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部下は「指示」では動かない。「問いかけ」で主体性を引き出す令和時代の新リーダーシップ
2025.09.10
さて、昨日は現代の若者が求めている「相談型」の人材育成について
その基礎となる考え方を書きました。
本稿は実践編ですが、前回の記事では『信頼関係の構築が全ての土台である』という考え方について解説しました。
本稿だけでもご理解いただけますが、合わせてお読みいただくとより効果的です。
https://sato-insurance.jp/blog/1003/
忙しいあなたへ。1分で読める要約文
現代の若手社員(20〜30代)は「納得感」を重視し、
一方的な指示ではなく目的を理解した上で自ら考えて動くことにやりがいを感じます。
彼らの主体性を引き出すには、マネジメントスタイルを「指示」から「対話」へとアップデートする必要があります。
その鍵となるのが「問いかけ」です。効果的な問いかけは、まず「感情」に触れることから始めます。
「この仕事は楽しい?」「不安はない?」といった感情への問いかけから入り、
次に「あなたならどうする?」という思考を促す質問へと進みます。この順序が重要です。
問いかけを職場文化として根付かせるための3ステップは:
1.部下の話を急かさず、まず3分間真剣に「聴く」
2.仕事の目的と基本ルールだけを伝え、手段は「任せる」
3.質問後、すぐに答えやアドバイスせず、相手の言葉を「待つ」
この「問いかけ」アプローチにより、若手社員の思考力が育ち、自発的な行動が増え、チーム内の信頼関係が深まります。
最初の一歩として、明日から「仕事は楽しい?」「どこから始められそう?」「改善点は?」といった問いかけを試してみましょう。
部下の表情の変化こそが、あなたのチームの未来を映す鏡です。
本文
【若手が動かない】「指示待ち部下」が自ら動き出す【問いかけ】の技術
「最近の若手は受け身で困る…」「もっと主体的に動いてほしいのに、言われたことしかやらない…」
多くの経営者や管理職が、このような悩みを抱えています。
しかし、それは本当に若手社員だけの問題なのでしょうか。
もしかすると、彼らに主体性がないのではなく、
あなたの職場に「主体性を発揮できる場」がないだけなのかもしれません。
なぜ、あなたの部下は「指示待ち」になってしまうのか?
かつては「背中を見て学べ」「言われたことを正確にやるのが仕事だ」という価値観が当たり前でした。
しかし、今の20〜30代は「納得感」を何よりも重視します。
一方的に命令されるのではなく、目的を理解し、
自分で考えて動くことにやりがいを感じる世代なのです。
つまり、これからのリーダーに求められるのは、
コミュニケーションのあり方を「指示」から「対話」へとアップデートすること。
その鍵こそが「問いかけ」なのです。
主体性を引き出す魔法のスイッチ、「問いかけ」とは?
会議などの場で、経験の少ない若手社員は
「こんなこと言ったら、なんて思われるだろう」「笑われるんじゃないだろうか」
という感情を抱いてしまいがちです。
ですから、決して否定せず、まずは全てを受け止める姿勢や空気を作りましょう。
「何を言っても、笑われないんだ」「経験の差抜きに、意見を聞いてもらえるんだ」
という安心感や信頼感の醸成はとても大切です。
その上で、部下に「やれ」と命令する代わりに、「考えるきっかけ」を渡します。
これだけで、若手社員や社内の空気は驚くほど変わります。
<問いかけの具体例>
「どうだい?この仕事(プロジェクト)、楽しい?」
「この仕事(プロジェクト)を進めるうえで、不安や悩みはない?」
「あなたなら、どんなやり方を試してみたい?」
「その方法がベストだと考えた理由は?」
こうした問いを投げかけることで、
部下は「自分の頭で考えていいんだ」「意見を持っていいんだ」と安心し、思考が回り始めます。
ここで、間違ってはいけないポイントは「話す順番」です
実は上の4つのセリフですが、適当に並べているわけではありません。
「楽しい」「不安」といったような「感情」を問うことから始めています。
ここがポイントの1つです。
昭和世代の私たちに対するマネジメントは「行動」に対するものでした。
私のサラリーマン時代でいうと
理由や意味も伝えられず「1日最低50件の飛び込みをしろ」と。
もちろん、大量行動は、成功へ近づくための手段の1つですから
それ自体は、決して間違っているわけではありません。
しかし、現代の人たちはそのような「体育会系」の教育を受けていません。
昭和世代と比べると「頭脳派」なのです。
とはいえ人間は理論や理屈だけでは、動きません。
「あの人、好み!」⇒「どうやったら話しかけれるだろう?」⇒「こうやってみよう!」
恋愛に限らず、ほぼ全ての行動は、このような流れで行われているはずです。
ですから、まずは「感情をマネジメントする」
実は、行動を起こしてほしければ、感情を動かすことが近道なのです。
「問いかけ」がもたらす3つの効果
1.思考力が育つ
2.自発的な行動が増える
3.チームの信頼が深まる
データも証明「採用」と同じくらい重要な「育成」という課題
中小企業基盤整備機構の調査(2025年3月発表)では、
人手不足の要因として「人材確保・採用(63.3%)」に次いで、
「人材育成(49.1%)」が挙げられています。
採用と同じかそれ以上に、「採用した人材をいかに育てるか」が、企業の未来を左右するのです。
【実践編】「問いの文化」を職場に根づかせる3つのステップ
では、具体的にどうすれば「問いの文化」は根付くのでしょうか。
明日から意識できる3つのステップをご紹介します。
ステップ1:『聴く』を選ぶ
部下が話し始めたら、結論を急がさずに、まず3分間、真剣に耳を傾けてみましょう。
ステップ2:『任せる』を決める
仕事の「目的」と「決まり」だけを明確に伝え、具体的な「手段」は本人に任せてみましょう。
ステップ3:『待つ』を習慣にする
問いを投げかけたら、すぐに答えやアドバイスをせず、
相手が自分の言葉で話し始めるのをじっと待ってみましょう。
「自分でやったほうが早い」という気持ちを一度、脇に置いてみてください。
待つ時間は、未来へのリターンが大きい「人への投資」と考えましょう。
お金もかからない、最高の投資ですよね。
経営者の覚悟が、若手の挑戦に火をつける
リーダーが「話す」ことよりも「聴く」ことを選び、
「教える」ことよりも「引き出す」ことを大切にする。
これは簡単なようで、実は大きな意識改革であり、決断です。
ましてや、はじめは双方とも違和感すら覚えますし、企業文化として根付くには
時間が必要となります。
しかし、この一歩を踏み出したリーダーのもとから、若い力が躍動し、未来が創られていきます。
最後に 〜あなたのチームを変えるための第一歩〜
この記事を読んで、何から始めればいいか迷うかもしれません。
まずは、以下の「3つの問い」の中から一つだけ選び、明日の朝礼や1on1で使ってみませんか?
「最近仕事は、楽しい?困っていることはないかい?」
「その問題、最初の一歩として、何から始められそう?」
「一度やってみてどうだった?どこか改善できそうなところないかな?」
そして、最後にあなた自身に問いかけてみてください。
あなたの「問いかけ」を聞くとき、部下はどんな表情をしていますか?
その表情こそが、あなたのチームの未来を映す鏡なのかもしれません。
この記事で紹介した問いかけは、あくまでチームを変える第一歩です。
あなたの組織に合わせた、より具体的な育成プランにご興味があれば、
トップページ右上より、お気軽にご相談ください。
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命令は止まり、問いは動かす――新時代のリーダーシップ 合言葉は「どう思う?」
2025.09.09
忙しい「あなた」へ 1分で読める要約文
経営者・リーダーの関心は「どう伝えるか」「同じ方向を向いてもらうか」。
本稿は質問と言葉を使うコーチングで若手育成や採用に活かす方法を述べる。
地方紙の話題:高校生は「給与より居心地」「指示より相談型」を重視。
相談型とは「こうしろ」ではなく「どう思う?」「あなたなら?」と問い、本人に考えさせること。
だが実践は難しく、相手が詰まると教える(ティーチング)に戻りがちで、相談者は「理解されていない」と感じやすい。
失敗例:失恋相手へ「大丈夫、もっといい人がいる」は励ましのつもりが否定に聞こえ逆効果になることがある。
まず相手の感情に寄り添う姿勢が重要。
コーチングの基本:信頼・感情・論理のバランス
信頼(土台)
専門性/誠実さ(言行一致・約束遵守)/好意・共通点で「この人なら」と思ってもらう。
感情(エンジン)
共感、物語、情熱で心を動かす。数字の号令だけでは人は動かない。ダイエットの例のように「なりたい姿」への共感が推進力。
論理(道しるべ)
理由・証拠・一貫性で安心して行動できる状態に。未来のイメージ(ワクワク)も効果的。
まとめ
人を動かすのは力ではなく、相手の心が自発的に動く場づくり。
信頼を築き、感情でエンジンをかけ、論理で道筋を示す。
質問と言葉を上手に使い、**「指導・強制」より「相談・自主性」**の関係を目指そう。
本文
経営をしていたり、チームを率いていたりすると、
「どうやったら相手に伝わるかな?」「同じ方向を向いてもらうには?」
そんなことを考える機会、きっと多いはず。
今日は、「質問」と「言葉」を使った「コーチング」による
若手人材の育成、ひいては採用時にも役立つ方法について書こうと思う。
本稿が、ジェネレーションギャップや指導方法に悩む方々の参考になればうれしいです。
先日、地元地方紙の記事に
「高校生の地元就職促進を」と題した記事が出ていた。
地元企業と高校の先生が意見交換したそうです。
記事によると、最近の高校生は
1. 給与より居心地
2. 「指示」よりも「相談型」の指導方法
傾向として、このようなことが大切で
「上の世代からの歩み寄りも大事」との声が企業側から出たそうです。
「給与よりも居心地」
具体的に居心地の示すものが何なのかが、私にはわかりませんが
ようは、人間関係や職場の雰囲気まで含めた
「労働環境」がいいということなのだろうと思う。
「指示」よりも「相談」するような伝え方が求められている
相談型とは、一体何なのか、私には全く理解できなかった。
よくよく考えた結果、昭和世代が若いころ言われてきた
「こうしろ!」とか「こうだ!」ではなく
「どう思う?」とか「あなたなら、どうする?」という
「問いかけを使って、新人さん自身に答えを考えさせる」ということなのかなと
私は理解した。
しかしこれ、簡単なスキルではない。
私自身も、もう何年も毎月練習と実績を積んできましたが
未だに、自身の感覚としての完成形には、たどり着いていません。
一般的に言う「コーチング」のという技術を使うわけですが
実際にやってみれるとわかりますが、スタート時点では「どう思う?」と
問いかけることができるのですが、だんだん相手が悩んだり、迷ったりして
答えに詰まってくると、経験や実績や知恵がある人間はつい、「こうしてみたら」と
いうセリフが口をついてしまいます。いわゆる「ティーチング」になってしまうのです。
現代の「相談型」を求めている相談者や部下ならば、この「こうしてみたら」のセリフは
「理解してもらえてないな」と感じてしまうものなのです。
では、コラムにて、コーチングの「失敗例」をみてみましょう。
コラム 励ましのつもりが逆効果?
最近、失恋を経験した女性が、とても落ち込んだ表情で口を開きました。
「相談したい事があるの。実は私、昨日、彼と別れたの」
「お互い、あんなに大好きだったし、将来の二人の姿だって・・・」
大勢の人の前でも、涙が止まらない女性。そんな女性にあなたは
「大丈夫だよ。男なんて星の数ほどいるし、あなたなら、もっといい男がみつかるはず」
と、やさしい心からあふれ出た言葉を発しました。
しかし、「大丈夫だよ。・・・」のセリフを聞いた女性はどう思ったでしょう?
もちろん、「そうだよね」と思った人もいるでしょう。
さっさと切り替えて「次のいい男探し」の旅へ出発 これはこれでよしですよね。
しかし、「何言ってるの!あんなに好きだった、あれほどの男の代わりなんていない!」
「もっといい男がみつかるだなんて、無責任なこと言わないで!」
こう思う人だっているのです。
このように「味方だよ。元気出して。」の思いからでたやさしい言葉ですが
逆効果に終わることもあるのです。
「コーチング」(相談型の指導)の基本とは
様々なコーチング理論がありますので、その中の1つとしてお読みください。
1.人を動かす「本物の影響力」とは?〜信頼・感情・論理のバランス〜
「人に影響を与え、巻き込み、同じゴールを目指し一緒に歩む」
なかなか難しいことですよね。
しかし、それを可能にするのが「質問」と「言葉」を使った「コーチング力」
ですが、その力をフルに発揮するには「信頼」「感情」「論理」という3つの条件が必要になります。
このバランスが整ってこそ、相手の心に届く「本物の影響力」が生まれます。
1. 信頼 〜影響力の土台は「この人の言うことなら」〜
どんなに良いことを言っても、
「この人、信頼できるなぁ」って思われていなければ、言葉は届きません。
信頼を築くために大事なのは、
専門性:「この分野のことをよく知ってる人だ」と思ってもらうこと
誠実さ:言葉と行動が一致していて、約束をちゃんと守ること
好意や共通点:「この人、なんか話しやすい」「考えが近いな」と感じてもらうこと
2. 感情 〜人を動かす「エンジン」〜
人は、最終的には「心が動いたから行動」するのです。
理屈による動機付けだけでは、長続きしません。
共感すること:「わかってくれてる」と思えると、自然と心が開く
物語で伝える:データや理屈よりも、リアルなエピソードは心に残る
情熱を見せる:「この人、本気なんだな」と思える熱量は、相手の背中を押す
例えば経営でも、「数字が大事」とわかっていても、
「この未来を一緒につくりたいんだ」という社長の想いに共感したとき、
社員一丸となって、会社は動き始めます。
だから「売上目標1億円だ!」といくら叫んでも
社員さんたちには、「シラケた空気」が漂ってしまうのです。
つい、やってませんか?
もっと身近なことで言えば「ダイエット」
「カロリー計算して食事をとるぞ」「基礎代謝を上げるために運動をするぞ」
「ゆっくり、たくさん噛んで食べて満腹感を感じるようにしよう」
どれも正解です。 では
「痩せて異性にモテたい」「カッコよく服を着たい」
「今度のパーティーは、この服を着ていきたい」
さて、あなたなら、どちらの方がダイエットを頑張れそうですか?
答えは、明らかですね。
3. 論理 〜感情を「安心して行動」に変えるための道しるべ〜
感情が動いたあと、次に必要なのは「なぜそれをやるのか?」という「納得感や使命感」が必要になります。
また、論理的ではないとしても目標を達成できた自分の姿を思い浮かべ
「ワクワク感」を感じてもらうのもいいでしょう。
明確な理由:「なぜ今それが必要か」を、分かりやすく、短い言葉で話す
証拠やデータ:数字や実績があると、安心して進める
話の一貫性:言ってることが筋が通ってると、信頼がより深まる
論理は、「安心して進める」もしくは「未来を想像させる」根拠になります。
だからこそ、情熱だけじゃなく、冷静さや道筋も大切です。
まとめ:3つの条件を整え、「質問と言葉」を上手に使おう
人に影響を与え、あなたの望む行動をとってもらうには、「力で押す」ではなく、
「相手の心が、自ら動き出す」状況をつくることが大切です
信頼という土台を築き、
感情というエンジンをかけて、
論理という道しるべで照らす。
この3つを意識するだけで、あなたの想いや言葉は、もっと伝わりやすくなるはずです。
あなたが最近、「人に伝えるのがむずかしいなぁ」と感じた場面はありましたか?
また、逆に「うまく伝わったなぁ」と感じたとき、どんな要素が整っていましたか?
ぜひ、そんな経験もシェアしてくれたら嬉しいです。
「指導や強制」ではなく、「相談と自主性」というような
やさしくも力強い風が吹くような関係を築いていけたらいいですね。
さて、長くなってしまいましたので、今回はここまでにします。
次のブログで、実際の現場で使うと効果が出る「実践編」をお送りします。
「自身に投げかける言葉」「相手に投げかける言葉」など
そのまま使えるセリフをご紹介します。効果抜群です。
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「売り上げ増」でも「利益は増えない」 値引き販売の罠にハマるな!
2025.09.04
1分で読める要約
地方紙で「宅配 値下げ競争激化」。店頭と同価格で宅配できる値引きサービスが登場し、参加ラーメン店では売上4倍の事例も(9/3 北海道新聞)
しかし重要なのは売上ではなく利益、さらに利益の源泉である粗利。割引の可否は「粗利が守れるか」で決まる
検証の前提
通常:1杯1000円(原価40%=400円、粗利600円)。宅配は+配達料300円
キャンペーン:配達料込み1000円に値下げし、150円/灰をお見せが負担(業者も150円負担)
目標:値引き後も月間粗利は据え置き(九:500杯×600円=30万円)
結果(代表ケース)
粗利率60%の商品:新粗利は450円/はい。30万円を維持するには667杯(+33.4%)が必要
粗利率20%の商品:新粗利は50円/はい。同額維持には2000杯(+300%/合計4倍)が必要。→売上4倍でも労力・経費に見合うか疑問。
目安:粗利率40%なら800杯、30%なら1000杯必要。15%以下は値引きで粗利ゼロ以下になり実施不可。
なぜ差が出る?
