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有限会社佐藤保険事務所

2025.01.27ブログ

『収支分岐点と損益分岐点の実務活用法 〜現金と利益の視点から見る経営戦略〜』

いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。

地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にしたい」

そのために、一生懸命書き続けます。

では、スタート!

 

前回のブログで「収支分岐点売上高」と「損益分岐点売上高」の

簡単な出し方について書きました。

https://sato-insurance.jp/blog/278/

今回は、計算した数字を、

実際の経営にどのように活かすかについて

書いていこうと思います。

 

「収支分岐点売上高」と「損益分岐点売上高」の

話の前に、よくある話をします。

「利益」と「現金」の違いです。

わかっている方は、飛ばして下さい。

 

よく経営者の口から出てくる言葉に

「利益は出ているんだけど、思ったように現金が増えない」

があります。

いわゆる「稼いだ金は、どこに行った?」です。

一言で言えば「利益と現金は違う」となってしまいますが

わかりやすく違いを書きます。

 

「利益」とは

企業が一定期間(多くは1年間)に得た収入(多くは売上)から、

経費や費用(変動費や固定費)を差し引いた残りの金額です。

これは、企業の経済活動の成果を示す指標であり、

損益計算書に書いてある数字です。

 

ここで大切なのは、利益は「金額」であり「指標」である

ということです。

言ってみれば「計算上の数字」ということです。

 

 

「現金」とは

現金は、企業が手元に持っている実際のお金を指します。

これは、銀行口座にある預金や、手元にある現金など、

すぐに使用できる資産です。

現金は、企業の流動性を示す重要な指標です。

 

もっと平たく言うと

格闘ゲームでいう「HP」つまり「残りの体力」のことです。

ゲームでも、HPが0になったらゲームオーバーですよね。

それと同じです。

 

ちなみに、「利益」が0になっても、

一般的な企業は、ゲームオーバーになりませんよね。

もっと言えば赤字になっても、ゲームオーバーとは

ならない方が多いはずです。

それは、実際の体力(HP)ではない証拠です

ここだけ見ても、利益と現金は違うことがわかると思います。

この概念を踏まえた上で、読んでみてください。

 

 

 

1.  収支分岐点売上高:キャッシュフローの視点

 

収支分岐点売上高は、

企業の収入と支出が均衡する売上高を示します。

つまり、キャッシュの流入と流出が同額となり、

収支が「トントン」になっている状態を指します。

「トントン」と言えば聞こえはいいですが

実際の会社で言えば「顔が水面ギリギリ」

と言う方が正確だと思います。

すなわち「収支分岐点売上高」を下回った売上しか

上げれなかった場合「溺れる」ことになります。

 

特徴として

・ キャッシュフローに着目した数字

・ 資金ショートのリスクを把握できる

・ 短期的な経営判断に有効

・売上げ目標数字を立てる時に有効

 

 

実務での活用例

 

1. 経営戦略の策定

収支損益分岐点を把握することで、

企業はどの程度の売上が必要かを明確に理解できます。

これにより、価格設定や販売戦略を見直すことができます。

 

2. 投資判断

新しいプロジェクトや製品の導入を検討する際、

収支損益分岐点を計算することで、

そのプロジェクトが現金を生むかどうかを判断できます。

 

3. パフォーマンスのモニタリング

企業や商品のパフォーマンスをモニタリングできます。

原材料などが値上がりしている昨今

「本当の利益」言い換えると「現金」を生み出している

商品かどうかなどを知ることができます。

市場環境やコスト構造が変化が激しい今

この数値を把握することで迅速な対応が可能になります。

 

4. 価格戦略の見直し

製品やサービスの価格戦略を見直すことができます。

競合他社の価格や市場の需要に応じて、

価格を調整することで、利益を確保することが可能です。

 

 

2. 損益分岐点売上高:利益の視点

 

損益分岐点売上高は、売上高から費用を差し引いた

利益がゼロになる売上高を示します。

つまり、この売上高を超えると利益が生まれ、

下回ると損失が出るという、企業の収益力を示す指標です。

 

特徴として

 

・ 利益に着目した数字である

・ 企業の収益構造を把握できる

・ 長期的な経営戦略に有効である

 

実務での活用例

 

1. 経営計画の策定

損益分岐点を把握することで、企業は売上目標を設定しやすくなります。

例えば、固定費や変動費を考慮し、

どの程度の売上が必要かを明確にすることで、

現実的な経営計画を立てることができます。

これにより、資金繰りや投資計画も立てやすくなります。

 

2. 価格設定の戦略

損益分岐点を理解することで、

製品やサービスの価格設定においても

戦略的な判断が可能になります。

例えば、価格を「10円」引き上げるた場合に

どれくらいの利益が生まれるのかや、

競合他社との価格競争の際にも、

どこまでなら下げても「利益」がでるのかなどを

計算できます。

 

3. コストの管理

損益分岐点を基に、固定費や変動費の管理が行いやすくなります。

コスト削減のための施策を講じる際、

「どの費用を削減」すれば損益分岐点を下げられるかを

シミュレーションすることができます。

これにより、効果的で根拠を持った経費削減が可能になり

企業の成長の妨げになるような経費削減を回避することが可能になります。

 

4. 売上のシミュレーション

損益分岐点を用いて、異なる売上シナリオを

シミュレーションすることができます。

例えば、売上が10%増加した場合や、逆に5%減少した場合や

仕入れ値を@1円下げた場合、家賃を10%下げたらなど

様々な場面を想定した利益状況を予測が可能になります。

 

5. 投資判断

新規事業や新製品の導入を検討する際、

損益分岐点を計算することで、

その事業がどの程度の売上を必要とするかを把握できます。

これにより、投資の妥当性を評価し、

投資リスクを最小限に抑えることができます。

 

6. その他

現在の売上高と損益分岐点売上高を比べることにより

あとどれくらいまで売上が下がっても赤字にならないかや

企業の安全性を示す数値の1つとして「安全余裕率」

はじき出すことができます。

これらは、企業の営業活動、ようは「売上高」が

赤字になるまでどの程度余裕があるかを示しています。

(利益率を変えない。目標売上高達成のための

値引き販売はしない前提の話です)

また、「目標利益」を達成するための売上高の設定も可能です。

長期の視点で計画を立てる際、

現金の出入りは、不確実性が高いと言えますので

中・長期の計画策定には、こちらの方が適していると言えます。

 

 

収支分岐点と損益分岐点を活用した経営戦略

 

収支分岐点と損益分岐点は、

それぞれ単独で活用するだけでなく、

組み合わせて分析することで、より効果的な経営判断が可能になります。

明確な違いは「現金ベース」か「利益ベース」なのかであり

双方とも、実際の活用方法に大きな差異はみつかりません。

 

よって例えば、新規事業を立ち上げる場合、

損益分岐点分析で長期的な収益性を評価すると同時に、

収支分岐点分析で短期的な資金繰りの

安全性も確認する必要があります。

また、既存事業においても、

損益分岐点を下げるためのコスト削減や販売価格の見直しを行いながら、

収支分岐点を意識した資金管理を行うことで、

安定した経営基盤を築くことができます。

それぞれの指標の特徴を理解し、

適切に活用することで、企業は収益性と安全性を

両立させた経営を実現することができます。

 

 

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