分いないはずです。
「ウハウハになれる数字」だけですと
私が疑われそうですので、少しだけカッコよく言うと
「固定費をカバーできる売上高」ということになります。
2. 収支分岐点売上高と損益分岐点売上高の計算式
収支分岐点売上高
= (固定費 + 借入金返済額-減価償却費) ÷(1-法人税率)÷ 限界利益率
「・・・・・・・」
ここで、せっかくのブログ読者は、右上の「×」で
このページ閉じますよね。
なので、あえて「限界利益率」の解説はしません。
というよりも、ここで「誰でもわかるブロックパズル」
の登場です。
残念ながら、このページにExcelを張り付ける方法が
わかりませんので、以前と同じ手を使わせていただきます。(写真です)
この図形を使うと、難しいことぬきに
収支分岐点売上高が、誰でも簡単に出せるはずです。
使い方は、経営計画策定の基本ともいえる「逆算」です。
図形の一番右の「借入金返済額」からスタートです。
月々もしくは年間で銀行にいくら返しているか計算してください。
更に精度を高めたい、もしくは「多額の資産計上している生命保険」に
契約しているのなら、「生命保険の資産計上分」も
ここに入れてください。
プロの生命保険プラナーなら、契約時の設計書や決算書があれば
すぐに答えてくれますので聞いてみてください。
ここで、1つだけ「コツ」みたいなものをお伝えします。
それは
「万円単位程度の精度で数字を捉える」です。
数千円の数字のズレでは、通常の会社は倒産しません。
逆に慣れる前に、細かすぎる計算まですると
挫折してしまう確率が高まります。
慣れるまでは、「程よいゆるさ」でいきましょう。
(数字は四捨五入せずに、全て「切り上げ」しましょう)
(見本のものは、1000円単位となっておりますが気にせずに)
一番右の数字が埋まったら、そこから
減価償却費を引きます。
そうすると、絶対に稼がなくてはいけない「目標利益」が、わかります。
厳しめの計算をする場合は、減価償却費を勘案しないのも、お勧めです。
次に2つ目のブロックに行きます。
1つめの「最低目標利益」を「税引き故利益」に、そのままスライドします。
その金額に「法人税30%分」を足してやります。
計算式は 20万÷(1-0.3)≒28.6万円
法人税 28.6-20=8.6万円
これが「税引き前利益」となります。
3つ目のステップ
税引き前利益を一番左の「利益」にスライドします。
その金額に「固定費」をプラス
そうすると「限界利益」がでます。
この際、「限界利益ってなに?」の疑問は捨てましょう。
(写真の中の図形では限界利益と書いています。
専門家からのツッコミを減らすためだけです)
経営者や経営にとって必要な捉え方で言えば
「限界利益」=「粗利」と考えてください。
税理士などになるわけではない方は、これで十分。
いよいよ、最後の計算です。
先ほど出した「粗利」を「粗利率」で割り返してあげます。
昨年の決算書から売上を見つけてください。
あとは、簡単
粗利率は、78.6÷157.2=0.5
つまり、粗利率は50%
粗利率が出たら、今年度、最低必要な売上高を出すために
78.6÷0.5(50%)=157.2万円
「158万円」
これが今年度必要な「収支分岐点売上高」です。
言い換えます!
今年度で会社を終わりにしない「最低限の売上高」です。
で、ほとんどの情報はこれでおしまい。
こんな時代ですから、もっと実践的にします!
どう考えても、前年度より今年度の方が
変動費、いわゆる「仕入れ値」や「原価」て上がりそうですよね?
上げたいのは、やまやまですが「人件費」は前年並み。
これが多くの中小企業の現状だと思います。
そこで、例えば変動費が「10%アップ」し
60%と予測するなら
78.6÷0.4(40%)=196.5万円
「197万円」
このように調整してあげましょう。
目まぐるしく変わる現状を踏まえた
計算や計画を立てることにより
より現実の経営に役立つ数字になります。
次に
損益分岐点売上高
= 固定費 ÷ (1- 変動費率)
ここまで、読んでいただいた方々なら
この計算式は簡単ですよね。
(1- 変動費率)とは、
逆に考えれば「限界利益率」
私のページで言えば「粗利率」のことです。
先ほどの収支分岐点売上高を出す際に
既に出している数値ですので、当てはめればいいだけです。
書き直します
損益分岐点売上高
=固定費÷粗利率
ここまで書くと、専門家の方からツッコミが来そうですが
まずは、スタートを切るのが大切ですから
最初は、これでいいと思います。
慣れてきたら、徐々に精度を上げていきましょう。
でも、もっと簡単に求める方法があれます!