負担150円は売上からではなく“粗利”から直接差し引かれるため、元の粗利が小さい商品ほど致命傷になる。
値下げ前に必ずやること(3点)
自社商品の粗利率を正確に把握(原価報告書がある業種は算定に注意)。
キャンペーン後の1杯あたり粗利を試算し、必要販売数=旧粗利/杯 ÷ 新粗利/杯 × 旧販売数で損益分岐の販売数を把握。
利益以外の明確な目的(新規獲得→リピート等)があるか確認。値下げは賭けではなく戦略として実施。
結論
値下げは集客の強力な手段だが、低粗利商品には極めて厳しい。
「売上」ではなく「粗利が増えるか」で判断し、必要販売数を見積もってから実行すること。
本文
先日、とある地方紙にこんな見出しが躍っていた。
「宅配 値下げ競争激化」
記事によると、まだ全国に広まっているサービスではないようですが
東京でも開始さましたから、近い将来
多くの人が、その恩恵にあずかれるかもしれませんね。
さて、このニュース、要約すると
宅配メニューを店頭と同じ価格にしてくれる値引きサービスです
この施策に参加した、とある「ラーメン店」
1か月で「売上4倍」になったそうです。
(出典元 北海道新聞 9/3)
しかし、・・・?
大切なのは「売上4倍」ではありません。
あくまで「利益」です。
その中でも、あらゆる利益の根源である「粗利」
ここに注目することが、この「割引による利益増」の成否を分けます。
では、具体的な数字を使って解説します。
数字自体はあくまで架空の数字であることを、ご理解下さい
【前提条件】
あるラーメン店が、デリバリーで1杯1300円
(ラーメン店の売上1000円+配達料300円)のラーメンを月500杯売っています。
原価率は40% 粗利率は60%
今回、提供価格を「配達料込み1000円」に値下げするキャンペーンに参加することにしました。
値下げ分の300円は、お店とデリバリー業者で150円ずつ負担します。
さて、この「1杯あたり150円の負担」は、お店の利益にどう影響するのでしょうか?
今回は「値引き前の粗利額」と同額を「値引き後」も稼ぐには
販売数をどれくらい増やす必要があるか計算してみます。
ケースA(粗利率60%の商品の場合)
「キャンペーン前」ラーメン店の粗利額を計算
1000円-原価400円=600円の粗利/1杯
600円×500杯=月間粗利額 300000円
「キャンペーン後」の粗利額
1000円-原価400円―値引き150円=450円の粗利/1杯
答え
300000円÷450円=666.666杯
すなわち「667杯」販売して現在と同じ粗利を稼げることとなります。
1杯のラーメンを作る労力を「1」とすれば
1.334倍の労力が必要となります。
売上個数にすると、33.4%アップ必要となります。
ですから、記事に出ていた売上4倍となったラーメン店は
大幅な「利益増」となったであろうことが推測されます。
ケースB(粗利率20%の商品の場合)
今回は比較しやすいように同じ価格設定で商品もラーメンとします
「キャンペーン前」の粗利額を計算しましょう
1000円-原価800円=200円の粗利/1杯
200円×500杯=月間粗利額 100000円
「キャンペーン後」の粗利額
1000円-原価800円―値引き150円=50円の粗利/1杯
答え
100000円÷50円=2000杯
すなわち「2000杯」販売して現在と同じ粗利を稼げることとなります。
1杯のラーメンを作る労力を「1」とすれば
4倍の労力が必要となります。
売上個数にすると、400%アップ必要となります。
ですから、記事に出ていた売上4倍となったラーメン店でも
労力に見合った、もしくは経費に見合った「利益増」となったかどうかは
疑問符が付きます。
クイック早見表
(売価1000円・店舗負担150円・旧販売500杯)
粗利率
旧粗利/杯
新粗利/杯
倍率=旧粗利÷新粗利
必要杯数(切上)
70%
700
550
1.273
637杯
60%
600
450
1.334
667杯
50%
500
350
1.429
715杯
45%
450
300
1.500
750杯
40%
400
250
1.600
800杯
35%
350
200
1.750
875杯
30%
300
150
2.000
1000杯
25%
250
100
2.500
1250杯
20%
200
50
4.000
2000杯
15%
150
0
―
不可
10%
100
-50
―
不可
なぜ、ここまで差がつくのか?
答えはシンプルです。 お店の負担額(150円)は、売上からではなく「粗利」から直接引かれるからです。
ケース1では、もともと600円あった利益から150円引かれるので、まだ450円の利益が残ります。
ケース2では、もともと200円しかなかった利益から150円引かれるため、50円の利益しか残りません。
もともとの利益が少ない商品ほど、割引によるダメージは致命的になるのです。
まとめ:割引販売する前に、必ずやるべきこと
割引販売やキャンペーン販売は、新規顧客の獲得やお店の認知度アップに繋がる強力なツールです。
しかし、その甘い誘惑に乗る前に、ぜひ一度立ち止まってください。
1.自社の商品の「粗利率」を正確に把握する
まずは、自分の武器(商品)がどれくらいの利益を生む力を持っているのかを知ることがスタートです
「〇〇原価報告書」が存在する業種は、この数字を、把握する時は注意が必要です
2.キャンペーン後の「1商品あたりの利益」を計算する
「売上がいくらになるか」ではなく、「利益がいくら残るか」を必ずシミュレーションしましょう
大切なのは「売上」ではなく「利益」です
P/L(損益計算書)の「売上」と「利益」しか見ていない経営は非常に危険です
値下げは「賭け」ではなく「戦略」と考えましょう
3.利益が減ってでも達成したい「目的」を考える
「今回は赤字でも、新規顧客を増やしてリピートに繋げるのが目的だ」というように、
利益以外の目的が明確なら、戦略的な値下げもアリです
根拠のない、感覚基準での値下げに踏み切るのは、本当に危険です
この記事が、あなたの大切な会社やお店を守る一助となれば幸いです。
「かわいいだけじゃダメですか?」も戦略なのか?
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『社長個人の生命保険設計:家族と会社を同時に守る方法』
2025.08.29
先日に続き第2弾として、今日は社長や経営者の生命保険は
なぜ法人契約だけでは不十分なのか?を解説します。
AI要約(約1分で読める)
法人契約だけでは不十分な理由
法人契約=会社を守る資金、個人契約=家族を守る資金。
法人契約の保険金は一旦会社の資産となり、遺族に渡すには決議や規定が必要。経営状況や株主の意向で制約が出る可能性もある。
一方、個人契約なら受取人(家族)が直接受け取り、生活費・教育資金を速やかに確保できる。
個人契約の3つの役割
遺族の生活保障
受取人が直接受け取り、スピーディかつ確実に生活費を確保できる。
円滑な相続
相続税の非課税枠(500万円×法定相続人)を活用でき、遺産分割協議の対象外。争族対策や納税資金準備に有効。
老後資金準備
個人年金保険や終身保険を通じてセカンドライフの資金を積み立てられる。
法人・個人の組み合わせ例
創業期(30〜40代、借入多・子供小さい)
法人:定期保険で借入返済・運転資金を確保
個人:収入保障保険や学資保険で家族の生活・教育を守る
安定期(50代以降、子供自立・承継準備)
法人:退職金準備や承継資金として返戻金のある保険を活用
個人:終身保険で納税資金・遺産分割対策、年金保険で老後資金
まとめ
法人保険=事業保障、個人保険=生活保障・資産承継。
両輪としてバランス良く設計することが、社長・会社・家族を守るカギ。
専門性が求められるため、信頼できる代理店や税理士への相談が必須。
👉 結論:「会社を守る器」と「家族を守る器」は別物。二刀流の設計こそ、社長の責任ある優しさ。
本文
第2章:社長個人の生命保険 - なぜ法人契約だけでは不十分なのか?
「法人で数億円の保険に入っているから、個人では備える必要はない」と考えるのは早計です。
なぜなら、結論から言うと、
法人契約は会社を守るための資金、個人契約は家族を守るための資金だからです。
同じ「死亡時の備え」でも、保険金の受取人・税制・入金スピード・使途がまったく異なるため、
法人契約だけでは家族の生活防衛が穴あきになりやすいのです。
法人契約の生命保険の保険金は一部の生命保険を除き、一度会社の資産となり、
そこからご遺族に渡すには「死亡退職金」などの形で会社の決議を経て
もしくは、会社の定める規定により支払われる必要があります。
会社の経営状況や財務の状態、他の株主の意向によっては、
ご遺族が望む金額を、望むタイミングで受け取れない可能性があるのです。
そこで重要になるのが、社長個人で契約する生命保険です。
個人契約でしか果たせない3つの役割
1. ご遺族の生活を直接守る
個人契約の保険金は、指定された受取人(配偶者やお子様など)が直接受け取ることができます。
会社の経営状況に関わらず、ご遺族の当面の生活費や教育資金などを確実に遺すことができます。
また、直接遺族が保険金を受け取るため、規定や支給額、税制などを加味して
支給額を判断する法人契約の生命保険に比べ、受取までのスピードが速い。
2. スムーズな相続を実現する
生命保険金は「みなし相続財産」として相続税の課税対象ですが、
保険金全体に対しては「500万円×法定相続人の数」という非課税枠があります。
注意 (保険金を複数人で受け取った場合の計算は別となります。今回は割愛)
また、受取人を指定でき、遺産分割協議の対象外となり、
特定の家族に確実に資産を遺す「争族対策」などとしても有効です。
よって、相続人の納税資金の準備にも役立てることができます。
3. ご自身の老後資金を準備する
会社の退職金とは別に、個人年金保険や終身保険などを活用して、
ご自身のセカンドライフのための資金を計画的に準備することができます。
第3章:【実践編】法人と個人のベストな組み合わせ例
会社のステージと社長のライフプランによって、最適な保険の組み合わせは変わります。
年代別に、一般的に考えられる例を書きます。
ケース1:創業期の30代~40代の社長(借入金が多く、お子様が小さい)
法人契約:
借入金の返済(法人税を考慮した金額)と当面の運転資金をカバーするため、
保険料が割安な定期保険や逓減定期保険で大きな事業保障を確保することを優先
個人契約:
ご自身の万が一の際に、残されたご家族が生活に困らないよう、
収入保障保険で生活費を、学資保険や終身保険などで教育資金を準備
ケース2:安定期の50代以上の社長(子供が自立 利益が安定し、事業承継を検討中)
法人契約:
事業保障に加え、役員退職金の準備として、解約返戻金のある定期保険や終身保険などを活用
将来の事業承継に必要な資金準備も視野に入れる
個人契約:
自社株など相続税の納税資金や、遺産分割対策として終身保険に加入
ご自身の老後資金として個人年金保険の検討も始める。
まとめ
法人契約と個人契約の生命保険は、守るべき対象が異なる、車の両輪のような存在です。
法人保険: 会社と従業員を守る「事業保障」
個人保険: 残されたご家族を守る「生活保障」と「資産承継」
それぞれの目的を明確にし、自社の状況とご自身のライフプランに合わせて適切に組み合わせることが、
「社長と会社」そして「大切なご家族の未来」を守るための鍵となります。
保険や税務は非常に専門的な知識が求められる分野です。
この記事をきっかけに、一度、信頼できる専門家(保険代理店や顧問税理士)にご相談の上、
現在の保険ポートフォリオが最適かどうかを確認してみてはいかがでしょうか。
会社を守る器と、家族を守る器は別物。
二刀流の設計で、事業も生活も止めない。これが、社長の「責任ある優しさ」です。
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「経営者のための生命保険戦略 – 会社を守る正しい選び方」
2025.08.28
数あるブログの中から、私のブログへの訪問、有難うございます。
地元函館や北海道はもちろん、
「お金に困まらない経営をしたいあなたに届け」
その想いで、一生懸命書き続けます。
2分で読めるAI要約
大前提(合言葉)
目的 → 金額 → 商品 → 税務(この順番を崩さない)
保険は手段。まず「何のために・いくら必要か」を数値化し、その後に商品・税務を当てはめる。
“お付き合い”で契約先を選ぶのは危険(とくに法人)。金額設定ミス/受取人設計ミス/税務理解不足は、ムダ契約・資金繰り悪化に直結。
法人契約と個人契約は目的も役割も別物として設計する。
第1章:法人契約の生命保険 ― 目的と正しい金額設定
法人契約の主目的(3つ)
事業保障・運転資金の確保
社長不在時の信用低下・借入一括返済リスク・売上減少に備える資金を確保。
役員退職慰労金の準備
将来の大口支出(退職金)を計画的に積み立て。商品によっては税務メリットも。
事業承継対策
自社株の買い取り資金、相続税の納税資金を準備。
※自社株評価や後継者選定・手続き確認などの事前整備が必須。誤ると多額の負債承継リスク。
必要保障額の考え方
【内訳】
A. 死亡退職金・弔慰金(規程:最終月額報酬×在任年数×功績倍率 など)
B. 借入返済資金(税引後で足りる額)
法人受取の保険金には法人税が課税。借入残高そのままでは不足。
⇒ 設定式:借入残高 ÷(1 − 実効税率)
例:残高1億円、税率30% → 1億 ÷ 0.7 = 約1.43億円
C. 当面の運転資金(目安:月商3〜6か月分、または固定費6か月分)
D. 会社の自己資金(即時に使える現預金等。不動産など換金困難資産は除外)
総額式:
必要保障額 =(A + B(税考慮後)+ C)− D
運用上の注意
会社は変化する。成長・借入増減に応じて定期見直しが不可欠。
多くの契約は請求・支払いに手続き要件がある。整備不足は支給遅延や不足の原因。
事業承継・相続はプラスもマイナスも承継。慎重に。
本文
生命保険を選ぶ際の「大前提」
合言葉:目的 → 金額 → 商品 → 税務(順番を逆にしない)
保険は「手段」まず何のために、いくら必要かを数字で決め、その後に商品と税務を当てはめます。
また、残念なことですが「保険募集人」が持つ知識レベルには大きな差があります。
「お付き合い」を保険募集人や契約の判断基準とするのは法人契約の場合
最悪「会社の生死」を「お付き合い」に任せるのと同じことと言えます。
実際に現場では「保険金額の設定ミス」「契約者や保険金受取人の設定ミス」
「初歩的な税務知識を基にした保険販売による財務の棄損」など
想像をはるかに超える数の、実態やニーズに合っていない生命保険契約が存在しています。
つまり、この大前提を外すと、ムダ契約・資金繰り悪化・受取人設計ミスに直結することになります。
また、「法人契約」と「個人契約」とでは、その「目的」も「はたすべき役割も」異なります。
全くの別物として考える必要があります。
では、はじめに「法人契約」の生命保険から見ていきましょう。
第1章:法人契約の生命保険 - その目的と正しい保険金額の設定方法
法人で契約する生命保険は、社長個人やその家族のためではなく、
あくまで「会社を守るため」のものです。主な目的は以下の3つに大別されます。
1. 事業保障や運転資金の確保
社長に万が一のことがあった場合、会社の信用は大きく揺らぎます。
金融機関からの一括返済を求められたり、取引先との関係が悪化したりするリスクも考えられます。
こうした事態に備え、会社を存続させるための資金を確保します。
また、中小企業の場合、社長の存在は売上の減少に直結するリスクが
少なからず存在します。そのような事態を見据えた資金確保が必要です。
2. 役員退職慰労金の準備
役員の退職金を計画的に準備するための資金です。
保険を活用することで、将来の大きな支出に備えつつ、
保険の種類によっては税務上のメリットを得られる場合があります。
3. 事業承継対策
後継者が自社株を買い取るための資金や、相続に伴う納税資金などを準備します。
また、生命保険の活用の前に「自社株対策」「次期経営者の選定と育成」
「現社長の死亡に伴う、新社長選任の手続き方法の確認」など
しっかりと準備しておく必要があります。
このように複数の条件が整わなければ、生命保険の保険金の請求などが
迅速にできないようになっている契約がほとんどですので注意が必要です。
さらに最悪、1つ手続きを間違えただけで「多額の借金」を背負うことにもなりかねません。
事業承継や相続は基本的に「プラスだけ」を引き継ぐものではなく
「マイナス」も引き継ぐものと考え、慎重に対処する必要があります。
正しい保険金額の算出方法
では、具体的にどれくらいの保険金があれば会社を守れるのでしょうか?
