2025.01.24ブログ
『誰でもわかる!収支分岐点売上高と損益分岐点売上高の計算方法 〜ブロックパズルで簡単算出〜』
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にしたい」
そのために、一生懸命書き続けます。
では、スタート!
収支分岐点売上高と損益分岐点売上高の違い
収支分岐点売上高と損益分岐点売上高は、
どちらも企業の経営において重要な指標ですが、
残念ながら、文字を見ただけで
この先を読みたくなくなりますよね。
わかります。その気持ち。
web上には、検索すれば、説明がたくさん出てきます。
計算式も、簡便なものから、正式(複雑)なものまで
たくさん出てきます。
「こんなもん、いちいち、計算できるかい」と
思われた方のために、士業ではないからこそ書ける説明を書きます。
さらに、計算式ではない
「ブロックパズル」を使った算出方法まで公開します。
このブロックパズルなら、難しい計算なんかしなくても
「誰でも」必要な数字を出せるようになりますから
期待してください!
まず、大前提として
会社活動にかかる「費用」を
「固定費」と「変動費」に分けて下さい。
「固定費」や「変動費」ってなに?という方
以前のブログで何回も書いていますので
ご参照ください。
【決算書が劇的に変わる!】中小企業経営者必見!「生きた数字」で黒字経営へ! – (有)佐藤保険事務所
1. 定義
・ 収支分岐点売上高
収支分岐点売上高とは、企業の収支がプラスマイナスゼロになる売上高を指します。
つまり、全ての費用を回収できる売上高です。
全ての費用とは「固定費」「変動費」
それと、今回使う数字として銀行への「借金の返済額」
これも、確認しましょう。
あと、可能な限り「減価償却費」も決算書から拾っておきましょう。
もし、ここまでで既に、つまづいてしまった方は
私たちのような専門家の力をかりましょう。
一生ものの知識ですから、必ず、算出できるようにしましょう。
話を戻します。
収支分岐点売上高とは
「企業存続に最低限必要な売上高」と言えます。
事業活動を続けるのに必要な
人件費や家賃や仕入れ代金、そして、銀行への返済に
必要な金額です。
当然、月の売上は上下しますから
毎月、必要な売上高は変わります。
ある程度の現金を持っていて
月々の銀行への返済に支障がない場合は
年単位で必要な売上高を算出し、12で割ると
1か月平均の金額がわかります。
どうですか?
この数字「収支分岐点売上高」知りたくありませんか?
算出された売上高を「最低売上目標額」とし
超えたら、「枕を高くして眠る」
もう、心も体も会社も「健康経営」ですよね。
・ 損益分岐点売上高
こっちの言葉の方が聞いたことあるかなと思います。
損益分岐点売上高とは、企業が利益を「出し始める」売上高を指します。
要は、「この売上高を超えれば、それ以降の売り上げは
仕入れ代金(変動費)を差し引いた金額が全て「経常利益」
(プロや士業の方、細かなツッコミはしないでね)
ということになる大切な分岐点となる数字です。
どうですか?
知りたい数字だと思いませんか?
