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社長、最近笑えていますか?資金繰りで折れない「セルフペップトーク」──社長の「自分いじめ」を終わらせる
2026.02.02
忙しい方へ:1分で読めるAI要約
【結論】経営者にとって「セルフペップトーク」は、単なるポジティブ思考ではなく、
健全な意思決定を支える「心のインフラ(経営資源)」です。
自分自身に対して「存在・行動・結果」の順で承認を行うことで、
脳を「自己否定」から「解決志向(問活)」へと切り替え、
結果としてキャッシュフローの改善をもたらします。
1. 陥りやすい「セルフ・逆三角形」の罠
責任感の強いリーダーほど、自分自身に対して「承認のピラミッド」がひっくり返った逆三角形(自分いじめ)の状態になりがちです。
結果(Having): 数字が出ている時だけ自分を許す
行動(Doing): 結果が出ないと、これまでの努力すら否定する
存在(Being): 「経営者として失格だ」と、自分の存在価値まで削る
マイストーリー:私も「自分いじめセルフトーク」に浸かっていました
かつての私も、経営が思うようにいかない時期に、成績表を見るたびに
「なんでこんなこともできないんだ」
「経営者やってる意味あんのか?」
と、自分を責める「尋問」ばかりしていました。
景色が変わりはじめたのは、ペップトークと「問活」に出会い
自分への問いかけを
「なぜダメなんだ?」から
「じゃあ、どうすれば良くなる?」へ
切り替えた瞬間でした。
2.「問活(質問力)」でセルフトークの質を変える
結論:凹んでいる時ほど「なぜ?」ではなく「これから?」で脳を動かす。
凹んでいる時、無意識に自分へこんな「尋問」をしていませんか?
×「なぜ、自分はこんなにダメなんだ?」(原因追及・自己否定)
この「なぜ?」は、過去の失敗に執着させ、脳をフリーズさせやすい。
セルフペップトークとは、この問いを 未来への質問に変換する技術です。
◎「今の状況から、何ができるだろう?」(解決志向)
◎「この経験をどう活かせば、最強の社長になれるだろう?」(成長志向)
問いが変われば、脳内に流れるセルフトークが変わり
ピラミッドの土台が修復され始めます。
3. 自分を支える「セルフ承認」の3ステップ
他人を承認するように、自分自身も「存在」から順に認め、心のピラミッドを修復しましょう。
1.【存在承認】へのセルフ承認
「結果はさておき、今日も社長としてイスに座り、会社を続けている自分はよく踏ん張っている」
と、立ち続けている事実そのものを肯定します。
2.【行動承認】へのセルフ承認
「今日、資金繰りの表を作った」「社員と向き合った」など、
結果が出る前のプロセスにある小さな「動き」を拾い上げます。
3.【結果承認】へのセルフペップ
土台を整えた上で、「この厳しい数字をどう立て直すか?ここからが腕の見せ所だ」
と、自分を鼓舞するエールを送ります。
4. 「よくある質問(FAQ)」
Q:自分に甘くなり、成長が止まりませんか?
A: 逆です。自分を追い込みすぎると、脳は防衛本能で「挑戦」を避けるようになります。
セルフペップで安心感(土台)を作ることで、より大胆なリスクテイクと建設的な改善ができるようになります。
Q:キャッシュフローコーチがなぜメンタルを重視するのですか?
A: 数字を動かすのは「人」であり、その起点は「社長の意思」だからです。
社長の心のインフラが整い、顔つきが明るくなることが、
財務改善の最大の先行指標になることを現場で何度も目撃しています。
Q:チームビルディングにセルフペップはどう繋がりますか?
A: 自分を承認できないリーダーは、他人を承認することもできません。
セルフペップができるようになると、自然と社員に対しても「存在・行動」に光を当てられるようになり、
組織全体の自走が始まります。
執筆者:佐藤保険事務所 代表(日本唯一のペップトーカー財務コンサルタント)
資格:日本キャッシュフローコーチ協会認定 キャッシュフローコーチ
日本ペップトーク普及協会 認定講師/問活(質問力)実践者
専門領域:資金繰り・財務改善/組織コミュニケーション/チームビルディング/言葉の選び方/
更新日:2026年2月2日
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褒めているのに逆効果?なぜ、あなたの言葉は届かないのか?
2026.01.27
信頼を築く「承認のピラミッド」──アクセルとセーフティネットをつなぐ設計図
忙しい方へ:1分で読めるAI要約
結論:言葉が届かない最大の理由は、相手の中に「信頼の土台」ができていないまま、いきなり“結果”を求めてしまうからです。
解決策:「承認のピラミッド(存在→行動→結果)」の順に承認を積み上げると、応援も指摘もまっすぐ届きます。
ポイント:広い土台(存在承認)があるほど、アクセルの言葉(背中を押す)も、セーフティネットの言葉(支える)も機能します。
こんな経験はありませんか?