「事業保障資金」を例に、必要な保障額の目安を計算してみましょう。
【事業保障に必要な資金の内訳】
A. 死亡退職金・弔慰金
役員退職慰労金規程に基づきます。(例:最終月額報酬 × 在任年数 × 功績倍率)
既定がない場合などは、議事録の作成など手間が増えます。
B. 借入金の返済資金
社長に万が一のことがあった際、金融機関からの借入金を返済するための資金です。
ここで最も注意すべき点は、法人が受け取る死亡保険金には法人税が課税されるということです。
したがって、借入金の残高と同額の保険金を用意するだけでは、
納税後に資金が不足し、完済できなくなってしまいます。
税金を支払った後に、借入金を全額返済できるだけの資金が手元に残るように、
以下の計算式で保険金額を設定する必要があります。
計算式と具体例: 借入金残高1億円、法人税の実効税率30%の場合
1億円÷(1-0.3)=1億4300万円
となり、約1億4300万円の保険金が必要となります
C. 当面の運転資金
売上が回復するまでの運転資金。一般的に月商の3〜6ヶ月分
もしくは、固定費の6か月分を目安にしましょう
D. 会社の自己資金
会社が保有する現金・預金など、すぐに使える資金
すぐに現金化できる、商品や設備などを含める場合もあります。
不動産等、すぐには現金化できない資産は勘案してはいけません。
【必要保障額の計算式】
必要保障額=(A+B(税金考慮後の金額)+C)−D
この計算式を基に、自社の財務状況を当てはめてみてください。
また、会社は生き物です。成長もしますし、
それに伴い借入金が変動するのが当たり前です。
保障額は適宜見直すことが非常に重要です。
長くなりましたので次回
『社長個人の生命保険設計:家族と会社を同時に守る方法』と題して
お届けします。
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「半分の水」思考で成果を出す——10分でできる経営改善
2025.08.26
2分で読めるAI要約
テーマ
「コップ半分の水」を“時間・人・お金”に置き換え、ないものを嘆くより、あるものを使い切る発想へ。
鍵はフレーミング効果(言い換えで行動を変える)と、最善主義(完璧を待たず今ある資源を使う)、そして短いペップトーク。
フレーミング効果の使い方
同じ事実も言い換えで前向きに:
「会議30分短縮」=「30分の売上づくり時間を確保」
「在庫20%削減」=「眠っている現金を20%通帳へ戻す」
最善主義:3つのアクション
10分だけやる:大計画より確実な一歩。
半分に削る:やることを絞りムダを落とす。
完了の一行を決める:着手前に“何ができたら終わりか”を明確化。
合言葉:「できる、できる、私ならできる」
ケーススタディ(今すぐ効く3改善)
① 時間:会議が長くて進まない
やること:
事前共有(資料は前送付)
議題は決めること3つに限定
終了時刻を先に宣言(例:60分)
完了の一行:次回「決めること3つ」を決定
効果:90→60分に短縮/毎回最低3決定/浮いた30分を売上行動へ
② 人:人手不足感が消えない
やること:
各メンバーの強み3つを書き出す
強みでない仕事を減らす
強みの仕事を増やす
完了の一行:担当を1つ入れ替える合意
効果:同人数で効率UP/ミス減/表情が軽くなる
③ 現金:黒字なのにお金が残らない
やること:
30日先までの資金繰り表で見える化
支出項目を1つだけ半減して止血
全社共通言語として**「お金のブロックパズル」導入
完了の一行:毎日、今月の入出金3件**を資金繰り表に記入
効果:来月末残高が事前に見える/出費が締まる/お金の認識ズレ解消
本文
みなさんも聞いたことがあると思います。
「コップに半分の水」の話。
本稿は、この話を中小企業のビジネスにどのように生かすかを
書きたいと思います。
ベースとなるのは「最善主義」と視点こそ違え「フレーミング効果」
最後に、自分を動かすための「ペップトーク」です。
コップの中の水を、ビジネスでいう「時間・人・お金」と捉え
「まだ、半分もある」という視点で見て
「ないものを嘆くのではなく、今あるものを使い切る」考え方への転換の
ヒントになれば幸いです。
なお、恥ずかしながら本稿は、以前、私の会社で実際に起きていた「困り事」を
ベースに「どのように改善していったのか」(現在も改善中なのですが)を
書いています。
まず、視点を整える:フレーミング効果の一言メモ
同じ事実でも、言い換え次第で行動が変わります。
(例)「生存率90%」と「死亡率10%」は同じ情報です。しかし受け取り方が変わると思います。
経営でも、
「会議を30分短縮」=「30分の売上づくり時間を確保」
「在庫20%削減」=「倉庫に眠る現金を20%通帳に戻す」のように、「ある」側から言い換えるのがコツです。
最善主義の3つのアクション
最善主義=完璧を待たず、今あるものを使い切る。
そのために、やることは3つだけです。
1. 10分だけやる:大きな計画より、確実な一歩を。
2. 半分に削る:やることを絞り、ムダを落とす。
3. 完了の一行を決める:「何ができたら終わりか」を先に決めてから着手する。
合言葉:「できる、できる、私ならできる」(背中を押す短いペップ)
ケーススタディ:いますぐ試せる3つの改善術
ケース1:時間(会議が長くて仕事が進まない)
こんな心当たりありませんか?
会社の定例会議。時間が90分。
話をしている人は、いつも決まった人ばかりで
結局は「何も決まらない」「とにかく、やれ」のみ。
正直、私も聞かされる立場だった時は「うんざり」でした。
会議開始前から「どうせ、いつもと同じ」としか思っておらず
結果も、ほぼ予想の範囲内。何も決まらず「情報の共有」程度で終了。
なので、思い切って この「無駄な時間」を半分に削ってみました。
(現実的には30分)
やること(3ステップ)
1. 事前に情報共有:資料は会議前に送る
2. 決めることを絞る:議題は「決めること」3つに限定
3. 終わり時間を先に宣言:「今日は60分で終了します」
完了の一行 「次回の議題=次回の会議で決めること3つを決める」
見える変化
会議時間が90→60分に
会議1回で決定が最低3つ出る
浮いた30分で売上に結び付きそうなことを1つやる
ケース2:人(人手が足りない気がする)
新しい人が欲しい。でもなかなか採用ができない。
採用の前に、今のいる人を活かしきっていますか?
「今いる人」というリソースを最大限に活かす方法を考えましょう
やること(3ステップ)
1. 強みを書き出す:各メンバーの得意なこと3つをメモ
2. ズレを減らす:得意じゃない仕事を減らす
3. 強みを増やす:得意な仕事を増やす
完了の一行 「担当(仕事)を1つ入れ替える合意できたら完了」
見える変化
同じ人数でも仕事の効率が上がる。
ミスが減る。
メンバーの表情が少し軽くなる。
ケース3:現金(黒字なのにお金が残らない)
売上は出ているのに、月末の通帳は心細い。
この状態は、「現金」の流れが見えていないことが原因です。
やること(3ステップ)
1. 見える化:30日先までの入出金と残高を1枚にまとめる。
2. 止血:まずは、1つの支出項目の支出金額を半分だけ止める。
3. 全社員共通の言語を導入:お金や利益に関する共通言語
「お金のブロックパズル」を導入する。
完了の一行 「毎日、今月の入出金3件ずつを資金繰り表に書き込めたら完了」
見える変化
来月末の残高が前もって見える
今月の出費が必要最小限に締まる
経営者と社員間のお金や利益に対する認識のズレが解消できる
最後の宿題(やることは、本当に1つだけです)
この記事を閉じた後、たった10分だけ時間をつくってください。
そして、ノートかスマホのメモ帳に、上記を参考に、
すぐにできそうな「最善の施策」を書き出し、「最善の一歩」を1つだけ実行してみてください。
くれぐれも「完了(ゴール)」の設定も忘れずに。
そして、完璧ではなくても最善に向けて一歩でも進めば「今日の私は合格」と
自分に「OK」を出しましょう。
完璧な計画はいりません。この小さな一歩が、明日を変える最も確実な打ち手です。
できる、できる、あなたならできる。
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成果を出す人が、「完璧」を目指していない理由 ~デキる人ほどハマりやすい「完璧主義」という落とし穴~
2025.08.22
数あるブログの中から、私のブログへの訪問、有難うございます。
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「お金に困まらない経営をしたいあなたに届け」
その想いで、一生懸命書き続けます。
2分で読めるAI要約
テーマ
完璧主義で足が止まるなら、最善主義へ。――「完璧じゃなくていい。今できる最善を丁寧にやる」。
問題意識
「もっと準備してから…」が頭の中でループし、行動できない。
立場が上がるほど「失敗したくない/プロとして完璧に」が強まり、結果「動かない」を選びやすい。
最善主義とは
100点を待たず今の60点で一歩踏み出す考え方。
小さく行動すると誰かの役に立つ → ありがとうを得る → 未来の自分への信頼が育つ。
コラムの示唆
下書きだらけで公開できなかったが、「完璧じゃなくても誰か一人の役に立てばいい」と公開。
「分かりやすかった」の一言が継続の原動力に。
最善で動くと起きること
行動が次のチャンスを連れてくる。
成果を出す人は共通して「まずやる/数を打つ/動きながら調整」。
今すぐできる“小さな一歩”の例
SNSで考えをひと言発信。
温めた企画を信頼できる友人に話す。
「困っていませんか?」と一人に声をかける。
背中を押す言葉(ペップトーク)
「できる、できる、俺ならできる」――精神論ではなく、積み上げを信じて踏み出す合図。
結論・呼びかけ
完璧主義 → 最善主義へ転換し、今日の最善の一歩を実行しよう。
行動の結果に失敗はない。あるのは「成功」か「学び」だけ。
あなたの今日の一歩は何ですか?
本文
完璧じゃなくていい。今できる最善を尽くそう
「積み上げてきた学びと経験は、もう十分にある」
なのに、いざという時に動けない自分がいる。
「もっと準備してから…」 「もう少し勉強してから…」
そんな声が頭の中でループして、自分に静かにブレーキをかけ、
結局何も行動できずに一日が終わる。 あなたにも、そんな経験はありませんか?
「ちゃんとしなきゃ」の呪縛
「間違えたくない」「失敗は避けたい」「プロとして完璧なものを見せたい」「これじゃ、恥ずかしい」
立場が上がるほど、「自分の見え方」が気になります。
誠実だからこそ「中途半端はイヤだ」と思い、
その結果、「動かない」を選んでしまう人は少なくありません。
「今は、そのタイミングじゃない」「お金や時間ができたらやってみよう」
様々な理由をつけて、自分を納得させたかのように装ってしまう。
そんな気持ちは、とても自然だと思います。
かつての私は勿論、恥ずかしながら、今の私に至ってもまだ、そういう気持ちが湧いてきます。
心が軽くなるお守り。「最善主義」という考え方
そんなとき、心がふっと軽くなる「最善主義」という考え方があります。
それは、「完璧じゃなくていい。 いまの自分にできることを、できるかぎり丁寧にやる」
という、とてもシンプルな考え方。
たとえ今の自分にできることが60点だったとしても、その「60点」に心を込めて行動する。
完璧な100点を目指して立ち止まってしまうより、今のベストを尽くして一歩踏み出す。
その一歩が、誰かの役に立ったり、「ありがとう」という言葉につながったりする。
そうやって、未来の自分への信頼が少しずつ育っていくんです。
コラム
「『下書き』だらけだった私が、たった一言で走り出せた日」
以前の私は、こうやってブログ記事をアップするまでに
1記事に何週間もかけて書いていました。
「書いては見直し、見直しては書き直し」この繰り返し。
いつしか、ホルダーには「下書き」として保存されている文章ばかりが。
『もっと良い表現があるはず』と悩み、結局公開できずにいたのです。
でもある時、『完璧じゃなくても、誰か一人の役に立てばいい』と思い「えいやっ」と公開してみたら、
『この記事わかりやすかったです』というたった一言のコメントが届きました。
あの時の感動が、今の私のブログ作成を支えています。
「最善」で動くから、未来が変わる
もし「完璧じゃなくてもいいや」と思えたら、あなたは、どんな行動ができそうでしょうか。
たとえば、こんな小さな一歩が踏み出せるかもしれません。
SNSで、自分の考えをひとこと発信してみる
温めていた企画を、まずは信頼できる友人に話してみる
「こんなことで困っていませんか?」と、そっと声をかけてみる
結果がどうなるかは、やってみないとわかりません。
でも、「今の私にできるベストは尽くせた」と思える行動は、
確実に次のチャンスを連れてきてくれます。
私の周りの成果を重ねている人たちは口をそろえて言います。
「まずやってみた」「数を打った」「動きながら調整した」と。
動いたからこそ見える景色があり、最善を尽くしたからこそ得られる手応えがあるのです。
「できる、できる、俺ならできる」
これは単なる精神論じゃありません。
今まで積み上げてきたものを信じ、そっと背中を押してくれる
おまじないのような言葉「ペップトーク」です。
あなたにも必ずあるはずです。 学んできたこと、努力してきたこと、大切にしてきたことが。
「完璧主義」から「最善主義」への転換。
今日から、そうやって進んでいけたら、
その先に、思ってもみなかった景色が広がっているかもしれません。
あなたの『今日の最善の一歩』は何ですか?
まずは、その小さな一歩を大切に踏み出してみませんか?
行動した結果には「失敗」は存在しません。
「成功」か「学び」のどちらかしかないのですから。
肩の力を抜いて「リラ~ックス」
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「聞き上手」だけでは二流で終わる──トップセールスが育てるのは「対話の循環」
2025.08.19
数あるブログの中から、私のブログへの訪問、有難うございます。
地元函館や北海道はもちろん、「お金に困まらない経営をしたいあなた」
そのために、一生懸命書き続けます。
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「聞く力」と「話す力」の本当の関係
主張
成果を出すために重要なのは「聞く力」か「話す力」か、という議論は本質的ではありません。
本当に大切なのは、両方の根源である「相手への関心」から生まれる「対話の循環」を育てる力です。
なぜ「対話の循環」が重要か
多くのビジネス現場では、ヒアリングが形式的なチェックリストの消化になり、
相手の隠れた本音やニーズを引き出せていません。
一方で、相手に聞く準備ができていなければ、どんなに良い提案も一方的な独り言で終わってしまいます。
「聞く」ことは相手を理解したいという関心、「話す」ことは自分を理解してほしいという欲求の現れです。
これらは対立するものではなく、どちらも良好な関係を築くための行為です。
価値が生まれる「対話の循環」
成果を出す人は、この循環の設計が上手です。
純粋な関心を持って相手の話を聞く。
相手は「理解してもらえた」と感じ、心を開き始める。
聞いた内容の要点を相手の言葉で返す(「つまり〇〇ということですね」)。
相手はさらに深く話す姿勢になり、対話が深まる。
この循環が強まることで、初めて価値のある提案が相手に届きます。
今日からできる実践ステップ
この循環を育てるには、まず以下のことから始めてみましょう。
順番を守る: まずは徹底的に「聞く」。そして「要約して返す」。自分の意見や提案は必ず最後にする。
相手の言葉で返す: 「つまり〇〇ですね」と相手の言葉を使って要約することで、理解していることを示す。
2秒待つ: 相手の発言後、すぐに反応せず2秒待つ。この間が、相手に深い思考を促し、本音を引き出すきっかけになる。
仕事でもプライベートでも、個別のスキルを磨くより、この「対話の循環」を意識することが、関係を劇的に変える鍵となります。
本文
「聞くこと」と「話すこと」は、実は同じ根っこから生まれている
〜ビジネスの現場で、見落とされている「対話の本質」〜
「聞くことは大切」──それって、本当?
「営業は聞くのが仕事」「ヒアリング力がある営業が売れる」
よく耳にする言葉です。たしかに成果の条件として「聞くこと」は欠かせません。
でも、なぜそれが大切なのか。
そこを本気で掘り下げずに、形だけの「ヒアリング」になっていないでしょうか。
原点の体験:飛び込み営業3万件からの学び
私のサラリーマン時代の営業スタイルは、完全な飛び込み営業でした。
1日50件、年間1万件超。これがノルマ。
最上階から非常階段で階を降り、見えない扉も遠慮なく開ける。
なので、時には「修羅場」に出くわすこともあれば、
その場でスカウトされることもありました。
ですが、「聞いてもらえる」ことは滅多にありません。
なので当時から、私の最大のテーマの1つがこれでした。
「どうしたら、話を聞いてもらえるか」
この問いが、のちに「聞く」と「話す」の本質に私を連れていきます。
「聞く」と「話す」はコインの裏表
現場での対話を重ねて気づいたのは、
「聞く」と「話す」は同じ源泉から生まれているということ。
「聞く」:相手を理解したいという、こちらから相手へ向かう能動的な関心
「話す」:自分をわかってほしいという、こちらから相手へ向かう表現の欲求
どちらもベクトルは「自分 → 相手」
つまり、両方とも「自分から相手への欲求」です。
相対するスキルではなく、関係性をつくるためのスキルであり
根っこは、同一で、エネルギーの使い方が違うだけなのです。
なぜ、あなたのヒアリングは「聞いてるつもり」で終わるのか
多くの現場で「聞く姿勢」が形式化もしくは形骸化しています。
チェックリスト通りに質問→メモ(リストにチェック)→商品を「当てにいく」
営業スキルを良い意味で均一化する目的で、多くの企業でこのようになっています。
これでは、語られていない本音に届きません。相手はこう感じます。
「この人、聞いてるようで聞いていない」
本当に聞くとは、言葉の背後にある感情・価値観・未言のニーズに関心を向けること。
テクニックというより、人間力の領域です。
これこそが意識はしていても、簡単には身に付かない理由です。
逆も真なり:「聞く準備」がない相手には、話は届かない
いくら想いを込めて提案しても、相手が聞いていない。
この状態を「独り言」と言います。
残念ながら人は「聞きたいことしか聞かない」ものなのです。
心理学的に言うと「確証バイアス」や「 動機づけられた推論」といいます。
だからこそ、話す前に相手の「聞く準備」をつくることが鍵です。
最初に相手の語りを引き出し、受け入れ、共感と安心をつくる。
そこからはじめて、あなたの提案が生きてきます。
この部分をまとめると
・信頼・安心という土台の上で
・言葉にならない感情に寄り添い、行動のエンジンを始動させ
・言葉でその道を照らしてあげる
こんな感じになります。
信頼は「対話の循環」から生まれる
成果を生むコミュニケーションは、
聞く → 話す → また聞く → また話す の循環です。
聞く→話させる→また聞く→また話させる でもいいでしょう。
あなたが相手に対し「純粋な関心」を持ち聞く
相手は「わかってもらえた」と感じ、心を開く
その本音を受け止め、あなたが要点を言葉にして返す
相手はさらに聞く姿勢になり、関係が深まる
この循環が育つほど、相手にとって価値ある提案が生まれます。
「売れる営業」とは、「話が上手い人」でも「聞き上手な人」でもなく、
「対話の循環」を育てられる人といえます。
実践:対話を循環させる7つの習慣
1.2秒ルール:相手の発言後、2秒沈黙してから応答
話をかぶせたり、話を食うことが防げます
2.相手の言葉で要約:「つまり〇〇ということですね」
相手の言葉を使った言語化は「わかってもらえた感」を生みます
3.問いを一段深く:「何が欲しいですか?」より「なぜそれが重要ですか?」
欲を満たすではなく、問題が解決できることが大切
4.聞く→要約→問い→提案:順番を守る。提案は最後が基本
慣れてくるとつい自己流に「自己流は事故のもと」
5.小さな自己開示:「実は私も」
等身大の自分や失敗の共有が安全地帯をつくる
6.感情の鏡:「不安」「もやもや」など、感情語をそっと返す
「沈黙」は大切な感情表現です。怖がらず一緒に沈黙しましょう
7.次の一歩を一緒に決める:合意は「行動」で締める
「では最初に〇〇から始めてみませんか」
3つのセルフ診断
直近の会話の中で、予想外の本音を引き出せたかましたか?