「web上に、たくさん計算ソフトあります」
ですから、計算式に対しての詳しい説明はしません。
信頼できる計算ソフトを使ってください!
いかがでしたか。
「役に立ちそうだな」という感覚を持ってもらえましたか?
次回は、事業を進めていくうえで
「収支分岐点売上高」と「損益分岐点売上高」を
どのように、いかせばいいのかをお伝えします。
今回のように、極力、専門用語を排除してお伝えします。
「だんだん見えてくる~」
「帰らない。まだ遊びたい。」こうやって「籠城」します
(熊に食われるぞーおい!)
2025.01.27

いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にしたい」
そのために、一生懸命書き続けます。
では、スタート!
前回のブログで「収支分岐点売上高」と「損益分岐点売上高」の
簡単な出し方について書きました。
https://sato-insurance.jp/blog/278/
今回は、計算した数字を、
実際の経営にどのように活かすかについて
書いていこうと思います。
「収支分岐点売上高」と「損益分岐点売上高」の
話の前に、よくある話をします。
「利益」と「現金」の違いです。
わかっている方は、飛ばして下さい。
よく経営者の口から出てくる言葉に
「利益は出ているんだけど、思ったように現金が増えない」
があります。
いわゆる「稼いだ金は、どこに行った?」です。
一言で言えば「利益と現金は違う」となってしまいますが
わかりやすく違いを書きます。
「利益」とは
企業が一定期間(多くは1年間)に得た収入(多くは売上)から、
経費や費用(変動費や固定費)を差し引いた残りの金額です。
これは、企業の経済活動の成果を示す指標であり、
損益計算書に書いてある数字です。
ここで大切なのは、利益は「金額」であり「指標」である
ということです。
言ってみれば「計算上の数字」ということです。
「現金」とは
現金は、企業が手元に持っている実際のお金を指します。
これは、銀行口座にある預金や、手元にある現金など、
すぐに使用できる資産です。
現金は、企業の流動性を示す重要な指標です。
もっと平たく言うと
格闘ゲームでいう「HP」つまり「残りの体力」のことです。
ゲームでも、HPが0になったらゲームオーバーですよね。
それと同じです。
ちなみに、「利益」が0になっても、
一般的な企業は、ゲームオーバーになりませんよね。
もっと言えば赤字になっても、ゲームオーバーとは
ならない方が多いはずです。
それは、実際の体力(HP)ではない証拠です。
ここだけ見ても、利益と現金は違うことがわかると思います。
この概念を踏まえた上で、読んでみてください。
1. 収支分岐点売上高:キャッシュフローの視点
収支分岐点売上高は、
企業の収入と支出が均衡する売上高を示します。
つまり、キャッシュの流入と流出が同額となり、
収支が「トントン」になっている状態を指します。
「トントン」と言えば聞こえはいいですが
実際の会社で言えば「顔が水面ギリギリ」
と言う方が正確だと思います。
すなわち「収支分岐点売上高」を下回った売上しか
上げれなかった場合「溺れる」ことになります。
特徴として
・ キャッシュフローに着目した数字
・ 資金ショートのリスクを把握できる
・ 短期的な経営判断に有効
・売上げ目標数字を立てる時に有効
実務での活用例
1. 経営戦略の策定
収支損益分岐点を把握することで、
企業はどの程度の売上が必要かを明確に理解できます。
これにより、価格設定や販売戦略を見直すことができます。
2. 投資判断
新しいプロジェクトや製品の導入を検討する際、
収支損益分岐点を計算することで、
そのプロジェクトが現金を生むかどうかを判断できます。
3. パフォーマンスのモニタリング
企業や商品のパフォーマンスをモニタリングできます。
原材料などが値上がりしている昨今
「本当の利益」言い換えると「現金」を生み出している
商品かどうかなどを知ることができます。
市場環境やコスト構造が変化が激しい今
この数値を把握することで迅速な対応が可能になります。