「良かれと思って声をかけたのに、相手が心を閉ざしてしまった」
「『頑張れ』と言えば言うほど、相手の顔が曇っていく」
これまでお話ししてきたように、言葉には2種類あります。
人を前に押し出す アクセルの言葉(箱根駅伝・原監督)
背中から支える セーフティネットの言葉(ソチ五輪・佐藤信夫コーチ)
そして今、その2つを結びつける「設計図」として紹介したいのが、
承認のピラミッドです。
1. 承認には「3つの階層」がある
結論:承認は「存在→行動→結果」の順に積み上げるほど、信頼が強くなる
承認には下から順に3つのステップがあります
① 存在承認(いちばん下の土台)
「あなたがここにいること」そのものを認める
例:挨拶、感謝の一言、話をきちんと聴く、目を見てうなずく
② 行動承認(真ん中)
「やっていること・向き合い方」を認める
例:努力、工夫、チャレンジ、プロセスへのコメント
③ 結果承認(頂点)
「出した成果」を認める
例:目標達成、テストの点数、売上、優勝・合格
ここで大事なのは、ピラミッドの面積です。
一番広い土台である「存在」が安定しているからこそ、
その上に「行動」や「結果」がぐらつかずに積み上がります。
2. 「結果」から入るという、よくある間違い
結論:結果承認だけだと、相手は常に「不安」の中で動く
職場や家庭でよく起きるのは、ピラミッドが逆三角形になってしまう現象です
結果を出したときだけ褒める
結果が出ないと、存在価値がないかのような言葉になる
これでは土台が細すぎて、相手は常に
「失敗したら居場所がなくなる」という不安を抱えます。
そして、前回の記事
箱根駅伝・原監督に学ぶ~「頑張って」より効く応援言葉の正体~
で触れた
「全力で頑張っている人に『頑張って』が重く響く」のも、
存在や行動が十分に承認されていない状態で、
いきなり「結果」や「行動」を求めてしまっているからです。
3. 名コーチたちは、ピラミッドをどう使っていたか
ここからが本題です。
2つのエピソードを、この図に当てはめてみます。
① 佐藤信夫コーチの「助けに行くから」=究極の【存在承認】
ソチ五輪の浅田真央選手は、ショートで結果も行動も厳しい状況でした。
そこで佐藤コーチがかけた言葉は、
「大丈夫。何かあったら先生が助けに行くから」
これは技術でも結果でもなく、
「何があっても、私はあなたの味方だ」という、存在そのものへの承認です。
崩れかけたピラミッドの一番下を、もう一度太く塗り直した。
だからこそ、あの伝説のフリー演技につながったのではないでしょうか。
② 原監督の「楽しめ!ヒーローになれ!」=【行動・結果承認】への着火
一方、箱根駅伝の原監督の言葉は、
「ここから楽しめ、笑顔だぞ」
「お前、ヒーローになってくよ。ヒーローに」
という、行動と結果に火をつける言葉でした。
でもこれがプレッシャーではなく「ワクワク」になるのは、
日頃から存在と努力(行動)を徹底的に認めているからだと思われます。
土台が盤石だからこそ、頂点に向かうアクセルの言葉がまっすぐ届く。
ここに、承認のピラミッドの力がよく表れています。
4. 信頼の土台は「存在」と「行動」の承認でできる
私たちの日常で目に入りやすいのは、テストの点数や売上などの「結果」です。
だからこそ、意識して増やしたいのが下の二つ
存在承認のひと言(例)
「今日も来てくれてありがとう」
「いつもチームを支えてくれて、ありがとう」
「元気な顔を見られてうれしいよ」
成果に関係なく、「ここにいていいんだ」と感じられる土台をつくります。
行動承認のひと言(例)
「結果は惜しかったけど、あの工夫は素晴らしかったよ」
「最後まで諦めずに取り組んでいたの、ちゃんと見ていたよ」
「最初に手を挙げてくれたから、会議(教室)が動き出したよ」
結果が出ていなくても、
「やっていること」を見てくれている人がいる。
それが分かった瞬間、人は安心してチャレンジできます。
この2つが積み重なっている相手には、
厳しい「結果」の話をしても、それは「攻撃」ではなく
「成長の材料」として届くようになります。
5. あなたの承認は、どこに偏っているか?
ここで少し、振り返ってみましょう。
最近かけた言葉は、「結果」「行動」「存在」のどれが多かったですか?
「なんでできないの?」「またミスしてるね」と、結果ばかり見ていませんか?
行動や存在を承認された経験が少ない人に、結果だけを求めていませんか?
もし「結果へのコメントがほとんどだな」と感じたら、
今日から意識して、存在と行動へのひと言を増やしてみてください。
その一言一言が、信頼のピラミッドの下の層を、
ゆっくりと、しかし確実に厚くしていきます。
おわりに:言葉は、土台の上にしか響かない
言葉は「種」のようなものです。
そして承認のピラミッドは、その種をまく「土壌」です。
どんなに素晴らしい応援の言葉も、
土壌が枯れていれば(=存在承認が不足していれば)、芽は出ません。
まずは、あなたの周りにいる大切な人の顔を一人思い浮かべてください。
「存在」へのひと言
「行動」へのひと言
そして最後に「結果」へのひと言
この三つを、心の中でそっと用意してみましょう。
その小さな一歩が、誰かにとっての
「原監督の一言」「佐藤コーチの一言」になるかもしれません。
そして気づけば、あなたの周りには、
言葉でつながった揺るがない信頼のピラミッドが立ち上がっているはずです。
FAQ(追記)
Q:承認のピラミッドで一番大事なのはどこ?
A:存在承認です。土台が太いほど、行動・結果の話も「攻撃」ではなく「応援」として届きます。
Q:甘やかすと結果を出さなくなるのでは?
A: 逆です。存在を認められている安心感があるからこそ、人は「失敗を恐れずに高い目標(結果)へ挑戦」できるようになります。
心理的安全性が高いチームほど、長期的には高い成果を出します。
Q:苦手な相手にどう「存在承認」をすればいいですか?
A: 感情を込める必要はありません。「おはよう」の挨拶や、相手が話している時に「手を止めて聴く」といった行動そのものが、強力な存在承認になります。
Q:財務改善の現場で、このピラミッドはどう機能しますか?
A: 資金繰りに苦しむ経営者は、自らを「結果が出ていないダメな人間だ」と否定しがちです。
まず「ここまで会社を守ってきた社長の歩み(存在・行動)」を全肯定することで、
初めて建設的な財務戦略(結果)の話を考えられるようになります。
Q:今日からできる最短の一歩は?
A:まずは 挨拶+感謝の一言(存在承認) を増やすことです。
「今日もありがとう」これだけで土台が変わり始めます。
執筆者:佐藤保険事務所 代表(日本唯一のペップトーカー財務コンサルタント)
資格:日本キャッシュフローコーチ協会認定 キャッシュフローコーチ
日本ペップトーク普及協会 認定講師/問活(質問力)実践
専門領域:資金繰り・財務改善/組織コミュニケーション/チームビルディング/言葉の選び方/
更新日:2026年1月27日
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指導的立場の人間に必要な声かけ「失敗しても大丈夫」 ――背中から支える「お守り」の言葉
2026.01.23
忙しい方へ:1分で読めるAI要約
結論:心が折れそうな人を支える言葉は、前へ引っ張る言葉ではなく「倒れても大丈夫」というセーフティネットの言葉です。
効く一言:「大丈夫。何かあったら私が助けに行く(最後は私が責任を取る)」
理由:この言葉は①全肯定の土台②孤独を消す連帯感③失敗する権利(挑戦の許可)を同時に渡しています
ビジネス応用:期待や結果を押し付ける前に「一緒に背負う」を添えると、相手は恐怖から解放され、力を発揮します
前回の振り返り:アクセルの言葉
前回は、相手の心にワクワクする未来を描き、
一歩前へ踏み出させる「アクセル」のような言葉を扱いました。
しかし人生には、ワクワクする余裕など微塵もなく、
恐怖や絶望に飲み込まれそうな瞬間があります。
足がすくみ、心臓の鼓動が耳元で鳴り響くような、孤独な戦いの場。
そんな時に必要なのは、アクセルではなく
「倒れても大丈夫」というセーフティネットな言葉です。
結論:セーフティネットな言葉は「失敗しても価値は変わらない」を伝える
人が本当に苦しいとき、力を出せない理由は「能力」ではなく、
恐怖(失敗・孤独・否定)に飲み込まれてしまうからです。
この恐怖をほどく言葉が、セーフティネットの言葉。
「大丈夫」「もしもの時は私が受け止める」という、お守りのような一言です。
Q1:どん底で足がすくむとき、人はどんな言葉で前を向けるのか?