あなたの提案を、相手は身を乗り出して聞いていましたか?
商談後、相手から「また話したい」と言われた、もしくは 次のアポイントが取れましたか?
「NO」が多いなら、聞く/話すのいずれかに偏っているサインです
私の原点:聞いてもらえなかった子ども時代
少し私の子どもの頃の話をします。
私は自分の話を親に聞いてもらえた実感がありませんでした。
特に、父親には聞いてもらえた記憶も褒められた記憶もありません。
大人になってから「褒めてくれ」と言ったことがあるくらいです。
そのせいでしょうか?だから今、「話すとは?」「聞くとは?」に誰よりも真剣です。
人の話を本当に聞ける人であること。そして、自分の声も自分で聞いてあげること。
仕事上でも家庭でも、この二つを、私はともて大切に考えるようになりました。
突き詰めれば、理由は「自分のことをわかってほしい。話を聞いてもらいたい」
ここに行きつくことを自覚するようになりました。
終わりに──あなたにとっての「聞く」「話す」とは?
営業でも経営でも、人との関わりでも、
「聞く」と「話す」は分けて語られがち。
でも実は、同じ根っこを持つ一つの営みです。
会社内や家庭内、営業先などで、是非「対話の循環」を意識してみてください。
きっと、これまで見えなかった可能性が見えてきます。
もし相手の反応が変わったら、ぜひ教えてください。
いつも、一生懸命聞いてくれます
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もう迷わない!火災保険の選び方と活用術~プロが教える実践ガイド
2025.08.13
数あるブログの中から、私のブログへの訪問、有難うございます。
地元函館や北海道はもちろん、「お金に困まらない経営をしたいあなた」
そのために、一生懸命書き続けます。
2分で読めるAI要約
近年、自然災害の多発と保険料の急騰により、「火災保険」は単なる火事への備えではなく、
家という最大の財産を守るための重要な生活防衛策となっています。これは、自分の家を守るための実践ガイドです。
火災保険の基本
火事だけではない:台風による風災、豪雨による水災(洪水・土砂崩れ)、水ぬれ、盗難など、補償範囲を自分で設計できます。
地震は対象外:地震、噴火、津波による損害は、別途「地震保険」をセットしない限り補償されません。
契約前に決めるべき5つのこと
保険の対象:建物だけか、家財(家具や電化製品)も含むか。
補償範囲:ハザードマップで自宅のリスク(洪水、土砂崩れなど)を確認し、必要な補償を選びます。
保険金額:「今、同じ家を建て直すのにいくらかかるか(再調達価額)」が基準です。古い家でも安く設定するのは危険です。
免責金額(自己負担額):自己負担額を高く設定すると保険料は安くなりますが、小さな損害は自腹になります。
地震保険:セットで加入するかどうかを決めます。
もしもの時と保険料を抑えるコツ
保険料:最近の保険料は数年で2倍以上になるケースも。不要な特約を外したり、免責金額を上げたりすることで節約が可能です。
請求の鉄則:被害にあったら、必ず修理を始める前に保険会社へ連絡してください。安全確保の後、写真を撮っておくことも重要です。
結論
医療保険がなくて絶望する人は稀でも、火災保険がなく家を失い、がれきの前で膝から崩れ落ちる人はいます。
火災保険は、万が一の際に人生最大の財産と生活を守るための、極めて重要な備えです。
せっかくのお盆休みだというのに、今も日本のどこかで
大雨や強風、それに伴う洪水・土砂崩れ・屋根や建物の破損が
起きているといっても過言ではない日本列島。
ブログをはじめて1年弱となりますが
これまで損害保険については書いたことがありません。
本文
近年の多発する自然災害とその被害の大きさ
販売サイドにいるはずの私たちでも感じている
度を越した保険料の値上がり。
このまま進むと「販売側(保険会社)」も「購入側(契約者)」双方にとって
望まない方向に進む懸念を感じる今、
初めて「火災保険」について書いてみようと思います。
なお、個別商品の説明をするわけではありません。
本稿は、一般的な火災保険についての「実践ガイドブック」となります。
まず押さえる「火災保険の基本」
火災保険は「火災だけ」の補償ではありません。
設計により、必要な補償を選択することも可能です。
一般的に「火災・落雷・破裂/爆発」に加え、
風災・ひょう災・雪災
水災(洪水・土砂・高潮)
漏水などによる水ぬれ損害
盗難、破損・汚損などをカバー(商品により差あり)
地震・噴火・津波と地震を原因とする火災は地震保険の領域
火災保険だけではカバーされないため、必要に応じて付帯を検討
契約前に決める5つのこと
1.保険の対象
建物のみ/家財のみ/建物+家財 の3パターン
持ち家:原則 建物+家財 賃貸:家財+借家人・個人賠償が基本
2.補償範囲(どこまで守るか)
風災・ひょう災・雪災/水災/水ぬれ(給排水事故)/盗難/破損・汚損 等の要否を決める
低地や河川近くは水災の検討を
3.保険金額(いくらまで守るか)
建物は再調達価額(新価)を目安に設定
家財は世帯人数・持ち物の総額感で設定
4.免責金額(自己負担額)
例:1万/3万/5万/10万など。免責を上げる=保険料は下がるが、小口の請求は自己負担に
5.期間・支払い方法と地震保険
長期契約の上限は5年。月払い/年払/一括払で保険料が変わる
地震保険の付帯有無を決める。ただし、火災保険とセットで契約(保険金額は下限・上限あり)
住まい別チェックリスト
戸建て
構造(木造/耐火)で保険料が大きく変わる
水災(洪水・土砂)の要否はハザードマップと地域特性で判断
太陽光パネル・門塀・物置など付属物の扱いを確認
分譲マンション(区分所有)
管理組合の共用部保険と自室(専有部)保険の役割分担を確認
下階の水ぬれ事故への備え(家財+水ぬれ補償)
地震保険は家財にも付帯可。高層階は、家具固定と家財補償を検討
賃貸
貸主指定の保険だけでは不足しがち。家財と借家人賠償、個人賠償のセットが基本
地域リスクの見極め
1.国のハザードマップ(重ねるハザードマップ)で自宅位置を検索
ハザードマップポータルサイト
2.洪水・土砂・高潮・津波などを重ねてリスク確認
3.リスクが高い項目は補償を外さない。逆に可能性が低い項目は免責設定で保険料を抑える
例 川が近い 台風がよく接近する 海からの高低さが小さい
地域差ではないが「地下(地盤面より下)に部屋や設備がある
保険会社と契約者との認識のズレQ&A
Q:地震で出火した火災は火災保険で出ますか?
A:いいえ。地震が原因の火災(類焼を含む)の損害は地震保険の対象です
Q:給水管の破裂やピンホールで床や家具がびしょ濡れ どの補償?
A:水ぬれ(給排水設備の事故)補償
ただし配管そのものの損害は対象外の商品が一般的(特約あり)
実は、この事故がとても多いのも事実
Q:隣家に延焼させたら賠償が必要?
A:重過失でなければ法律上の賠償責任を負わない(失火責任法)
心情対応・近隣配慮として類焼損害特約を検討は可
Q:古い家(建物)だから、高額な保険金額はいらない?
A:火災保険の考え方として「古い」「新しい」は保険金額には反映させない
「今、建て直したらいくらかかるか」が基本的な考え方(再調達価格)
以下、わかりやすい?理由
分損(一部損)の修理をする際に「現在の価格」での修理となります
古い家だからといって、修理代が何十年前の価格とはならないから
Q:古い家(建物)や事故が発生した建物は、保険契約できない?
A:確かに、古い新しいに限らず引受規定は存在しています。
「事故が起こった物件」にも規定は存在しています
古い家だからこそ、老朽化による水濡れ事故のリスクが高まったり
そもそも、保険はそのためにあるにも関わらずです
保険会社といえども、収支が赤字(出ていく保険金と入ってくる保険料の差)では
保険制度自体の維持すら危ぶまれますので、理解できないこともないのですが
「なるほどね。納得です」とはいきませんよね
ましてや、築古(古い家)は、築浅(新しい家)とくらべ
保険金額対千円当たりの保険料はデータに基づき、高く設定されています
一方で、建物メンテナンス状況や事故の状況などによっては
引受できる物件もありますので、問い合わせてみることをお勧めします
保険料の最近の動きと、ムダなく抑えるコツ
近年の自然災害増で保険料が上がる傾向
というよりも、既に数年前に比べると2倍以上となっている物件も存在
長期契約の上限は現在5年
抑え方の例:
免責(自己負担)を上げる(1万→3万→5万)
企業物件に関しては免責金額100万の設定も可能な場合あり
不要な特約を外す/重複を避ける
クレカや他保険の個人賠償と重複していないか 等
もしもの時:請求の基本フロー
まずは、安全確保 → 代理店・保険会社へ連絡 → 写真・被害メモ・見積を準備
→ 必要書類(罹災証明、損害明細、請求書 等)提出 → 調査・支払
先に修理してしまうと支払われる保険金と修理額に差額が出る可能性があるため
必ず「修理前」に代理店や保険会社に連絡を入れてください。
大規模災害の時などは、保険金の支払いを最優先しているのが事実です。
よって、特別な対応となる場合もあります。
いかがでしたか?
火災保険はもはや「高い買い物」です。
昨今の物価の上昇を考えると「事故なんてめったにないし」と
考えてしまいがちですが、ひとたび事故が発生してしまうと
一番大きな財産の喪失だけでなく、多額のローンのみ残るなんて事態も
十分あり得ます。
最後に、保険業界で30年以上、ご飯を食べさせていただき
損害・生命保険の事故を数百件以上見てきた経験をお伝えします。
私は病気を患い入院なさった人で「医療保険」に加入していなくて
退院の際に「膝から崩れ落ちた」人を見たことがありません。
一方、燃え尽きた建物を見て「火災保険」に加入していなくて
がれきの前で「膝から崩れ落ちた」人を見たことはあります。
これが現場で起きている事実です。
ちょっと湿っぽくなってしまいましたので「中和」しますね
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会社の「血流」を改善する3つの処方箋 ~「お金がない」を防ぐキャッシュフロー経営入門
2025.08.08
数あるブログの中から、私のブログへの訪問、有難うございます。
地元函館や北海道はもちろん、「お金に困まらない経営をしたいあなた」
そのために、一生懸命書き続けます。
2分で読めるAI要約:「売上はあるのにお金が残らない」理由と解決策
「売上は好調なのに、なぜか手元にお金が残らない」と感じる経営者は少なくありません。
その原因は、決算書の「利益」と会社の「現金(キャッシュ)」の流れが一致していないからです。
会社の生命線である現金の流れ(キャッシュフロー)は、①営業・②投資・③財務の3つの活動で成り立っています。
これを①呼吸・②筋肉増強・③循環と捉え、お金が残る体質への改善策を見ていきましょう。
1. 営業キャッシュフロー:「呼吸」を深く、楽にする
本業で稼ぐ現金の流れです。ここがマイナスなのは「呼吸困難」の状態。まずは流れをスムーズにすることが最優先です。
入金を早く:取引先に支払サイトの短縮を交渉する。高額な請求は分割も検討。
在庫を減らす:売れない在庫(罪庫)はセールで現金化し、過剰発注をやめる。在庫は「眠っているお金」です。
支払いを遅く:仕入先に支払サイトの延長を交渉する。
2. 投資キャッシュフロー:「筋肉増強」の刃を研ぐ
将来の成長のための設備投資などです。無計画な投資は会社の体力を奪います。
小さく試す:いきなり大規模投資せず、スモールテストで効果を検証してから拡大する。
資産を現金化:使っていない機械や不動産は「いつか使うかも」と放置せず、売却して現金に変える。
3. 財務キャッシュフロー:「循環」を整える
借入や返済など、資金調達の流れです。ここの管理を誤ると、資金繰りが一気に悪化します。
借入の期間と目的を一致させる:設備のような長期投資には「長期融資」、短期の運転資金には「短期融資」を使い、月々の返済負担を最適化する。
借入は「総額」より「月々の返済額」に注意:低金利に惹かれて安易に借入を重ねると、借入総額は同じでも「本数」が増えることで月々の返済額が膨れ上がり、首を絞めることになります。
まとめ
健全な経営とは、「①営業(呼吸)」で稼いだ現金を「②投資(筋肉増強)」に回し、
足りない分を「③財務(循環)」で賢く補うサイクルを回すことです。
資金難は「数字が苦手」という意識から始まります。
まずはこの3つのキャッシュフローを直視することから、お金に困らない「筋肉質」な経営体質への改善を始めましょう。
本文
「売上は好調なのに、なぜか手元にお金が残らない」
「月末の支払いがいつも不安で、頭から離れない」
もし、あなたがそう感じているなら、
それは決算書の「利益」と、会社の「現金」の流れが一致していないからです。
会社の生命線ともいえるキャッシュフロー(現金の流れ)は、
営業、投資、財務の3つの活動がバランス良く循環してこそ、健全な状態を保てます。
この3つの流れを、それぞれ「呼吸」「筋肉増強」「循環」と捉え、
あなたの会社のお金がなぜ残らないのか、その原因と具体的な改善策を見ていきましょう。
1. 営業キャッシュフロー 「呼吸」を深くする
営業キャッシュフローは、本業でどれだけの現金を稼ぎ出したかを示すものです。
ここがマイナスということは、まさに「呼吸困難」の状態。
まずは、楽に息ができるように、お金の流れをスムーズにすることから始めましょう。
改善のヒント
1. 売掛金の回収を早める
取引先に「支払サイトの短縮」を交渉してみましょう。
「そんなこと無理だ」と思うかもしれません。
しかし、支払いを少しでも早くしてもらえれば、
その分、運転資金として借りているお金を減らせます。当然、利息の負担も軽くなります。
せっかく稼いだ利益が、銀行への利息で消えていくのはもったいないですよね。
そのお金は、もっと前向きなことに使いましょう。
また、高額な売掛金は分割請求も検討し、入金までのタイムラグを圧縮することで、資金繰りに余裕が生まれます。
2. 在庫を圧縮する
いつまでも売れない在庫は、思い切って「処分セール」で現金化しましょう。
そして、発注ロットを見直し、過剰な在庫を持たないように最適化することも重要です。
「年に一度の注文でも、在庫を切らせたくない」という話を聞きます。気持ちわかります。
しかし、その「年一回の注文」の時期を特定し、
その時期に合わせて在庫を確保するなどの工夫はできませんか?
在庫は「眠っているお金」です。お金が固定化されている状態は、資金繰りを圧迫します。
滞留在庫のことを「罪庫」と呼ぶこともあります。
この「罪庫」を解消することは、キャッシュフロー改善に直結します。
3. 仕入れ条件を改善する
仕入先に「支払サイトの延長」を交渉してみるのも一つの手です。
これも難しいと感じるかもしれません。
しかし、取引先にとっても、未回収になるよりはマシなはずです。
選択肢として捨てるべきではありません。
また、もし可能であれば、同業他社と共同で仕入れすることで、
交渉力が上がり、仕入れコストを下げられる可能性もあります。
4. 売上を上げる
これは言わずもがな。キャッシュフローを改善する最も直接的な方法です。
2. 投資キャッシュフロー 「成長の刃」を研ぐ
投資キャッシュフローは、会社の将来的な成長のために行う設備投資や不動産の売買などを示すものです。
リスクとリターンをしっかり見極め、確実に成果を出すことが重要です。
投資3原則
1.スモールテスト → 検証 → 拡大
まず小規模に導入し、成果を確認してから本投資へ向かうようにしましょう。
2.PBP(投資回収期間)を算定
借入金の返済期間や減価償却年数を超えるような投資は
「夢」ではなく「賭け」かもしれません。再検討が必要です。
3.眠れる資産をキャッシュ化
使っていない設備・不動産は売却を検討しましょう。
「いつか使うかも」「いつか値上がりするかも」
これも、その気持ちよくわかります。
しかし、1円も生んでいない資産を持つことは
会社経営として正しい状態ではありません。
3. 財務キャッシュフロー 「循環系」を整える
1. 資金の用途と期間を一致させる
設備投資には、その設備の耐用年数に応じた「長期融資」を、
短期的な運転資金には「短期融資」を使いましょう。
長期借入で運転資金を賄ってしまうと、月々の返済負担が増えてしまいます。
補足
本来は「短期資金は短期借入、設備資金は長期借入」が原則。
長期借入で運転資金を賄うこと自体が“悪”というより、
上記記述は、返済年限が用途より長すぎても短すぎても資金繰りを圧迫するという意味です。
2. 借入は「金額」ではなく「本数」に注意する
「多額の借金で経営破綻」というニュースをよく見ますが、
実は問題は「借入金の総額」だけではありません。
以下の例を見てみましょう。わかりやすさを重視するため
利息は考えないものとします。
借入金A:1200万円(10年返済、月々10万円)
5年後に残債600万円
5年間の返済後、追加で600万円を借り入れたとします
(新たな借入金B、10年返済、月々5万円)
借入総額は1200万円で変わりませんが、
月々の返済額は15万円に増えてしまいます。
(借入Aの返済分10万円と借入Bの返済分5万円)
更に返済期間も実質6.6年と短くなります。
(1200万円÷(15万円×12か月)=6.666年)
金利の低さだけに目を奪われ、無計画に借入を重ねると、
このように月々の返済額が増え、資金繰りが厳しくなることがあります。
銀行へ融資を申し込む際には「借入総額」や「金利の高低」ではなく
「月々の返済金額」と「返済期間」を確認することが大切です。
まとめ
営業CF=呼吸、投資CF=筋肉増強、財務CF=循環です。
「営業CFで生んだ余剰→投資CFへ→足りない分は財務CFで補う」
どれか一つでも滞れば、会社は酸欠や出血多量で倒れてしまいます。
資金難は「数字が苦手」から始まります。
そして、「数字を直視」した瞬間から改善は始まります。
今日から3つのキャッシュフローを診断し、「お金の調子」を整えましょう。
あなたの会社の血液は、きっと再び力強く巡り始め
筋肉質で、美しい経営体質へと変貌するはずです。
本文とは、全く関係ないですが、この兄弟
昨日6歳になりました。
2025.09.10

さて、昨日は現代の若者が求めている「相談型」の人材育成について
その基礎となる考え方を書きました。
本稿は実践編ですが、前回の記事では『信頼関係の構築が全ての土台である』という考え方について解説しました。
本稿だけでもご理解いただけますが、合わせてお読みいただくとより効果的です。
https://sato-insurance.jp/blog/1003/
忙しいあなたへ。1分で読める要約文
現代の若手社員(20〜30代)は「納得感」を重視し、
一方的な指示ではなく目的を理解した上で自ら考えて動くことにやりがいを感じます。
彼らの主体性を引き出すには、マネジメントスタイルを「指示」から「対話」へとアップデートする必要があります。
その鍵となるのが「問いかけ」です。効果的な問いかけは、まず「感情」に触れることから始めます。
「この仕事は楽しい?」「不安はない?」といった感情への問いかけから入り、
次に「あなたならどうする?」という思考を促す質問へと進みます。この順序が重要です。
問いかけを職場文化として根付かせるための3ステップは:
1.部下の話を急かさず、まず3分間真剣に「聴く」
2.仕事の目的と基本ルールだけを伝え、手段は「任せる」
3.質問後、すぐに答えやアドバイスせず、相手の言葉を「待つ」
この「問いかけ」アプローチにより、若手社員の思考力が育ち、自発的な行動が増え、チーム内の信頼関係が深まります。
最初の一歩として、明日から「仕事は楽しい?」「どこから始められそう?」「改善点は?」といった問いかけを試してみましょう。
部下の表情の変化こそが、あなたのチームの未来を映す鏡です。
本文
【若手が動かない】「指示待ち部下」が自ら動き出す【問いかけ】の技術
「最近の若手は受け身で困る…」「もっと主体的に動いてほしいのに、言われたことしかやらない…」
多くの経営者や管理職が、このような悩みを抱えています。
しかし、それは本当に若手社員だけの問題なのでしょうか。
もしかすると、彼らに主体性がないのではなく、
あなたの職場に「主体性を発揮できる場」がないだけなのかもしれません。
なぜ、あなたの部下は「指示待ち」になってしまうのか?