4. 価格戦略の見直し
製品やサービスの価格戦略を見直すことができます。
競合他社の価格や市場の需要に応じて、
価格を調整することで、利益を確保することが可能です。
2. 損益分岐点売上高:利益の視点
損益分岐点売上高は、売上高から費用を差し引いた
利益がゼロになる売上高を示します。
つまり、この売上高を超えると利益が生まれ、
下回ると損失が出るという、企業の収益力を示す指標です。
特徴として
・ 利益に着目した数字である
・ 企業の収益構造を把握できる
・ 長期的な経営戦略に有効である
実務での活用例
1. 経営計画の策定
損益分岐点を把握することで、企業は売上目標を設定しやすくなります。
例えば、固定費や変動費を考慮し、
どの程度の売上が必要かを明確にすることで、
現実的な経営計画を立てることができます。
これにより、資金繰りや投資計画も立てやすくなります。
2. 価格設定の戦略
損益分岐点を理解することで、
製品やサービスの価格設定においても
戦略的な判断が可能になります。
例えば、価格を「10円」引き上げるた場合に
どれくらいの利益が生まれるのかや、
競合他社との価格競争の際にも、
どこまでなら下げても「利益」がでるのかなどを
計算できます。
3. コストの管理
損益分岐点を基に、固定費や変動費の管理が行いやすくなります。
コスト削減のための施策を講じる際、
「どの費用を削減」すれば損益分岐点を下げられるかを
シミュレーションすることができます。
これにより、効果的で根拠を持った経費削減が可能になり
企業の成長の妨げになるような経費削減を回避することが可能になります。
4. 売上のシミュレーション
損益分岐点を用いて、異なる売上シナリオを
シミュレーションすることができます。
例えば、売上が10%増加した場合や、逆に5%減少した場合や
仕入れ値を@1円下げた場合、家賃を10%下げたらなど
様々な場面を想定した利益状況を予測が可能になります。
5. 投資判断
新規事業や新製品の導入を検討する際、
損益分岐点を計算することで、
その事業がどの程度の売上を必要とするかを把握できます。
これにより、投資の妥当性を評価し、
投資リスクを最小限に抑えることができます。
6. その他
現在の売上高と損益分岐点売上高を比べることにより
あとどれくらいまで売上が下がっても赤字にならないかや
企業の安全性を示す数値の1つとして「安全余裕率」も
はじき出すことができます。
これらは、企業の営業活動、ようは「売上高」が
赤字になるまでどの程度余裕があるかを示しています。
(利益率を変えない。目標売上高達成のための
値引き販売はしない前提の話です)
また、「目標利益」を達成するための売上高の設定も可能です。
長期の視点で計画を立てる際、
現金の出入りは、不確実性が高いと言えますので
中・長期の計画策定には、こちらの方が適していると言えます。
収支分岐点と損益分岐点を活用した経営戦略
収支分岐点と損益分岐点は、
それぞれ単独で活用するだけでなく、
組み合わせて分析することで、より効果的な経営判断が可能になります。
明確な違いは「現金ベース」か「利益ベース」なのかであり
双方とも、実際の活用方法に大きな差異はみつかりません。
よって例えば、新規事業を立ち上げる場合、
損益分岐点分析で長期的な収益性を評価すると同時に、
収支分岐点分析で短期的な資金繰りの
安全性も確認する必要があります。
また、既存事業においても、
損益分岐点を下げるためのコスト削減や販売価格の見直しを行いながら、
収支分岐点を意識した資金管理を行うことで、
安定した経営基盤を築くことができます。
それぞれの指標の特徴を理解し、
適切に活用することで、企業は収益性と安全性を
両立させた経営を実現することができます。
兄弟(本物の兄弟です)で1つの「目標?」見つめてます
2025.01.24

いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にしたい」
そのために、一生懸命書き続けます。
では、スタート!