答えを、記憶に残る実話から
事例:2014年ソチ五輪、浅田真央選手を救った一言
2014年ソチオリンピック
金メダルの期待を背負った浅田真央選手を襲ったのは、
ショートプログラム16位という衝撃の結果でした。
努力家の彼女にとって、練習のすべてが否定されたかのような夜。
翌日のフリーを前に、リンクサイドに立つ背中は、
見えない重圧で震えていたはずです。
その時、佐藤信夫コーチがかけた言葉は、
「日本中が応援している」でも「練習を信じろ」でもありませんでした。
「大丈夫。何かあったら先生が助けに行くから」
一見、スポーツの指導者らしからぬ言葉です。
演技中にコーチがリンクへ入ることもルール上できません。
それでも、この一言が極限状態の心を救い、
伝説の演技へつながる「魔法の言葉」になりました。
Q2:なぜ「助けに行く」が伝説の演技を引き出したのか?
結論:この言葉は、心の恐怖をほどく3つの働きを同時に持つからです。
①「大丈夫」という土台(全肯定)
「失敗するな」ではなく、
「失敗しても、あなたの価値は変わらない」というメッセージ
崩れかけていた心の土台が、まず修復されます。
②「孤独」を消す連帯感
リンクは、世界で自分ひとりが戦っているような場所。
そこで「先生が助けに行く」は、
最強の味方が背中に張り付くような安心感を与えます。
③「失敗する権利」の付与(挑戦の許可)
「もし転んでも受け止めてもらえる」という確信は、
守りに入らず攻めるための 「勇気の源」 になります。
結果、恐怖から解放された人は、
自分の力を「出せる状態」に戻れるのです。
Q3:ビジネスの現場では、どう言い換えればいい?
結論:期待や結果を押し付ける前に「最後は一緒に背負う」を添えること
私たちは苦しんでいる部下や仲間を励ます時、
つい「前を向かせる言葉」ばかり探してしまいます。
でも本当に折れそうな時に必要なのは、前へ引っ張る力ではなく、
「倒れても大丈夫だよ」という保証なのかもしれません。
例えば、大事なプレゼンや新規プロジェクトで、こんな声をかけていないでしょうか。
「期待しているよ」
「失敗するなよ」
この言葉は、相手の重荷を増やしてしまうことがあります。
佐藤コーチの視点を借りるなら、こう言い換えます。
「大事な場面だね。でも大丈夫。思い切りやっておいで。
何かあったら、最後は私が責任を取るから」
結果を求めることをやめる必要はありません。
「最後は一緒に背負う」という覚悟を添えるだけで、
相手は恐怖から解放され、目の前の仕事に100%集中できるようになります。
今日から使える:セーフティネット言葉テンプレ
迷ったら、この“型”を使ってください。
① 背中に「味方」を貼る型
「大丈夫。私がついてる」
「一人で背負わなくていいよ」
② 責任を「引き受ける」型
「何かあったら最後は私が責任を取る」
「最終的には一緒に受け止めよう」
③ 失敗の許可を出す型
「失敗しても大丈夫。そこから立て直せる」
「完璧じゃなくていい。挑戦していい」
④ 集中へ戻す型
「結果は私がとる。今は目の前の一つに集中しよう」
「大丈夫。やることだけやろう」
よくある質問(FAQ)
Q:責任を肩代わりすると、部下が無責任になりませんか?
A: 逆です。リーダーの覚悟を感じた相手は「この人の期待に応えたい」という強い当事者意識(エンゲージメント)を持ちます。
安心感があるからこそ、自律型人間として自走し始めるのです。
Q:自分の背中を支えるセルフペップトークはありますか?
A: 経営者自身も孤独です。自分に「今日までやってきたことは嘘をつかない」
「大丈夫 大丈夫 私ならできる」と声をかけてあげてください。
Q:財務的にこの「支える言葉」にはどんなメリットがありますか?
A: 心理的安全性は、離職率の低下と生産性の向上に直結します。
恐怖や結果のみで支配する組織より、安心で支える組織の方が、長期的な人的資本の利回りが高くなることは、多くの成功企業が証明しています。
Q:そんなに守ったら、甘やかしになりませんか?
A:甘やかしではありません。挑戦できる土台を作るということです。
恐怖で固まった状態では成果は出ません。「安心」があるから攻められます。
Q:責任を取るって言うのが怖いです
A:「私が全部やる」ではなく、「最終的には一緒に受け止める」でも十分です。
責任の「共有」が、相手の恐怖をほどきます。
Q:部下がミスしそうなときも使えますか?
A:使えます。むしろ効果的です。
「失敗するな」より「起きたら一緒に立て直す」の方が、冷静さを保てます。
まとめ:あなたが届ける「お守り」の言葉
言葉がけ(ペップトーク)には、アクセルの言葉もあれば、
今回のように後ろからそっと支える「お守り」の言葉もあります。
「行け!」の前に「大丈夫」で土台を整える
「結果を出せ」の前に「何かあったら一緒に受け止める」と伝える
この順番を意識するだけで、相手の力はもっと自然に、もっと強く溢れ出します。
あなたの周りに、今、震える背中で戦っている人はいませんか?
その人へ、こんな一言を贈ってみてください。
「大丈夫。私がついている。思い切りやっておいで」
その一言が、誰かにとっての
「絶望を覚悟に変える、魔法の一句」になるはずです。
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箱根駅伝・原監督に学ぶ~「頑張って」より効く応援言葉の正体~
2026.01.20
忙しい方へ:1分で読めるAI要約
結論:人を動かす言葉とは、相手の頭の中にワクワクする未来の映像を映し出す言葉です。
注意点:「頑張って」は時に、相手へ行動の押し付け(Doの強制)になり、負担になることがあります。
共通点:一流のリーダーの言葉は、短くて、すぐ絵が浮かぶ、前向きな言葉を使います。
実例:箱根駅伝・原監督「ここから楽しめ、笑顔だぞ」「お前、ヒーローになってくよ」
結論:人を動かすのは「命令」ではなく「未来の映像」
人が一歩踏み出す瞬間には、必ず何かの「動機付け」があります。
それは「こうなりたい」という能動的な願いだけでなく、
「助けたい」「助けなければ」という倫理観のようなものも含まれます。
そして、もう一つ大事なのが
誰かの言葉がきっかけになって、人は動くということ。
では、その一歩を生む言葉とは何か。
ここではそれを 「応援言葉」 と呼びます。
Q1:なぜ「頑張って」が重荷になることがあるの?