かつては「背中を見て学べ」「言われたことを正確にやるのが仕事だ」という価値観が当たり前でした。
しかし、今の20〜30代は「納得感」を何よりも重視します。
一方的に命令されるのではなく、目的を理解し、
自分で考えて動くことにやりがいを感じる世代なのです。
つまり、これからのリーダーに求められるのは、
コミュニケーションのあり方を「指示」から「対話」へとアップデートすること。
その鍵こそが「問いかけ」なのです。
主体性を引き出す魔法のスイッチ、「問いかけ」とは?
会議などの場で、経験の少ない若手社員は
「こんなこと言ったら、なんて思われるだろう」「笑われるんじゃないだろうか」
という感情を抱いてしまいがちです。
ですから、決して否定せず、まずは全てを受け止める姿勢や空気を作りましょう。
「何を言っても、笑われないんだ」「経験の差抜きに、意見を聞いてもらえるんだ」
という安心感や信頼感の醸成はとても大切です。
その上で、部下に「やれ」と命令する代わりに、「考えるきっかけ」を渡します。
これだけで、若手社員や社内の空気は驚くほど変わります。
<問いかけの具体例>
「どうだい?この仕事(プロジェクト)、楽しい?」
「この仕事(プロジェクト)を進めるうえで、不安や悩みはない?」
「あなたなら、どんなやり方を試してみたい?」
「その方法がベストだと考えた理由は?」
こうした問いを投げかけることで、
部下は「自分の頭で考えていいんだ」「意見を持っていいんだ」と安心し、思考が回り始めます。
ここで、間違ってはいけないポイントは「話す順番」です
実は上の4つのセリフですが、適当に並べているわけではありません。
「楽しい」「不安」といったような「感情」を問うことから始めています。
ここがポイントの1つです。
昭和世代の私たちに対するマネジメントは「行動」に対するものでした。
私のサラリーマン時代でいうと
理由や意味も伝えられず「1日最低50件の飛び込みをしろ」と。
もちろん、大量行動は、成功へ近づくための手段の1つですから
それ自体は、決して間違っているわけではありません。
しかし、現代の人たちはそのような「体育会系」の教育を受けていません。
昭和世代と比べると「頭脳派」なのです。
とはいえ人間は理論や理屈だけでは、動きません。
「あの人、好み!」⇒「どうやったら話しかけれるだろう?」⇒「こうやってみよう!」
恋愛に限らず、ほぼ全ての行動は、このような流れで行われているはずです。
ですから、まずは「感情をマネジメントする」
実は、行動を起こしてほしければ、感情を動かすことが近道なのです。
「問いかけ」がもたらす3つの効果
1.思考力が育つ
2.自発的な行動が増える
3.チームの信頼が深まる
データも証明「採用」と同じくらい重要な「育成」という課題
中小企業基盤整備機構の調査(2025年3月発表)では、
人手不足の要因として「人材確保・採用(63.3%)」に次いで、
「人材育成(49.1%)」が挙げられています。
採用と同じかそれ以上に、「採用した人材をいかに育てるか」が、企業の未来を左右するのです。
【実践編】「問いの文化」を職場に根づかせる3つのステップ
では、具体的にどうすれば「問いの文化」は根付くのでしょうか。
明日から意識できる3つのステップをご紹介します。
ステップ1:『聴く』を選ぶ
部下が話し始めたら、結論を急がさずに、まず3分間、真剣に耳を傾けてみましょう。
ステップ2:『任せる』を決める
仕事の「目的」と「決まり」だけを明確に伝え、具体的な「手段」は本人に任せてみましょう。
ステップ3:『待つ』を習慣にする
問いを投げかけたら、すぐに答えやアドバイスをせず、
相手が自分の言葉で話し始めるのをじっと待ってみましょう。
「自分でやったほうが早い」という気持ちを一度、脇に置いてみてください。
待つ時間は、未来へのリターンが大きい「人への投資」と考えましょう。
お金もかからない、最高の投資ですよね。
経営者の覚悟が、若手の挑戦に火をつける
リーダーが「話す」ことよりも「聴く」ことを選び、
「教える」ことよりも「引き出す」ことを大切にする。
これは簡単なようで、実は大きな意識改革であり、決断です。
ましてや、はじめは双方とも違和感すら覚えますし、企業文化として根付くには
時間が必要となります。
しかし、この一歩を踏み出したリーダーのもとから、若い力が躍動し、未来が創られていきます。
最後に 〜あなたのチームを変えるための第一歩〜
この記事を読んで、何から始めればいいか迷うかもしれません。
まずは、以下の「3つの問い」の中から一つだけ選び、明日の朝礼や1on1で使ってみませんか?
「最近仕事は、楽しい?困っていることはないかい?」
「その問題、最初の一歩として、何から始められそう?」
「一度やってみてどうだった?どこか改善できそうなところないかな?」
そして、最後にあなた自身に問いかけてみてください。
あなたの「問いかけ」を聞くとき、部下はどんな表情をしていますか?
その表情こそが、あなたのチームの未来を映す鏡なのかもしれません。
この記事で紹介した問いかけは、あくまでチームを変える第一歩です。
あなたの組織に合わせた、より具体的な育成プランにご興味があれば、
トップページ右上より、お気軽にご相談ください。
2025.09.09

忙しい「あなた」へ 1分で読める要約文
経営者・リーダーの関心は「どう伝えるか」「同じ方向を向いてもらうか」。
本稿は質問と言葉を使うコーチングで若手育成や採用に活かす方法を述べる。
地方紙の話題:高校生は「給与より居心地」「指示より相談型」を重視。
相談型とは「こうしろ」ではなく「どう思う?」「あなたなら?」と問い、本人に考えさせること。
だが実践は難しく、相手が詰まると教える(ティーチング)に戻りがちで、相談者は「理解されていない」と感じやすい。
失敗例:失恋相手へ「大丈夫、もっといい人がいる」は励ましのつもりが否定に聞こえ逆効果になることがある。
まず相手の感情に寄り添う姿勢が重要。
コーチングの基本:信頼・感情・論理のバランス
信頼(土台)
専門性/誠実さ(言行一致・約束遵守)/好意・共通点で「この人なら」と思ってもらう。
感情(エンジン)
共感、物語、情熱で心を動かす。数字の号令だけでは人は動かない。ダイエットの例のように「なりたい姿」への共感が推進力。
論理(道しるべ)
理由・証拠・一貫性で安心して行動できる状態に。未来のイメージ(ワクワク)も効果的。
まとめ
人を動かすのは力ではなく、相手の心が自発的に動く場づくり。
信頼を築き、感情でエンジンをかけ、論理で道筋を示す。
質問と言葉を上手に使い、**「指導・強制」より「相談・自主性」**の関係を目指そう。
本文
経営をしていたり、チームを率いていたりすると、
「どうやったら相手に伝わるかな?」「同じ方向を向いてもらうには?」
そんなことを考える機会、きっと多いはず。
今日は、「質問」と「言葉」を使った「コーチング」による
若手人材の育成、ひいては採用時にも役立つ方法について書こうと思う。
本稿が、ジェネレーションギャップや指導方法に悩む方々の参考になればうれしいです。
先日、地元地方紙の記事に
「高校生の地元就職促進を」と題した記事が出ていた。
地元企業と高校の先生が意見交換したそうです。
記事によると、最近の高校生は
1. 給与より居心地
2. 「指示」よりも「相談型」の指導方法
傾向として、このようなことが大切で
「上の世代からの歩み寄りも大事」との声が企業側から出たそうです。
「給与よりも居心地」
具体的に居心地の示すものが何なのかが、私にはわかりませんが
ようは、人間関係や職場の雰囲気まで含めた
「労働環境」がいいということなのだろうと思う。
「指示」よりも「相談」するような伝え方が求められている
相談型とは、一体何なのか、私には全く理解できなかった。
よくよく考えた結果、昭和世代が若いころ言われてきた
「こうしろ!」とか「こうだ!」ではなく
「どう思う?」とか「あなたなら、どうする?」という
「問いかけを使って、新人さん自身に答えを考えさせる」ということなのかなと
私は理解した。
しかしこれ、簡単なスキルではない。
私自身も、もう何年も毎月練習と実績を積んできましたが
未だに、自身の感覚としての完成形には、たどり着いていません。
一般的に言う「コーチング」のという技術を使うわけですが
実際にやってみれるとわかりますが、スタート時点では「どう思う?」と
問いかけることができるのですが、だんだん相手が悩んだり、迷ったりして
答えに詰まってくると、経験や実績や知恵がある人間はつい、「こうしてみたら」と
いうセリフが口をついてしまいます。いわゆる「ティーチング」になってしまうのです。
現代の「相談型」を求めている相談者や部下ならば、この「こうしてみたら」のセリフは
「理解してもらえてないな」と感じてしまうものなのです。
では、コラムにて、コーチングの「失敗例」をみてみましょう。
コラム 励ましのつもりが逆効果?
最近、失恋を経験した女性が、とても落ち込んだ表情で口を開きました。
「相談したい事があるの。実は私、昨日、彼と別れたの」
「お互い、あんなに大好きだったし、将来の二人の姿だって・・・」
大勢の人の前でも、涙が止まらない女性。そんな女性にあなたは
「大丈夫だよ。男なんて星の数ほどいるし、あなたなら、もっといい男がみつかるはず」
と、やさしい心からあふれ出た言葉を発しました。
しかし、「大丈夫だよ。・・・」のセリフを聞いた女性はどう思ったでしょう?
もちろん、「そうだよね」と思った人もいるでしょう。
さっさと切り替えて「次のいい男探し」の旅へ出発 これはこれでよしですよね。
しかし、「何言ってるの!あんなに好きだった、あれほどの男の代わりなんていない!」
「もっといい男がみつかるだなんて、無責任なこと言わないで!」
こう思う人だっているのです。
このように「味方だよ。元気出して。」の思いからでたやさしい言葉ですが
逆効果に終わることもあるのです。
「コーチング」(相談型の指導)の基本とは
様々なコーチング理論がありますので、その中の1つとしてお読みください。
1.人を動かす「本物の影響力」とは?〜信頼・感情・論理のバランス〜
「人に影響を与え、巻き込み、同じゴールを目指し一緒に歩む」
なかなか難しいことですよね。
しかし、それを可能にするのが「質問」と「言葉」を使った「コーチング力」
ですが、その力をフルに発揮するには「信頼」「感情」「論理」という3つの条件が必要になります。
このバランスが整ってこそ、相手の心に届く「本物の影響力」が生まれます。
1. 信頼 〜影響力の土台は「この人の言うことなら」〜
どんなに良いことを言っても、
「この人、信頼できるなぁ」って思われていなければ、言葉は届きません。
信頼を築くために大事なのは、
専門性:「この分野のことをよく知ってる人だ」と思ってもらうこと
誠実さ:言葉と行動が一致していて、約束をちゃんと守ること
好意や共通点:「この人、なんか話しやすい」「考えが近いな」と感じてもらうこと
2. 感情 〜人を動かす「エンジン」〜
人は、最終的には「心が動いたから行動」するのです。
理屈による動機付けだけでは、長続きしません。
共感すること:「わかってくれてる」と思えると、自然と心が開く
物語で伝える:データや理屈よりも、リアルなエピソードは心に残る
情熱を見せる:「この人、本気なんだな」と思える熱量は、相手の背中を押す
例えば経営でも、「数字が大事」とわかっていても、
「この未来を一緒につくりたいんだ」という社長の想いに共感したとき、
社員一丸となって、会社は動き始めます。
だから「売上目標1億円だ!」といくら叫んでも
社員さんたちには、「シラケた空気」が漂ってしまうのです。
つい、やってませんか?
もっと身近なことで言えば「ダイエット」
「カロリー計算して食事をとるぞ」「基礎代謝を上げるために運動をするぞ」
「ゆっくり、たくさん噛んで食べて満腹感を感じるようにしよう」
どれも正解です。 では
「痩せて異性にモテたい」「カッコよく服を着たい」
「今度のパーティーは、この服を着ていきたい」
さて、あなたなら、どちらの方がダイエットを頑張れそうですか?
答えは、明らかですね。
3. 論理 〜感情を「安心して行動」に変えるための道しるべ〜
感情が動いたあと、次に必要なのは「なぜそれをやるのか?」という「納得感や使命感」が必要になります。
また、論理的ではないとしても目標を達成できた自分の姿を思い浮かべ
「ワクワク感」を感じてもらうのもいいでしょう。
明確な理由:「なぜ今それが必要か」を、分かりやすく、短い言葉で話す
証拠やデータ:数字や実績があると、安心して進める
話の一貫性:言ってることが筋が通ってると、信頼がより深まる
論理は、「安心して進める」もしくは「未来を想像させる」根拠になります。
だからこそ、情熱だけじゃなく、冷静さや道筋も大切です。
まとめ:3つの条件を整え、「質問と言葉」を上手に使おう
人に影響を与え、あなたの望む行動をとってもらうには、「力で押す」ではなく、
「相手の心が、自ら動き出す」状況をつくることが大切です
信頼という土台を築き、
感情というエンジンをかけて、
論理という道しるべで照らす。
この3つを意識するだけで、あなたの想いや言葉は、もっと伝わりやすくなるはずです。
あなたが最近、「人に伝えるのがむずかしいなぁ」と感じた場面はありましたか?
また、逆に「うまく伝わったなぁ」と感じたとき、どんな要素が整っていましたか?
ぜひ、そんな経験もシェアしてくれたら嬉しいです。
「指導や強制」ではなく、「相談と自主性」というような
やさしくも力強い風が吹くような関係を築いていけたらいいですね。
さて、長くなってしまいましたので、今回はここまでにします。
次のブログで、実際の現場で使うと効果が出る「実践編」をお送りします。
「自身に投げかける言葉」「相手に投げかける言葉」など
そのまま使えるセリフをご紹介します。効果抜群です。
2025.09.04

1分で読める要約
地方紙で「宅配 値下げ競争激化」。店頭と同価格で宅配できる値引きサービスが登場し、参加ラーメン店では売上4倍の事例も(9/3 北海道新聞)
しかし重要なのは売上ではなく利益、さらに利益の源泉である粗利。割引の可否は「粗利が守れるか」で決まる
検証の前提
通常:1杯1000円(原価40%=400円、粗利600円)。宅配は+配達料300円
キャンペーン:配達料込み1000円に値下げし、150円/灰をお見せが負担(業者も150円負担)
目標:値引き後も月間粗利は据え置き(九:500杯×600円=30万円)
結果(代表ケース)
粗利率60%の商品:新粗利は450円/はい。30万円を維持するには667杯(+33.4%)が必要
粗利率20%の商品:新粗利は50円/はい。同額維持には2000杯(+300%/合計4倍)が必要。→売上4倍でも労力・経費に見合うか疑問。
目安:粗利率40%なら800杯、30%なら1000杯必要。15%以下は値引きで粗利ゼロ以下になり実施不可。
なぜ差が出る?