その目標数字を超えると「ウハウハ」状態になれる数字ですよ。
「こんな数字、必要ない」なんて経営者は、多分いないはずです。
「ウハウハになれる数字」だけですと
私が疑われそうですので、少しだけカッコよく言うと
「固定費をカバーできる売上高」ということになります。
2. 収支分岐点売上高と損益分岐点売上高の計算式
収支分岐点売上高
= (固定費 + 借入金返済額-減価償却費) ÷(1-法人税率)÷ 限界利益率
「・・・・・・・」
ここで、せっかくのブログ読者は、右上の「×」で
このページ閉じますよね。
なので、あえて「限界利益率」の解説はしません。
というよりも、ここで「誰でもわかるブロックパズル」
の登場です。
残念ながら、このページにExcelを張り付ける方法が
わかりませんので、以前と同じ手を使わせていただきます。(写真です)
この図形を使うと、難しいことぬきに
収支分岐点売上高が、誰でも簡単に出せるはずです。
使い方は、経営計画策定の基本ともいえる「逆算」です。
図形の一番右の「借入金返済額」からスタートです。
月々もしくは年間で銀行にいくら返しているか計算してください。
更に精度を高めたい、もしくは「多額の資産計上している生命保険」に
契約しているのなら、「生命保険の資産計上分」も
ここに入れてください。
プロの生命保険プラナーなら、契約時の設計書や決算書があれば
すぐに答えてくれますので聞いてみてください。
ここで、1つだけ「コツ」みたいなものをお伝えします。
それは
「万円単位程度の精度で数字を捉える」です。
数千円の数字のズレでは、通常の会社は倒産しません。
逆に慣れる前に、細かすぎる計算まですると
挫折してしまう確率が高まります。
慣れるまでは、「程よいゆるさ」でいきましょう。
(数字は四捨五入せずに、全て「切り上げ」しましょう)
(見本のものは、1000円単位となっておりますが気にせずに)
一番右の数字が埋まったら、そこから
減価償却費を引きます。
そうすると、絶対に稼がなくてはいけない「目標利益」が、わかります。
厳しめの計算をする場合は、減価償却費を勘案しないのも、お勧めです。
次に2つ目のブロックに行きます。
1つめの「最低目標利益」を「税引き故利益」に、そのままスライドします。
その金額に「法人税30%分」を足してやります。
計算式は 20万÷(1-0.3)≒28.6万円
法人税 28.6-20=8.6万円
これが「税引き前利益」となります。
3つ目のステップ
税引き前利益を一番左の「利益」にスライドします。
その金額に「固定費」をプラス
そうすると「限界利益」がでます。
この際、「限界利益ってなに?」の疑問は捨てましょう。
(写真の中の図形では限界利益と書いています。
専門家からのツッコミを減らすためだけです)
経営者や経営にとって必要な捉え方で言えば
「限界利益」=「粗利」と考えてください。
税理士などになるわけではない方は、これで十分。
いよいよ、最後の計算です。
先ほど出した「粗利」を「粗利率」で割り返してあげます。
昨年の決算書から売上を見つけてください。
あとは、簡単
粗利率は、78.6÷157.2=0.5
つまり、粗利率は50%
粗利率が出たら、今年度、最低必要な売上高を出すために
78.6÷0.5(50%)=157.2万円
「158万円」
これが今年度必要な「収支分岐点売上高」です。
言い換えます!
今年度で会社を終わりにしない「最低限の売上高」です。
で、ほとんどの情報はこれでおしまい。
こんな時代ですから、もっと実践的にします!
どう考えても、前年度より今年度の方が
変動費、いわゆる「仕入れ値」や「原価」て上がりそうですよね?
上げたいのは、やまやまですが「人件費」は前年並み。
これが多くの中小企業の現状だと思います。
そこで、例えば変動費が「10%アップ」し
60%と予測するなら
78.6÷0.4(40%)=196.5万円
「197万円」
このように調整してあげましょう。
目まぐるしく変わる現状を踏まえた
計算や計画を立てることにより
より現実の経営に役立つ数字になります。
次に
損益分岐点売上高
= 固定費 ÷ (1- 変動費率)
ここまで、読んでいただいた方々なら
この計算式は簡単ですよね。
(1- 変動費率)とは、
逆に考えれば「限界利益率」
私のページで言えば「粗利率」のことです。
先ほどの収支分岐点売上高を出す際に
既に出している数値ですので、当てはめればいいだけです。
書き直します
損益分岐点売上高
=固定費÷粗利率
ここまで書くと、専門家の方からツッコミが来そうですが
まずは、スタートを切るのが大切ですから
最初は、これでいいと思います。
慣れてきたら、徐々に精度を上げていきましょう。
でも、もっと簡単に求める方法があれます!
「web上に、たくさん計算ソフトあります」
ですから、計算式に対しての詳しい説明はしません。
信頼できる計算ソフトを使ってください!
いかがでしたか。
「役に立ちそうだな」という感覚を持ってもらえましたか?
次回は、事業を進めていくうえで
「収支分岐点売上高」と「損益分岐点売上高」を
どのように、いかせばいいのかをお伝えします。
今回のように、極力、専門用語を排除してお伝えします。
「だんだん見えてくる~」
「帰らない。まだ遊びたい。」こうやって「籠城」します
(熊に食われるぞーおい!)
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