結論:「頑張って」は、相手に「今の苦しい行動(Do)」を上乗せする形になりやすいからです。
もちろん「頑張って」で力が出る人もいます。だから「絶対言っちゃダメ」ではありません。
ただ、すでに限界まで努力している人に対しては、
「頑張る」という行動をさらに強要されたように感じ、
意識が「今の辛さ」に固定されてしまうことがあります。
NG寄りの応援(恐れの映像)
「ここで頑張らないでどうする!今までの努力が無駄になるぞ」
理想の応援(未来の映像)
相手の心に「素敵な景色」を映し出す言葉
Q2:「頑張って」の代わりに、どんな言葉がいいの?
結論:相手の頭に「明るい未来の絵」が浮かぶ言葉です。
ここで、箱根駅伝の青山学院・原監督の言葉が参考になります。
例1:ラストスパートの選手へ
「ここから楽しめ 笑顔だぞ!」
この言葉が効く理由は、主に3つです
「笑顔」という単語で余計な力みを外す
前向きな言葉で、脳内イメージをポジティブに切り替える
苦しい局面を「勝負どころ」に置き換え、「やれる感覚」を起こす
例2:タスキを受けた選手へ
「おまえ、ヒーローになってくよ ヒーローに」
この言葉が効く理由は2つ
「なっていくよ」で、未来を先取りさせる
「できる」ではなく「ヒーロー」という役割(Be)を渡している
そして、ここが一番大切です。どちらにも共通しているのは
短い言葉で、すぐ頭に絵が浮かぶ、わかりやすい言葉
Q3:同じ「頑張りどころ」でも、なぜ結果に差が出るの?
結論から言うと、言葉が呼び起こす「映像」が違うからです。
原監督の言葉:未来の映像(楽しい・笑顔・ヒーロー)
「おまえ、ヒーローになってくよ ヒーローに」
叱咤の言葉:恐れの映像(無駄・後悔・責め)
「ここで頑張らないでどうする!今までの努力が無駄になるぞ」
人は、恐れでも動けます。
でも「本来の力を解放する」場面では、恐れは力み・萎縮につながりやすい。
結果として、いつもの力が出せなくなることがあるのです。
実体験:言葉が「先に結果」を見せてくれる瞬間
私がサッカー現役時代、フリーキックの場面がありました
直接狙うか、仲間に預けるか悩む距離
私はベンチを見て、コーチとアイコンタクト
コーチは静かにうなずき、顔を「ゴール」へ向けました
私はこう受け取りました。
「狙え、お前なら決められる」
不思議と、その瞬間に「すでに決めた気分」になっていました。
スポーツをやっている方なら、似た経験があるはずです。
「打てそう」「決まるな」という、あの感覚
そして結果は 「ゴール」
頭の中で「先に見えた通り」の結果が、現実になったのです。
まとめ:人を動かすのは「ワクワクする未来の映像」
結局のところ、人を動かすのは命令ではなく、
その人の頭の中に浮かぶ ワクワクする未来の映像です。
「頑張れ」だと、今の苦しさに意識が向くことがある
「ヒーローになれるぞ」だと、ゴールを切る自分が浮かぶ
誰かの背中を押したいとき、必要なのは追い込む言葉ではなく、
相手の心に 「素敵な景色」 を映し出す言葉。
よくある質問(FAQ)
Q:結局「頑張って」は言わない方がいい?
A:禁止ではありません。相手が負担に感じないならOKです。
ただ、苦しい人には「頑張って(Do)」よりも、その先の姿(Be)が浮かぶ言葉の方が効きやすいです。
Q:応援言葉は長い方が気持ちが伝わる?
A:むしろ逆です。短いほど頭に入り、絵が浮かびます。
Q:心に「絵」を浮かばせるのが苦手です。どうすれば?
A:まずは「絵になる言葉」をストックしてください。
例:ヒーロー/笑顔/景色/主役/ゴールテープ/優勝/拍手
名詞が変わるだけで、言葉の力は一気に上がります。
Q:財務改善の現場でもこの「応援言葉」は使える?
A:もちろんです。数字を「義務」で語るのではなく、
「完済して家族旅行に行く姿」「社員が誇らしげに働く姿」など、
「叶えたい未来の映像」を言葉で共有すると、踏ん張る力が増します。
まとめ あなたなら、どんな「絵」をプレゼントしますか?
あなたの大切な人が、今いちばん苦しいところにいるのなら
あなたなら、どんな「絵」が浮かぶ言葉をプレゼントしますか?
「頑張って」の代わりに、相手が思わずニヤリとしてしまう。
そんな 応援言葉 を、一緒に探してみませんか。
次回は「背中から支える言葉」をお伝えしますね。
執筆者:佐藤保険事務所 代表(日本唯一のペップトーカー財務コンサルタント)
資格:日本キャッシュフローコーチ協会認定 キャッシュフローコーチ
日本ペップトーク普及協会 認定講師/問活(質問力)実践
専門領域:資金繰り・財務改善/組織コミュニケーション/チームビルディング/言葉の選び方/
更新日:2026年1月20日
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「言葉」が財務を変える~言葉の力と質問力が強い会社をつくる~
2026.01.15
忙しい方へ:1分で読めるAI要約
最新:2026年1月11日、「日本ペップトーク普及協会」認定講師試験に合格しました。
核心:「聴く(質問力)」と「話す(ペップトーク)」は、どちらも“同じベクトル”から生まれます。
経営的価値:言葉選びと投げかける順序を整えると、離職率低下/意思決定の加速/自走型社員の育成に直結します。
結論:数字(財務)を動かす起点は「人」。そして人を動かす起点は、「言葉」です。
ご報告:数週間、更新が止まっていた理由
数週間、更新が止まっておりました。
理由は「日本ペップトーク普及協会」の認定講師試験受験のためでした。
昨年1月に、その存在を知り、1年後の 令和8年(2026年)1月11日、試験に合格することができました。
支えてくださった皆さま、本当にありがとうございます。
Q1:なぜ財務コンサルタントが「聴く力」と「話す力」を重視するのですか?