負担150円は売上からではなく“粗利”から直接差し引かれるため、元の粗利が小さい商品ほど致命傷になる。
値下げ前に必ずやること(3点)
自社商品の粗利率を正確に把握(原価報告書がある業種は算定に注意)。
キャンペーン後の1杯あたり粗利を試算し、必要販売数=旧粗利/杯 ÷ 新粗利/杯 × 旧販売数で損益分岐の販売数を把握。
利益以外の明確な目的(新規獲得→リピート等)があるか確認。値下げは賭けではなく戦略として実施。
結論
値下げは集客の強力な手段だが、低粗利商品には極めて厳しい。
「売上」ではなく「粗利が増えるか」で判断し、必要販売数を見積もってから実行すること。
本文
先日、とある地方紙にこんな見出しが躍っていた。
「宅配 値下げ競争激化」
記事によると、まだ全国に広まっているサービスではないようですが
東京でも開始さましたから、近い将来
多くの人が、その恩恵にあずかれるかもしれませんね。
さて、このニュース、要約すると
宅配メニューを店頭と同じ価格にしてくれる値引きサービスです
この施策に参加した、とある「ラーメン店」
1か月で「売上4倍」になったそうです。
(出典元 北海道新聞 9/3)
しかし、・・・?
大切なのは「売上4倍」ではありません。
あくまで「利益」です。
その中でも、あらゆる利益の根源である「粗利」
ここに注目することが、この「割引による利益増」の成否を分けます。
では、具体的な数字を使って解説します。
数字自体はあくまで架空の数字であることを、ご理解下さい
【前提条件】
あるラーメン店が、デリバリーで1杯1300円
(ラーメン店の売上1000円+配達料300円)のラーメンを月500杯売っています。
原価率は40% 粗利率は60%
今回、提供価格を「配達料込み1000円」に値下げするキャンペーンに参加することにしました。
値下げ分の300円は、お店とデリバリー業者で150円ずつ負担します。
さて、この「1杯あたり150円の負担」は、お店の利益にどう影響するのでしょうか?
今回は「値引き前の粗利額」と同額を「値引き後」も稼ぐには
販売数をどれくらい増やす必要があるか計算してみます。
ケースA(粗利率60%の商品の場合)
「キャンペーン前」ラーメン店の粗利額を計算
1000円-原価400円=600円の粗利/1杯
600円×500杯=月間粗利額 300000円
「キャンペーン後」の粗利額
1000円-原価400円―値引き150円=450円の粗利/1杯
答え
300000円÷450円=666.666杯
すなわち「667杯」販売して現在と同じ粗利を稼げることとなります。
1杯のラーメンを作る労力を「1」とすれば
1.334倍の労力が必要となります。
売上個数にすると、33.4%アップ必要となります。
ですから、記事に出ていた売上4倍となったラーメン店は
大幅な「利益増」となったであろうことが推測されます。
ケースB(粗利率20%の商品の場合)
今回は比較しやすいように同じ価格設定で商品もラーメンとします
「キャンペーン前」の粗利額を計算しましょう
1000円-原価800円=200円の粗利/1杯
200円×500杯=月間粗利額 100000円
「キャンペーン後」の粗利額
1000円-原価800円―値引き150円=50円の粗利/1杯
答え
100000円÷50円=2000杯
すなわち「2000杯」販売して現在と同じ粗利を稼げることとなります。
1杯のラーメンを作る労力を「1」とすれば
4倍の労力が必要となります。
売上個数にすると、400%アップ必要となります。
ですから、記事に出ていた売上4倍となったラーメン店でも
労力に見合った、もしくは経費に見合った「利益増」となったかどうかは
疑問符が付きます。
クイック早見表
(売価1000円・店舗負担150円・旧販売500杯)
粗利率
旧粗利/杯
新粗利/杯
倍率=旧粗利÷新粗利
必要杯数(切上)
70%
700
550
1.273
637杯
60%
600
450
1.334
667杯
50%
500
350
1.429
715杯
45%
450
300
1.500
750杯
40%
400
250
1.600
800杯
35%
350
200
1.750
875杯
30%
300
150
2.000
1000杯
25%
250
100
2.500
1250杯
20%
200
50
4.000
2000杯
15%
150
0
―
不可
10%
100
-50
―
不可
なぜ、ここまで差がつくのか?
答えはシンプルです。 お店の負担額(150円)は、売上からではなく「粗利」から直接引かれるからです。
ケース1では、もともと600円あった利益から150円引かれるので、まだ450円の利益が残ります。
ケース2では、もともと200円しかなかった利益から150円引かれるため、50円の利益しか残りません。
もともとの利益が少ない商品ほど、割引によるダメージは致命的になるのです。
まとめ:割引販売する前に、必ずやるべきこと
割引販売やキャンペーン販売は、新規顧客の獲得やお店の認知度アップに繋がる強力なツールです。
しかし、その甘い誘惑に乗る前に、ぜひ一度立ち止まってください。
1.自社の商品の「粗利率」を正確に把握する
まずは、自分の武器(商品)がどれくらいの利益を生む力を持っているのかを知ることがスタートです
「〇〇原価報告書」が存在する業種は、この数字を、把握する時は注意が必要です
2.キャンペーン後の「1商品あたりの利益」を計算する
「売上がいくらになるか」ではなく、「利益がいくら残るか」を必ずシミュレーションしましょう
大切なのは「売上」ではなく「利益」です
P/L(損益計算書)の「売上」と「利益」しか見ていない経営は非常に危険です
値下げは「賭け」ではなく「戦略」と考えましょう
3.利益が減ってでも達成したい「目的」を考える
「今回は赤字でも、新規顧客を増やしてリピートに繋げるのが目的だ」というように、
利益以外の目的が明確なら、戦略的な値下げもアリです
根拠のない、感覚基準での値下げに踏み切るのは、本当に危険です
この記事が、あなたの大切な会社やお店を守る一助となれば幸いです。
「かわいいだけじゃダメですか?」も戦略なのか?
2025.08.29

先日に続き第2弾として、今日は社長や経営者の生命保険は
なぜ法人契約だけでは不十分なのか?を解説します。
AI要約(約1分で読める)
法人契約だけでは不十分な理由
法人契約=会社を守る資金、個人契約=家族を守る資金。
法人契約の保険金は一旦会社の資産となり、遺族に渡すには決議や規定が必要。経営状況や株主の意向で制約が出る可能性もある。
一方、個人契約なら受取人(家族)が直接受け取り、生活費・教育資金を速やかに確保できる。
個人契約の3つの役割
遺族の生活保障
受取人が直接受け取り、スピーディかつ確実に生活費を確保できる。
円滑な相続
相続税の非課税枠(500万円×法定相続人)を活用でき、遺産分割協議の対象外。争族対策や納税資金準備に有効。
老後資金準備
個人年金保険や終身保険を通じてセカンドライフの資金を積み立てられる。
法人・個人の組み合わせ例
創業期(30〜40代、借入多・子供小さい)
法人:定期保険で借入返済・運転資金を確保
個人:収入保障保険や学資保険で家族の生活・教育を守る
安定期(50代以降、子供自立・承継準備)
法人:退職金準備や承継資金として返戻金のある保険を活用
個人:終身保険で納税資金・遺産分割対策、年金保険で老後資金
まとめ
法人保険=事業保障、個人保険=生活保障・資産承継。
両輪としてバランス良く設計することが、社長・会社・家族を守るカギ。
専門性が求められるため、信頼できる代理店や税理士への相談が必須。
👉 結論:「会社を守る器」と「家族を守る器」は別物。二刀流の設計こそ、社長の責任ある優しさ。
本文
第2章:社長個人の生命保険 - なぜ法人契約だけでは不十分なのか?
「法人で数億円の保険に入っているから、個人では備える必要はない」と考えるのは早計です。
なぜなら、結論から言うと、
法人契約は会社を守るための資金、個人契約は家族を守るための資金だからです。
同じ「死亡時の備え」でも、保険金の受取人・税制・入金スピード・使途がまったく異なるため、
法人契約だけでは家族の生活防衛が穴あきになりやすいのです。
法人契約の生命保険の保険金は一部の生命保険を除き、一度会社の資産となり、
そこからご遺族に渡すには「死亡退職金」などの形で会社の決議を経て
もしくは、会社の定める規定により支払われる必要があります。
会社の経営状況や財務の状態、他の株主の意向によっては、
ご遺族が望む金額を、望むタイミングで受け取れない可能性があるのです。
そこで重要になるのが、社長個人で契約する生命保険です。
個人契約でしか果たせない3つの役割
1. ご遺族の生活を直接守る
個人契約の保険金は、指定された受取人(配偶者やお子様など)が直接受け取ることができます。
会社の経営状況に関わらず、ご遺族の当面の生活費や教育資金などを確実に遺すことができます。
また、直接遺族が保険金を受け取るため、規定や支給額、税制などを加味して
支給額を判断する法人契約の生命保険に比べ、受取までのスピードが速い。
2. スムーズな相続を実現する
生命保険金は「みなし相続財産」として相続税の課税対象ですが、
保険金全体に対しては「500万円×法定相続人の数」という非課税枠があります。
注意 (保険金を複数人で受け取った場合の計算は別となります。今回は割愛)
また、受取人を指定でき、遺産分割協議の対象外となり、
特定の家族に確実に資産を遺す「争族対策」などとしても有効です。
よって、相続人の納税資金の準備にも役立てることができます。
3. ご自身の老後資金を準備する
会社の退職金とは別に、個人年金保険や終身保険などを活用して、
ご自身のセカンドライフのための資金を計画的に準備することができます。
第3章:【実践編】法人と個人のベストな組み合わせ例
会社のステージと社長のライフプランによって、最適な保険の組み合わせは変わります。
年代別に、一般的に考えられる例を書きます。
ケース1:創業期の30代~40代の社長(借入金が多く、お子様が小さい)
法人契約:
借入金の返済(法人税を考慮した金額)と当面の運転資金をカバーするため、
保険料が割安な定期保険や逓減定期保険で大きな事業保障を確保することを優先
個人契約:
ご自身の万が一の際に、残されたご家族が生活に困らないよう、
収入保障保険で生活費を、学資保険や終身保険などで教育資金を準備
ケース2:安定期の50代以上の社長(子供が自立 利益が安定し、事業承継を検討中)
法人契約:
事業保障に加え、役員退職金の準備として、解約返戻金のある定期保険や終身保険などを活用
将来の事業承継に必要な資金準備も視野に入れる
個人契約:
自社株など相続税の納税資金や、遺産分割対策として終身保険に加入
ご自身の老後資金として個人年金保険の検討も始める。
まとめ
法人契約と個人契約の生命保険は、守るべき対象が異なる、車の両輪のような存在です。
法人保険: 会社と従業員を守る「事業保障」
個人保険: 残されたご家族を守る「生活保障」と「資産承継」
それぞれの目的を明確にし、自社の状況とご自身のライフプランに合わせて適切に組み合わせることが、
「社長と会社」そして「大切なご家族の未来」を守るための鍵となります。
保険や税務は非常に専門的な知識が求められる分野です。
この記事をきっかけに、一度、信頼できる専門家(保険代理店や顧問税理士)にご相談の上、
現在の保険ポートフォリオが最適かどうかを確認してみてはいかがでしょうか。
会社を守る器と、家族を守る器は別物。
二刀流の設計で、事業も生活も止めない。これが、社長の「責任ある優しさ」です。
2025.08.28

数あるブログの中から、私のブログへの訪問、有難うございます。
地元函館や北海道はもちろん、
「お金に困まらない経営をしたいあなたに届け」
その想いで、一生懸命書き続けます。
2分で読めるAI要約
大前提(合言葉)
目的 → 金額 → 商品 → 税務(この順番を崩さない)
保険は手段。まず「何のために・いくら必要か」を数値化し、その後に商品・税務を当てはめる。
“お付き合い”で契約先を選ぶのは危険(とくに法人)。金額設定ミス/受取人設計ミス/税務理解不足は、ムダ契約・資金繰り悪化に直結。
法人契約と個人契約は目的も役割も別物として設計する。
第1章:法人契約の生命保険 ― 目的と正しい金額設定
法人契約の主目的(3つ)
事業保障・運転資金の確保
社長不在時の信用低下・借入一括返済リスク・売上減少に備える資金を確保。
役員退職慰労金の準備
将来の大口支出(退職金)を計画的に積み立て。商品によっては税務メリットも。
事業承継対策
自社株の買い取り資金、相続税の納税資金を準備。
※自社株評価や後継者選定・手続き確認などの事前整備が必須。誤ると多額の負債承継リスク。
必要保障額の考え方
【内訳】
A. 死亡退職金・弔慰金(規程:最終月額報酬×在任年数×功績倍率 など)
B. 借入返済資金(税引後で足りる額)
法人受取の保険金には法人税が課税。借入残高そのままでは不足。
⇒ 設定式:借入残高 ÷(1 − 実効税率)
例:残高1億円、税率30% → 1億 ÷ 0.7 = 約1.43億円
C. 当面の運転資金(目安:月商3〜6か月分、または固定費6か月分)
D. 会社の自己資金(即時に使える現預金等。不動産など換金困難資産は除外)
総額式:
必要保障額 =(A + B(税考慮後)+ C)− D
運用上の注意
会社は変化する。成長・借入増減に応じて定期見直しが不可欠。
多くの契約は請求・支払いに手続き要件がある。整備不足は支給遅延や不足の原因。
事業承継・相続はプラスもマイナスも承継。慎重に。
本文
生命保険を選ぶ際の「大前提」
合言葉:目的 → 金額 → 商品 → 税務(順番を逆にしない)
保険は「手段」まず何のために、いくら必要かを数字で決め、その後に商品と税務を当てはめます。
また、残念なことですが「保険募集人」が持つ知識レベルには大きな差があります。
「お付き合い」を保険募集人や契約の判断基準とするのは法人契約の場合
最悪「会社の生死」を「お付き合い」に任せるのと同じことと言えます。
実際に現場では「保険金額の設定ミス」「契約者や保険金受取人の設定ミス」
「初歩的な税務知識を基にした保険販売による財務の棄損」など
想像をはるかに超える数の、実態やニーズに合っていない生命保険契約が存在しています。
つまり、この大前提を外すと、ムダ契約・資金繰り悪化・受取人設計ミスに直結することになります。
また、「法人契約」と「個人契約」とでは、その「目的」も「はたすべき役割も」異なります。
全くの別物として考える必要があります。
では、はじめに「法人契約」の生命保険から見ていきましょう。
第1章:法人契約の生命保険 - その目的と正しい保険金額の設定方法
法人で契約する生命保険は、社長個人やその家族のためではなく、
あくまで「会社を守るため」のものです。主な目的は以下の3つに大別されます。
1. 事業保障や運転資金の確保
社長に万が一のことがあった場合、会社の信用は大きく揺らぎます。
金融機関からの一括返済を求められたり、取引先との関係が悪化したりするリスクも考えられます。
こうした事態に備え、会社を存続させるための資金を確保します。
また、中小企業の場合、社長の存在は売上の減少に直結するリスクが
少なからず存在します。そのような事態を見据えた資金確保が必要です。
2. 役員退職慰労金の準備
役員の退職金を計画的に準備するための資金です。
保険を活用することで、将来の大きな支出に備えつつ、
保険の種類によっては税務上のメリットを得られる場合があります。
3. 事業承継対策
後継者が自社株を買い取るための資金や、相続に伴う納税資金などを準備します。
また、生命保険の活用の前に「自社株対策」「次期経営者の選定と育成」
「現社長の死亡に伴う、新社長選任の手続き方法の確認」など
しっかりと準備しておく必要があります。
このように複数の条件が整わなければ、生命保険の保険金の請求などが
迅速にできないようになっている契約がほとんどですので注意が必要です。
さらに最悪、1つ手続きを間違えただけで「多額の借金」を背負うことにもなりかねません。
事業承継や相続は基本的に「プラスだけ」を引き継ぐものではなく
「マイナス」も引き継ぐものと考え、慎重に対処する必要があります。
正しい保険金額の算出方法
では、具体的にどれくらいの保険金があれば会社を守れるのでしょうか?