収支分岐点売上高と損益分岐点売上高の違い
収支分岐点売上高と損益分岐点売上高は、
どちらも企業の経営において重要な指標ですが、
残念ながら、文字を見ただけで
この先を読みたくなくなりますよね。
わかります。その気持ち。
web上には、検索すれば、説明がたくさん出てきます。
計算式も、簡便なものから、正式(複雑)なものまで
たくさん出てきます。
「こんなもん、いちいち、計算できるかい」と
思われた方のために、士業ではないからこそ書ける説明を書きます。
さらに、計算式ではない
「ブロックパズル」を使った算出方法まで公開します。
このブロックパズルなら、難しい計算なんかしなくても
「誰でも」必要な数字を出せるようになりますから
期待してください!
まず、大前提として
会社活動にかかる「費用」を
「固定費」と「変動費」に分けて下さい。
「固定費」や「変動費」ってなに?という方
以前のブログで何回も書いていますので
ご参照ください。
【決算書が劇的に変わる!】中小企業経営者必見!「生きた数字」で黒字経営へ! – (有)佐藤保険事務所
1. 定義
・ 収支分岐点売上高
収支分岐点売上高とは、企業の収支がプラスマイナスゼロになる売上高を指します。
つまり、全ての費用を回収できる売上高です。
全ての費用とは「固定費」「変動費」
それと、今回使う数字として銀行への「借金の返済額」
これも、確認しましょう。
あと、可能な限り「減価償却費」も決算書から拾っておきましょう。
もし、ここまでで既に、つまづいてしまった方は
私たちのような専門家の力をかりましょう。
一生ものの知識ですから、必ず、算出できるようにしましょう。
話を戻します。
収支分岐点売上高とは
「企業存続に最低限必要な売上高」と言えます。
事業活動を続けるのに必要な
人件費や家賃や仕入れ代金、そして、銀行への返済に
必要な金額です。
当然、月の売上は上下しますから
毎月、必要な売上高は変わります。
ある程度の現金を持っていて
月々の銀行への返済に支障がない場合は
年単位で必要な売上高を算出し、12で割ると
1か月平均の金額がわかります。
どうですか?
この数字「収支分岐点売上高」知りたくありませんか?
算出された売上高を「最低売上目標額」とし
超えたら、「枕を高くして眠る」
もう、心も体も会社も「健康経営」ですよね。
・ 損益分岐点売上高
こっちの言葉の方が聞いたことあるかなと思います。
損益分岐点売上高とは、企業が利益を「出し始める」売上高を指します。
要は、「この売上高を超えれば、それ以降の売り上げは
仕入れ代金(変動費)を差し引いた金額が全て「経常利益」
(プロや士業の方、細かなツッコミはしないでね)
ということになる大切な分岐点となる数字です。
どうですか?
知りたい数字だと思いませんか?
その目標数字を超えると「ウハウハ」状態になれる数字ですよ。
「こんな数字、必要ない」なんて経営者は、多分いないはずです。
「ウハウハになれる数字」だけですと
私が疑われそうですので、少しだけカッコよく言うと
「固定費をカバーできる売上高」ということになります。
2. 収支分岐点売上高と損益分岐点売上高の計算式
収支分岐点売上高
= (固定費 + 借入金返済額-減価償却費) ÷(1-法人税率)÷ 限界利益率
「・・・・・・・」
ここで、せっかくのブログ読者は、右上の「×」で
このページ閉じますよね。
なので、あえて「限界利益率」の解説はしません。
というよりも、ここで「誰でもわかるブロックパズル」
の登場です。
残念ながら、このページにExcelを張り付ける方法が
わかりませんので、以前と同じ手を使わせていただきます。(写真です)
この図形を使うと、難しいことぬきに
収支分岐点売上高が、誰でも簡単に出せるはずです。
使い方は、経営計画策定の基本ともいえる「逆算」です。
図形の一番右の「借入金返済額」からスタートです。
月々もしくは年間で銀行にいくら返しているか計算してください。
更に精度を高めたい、もしくは「多額の資産計上している生命保険」に
契約しているのなら、「生命保険の資産計上分」も