結論:企業の経営資源「人・物・金」のうち、すべての起点は「人」だからです。
そして、その「人」を動かすのが、私たちの 言葉 です。
私はこれまで、質問力(聴く力)を武器に、経営者に寄り添いながら
夢の実現や財務改善のお手伝いをしてきました。
数字は大事。でも、数字だけでは人は動かない。
数字を「行動」に変える推進力が必要だと、強く感じ
昨年の目標を
聴く力(質問力=問活)を鍛える
話す力(ペップトーク)を鍛える
として、スタートしました。
Q2:「聴く」と「話す」のベクトルが同じとはどういう意味ですか?
結論:どちらも私(主体)から生まれる強い動機が出発点、という意味です。
私がこの1年で一番腑に落ちた学びは、
「聴く」と「話す」は、実はベクトルが同じだということでした。
聴く:私は、あなたにとても興味がある。もっと知りたい。
話す:私は、あなたに私のことをもっと知ってもらいたい。
一見、相手のためのようでいて、根っこには「私の動機」があります。
だって、興味がない人や嫌いな人の話を聞いたり、話したりするのは
苦痛でしかないですよね。
たとえ仕事と割り切っていても、心から「知りたい」「知ってほしい」とは
並の人間なら、なかなか思えないはず。
だから私はこう思うようになりました。
本気で「聴く」「話す」ができるのは、
自分の中に「知りたい・知ってほしい」が生まれたときだと。
(※本文では「聴く」と「聞く」が混在していますが、ここではそれぞれがもつ「意味」の違いを込めています)
Q3:質問にも「質の良いもの」と「良くないもの」があるのはなぜ?
結論:分けるのは「言葉選び」と「順序」、そして「信頼関係」です。
昨年までの私は「質問」つまり「聴く力」を使って経営者に寄り添いながら支援してきました。
でも、質問にも「質」がある。では、その差を生むものは何か?
私は、ずばり 「言葉」だと思います。ただし、ここで言う「言葉」は、単なる単語ではありません。
言葉選び(どんな言葉で)
投げかける順序(どの順番で)
信頼関係(関係性の土台があるか)
同じ内容でも、言葉と順序が違えば、返ってくる答えも、行動も変わります。
Q4:質の高いコミュニケーションは、具体的にどう業績に貢献しますか?
結論:適切な言葉が、組織の自走を促し、コストを利益に変えます。
言葉が変わると、現場の「脳の使い方」が変わります。
責められる言葉
→ 「どう言い訳し、どう逃げるか」を考える脳
問いかけの言葉
→ 「どう改善し、どう達成するか」を考える脳
この切り替えが起きると、経営数字に変化が起きます。
離職率の低下:承認されている実感が増え、人が辞めにくくなる
意思決定の加速:指示待ちが減り、現場で考えて動く
生産性の向上:実行力が上がり、結果として利益が残りやすくなる
「そんなの経営や財務に関係ある?」と思われた方へ。
結論だけ言います。
関係あります。むしろ直結します。
経営者の悩みの大部分は、結局「人・物・金」
そして、その起点は 人
その人を動かす起点が 言葉 です
次回予告:1年の学びを明日から「使える形」でお届けします
明日以降、この1年の学びを具体的にお伝えします。
人を動かす「言葉」とは
どんな順序で投げかけると、一歩前へ踏み出せるのか
なぜ「言葉の力」で離職率・業績に差が出るのか
「知って実践する会社」と「知らないままの会社」では、
業績、離職率、自走型社員の育成に差がつきます。
執筆者:佐藤保険事務所 代表(日本唯一のペップトーカー財務コンサルタント)
資格:日本キャッシュフローコーチ協会認定 キャッシュフローコーチ
日本ペップトーク普及協会 認定講師/問活(質問力)実践
専門領域:資金繰り・財務改善/組織コミュニケーション/チームビルディング/言葉の選び方
更新日:2026年1月15日
日本ペップトーク普及協会代表理事 岩﨑 由純 さん との「認定式」
私の試験の試験官も、岩﨑さんでした。(緊張した~)
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年末年始営業日のお知らせ
2025.12.25
平素は格別のお引き立てをいただき厚くお礼申し上げます。
弊社では、誠に勝手ながら下記日程にて年末年始休とさせていただきます。
■年末年始休業日
2025年12月27日(土)~2026年1月4日(日)
休業期間中にいただいたお問合せについては、
営業開始日1月5日(月)以降に順次回答させていただきます。
皆様には大変ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解の程お願い申し上げます。
※各担当者への、ご連絡でも対応できるような体制はとっておりますが
万が一、連絡が取れないなどの際には、下記の番号へお電話いただきますようお願い申し上げます。
自動車の事故・故障など 0120-365-110(24時間365日受付)
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経営者の「言葉」が「自律型組織をつくる」増収・離職率低下に効く『言いかえ辞典』入門
2025.12.22
忙しいあなたへ「1分で読めるAI要約」
リーダーが使う何気ない「言葉」こそが、社員の意欲や考える力を左右しています。
過去や責任追及を中心とした指示では、部下は思考停止に陥り「指示待ち」になりがちです。
そこで、「指示」を「問い」に変えて未来志向を促す言葉選びを意識すると、社員は自ら考え行動しはじめます。
たとえば、「なぜこんなミスを?」ではなく「この経験から次に何を学べる?」と聞くだけでも、
部下の脳は改善策を生み出すモードに切り替わります。
こうした言いかえは、離職率の低下や意思決定の加速、
イノベーション創出といった形で経営に大きなリターンをもたらします。
特に「ありがとう」という言葉を組織にあふれさせることで、
心理的安全性と信頼関係が生まれ、指示待ち組織から自律型組織へと変わる第一歩を踏み出すのです。
本文
「なぜうちの社員は指示待ちなのか?」 「何度言っても伝わらない」 「会議で誰も発言しない」
こんな悩みを抱えるリーダーは少なくありません。
もしあなたが、部下の能力不足や主体性のなさを嘆いているのなら、
一度立ち止まって考えてみてほしいことがあります。
見直すべきは「部下の質」ではなく、あなた自身が日常的に発している「言葉の選択」かもしれません。
実は、組織の業績や発展を左右するのは、立派な経営理念はもちろん、
リーダーが現場で放つ「普段のたった一言」の質に左右されるのです。
1. 「言葉」は組織を動かすOSである
コンピューターがOS(オペレーティングシステム)によって制御されるように、
組織の空気や行動力は、リーダーが使う言葉によって左右されます。
威圧的な言葉や、曖昧な指示が蔓延する組織では、
社員の脳は「怒られないこと」「責任を回避すること」を最優先し、思考を停止させます。
一方で、適切な「言いかえ」によって社員の脳を刺激するリーダーのもとでは、
自律型人間が育ち、結果として業績にもとてもいい影響が発生します。
つまり、言葉選びを磨くことは、単なるマナーやコミュニケーションスキルの問題ではなく
「指示を成果に変え、社員を資産に変える」ための、最もコストのかからない経営戦略なのです。
2. 「指示」を「問い」に変え、当事者意識を育む
時間的な制約などにより、多くのリーダーが陥りがちなのが、
「正解を与えてしまう」という罠です。
親切心からのアドバイスであっても、それが一方的な「命令」や、
過去やリーダー自身の経験に基づく「正解」である場合