「事業保障資金」を例に、必要な保障額の目安を計算してみましょう。
【事業保障に必要な資金の内訳】
A. 死亡退職金・弔慰金
役員退職慰労金規程に基づきます。(例:最終月額報酬 × 在任年数 × 功績倍率)
既定がない場合などは、議事録の作成など手間が増えます。
B. 借入金の返済資金
社長に万が一のことがあった際、金融機関からの借入金を返済するための資金です。
ここで最も注意すべき点は、法人が受け取る死亡保険金には法人税が課税されるということです。
したがって、借入金の残高と同額の保険金を用意するだけでは、
納税後に資金が不足し、完済できなくなってしまいます。
税金を支払った後に、借入金を全額返済できるだけの資金が手元に残るように、
以下の計算式で保険金額を設定する必要があります。
計算式と具体例: 借入金残高1億円、法人税の実効税率30%の場合
1億円÷(1-0.3)=1億4300万円
となり、約1億4300万円の保険金が必要となります
C. 当面の運転資金
売上が回復するまでの運転資金。一般的に月商の3〜6ヶ月分
もしくは、固定費の6か月分を目安にしましょう
D. 会社の自己資金
会社が保有する現金・預金など、すぐに使える資金
すぐに現金化できる、商品や設備などを含める場合もあります。
不動産等、すぐには現金化できない資産は勘案してはいけません。
【必要保障額の計算式】
必要保障額=(A+B(税金考慮後の金額)+C)−D
この計算式を基に、自社の財務状況を当てはめてみてください。
また、会社は生き物です。成長もしますし、
それに伴い借入金が変動するのが当たり前です。
保障額は適宜見直すことが非常に重要です。
長くなりましたので次回
『社長個人の生命保険設計:家族と会社を同時に守る方法』と題して
お届けします。
2025.08.26

2分で読めるAI要約
テーマ
「コップ半分の水」を“時間・人・お金”に置き換え、ないものを嘆くより、あるものを使い切る発想へ。
鍵はフレーミング効果(言い換えで行動を変える)と、最善主義(完璧を待たず今ある資源を使う)、そして短いペップトーク。
フレーミング効果の使い方
同じ事実も言い換えで前向きに:
「会議30分短縮」=「30分の売上づくり時間を確保」
「在庫20%削減」=「眠っている現金を20%通帳へ戻す」
最善主義:3つのアクション
10分だけやる:大計画より確実な一歩。
半分に削る:やることを絞りムダを落とす。
完了の一行を決める:着手前に“何ができたら終わりか”を明確化。
合言葉:「できる、できる、私ならできる」
ケーススタディ(今すぐ効く3改善)
① 時間:会議が長くて進まない
やること:
事前共有(資料は前送付)
議題は決めること3つに限定
終了時刻を先に宣言(例:60分)
完了の一行:次回「決めること3つ」を決定
効果:90→60分に短縮/毎回最低3決定/浮いた30分を売上行動へ
② 人:人手不足感が消えない
やること:
各メンバーの強み3つを書き出す
強みでない仕事を減らす
強みの仕事を増やす
完了の一行:担当を1つ入れ替える合意
効果:同人数で効率UP/ミス減/表情が軽くなる
③ 現金:黒字なのにお金が残らない
やること:
30日先までの資金繰り表で見える化
支出項目を1つだけ半減して止血
全社共通言語として**「お金のブロックパズル」導入
完了の一行:毎日、今月の入出金3件**を資金繰り表に記入
効果:来月末残高が事前に見える/出費が締まる/お金の認識ズレ解消
本文
みなさんも聞いたことがあると思います。
「コップに半分の水」の話。
本稿は、この話を中小企業のビジネスにどのように生かすかを
書きたいと思います。
ベースとなるのは「最善主義」と視点こそ違え「フレーミング効果」
最後に、自分を動かすための「ペップトーク」です。
コップの中の水を、ビジネスでいう「時間・人・お金」と捉え
「まだ、半分もある」という視点で見て
「ないものを嘆くのではなく、今あるものを使い切る」考え方への転換の
ヒントになれば幸いです。
なお、恥ずかしながら本稿は、以前、私の会社で実際に起きていた「困り事」を
ベースに「どのように改善していったのか」(現在も改善中なのですが)を
書いています。
まず、視点を整える:フレーミング効果の一言メモ
同じ事実でも、言い換え次第で行動が変わります。
(例)「生存率90%」と「死亡率10%」は同じ情報です。しかし受け取り方が変わると思います。
経営でも、
「会議を30分短縮」=「30分の売上づくり時間を確保」
「在庫20%削減」=「倉庫に眠る現金を20%通帳に戻す」のように、「ある」側から言い換えるのがコツです。
最善主義の3つのアクション
最善主義=完璧を待たず、今あるものを使い切る。
そのために、やることは3つだけです。
1. 10分だけやる:大きな計画より、確実な一歩を。
2. 半分に削る:やることを絞り、ムダを落とす。
3. 完了の一行を決める:「何ができたら終わりか」を先に決めてから着手する。
合言葉:「できる、できる、私ならできる」(背中を押す短いペップ)
ケーススタディ:いますぐ試せる3つの改善術
ケース1:時間(会議が長くて仕事が進まない)
こんな心当たりありませんか?
会社の定例会議。時間が90分。
話をしている人は、いつも決まった人ばかりで
結局は「何も決まらない」「とにかく、やれ」のみ。
正直、私も聞かされる立場だった時は「うんざり」でした。
会議開始前から「どうせ、いつもと同じ」としか思っておらず
結果も、ほぼ予想の範囲内。何も決まらず「情報の共有」程度で終了。
なので、思い切って この「無駄な時間」を半分に削ってみました。
(現実的には30分)
やること(3ステップ)
1. 事前に情報共有:資料は会議前に送る
2. 決めることを絞る:議題は「決めること」3つに限定
3. 終わり時間を先に宣言:「今日は60分で終了します」
完了の一行 「次回の議題=次回の会議で決めること3つを決める」
見える変化
会議時間が90→60分に
会議1回で決定が最低3つ出る
浮いた30分で売上に結び付きそうなことを1つやる
ケース2:人(人手が足りない気がする)
新しい人が欲しい。でもなかなか採用ができない。
採用の前に、今のいる人を活かしきっていますか?
「今いる人」というリソースを最大限に活かす方法を考えましょう
やること(3ステップ)
1. 強みを書き出す:各メンバーの得意なこと3つをメモ
2. ズレを減らす:得意じゃない仕事を減らす
3. 強みを増やす:得意な仕事を増やす
完了の一行 「担当(仕事)を1つ入れ替える合意できたら完了」
見える変化
同じ人数でも仕事の効率が上がる。
ミスが減る。
メンバーの表情が少し軽くなる。
ケース3:現金(黒字なのにお金が残らない)
売上は出ているのに、月末の通帳は心細い。
この状態は、「現金」の流れが見えていないことが原因です。
やること(3ステップ)
1. 見える化:30日先までの入出金と残高を1枚にまとめる。
2. 止血:まずは、1つの支出項目の支出金額を半分だけ止める。
3. 全社員共通の言語を導入:お金や利益に関する共通言語
「お金のブロックパズル」を導入する。
完了の一行 「毎日、今月の入出金3件ずつを資金繰り表に書き込めたら完了」
見える変化
来月末の残高が前もって見える
今月の出費が必要最小限に締まる
経営者と社員間のお金や利益に対する認識のズレが解消できる
最後の宿題(やることは、本当に1つだけです)
この記事を閉じた後、たった10分だけ時間をつくってください。
そして、ノートかスマホのメモ帳に、上記を参考に、
すぐにできそうな「最善の施策」を書き出し、「最善の一歩」を1つだけ実行してみてください。
くれぐれも「完了(ゴール)」の設定も忘れずに。
そして、完璧ではなくても最善に向けて一歩でも進めば「今日の私は合格」と
自分に「OK」を出しましょう。
完璧な計画はいりません。この小さな一歩が、明日を変える最も確実な打ち手です。
できる、できる、あなたならできる。
2025.08.22

数あるブログの中から、私のブログへの訪問、有難うございます。
地元函館や北海道はもちろん、
「お金に困まらない経営をしたいあなたに届け」
その想いで、一生懸命書き続けます。
2分で読めるAI要約
テーマ
完璧主義で足が止まるなら、最善主義へ。――「完璧じゃなくていい。今できる最善を丁寧にやる」。
問題意識
「もっと準備してから…」が頭の中でループし、行動できない。
立場が上がるほど「失敗したくない/プロとして完璧に」が強まり、結果「動かない」を選びやすい。
最善主義とは
100点を待たず今の60点で一歩踏み出す考え方。
小さく行動すると誰かの役に立つ → ありがとうを得る → 未来の自分への信頼が育つ。
コラムの示唆
下書きだらけで公開できなかったが、「完璧じゃなくても誰か一人の役に立てばいい」と公開。
「分かりやすかった」の一言が継続の原動力に。
最善で動くと起きること
行動が次のチャンスを連れてくる。
成果を出す人は共通して「まずやる/数を打つ/動きながら調整」。
今すぐできる“小さな一歩”の例
SNSで考えをひと言発信。
温めた企画を信頼できる友人に話す。
「困っていませんか?」と一人に声をかける。
背中を押す言葉(ペップトーク)
「できる、できる、俺ならできる」――精神論ではなく、積み上げを信じて踏み出す合図。
結論・呼びかけ
完璧主義 → 最善主義へ転換し、今日の最善の一歩を実行しよう。
行動の結果に失敗はない。あるのは「成功」か「学び」だけ。
あなたの今日の一歩は何ですか?
本文
完璧じゃなくていい。今できる最善を尽くそう
「積み上げてきた学びと経験は、もう十分にある」
なのに、いざという時に動けない自分がいる。
「もっと準備してから…」 「もう少し勉強してから…」
そんな声が頭の中でループして、自分に静かにブレーキをかけ、
結局何も行動できずに一日が終わる。 あなたにも、そんな経験はありませんか?
「ちゃんとしなきゃ」の呪縛
「間違えたくない」「失敗は避けたい」「プロとして完璧なものを見せたい」「これじゃ、恥ずかしい」
立場が上がるほど、「自分の見え方」が気になります。
誠実だからこそ「中途半端はイヤだ」と思い、
その結果、「動かない」を選んでしまう人は少なくありません。
「今は、そのタイミングじゃない」「お金や時間ができたらやってみよう」
様々な理由をつけて、自分を納得させたかのように装ってしまう。
そんな気持ちは、とても自然だと思います。
かつての私は勿論、恥ずかしながら、今の私に至ってもまだ、そういう気持ちが湧いてきます。
心が軽くなるお守り。「最善主義」という考え方
そんなとき、心がふっと軽くなる「最善主義」という考え方があります。
それは、「完璧じゃなくていい。 いまの自分にできることを、できるかぎり丁寧にやる」
という、とてもシンプルな考え方。
たとえ今の自分にできることが60点だったとしても、その「60点」に心を込めて行動する。
完璧な100点を目指して立ち止まってしまうより、今のベストを尽くして一歩踏み出す。
その一歩が、誰かの役に立ったり、「ありがとう」という言葉につながったりする。
そうやって、未来の自分への信頼が少しずつ育っていくんです。
コラム
「『下書き』だらけだった私が、たった一言で走り出せた日」
以前の私は、こうやってブログ記事をアップするまでに
1記事に何週間もかけて書いていました。
「書いては見直し、見直しては書き直し」この繰り返し。
いつしか、ホルダーには「下書き」として保存されている文章ばかりが。
『もっと良い表現があるはず』と悩み、結局公開できずにいたのです。
でもある時、『完璧じゃなくても、誰か一人の役に立てばいい』と思い「えいやっ」と公開してみたら、
『この記事わかりやすかったです』というたった一言のコメントが届きました。
あの時の感動が、今の私のブログ作成を支えています。
「最善」で動くから、未来が変わる
もし「完璧じゃなくてもいいや」と思えたら、あなたは、どんな行動ができそうでしょうか。
たとえば、こんな小さな一歩が踏み出せるかもしれません。
SNSで、自分の考えをひとこと発信してみる
温めていた企画を、まずは信頼できる友人に話してみる
「こんなことで困っていませんか?」と、そっと声をかけてみる
結果がどうなるかは、やってみないとわかりません。
でも、「今の私にできるベストは尽くせた」と思える行動は、
確実に次のチャンスを連れてきてくれます。
私の周りの成果を重ねている人たちは口をそろえて言います。
「まずやってみた」「数を打った」「動きながら調整した」と。
動いたからこそ見える景色があり、最善を尽くしたからこそ得られる手応えがあるのです。
「できる、できる、俺ならできる」
これは単なる精神論じゃありません。
今まで積み上げてきたものを信じ、そっと背中を押してくれる
おまじないのような言葉「ペップトーク」です。
あなたにも必ずあるはずです。 学んできたこと、努力してきたこと、大切にしてきたことが。
「完璧主義」から「最善主義」への転換。
今日から、そうやって進んでいけたら、
その先に、思ってもみなかった景色が広がっているかもしれません。
あなたの『今日の最善の一歩』は何ですか?
まずは、その小さな一歩を大切に踏み出してみませんか?
行動した結果には「失敗」は存在しません。
「成功」か「学び」のどちらかしかないのですから。
肩の力を抜いて「リラ~ックス」
2025.08.19

数あるブログの中から、私のブログへの訪問、有難うございます。
地元函館や北海道はもちろん、「お金に困まらない経営をしたいあなた」
そのために、一生懸命書き続けます。
2分で読めるAI要約
「聞く力」と「話す力」の本当の関係
主張
成果を出すために重要なのは「聞く力」か「話す力」か、という議論は本質的ではありません。
本当に大切なのは、両方の根源である「相手への関心」から生まれる「対話の循環」を育てる力です。
なぜ「対話の循環」が重要か
多くのビジネス現場では、ヒアリングが形式的なチェックリストの消化になり、
相手の隠れた本音やニーズを引き出せていません。
一方で、相手に聞く準備ができていなければ、どんなに良い提案も一方的な独り言で終わってしまいます。
「聞く」ことは相手を理解したいという関心、「話す」ことは自分を理解してほしいという欲求の現れです。
これらは対立するものではなく、どちらも良好な関係を築くための行為です。
価値が生まれる「対話の循環」
成果を出す人は、この循環の設計が上手です。
純粋な関心を持って相手の話を聞く。
相手は「理解してもらえた」と感じ、心を開き始める。
聞いた内容の要点を相手の言葉で返す(「つまり〇〇ということですね」)。
相手はさらに深く話す姿勢になり、対話が深まる。
この循環が強まることで、初めて価値のある提案が相手に届きます。
今日からできる実践ステップ
この循環を育てるには、まず以下のことから始めてみましょう。
順番を守る: まずは徹底的に「聞く」。そして「要約して返す」。自分の意見や提案は必ず最後にする。
相手の言葉で返す: 「つまり〇〇ですね」と相手の言葉を使って要約することで、理解していることを示す。
2秒待つ: 相手の発言後、すぐに反応せず2秒待つ。この間が、相手に深い思考を促し、本音を引き出すきっかけになる。
仕事でもプライベートでも、個別のスキルを磨くより、この「対話の循環」を意識することが、関係を劇的に変える鍵となります。
本文
「聞くこと」と「話すこと」は、実は同じ根っこから生まれている
〜ビジネスの現場で、見落とされている「対話の本質」〜
「聞くことは大切」──それって、本当?
「営業は聞くのが仕事」「ヒアリング力がある営業が売れる」
よく耳にする言葉です。たしかに成果の条件として「聞くこと」は欠かせません。
でも、なぜそれが大切なのか。
そこを本気で掘り下げずに、形だけの「ヒアリング」になっていないでしょうか。
原点の体験:飛び込み営業3万件からの学び
私のサラリーマン時代の営業スタイルは、完全な飛び込み営業でした。
1日50件、年間1万件超。これがノルマ。
最上階から非常階段で階を降り、見えない扉も遠慮なく開ける。
なので、時には「修羅場」に出くわすこともあれば、
その場でスカウトされることもありました。
ですが、「聞いてもらえる」ことは滅多にありません。
なので当時から、私の最大のテーマの1つがこれでした。
「どうしたら、話を聞いてもらえるか」
この問いが、のちに「聞く」と「話す」の本質に私を連れていきます。
「聞く」と「話す」はコインの裏表
現場での対話を重ねて気づいたのは、
「聞く」と「話す」は同じ源泉から生まれているということ。
「聞く」:相手を理解したいという、こちらから相手へ向かう能動的な関心
「話す」:自分をわかってほしいという、こちらから相手へ向かう表現の欲求
どちらもベクトルは「自分 → 相手」
つまり、両方とも「自分から相手への欲求」です。
相対するスキルではなく、関係性をつくるためのスキルであり
根っこは、同一で、エネルギーの使い方が違うだけなのです。
なぜ、あなたのヒアリングは「聞いてるつもり」で終わるのか
多くの現場で「聞く姿勢」が形式化もしくは形骸化しています。
チェックリスト通りに質問→メモ(リストにチェック)→商品を「当てにいく」
営業スキルを良い意味で均一化する目的で、多くの企業でこのようになっています。
これでは、語られていない本音に届きません。相手はこう感じます。
「この人、聞いてるようで聞いていない」
本当に聞くとは、言葉の背後にある感情・価値観・未言のニーズに関心を向けること。
テクニックというより、人間力の領域です。
これこそが意識はしていても、簡単には身に付かない理由です。
逆も真なり:「聞く準備」がない相手には、話は届かない
いくら想いを込めて提案しても、相手が聞いていない。
この状態を「独り言」と言います。
残念ながら人は「聞きたいことしか聞かない」ものなのです。
心理学的に言うと「確証バイアス」や「 動機づけられた推論」といいます。
だからこそ、話す前に相手の「聞く準備」をつくることが鍵です。
最初に相手の語りを引き出し、受け入れ、共感と安心をつくる。
そこからはじめて、あなたの提案が生きてきます。
この部分をまとめると
・信頼・安心という土台の上で
・言葉にならない感情に寄り添い、行動のエンジンを始動させ
・言葉でその道を照らしてあげる
こんな感じになります。
信頼は「対話の循環」から生まれる
成果を生むコミュニケーションは、
聞く → 話す → また聞く → また話す の循環です。
聞く→話させる→また聞く→また話させる でもいいでしょう。
あなたが相手に対し「純粋な関心」を持ち聞く
相手は「わかってもらえた」と感じ、心を開く
その本音を受け止め、あなたが要点を言葉にして返す
相手はさらに聞く姿勢になり、関係が深まる
この循環が育つほど、相手にとって価値ある提案が生まれます。
「売れる営業」とは、「話が上手い人」でも「聞き上手な人」でもなく、
「対話の循環」を育てられる人といえます。
実践:対話を循環させる7つの習慣
1.2秒ルール:相手の発言後、2秒沈黙してから応答
話をかぶせたり、話を食うことが防げます
2.相手の言葉で要約:「つまり〇〇ということですね」
相手の言葉を使った言語化は「わかってもらえた感」を生みます
3.問いを一段深く:「何が欲しいですか?」より「なぜそれが重要ですか?」
欲を満たすではなく、問題が解決できることが大切
4.聞く→要約→問い→提案:順番を守る。提案は最後が基本
慣れてくるとつい自己流に「自己流は事故のもと」
5.小さな自己開示:「実は私も」
等身大の自分や失敗の共有が安全地帯をつくる
6.感情の鏡:「不安」「もやもや」など、感情語をそっと返す
「沈黙」は大切な感情表現です。怖がらず一緒に沈黙しましょう
7.次の一歩を一緒に決める:合意は「行動」で締める
「では最初に〇〇から始めてみませんか」
3つのセルフ診断
直近の会話の中で、予想外の本音を引き出せたかましたか?
あなたの提案を、相手は身を乗り出して聞いていましたか?