ここに入れてください。
プロの生命保険プラナーなら、契約時の設計書や決算書があれば
すぐに答えてくれますので聞いてみてください。
ここで、1つだけ「コツ」みたいなものをお伝えします。
それは
「万円単位程度の精度で数字を捉える」です。
数千円の数字のズレでは、通常の会社は倒産しません。
逆に慣れる前に、細かすぎる計算まですると
挫折してしまう確率が高まります。
慣れるまでは、「程よいゆるさ」でいきましょう。
(数字は四捨五入せずに、全て「切り上げ」しましょう)
(見本のものは、1000円単位となっておりますが気にせずに)
一番右の数字が埋まったら、そこから
減価償却費を引きます。
そうすると、絶対に稼がなくてはいけない「目標利益」が、わかります。
厳しめの計算をする場合は、減価償却費を勘案しないのも、お勧めです。
次に2つ目のブロックに行きます。
1つめの「最低目標利益」を「税引き故利益」に、そのままスライドします。
その金額に「法人税30%分」を足してやります。
計算式は 20万÷(1-0.3)≒28.6万円
法人税 28.6-20=8.6万円
これが「税引き前利益」となります。
3つ目のステップ
税引き前利益を一番左の「利益」にスライドします。
その金額に「固定費」をプラス
そうすると「限界利益」がでます。
この際、「限界利益ってなに?」の疑問は捨てましょう。
(写真の中の図形では限界利益と書いています。
専門家からのツッコミを減らすためだけです)
経営者や経営にとって必要な捉え方で言えば
「限界利益」=「粗利」と考えてください。
税理士などになるわけではない方は、これで十分。
いよいよ、最後の計算です。
先ほど出した「粗利」を「粗利率」で割り返してあげます。
昨年の決算書から売上を見つけてください。
あとは、簡単
粗利率は、78.6÷157.2=0.5
つまり、粗利率は50%
粗利率が出たら、今年度、最低必要な売上高を出すために
78.6÷0.5(50%)=157.2万円
「158万円」
これが今年度必要な「収支分岐点売上高」です。
言い換えます!
今年度で会社を終わりにしない「最低限の売上高」です。
で、ほとんどの情報はこれでおしまい。
こんな時代ですから、もっと実践的にします!
どう考えても、前年度より今年度の方が
変動費、いわゆる「仕入れ値」や「原価」て上がりそうですよね?
上げたいのは、やまやまですが「人件費」は前年並み。
これが多くの中小企業の現状だと思います。
そこで、例えば変動費が「10%アップ」し
60%と予測するなら
78.6÷0.4(40%)=196.5万円
「197万円」
このように調整してあげましょう。
目まぐるしく変わる現状を踏まえた
計算や計画を立てることにより
より現実の経営に役立つ数字になります。
次に
損益分岐点売上高
= 固定費 ÷ (1- 変動費率)
ここまで、読んでいただいた方々なら
この計算式は簡単ですよね。
(1- 変動費率)とは、
逆に考えれば「限界利益率」
私のページで言えば「粗利率」のことです。
先ほどの収支分岐点売上高を出す際に
既に出している数値ですので、当てはめればいいだけです。
書き直します
損益分岐点売上高
=固定費÷粗利率
ここまで書くと、専門家の方からツッコミが来そうですが
まずは、スタートを切るのが大切ですから
最初は、これでいいと思います。
慣れてきたら、徐々に精度を上げていきましょう。
でも、もっと簡単に求める方法があれます!
「web上に、たくさん計算ソフトあります」
ですから、計算式に対しての詳しい説明はしません。
信頼できる計算ソフトを使ってください!
いかがでしたか。
「役に立ちそうだな」という感覚を持ってもらえましたか?
次回は、事業を進めていくうえで
「収支分岐点売上高」と「損益分岐点売上高」を
どのように、いかせばいいのかをお伝えします。
今回のように、極力、専門用語を排除してお伝えします。
「だんだん見えてくる~」
「帰らない。まだ遊びたい。」こうやって「籠城」します
(熊に食われるぞーおい!)