ストレートにそれを伝える行為は
部下から考える機会を奪うことになります。
そこで活用したいのが、言葉の引き出しを増やす『言いかえ辞典』という考え方です。
この辞典の目的は一つ。「部下の脳の使い方を切り替えるスイッチ」を持つことです。
責められる言葉 = 「どう言い訳し、どう逃げるか」を考える脳
問いかけの言葉 = 「どう改善し、どう達成するか」を考える脳
リーダーが発する言葉が「問い」に変わるだけで、
部下の中に少しずつ「自分で考えて動く習慣」が根付いていくのです。
3. 【実践】自立型組織を作るための「戦略的言いかえ」7選
では、「戦略的言いかえ」とは何か。具体的に見ていきましょう。
まずはじめに、経営者やリーダーの方々にこれをお伝えすると
かなりの確率で出てくる言葉があります。
それは、「優しすぎ」「あまやかしでは」です。
しかし、このような言葉を使い、相手の脳の思考回路を再構築しなければ
あなたの部下やチームメイトは、思考を停止し
「指示待ち人間」からの脱出できません。
これらは、単に「優しく言う」ためのものではなく、組織を「発展させる」ための変換術なのです。
① 失敗報告を受けたとき
❌ 「なぜこんなミスをしたんだ?」 (過去・犯人探し)
⭕ 「この経験から、次に何を学べるだろうか?」 (未来・学習)失敗を「学習の材料」と再定義することで、報告のスピードが上がり、組織全体の学習能力が高まります。
② 指標や目標が未達のとき
❌ 「本当にできるのか? やる気あるのか?」 (精神論・不信)
⭕ 「この目標を達成するために、不足しているリソース(資源)は何だと思う?」 (事実・協力)やる気のせいにするのではなく、時間・情報・スキルなどの物理的な課題に焦点を当てることで、
部下は解決に向けて具体的に動き出します。
③ 質問されたとき
❌ 「そんなことも知らないのか?」 (拒絶・萎縮)
⭕ 「なるほど、そうだったのか。どんな情報があるとやりやすくなりそう?」 (謙虚・支援)リーダーの知的謙虚さが「聞いていい会社」の空気を作り、致命的なミスを未然に防ぐ文化を醸成します。
④ 不都合な報告が来たとき
❌ 「本当のところはどうなんだ?(隠してないか?)」 (猜疑心・追及)
⭕ 「この件について、今わかっている事実だけ教えてくれる?」 (冷静・客観)感情を排し、事実にフォーカスすることで、トラブルへの初動が劇的に早まります。
⑤ 責任の所在を明らかにするとき
❌ 「お前の責任だ」 (属人化・孤立)
⭕ 「今の仕組みをどう改善すれば、二度と起きないだろう?」 (システム思考・改善)個人を責めても再発は防げません。仕組みに目を向ける一言が、組織の防御力を高めます。
⑥ アイディア出しの場面
❌ 「それはちょっと無理じゃないか?」 (否定・停止)
⭕ 「その案、面白そうじゃないか。実現するために足りないものは何? 」 (肯定・創造)まずは、否定しない。この習慣が、イノベーションが起きる土壌を作ります。
⑦ 厳しく指導する必要があるとき
❌ 「前にも言っただろう!」 (感情・過去)
⭕ 「君への期待レベルと現状にギャップがあるね。一緒に埋めよう」 (期待・コーチング)「怒り」を「期待」に変換して伝えることで、部下は「叱られた」ではなく「成長を期待された」と受け取ります。
まだまだ、たくさんあるとは思いますが、このような「改革」を経て
社員一人一人が成長し、それが企業の成長につながっていることは
J&J(ジョンソンエンドジョンソン) IBM Panasonic 京セラ など
とても多くの企業が証明しています。
大手企業だからできたのではありません。
はじめはどこの企業も「町工場」からスタートしたのです。
4. 言葉が変われば、数字が変わる
「言いかえ」を徹底した組織では、以下のような変化が数字となって現れます。
離職率の低下: 尊重され、期待されていると感じる職場ではエンゲージメントが向上します。
スピードの向上: 指示を待たずに「自分で考えて動く」社員が増え、意思決定が加速します。
イノベーションの発生: 心理的安全性が担保されることで、現場からの改善案が絶えなくなります。
これらはすべて、企業の純利益に直結する要素です。
つまり、あなたの言葉選びは、会社のバランスシートを改善する立派な経営資源なのです。
結論:今日から始める「一言の投資」
経営者にとって、言葉は最もコストがかからず、かつ最もリターンの大きい投資先です。
いきなり全てを変える必要はありません。
まずはデスクの隅や心の中に「言いかえ辞典」を置き、明日出会う部下へ、
たった一つだけでいいので「未来志向の問い」を投げかけてみてください。
「そんなこと言われても急にはできないよ」という方
たくさんの組織の空気を換え、組織の温度を上げた「最強の言葉」があります。
それは「ありがとう」です。
まずは、「ありがとう」この一言を組織の中に溢れさせて下さい。
想像以上の効果があり、組織が生き物のように動き出します。
あなたの言葉が変わるとき、組織の空気は確実に変わり始めます。
そしてその先に、自律型人間が集まり、持続的に発展し続ける強い会社の未来が待っています。
完璧なリーダー、強いリーダーである必要はありません。
組織を良くしようと「言葉を磨く努力」をしているあなたの姿勢そのものが、
部下の心を動かす最高のリーダーシップになるのです。
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怒らないリーダーではなく「強くなる職場」をつくる心理的安全性の実践法
2025.12.11
忙しいあなたへ「1分で読めるAI要約」
心理的安全性は「優しい職場」ではなく、成果を生むチームの鍵。
GoogleのProject Aristotle調査で証明されたように、
高い心理的安全性があるチームはミスを早期発見し、改善提案が活発化。結果、離職防止につながります。
例: 見積もりミス時、低い安全性では怒りが原因隠しを生み、再発を招く。
一方、高い安全性では「報告ありがとう」と受け止め、原因(例: システム不備)を共有。
ポイントは①感情と事実の分離、②解決志向の問い、③前向きな体験作り。
明日から実践: 第一声に「報告してくれてありがとう」、NGワードを言い換え、自分のミス共有。
こうして「強くなる職場」を築けます。詳細は本文で!(参考: Google調査)
本文
「心理的安全性を高めよう」と聞くと、「優しくしましょう」という話に聞こえがちです。
でも、経営者やリーダーが本当にほしいのは「ぬるま湯」ではなく、成果が出るチームですよね。
実際、Google社の大規模調査「Project Aristotle」をはじめ、多くの研究が
「高い成果を出すチームの最大の要因は、心理的安全性である」と結論付けています。
なぜなら、部下が不都合な真実を最速で報告できるかどうかが、企業の命運を分けるからです。
経営者・リーダーにとっては、ミスの早期発見・改善提案・離職防止に直結する重要テーマだと思いますので
少しの時間、私に頂戴できればと思います。
それでは今日は、現場でありそうな、こんなシーンの会話劇からスタートします。
シチュエーション
重要顧客への見積書で「桁」の間違いが発覚。
部下の佐藤さんが、青ざめた顔であなた(社長)のところへ来ます。
「社長、申し訳ありません。昨日の見積もりで、金額を間違えて送ってしまいました」
パターンA:心理的安全性が「低い」職場
社長:
「はぁ? お前、何年目だと思ってるんだ?」
佐藤:
「す、すみません。確認したつもりだったんですが」
社長:
「つもり」はいらない。なんでそんな初歩的ミスをした?