商談後、相手から「また話したい」と言われた、もしくは 次のアポイントが取れましたか?
「NO」が多いなら、聞く/話すのいずれかに偏っているサインです
私の原点:聞いてもらえなかった子ども時代
少し私の子どもの頃の話をします。
私は自分の話を親に聞いてもらえた実感がありませんでした。
特に、父親には聞いてもらえた記憶も褒められた記憶もありません。
大人になってから「褒めてくれ」と言ったことがあるくらいです。
そのせいでしょうか?だから今、「話すとは?」「聞くとは?」に誰よりも真剣です。
人の話を本当に聞ける人であること。そして、自分の声も自分で聞いてあげること。
仕事上でも家庭でも、この二つを、私はともて大切に考えるようになりました。
突き詰めれば、理由は「自分のことをわかってほしい。話を聞いてもらいたい」
ここに行きつくことを自覚するようになりました。
終わりに──あなたにとっての「聞く」「話す」とは?
営業でも経営でも、人との関わりでも、
「聞く」と「話す」は分けて語られがち。
でも実は、同じ根っこを持つ一つの営みです。
会社内や家庭内、営業先などで、是非「対話の循環」を意識してみてください。
きっと、これまで見えなかった可能性が見えてきます。
もし相手の反応が変わったら、ぜひ教えてください。
いつも、一生懸命聞いてくれます
2025.08.13

数あるブログの中から、私のブログへの訪問、有難うございます。
地元函館や北海道はもちろん、「お金に困まらない経営をしたいあなた」
そのために、一生懸命書き続けます。
2分で読めるAI要約
近年、自然災害の多発と保険料の急騰により、「火災保険」は単なる火事への備えではなく、
家という最大の財産を守るための重要な生活防衛策となっています。これは、自分の家を守るための実践ガイドです。
火災保険の基本
火事だけではない:台風による風災、豪雨による水災(洪水・土砂崩れ)、水ぬれ、盗難など、補償範囲を自分で設計できます。
地震は対象外:地震、噴火、津波による損害は、別途「地震保険」をセットしない限り補償されません。
契約前に決めるべき5つのこと
保険の対象:建物だけか、家財(家具や電化製品)も含むか。
補償範囲:ハザードマップで自宅のリスク(洪水、土砂崩れなど)を確認し、必要な補償を選びます。
保険金額:「今、同じ家を建て直すのにいくらかかるか(再調達価額)」が基準です。古い家でも安く設定するのは危険です。
免責金額(自己負担額):自己負担額を高く設定すると保険料は安くなりますが、小さな損害は自腹になります。
地震保険:セットで加入するかどうかを決めます。
もしもの時と保険料を抑えるコツ
保険料:最近の保険料は数年で2倍以上になるケースも。不要な特約を外したり、免責金額を上げたりすることで節約が可能です。
請求の鉄則:被害にあったら、必ず修理を始める前に保険会社へ連絡してください。安全確保の後、写真を撮っておくことも重要です。
結論
医療保険がなくて絶望する人は稀でも、火災保険がなく家を失い、がれきの前で膝から崩れ落ちる人はいます。
火災保険は、万が一の際に人生最大の財産と生活を守るための、極めて重要な備えです。
せっかくのお盆休みだというのに、今も日本のどこかで
大雨や強風、それに伴う洪水・土砂崩れ・屋根や建物の破損が
起きているといっても過言ではない日本列島。
ブログをはじめて1年弱となりますが
これまで損害保険については書いたことがありません。
本文
近年の多発する自然災害とその被害の大きさ
販売サイドにいるはずの私たちでも感じている
度を越した保険料の値上がり。
このまま進むと「販売側(保険会社)」も「購入側(契約者)」双方にとって
望まない方向に進む懸念を感じる今、
初めて「火災保険」について書いてみようと思います。
なお、個別商品の説明をするわけではありません。
本稿は、一般的な火災保険についての「実践ガイドブック」となります。
まず押さえる「火災保険の基本」
火災保険は「火災だけ」の補償ではありません。
設計により、必要な補償を選択することも可能です。
一般的に「火災・落雷・破裂/爆発」に加え、
風災・ひょう災・雪災
水災(洪水・土砂・高潮)
漏水などによる水ぬれ損害
盗難、破損・汚損などをカバー(商品により差あり)
地震・噴火・津波と地震を原因とする火災は地震保険の領域
火災保険だけではカバーされないため、必要に応じて付帯を検討
契約前に決める5つのこと
1.保険の対象
建物のみ/家財のみ/建物+家財 の3パターン
持ち家:原則 建物+家財 賃貸:家財+借家人・個人賠償が基本
2.補償範囲(どこまで守るか)
風災・ひょう災・雪災/水災/水ぬれ(給排水事故)/盗難/破損・汚損 等の要否を決める
低地や河川近くは水災の検討を
3.保険金額(いくらまで守るか)
建物は再調達価額(新価)を目安に設定
家財は世帯人数・持ち物の総額感で設定
4.免責金額(自己負担額)
例:1万/3万/5万/10万など。免責を上げる=保険料は下がるが、小口の請求は自己負担に
5.期間・支払い方法と地震保険
長期契約の上限は5年。月払い/年払/一括払で保険料が変わる
地震保険の付帯有無を決める。ただし、火災保険とセットで契約(保険金額は下限・上限あり)
住まい別チェックリスト
戸建て
構造(木造/耐火)で保険料が大きく変わる
水災(洪水・土砂)の要否はハザードマップと地域特性で判断
太陽光パネル・門塀・物置など付属物の扱いを確認
分譲マンション(区分所有)
管理組合の共用部保険と自室(専有部)保険の役割分担を確認
下階の水ぬれ事故への備え(家財+水ぬれ補償)
地震保険は家財にも付帯可。高層階は、家具固定と家財補償を検討
賃貸
貸主指定の保険だけでは不足しがち。家財と借家人賠償、個人賠償のセットが基本
地域リスクの見極め
1.国のハザードマップ(重ねるハザードマップ)で自宅位置を検索
ハザードマップポータルサイト
2.洪水・土砂・高潮・津波などを重ねてリスク確認
3.リスクが高い項目は補償を外さない。逆に可能性が低い項目は免責設定で保険料を抑える
例 川が近い 台風がよく接近する 海からの高低さが小さい
地域差ではないが「地下(地盤面より下)に部屋や設備がある
保険会社と契約者との認識のズレQ&A
Q:地震で出火した火災は火災保険で出ますか?
A:いいえ。地震が原因の火災(類焼を含む)の損害は地震保険の対象です
Q:給水管の破裂やピンホールで床や家具がびしょ濡れ どの補償?
A:水ぬれ(給排水設備の事故)補償
ただし配管そのものの損害は対象外の商品が一般的(特約あり)
実は、この事故がとても多いのも事実
Q:隣家に延焼させたら賠償が必要?
A:重過失でなければ法律上の賠償責任を負わない(失火責任法)
心情対応・近隣配慮として類焼損害特約を検討は可
Q:古い家(建物)だから、高額な保険金額はいらない?
A:火災保険の考え方として「古い」「新しい」は保険金額には反映させない
「今、建て直したらいくらかかるか」が基本的な考え方(再調達価格)
以下、わかりやすい?理由
分損(一部損)の修理をする際に「現在の価格」での修理となります
古い家だからといって、修理代が何十年前の価格とはならないから
Q:古い家(建物)や事故が発生した建物は、保険契約できない?
A:確かに、古い新しいに限らず引受規定は存在しています。
「事故が起こった物件」にも規定は存在しています
古い家だからこそ、老朽化による水濡れ事故のリスクが高まったり
そもそも、保険はそのためにあるにも関わらずです
保険会社といえども、収支が赤字(出ていく保険金と入ってくる保険料の差)では
保険制度自体の維持すら危ぶまれますので、理解できないこともないのですが
「なるほどね。納得です」とはいきませんよね
ましてや、築古(古い家)は、築浅(新しい家)とくらべ
保険金額対千円当たりの保険料はデータに基づき、高く設定されています
一方で、建物メンテナンス状況や事故の状況などによっては
引受できる物件もありますので、問い合わせてみることをお勧めします
保険料の最近の動きと、ムダなく抑えるコツ
近年の自然災害増で保険料が上がる傾向
というよりも、既に数年前に比べると2倍以上となっている物件も存在
長期契約の上限は現在5年
抑え方の例:
免責(自己負担)を上げる(1万→3万→5万)
企業物件に関しては免責金額100万の設定も可能な場合あり
不要な特約を外す/重複を避ける
クレカや他保険の個人賠償と重複していないか 等
もしもの時:請求の基本フロー
まずは、安全確保 → 代理店・保険会社へ連絡 → 写真・被害メモ・見積を準備
→ 必要書類(罹災証明、損害明細、請求書 等)提出 → 調査・支払
先に修理してしまうと支払われる保険金と修理額に差額が出る可能性があるため
必ず「修理前」に代理店や保険会社に連絡を入れてください。
大規模災害の時などは、保険金の支払いを最優先しているのが事実です。
よって、特別な対応となる場合もあります。
いかがでしたか?
火災保険はもはや「高い買い物」です。
昨今の物価の上昇を考えると「事故なんてめったにないし」と
考えてしまいがちですが、ひとたび事故が発生してしまうと
一番大きな財産の喪失だけでなく、多額のローンのみ残るなんて事態も
十分あり得ます。
最後に、保険業界で30年以上、ご飯を食べさせていただき
損害・生命保険の事故を数百件以上見てきた経験をお伝えします。
私は病気を患い入院なさった人で「医療保険」に加入していなくて
退院の際に「膝から崩れ落ちた」人を見たことがありません。
一方、燃え尽きた建物を見て「火災保険」に加入していなくて
がれきの前で「膝から崩れ落ちた」人を見たことはあります。
これが現場で起きている事実です。
ちょっと湿っぽくなってしまいましたので「中和」しますね
2025.08.08

数あるブログの中から、私のブログへの訪問、有難うございます。
地元函館や北海道はもちろん、「お金に困まらない経営をしたいあなた」
そのために、一生懸命書き続けます。
2分で読めるAI要約:「売上はあるのにお金が残らない」理由と解決策
「売上は好調なのに、なぜか手元にお金が残らない」と感じる経営者は少なくありません。
その原因は、決算書の「利益」と会社の「現金(キャッシュ)」の流れが一致していないからです。
会社の生命線である現金の流れ(キャッシュフロー)は、①営業・②投資・③財務の3つの活動で成り立っています。
これを①呼吸・②筋肉増強・③循環と捉え、お金が残る体質への改善策を見ていきましょう。
1. 営業キャッシュフロー:「呼吸」を深く、楽にする
本業で稼ぐ現金の流れです。ここがマイナスなのは「呼吸困難」の状態。まずは流れをスムーズにすることが最優先です。
入金を早く:取引先に支払サイトの短縮を交渉する。高額な請求は分割も検討。
在庫を減らす:売れない在庫(罪庫)はセールで現金化し、過剰発注をやめる。在庫は「眠っているお金」です。
支払いを遅く:仕入先に支払サイトの延長を交渉する。
2. 投資キャッシュフロー:「筋肉増強」の刃を研ぐ
将来の成長のための設備投資などです。無計画な投資は会社の体力を奪います。
小さく試す:いきなり大規模投資せず、スモールテストで効果を検証してから拡大する。
資産を現金化:使っていない機械や不動産は「いつか使うかも」と放置せず、売却して現金に変える。
3. 財務キャッシュフロー:「循環」を整える
借入や返済など、資金調達の流れです。ここの管理を誤ると、資金繰りが一気に悪化します。
借入の期間と目的を一致させる:設備のような長期投資には「長期融資」、短期の運転資金には「短期融資」を使い、月々の返済負担を最適化する。
借入は「総額」より「月々の返済額」に注意:低金利に惹かれて安易に借入を重ねると、借入総額は同じでも「本数」が増えることで月々の返済額が膨れ上がり、首を絞めることになります。
まとめ
健全な経営とは、「①営業(呼吸)」で稼いだ現金を「②投資(筋肉増強)」に回し、
足りない分を「③財務(循環)」で賢く補うサイクルを回すことです。
資金難は「数字が苦手」という意識から始まります。
まずはこの3つのキャッシュフローを直視することから、お金に困らない「筋肉質」な経営体質への改善を始めましょう。
本文
「売上は好調なのに、なぜか手元にお金が残らない」
「月末の支払いがいつも不安で、頭から離れない」
もし、あなたがそう感じているなら、
それは決算書の「利益」と、会社の「現金」の流れが一致していないからです。
会社の生命線ともいえるキャッシュフロー(現金の流れ)は、
営業、投資、財務の3つの活動がバランス良く循環してこそ、健全な状態を保てます。
この3つの流れを、それぞれ「呼吸」「筋肉増強」「循環」と捉え、
あなたの会社のお金がなぜ残らないのか、その原因と具体的な改善策を見ていきましょう。
1. 営業キャッシュフロー 「呼吸」を深くする
営業キャッシュフローは、本業でどれだけの現金を稼ぎ出したかを示すものです。
ここがマイナスということは、まさに「呼吸困難」の状態。
まずは、楽に息ができるように、お金の流れをスムーズにすることから始めましょう。
改善のヒント
1. 売掛金の回収を早める
取引先に「支払サイトの短縮」を交渉してみましょう。
「そんなこと無理だ」と思うかもしれません。
しかし、支払いを少しでも早くしてもらえれば、
その分、運転資金として借りているお金を減らせます。当然、利息の負担も軽くなります。
せっかく稼いだ利益が、銀行への利息で消えていくのはもったいないですよね。
そのお金は、もっと前向きなことに使いましょう。
また、高額な売掛金は分割請求も検討し、入金までのタイムラグを圧縮することで、資金繰りに余裕が生まれます。
2. 在庫を圧縮する
いつまでも売れない在庫は、思い切って「処分セール」で現金化しましょう。
そして、発注ロットを見直し、過剰な在庫を持たないように最適化することも重要です。
「年に一度の注文でも、在庫を切らせたくない」という話を聞きます。気持ちわかります。
しかし、その「年一回の注文」の時期を特定し、
その時期に合わせて在庫を確保するなどの工夫はできませんか?
在庫は「眠っているお金」です。お金が固定化されている状態は、資金繰りを圧迫します。
滞留在庫のことを「罪庫」と呼ぶこともあります。
この「罪庫」を解消することは、キャッシュフロー改善に直結します。
3. 仕入れ条件を改善する
仕入先に「支払サイトの延長」を交渉してみるのも一つの手です。
これも難しいと感じるかもしれません。
しかし、取引先にとっても、未回収になるよりはマシなはずです。
選択肢として捨てるべきではありません。
また、もし可能であれば、同業他社と共同で仕入れすることで、
交渉力が上がり、仕入れコストを下げられる可能性もあります。
4. 売上を上げる
これは言わずもがな。キャッシュフローを改善する最も直接的な方法です。
2. 投資キャッシュフロー 「成長の刃」を研ぐ
投資キャッシュフローは、会社の将来的な成長のために行う設備投資や不動産の売買などを示すものです。
リスクとリターンをしっかり見極め、確実に成果を出すことが重要です。
投資3原則
1.スモールテスト → 検証 → 拡大
まず小規模に導入し、成果を確認してから本投資へ向かうようにしましょう。
2.PBP(投資回収期間)を算定
借入金の返済期間や減価償却年数を超えるような投資は
「夢」ではなく「賭け」かもしれません。再検討が必要です。
3.眠れる資産をキャッシュ化
使っていない設備・不動産は売却を検討しましょう。
「いつか使うかも」「いつか値上がりするかも」
これも、その気持ちよくわかります。
しかし、1円も生んでいない資産を持つことは
会社経営として正しい状態ではありません。
3. 財務キャッシュフロー 「循環系」を整える
1. 資金の用途と期間を一致させる
設備投資には、その設備の耐用年数に応じた「長期融資」を、
短期的な運転資金には「短期融資」を使いましょう。
長期借入で運転資金を賄ってしまうと、月々の返済負担が増えてしまいます。
補足
本来は「短期資金は短期借入、設備資金は長期借入」が原則。
長期借入で運転資金を賄うこと自体が“悪”というより、
上記記述は、返済年限が用途より長すぎても短すぎても資金繰りを圧迫するという意味です。
2. 借入は「金額」ではなく「本数」に注意する
「多額の借金で経営破綻」というニュースをよく見ますが、
実は問題は「借入金の総額」だけではありません。
以下の例を見てみましょう。わかりやすさを重視するため
利息は考えないものとします。
借入金A:1200万円(10年返済、月々10万円)
5年後に残債600万円
5年間の返済後、追加で600万円を借り入れたとします
(新たな借入金B、10年返済、月々5万円)
借入総額は1200万円で変わりませんが、
月々の返済額は15万円に増えてしまいます。
(借入Aの返済分10万円と借入Bの返済分5万円)
更に返済期間も実質6.6年と短くなります。
(1200万円÷(15万円×12か月)=6.666年)
金利の低さだけに目を奪われ、無計画に借入を重ねると、
このように月々の返済額が増え、資金繰りが厳しくなることがあります。
銀行へ融資を申し込む際には「借入総額」や「金利の高低」ではなく
「月々の返済金額」と「返済期間」を確認することが大切です。
まとめ
営業CF=呼吸、投資CF=筋肉増強、財務CF=循環です。
「営業CFで生んだ余剰→投資CFへ→足りない分は財務CFで補う」
どれか一つでも滞れば、会社は酸欠や出血多量で倒れてしまいます。
資金難は「数字が苦手」から始まります。
そして、「数字を直視」した瞬間から改善は始まります。
今日から3つのキャッシュフローを診断し、「お金の調子」を整えましょう。
あなたの会社の血液は、きっと再び力強く巡り始め
筋肉質で、美しい経営体質へと変貌するはずです。
本文とは、全く関係ないですが、この兄弟
昨日6歳になりました。