ダブルチェックは? 誰が確認した?」
佐藤:
「私が一人でやりました。すみません」
社長:
「たるんでるんじゃないのか。信用問題だぞ。すぐ先方に謝ってこい!」
佐藤(心の声):
(本当は、あの入力画面が見づらくてミスりやすいんだけど・・・
言ったら「言い訳するな」って言われそうだし、やめておこう)
この職場の「未来」
ミス=怒られる ⇒ 次はギリギリまで隠す
システムの不備という「真の原因」が上がってこない
→ 同じミスがくり返される
パターンB:心理的安全性が「高い」職場
社長:
(内心「マジか」とザワつきつつ、ひと呼吸おく)
「そうか。言いづらいのに、すぐ報告してくれてありがとう」
佐藤:
「えっ・・はい。本当に申し訳ありません」
社長:
「正直、驚いたし焦っているのも事実だ。
でも、起きたことは起きた。まずはどうリカバリーするかに集中しよう」
佐藤:
「はい。すぐ電話でお詫びして、正しい見積もりをお持ちしたいです」
社長:
「そうだね。じゃあ「どうすれば最善か」を一緒に考えよう。
今回の原因は、どこにありそう?」
佐藤:
「私のチェック不足もあるんですが、
実は、入力画面の桁区切りが見づらくて、前から怖いなと思っていました」
社長:
「なるほど、それは他の人もミスしそうだ。教えてくれて助かった。
今回の対応が落ち着いたら、あの画面の改善も進めよう」
この職場の「未来」
「報告してよかった」「次は改善しよう」という前向きな感情と行動
「入力画面の不備」という経営課題が早期に見つかり、
組織として再発防止が打てる
「何が違うのか?」──3つのポイント
① 「感情」と「事実」を分けて扱う
Aでは、社長の怒り(感情)がそのまま相手への攻撃になっています。
Bでは、
「驚いている・焦っている」という自分の感情を認めつつ、
部下を責めずに、事実と対応の話に切り替えています。
怒りの本当の目的は「会社を守りたい」「成長してほしい」という期待のはずです。
その目的に沿う行動を選べるかどうかが、分かれ目です。
② 「なぜやった?」ではなく「どうすれば?」を問う
Aの「なんでミスした?」は、部下の脳を「言い訳探しモード」にします。
Bでは最初から、
「どうすれば最善のリカバリーになる?」 「原因はどこにありそう?」
と、未来・解決志向の問いになっています。
これだけで、部下の思考は「責められ回避」から「改善提案」へと切り替わります。
③ 「言ったあと、何かが前に進む」経験をつくる
心理的安全性を決めるのは雰囲気ではなく、
「話した結果、どう扱われたか」の体験の積み重ねです。
報告したら怒鳴られた → 「次は黙っておこう」
報告したら一緒に考えてくれた → 「次も早く伝えよう」
たとえ提案が採用されなくても、
「今回はこういう理由で見送る。でも言ってくれて助かった」
とフィードバックするだけで、「言ってよかった」という感情が残ります。
経営者・リーダーが“明日からできる”3つの実践
ミス報告への第一声を決めておく
「報告してくれてありがとう。まず状況を教えて」
これを「口ぐせ」にしてしまう。
リーダーや上司だって人間です。怒りを貯めたり殺したりし続けては
いずれ「パンク」してしまいます。
とはいえ、「吐き出す」わけにもいきませんので、
こういったルールを作っておくことで、感情をコントロールしましょう。
2.NGワードを言いかえる
「なんでやった?」 → 「何が起きた?」
「誰が悪い?」 → 「どこで詰まった?」
リーダー的立場の人間は「言葉」を鍛えましょう。
スポーツの現場を見るとよくわかると思います。
選手は勝つために「体や技術」を鍛え上げます。
監督・コーチは、鍛え上げた選手が最高のパフォーマンスを出せるように
言葉で選手をその気にさせたり、鼓舞します。
自分の部下やチームのメンバーが最高のパフォーマンスが出せるよう
「言葉の力」を上手に使いこなしましょう。
3.自分のミスも少しだけ共有する
「実は昔、自分も似たミスをしてね」
完璧なフリをやめると、部下の肩の力も抜けます。
自己開示をすると、一気に距離が縮まり、
予想以上の関係が結びつきができることがあります。
まとめ:欲しいのは「怒られない職場」ではなく「強くなる職場」
心理的安全性とは、
「ミスを許す優しい会社」をつくることではありません。
「不都合な事実を、最速でテーブルの上に出せる関係性」
をつくることです。
その鍵を握っているのは、ミスが起きた「その瞬間の一言」です。
次に誰かが青ざめた顔で「すみません」と言いに来たとき、
あなたは A と B、どちらの会話を選びますか?
まずは一言、こう返してみてください。
「言いづらいのに、報告してくれてありがとう」
その一言が、会社の未来を守る情報を
あなたのもとに集める「スイッチ」になります。
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どんぶり勘定が社長の視線を奪う──ドラッカーに学ぶ『大聖堂』を見上げるための資金管理術
2025.12.03
忙しいあなたへ「1分で読めるAI要約」
資金繰りに悩む中小企業の社長は、「今月末、本当にお金が足りるのか」という不安に縛られ、
視線が「未来」ではなく「足元」に釘付けになりがちです。
ドラッカーの有名な「3人のレンガ積み職人」の寓話が示すように、
同じ仕事でも「労働」「手段」「使命」としてどう意味づけるかで、やる気も人生の充実度も大きく変わります。
本来、経営者は「大聖堂を建てる」ような理想や使命を持っていたはずなのに、
日々の資金繰りや雑務に追われるうちに、「ただレンガを積むだけ」の状態になってしまうことがあります。
その不安の正体の一つが、「どんぶり勘定」によるお金の見えなさです。
不安を減らす最初の一歩は、難しい会計ソフトではなく「紙とペン」での見える化です。
通帳残高、今後の入金予定、今月の支払予定の3つを書き出し、
差額を計算するだけで、漠然とした恐怖は「対処可能な課題」に変わります。
事実に基づいて判断できるようになれば、心に余裕が生まれ、
再び「3人目の職人」のように、経営を自分の使命として捉え直せるようになります。
日々の資金チェックや資料作成などの「レンガ積み」も、
「社員が安心して働ける環境を守る」「お客様の未来を拓く」といった「大聖堂」につながる行為として再定義できたとき、
経営は苦役から誇りある仕事へと変わります。
資金繰りの不安を一人で抱え込まず、まずは紙に書き出すことから始め、
足元を固めながら、もう一度自分だけの「大聖堂」を見上げていきませんか。
本文
「今月末、本当にお金が足りるだろうか…」
「どこまで支払いを待ってもらえば、なんとかなるか…」
日々奮闘する中小企業の社長様とお話ししていると、こうした切実な声をお聞きすることが少なくありません。
どれだけ売上があっても消えない、漠然とした不安。
誰にも相談できず、一人で通帳を見つめる夜。
「数字が見えない不安」は、社長を孤独にします。
そして何より恐ろしいのは、その不安が社長の視線を「足元」に釘付けにし、
本来見るべき「未来」を見えなくしてしまうことです。
今日は、ある有名な寓話を通して、経営者であるあなたが「本来あるべき姿」を取り戻すためのヒントをお話しします。
■ ドラッカーが教える「3人のレンガ積み職人」の話
ピーター・ドラッカーの著書でも引用される有名な話をご存知でしょうか?
ある旅人が、建築現場で働く3人の職人に「ここで何をしているのですか?」と問いかける話です。
1人目の職人は、不機嫌そうに答えました
「見ればわかるだろ。レンガを積んでいるんだよ。朝から晩まで大変な仕事だ」
彼は、仕事を単なる「労働」、あるいは苦役として捉えています。
2人目の職人は、淡々と答えました
「大きな壁を作っているんだ。家族を養うためだし、腕には自信があるからね」
彼は、仕事を「キャリア」や手段として捉えています。
3人目の職人は、目を輝かせて空を見上げ、こう答えました
「私は、歴史に残る偉大な大聖堂を造っているんだ! ここは多くの人が祈り、心の安らぎを得る場所になるんだよ」
彼は、自分の仕事を「使命」として捉え、社会的な意義を感じています。
3人とも、やっている作業は同じ「レンガ積み」
しかし、自分の仕事をどう意味づけているかによって、
モチベーションも、仕事の質も、きっと人生の充実度もまったく変わってきます。
ドラッカーがこの話で問いかけたのは、
「あなたにとっての「大聖堂」は何か?」
「うちの会社は、何のために存在しているのか?」
という、仕事の目的と使命です。
■ なぜ、社長が「1人目の職人」になってしまうのか?
私たち経営者は、創業した当初、間違いなく「3人目の職人」だったはずです。
「世の中をこう変えたい」「お客様を笑顔にしたい」
心の中に、自分だけの「大聖堂」の設計図を持っていたはずです。
しかし、日々の経営の中で、いつの間にか「1人目の職人」のように、
「ただ目の前のレンガ(資金繰りや雑務)を積むこと」に追われてしまってはいないでしょうか?
「大聖堂を建てたい」という想いがあっても、
足元の土台がグラグラしていては、安心して空を見上げることはできません。
その「グラグラする土台」の正体こそが、「どんぶり勘定」による「お金の不安」なのです。
■ 不安を消す最初の一歩は「見える化」
「会計ソフトもExcelも苦手だ」
そう思う社長こそ、まずは「紙とペン」を用意してください。
ドラッカーが言うように「個々の作業を全体の目的へ結びつける」ためには、
まず作業の現場(資金状況)を直視し、コントロール下置く必要があります。
やるべきことは、以下の3ステップだけです。
通帳の残高(いまある現金)を書く
これから入ってくる売上(入金予定)を書く
今月支払うもの(家賃・仕入・給与など)を書く
これらを書き出し、差額を計算してみてください。
「数字が見えない」状態とは、暗闇の中を歩くようなものです。
お化けが出るかどうかわからないから怖いのです。
しかし、紙に書き出して「見える化」すれば、それは単なる「課題」に変わります。
「あ、今月は少し足りないな。じゃあ、あの支払いを相談しよう」
「意外と余裕があるな。じゃあ、以前から考えていたあの設備投資を検討しよう」
感情ではなく「事実」で判断できるようになれば、社長の心に「余裕」が生まれます。
その余裕こそが、あなたを再び「3人目の職人」へと戻してくれるのです。
■ 「レンガ積み」を「大聖堂建設」へ変えるのは、あなた自身
仕事の意味は、誰かが決めてくれるものではありません。
日々の資金管理や地味な事務作業。これらは一見、辛い「レンガ積み」に見えるかもしれません。
しかし、これらが「会社という大聖堂」を支えるための強固な土台作りだと再定義できたとき、
そこには責任感と誇りが生まれます。
「私の大聖堂は何か?」
資金繰りが見えるようになり、不安が解消されたとき、ぜひもう一度この問いを自問してみてください。
「毎日の資金チェック(レンガ)」は、「社員が安心して働ける環境を守ること(大聖堂)」
「資料作成(レンガ)」は、「お客様の未来を拓く手伝いをすること(大聖堂)」
そう思えた瞬間、あなたの経営は「苦役」から再び「使命」へと変化します。
資金繰りに悩むのは、あなただけではありません。
一人で抱え込まず、まずは紙に書き出すことから始めてみませんか?
足元の不安を消して、一緒にあなただけの「大聖堂」を見上げましょう。
必要であれば、いつでも一緒に「レンガ積み」しますよ。
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「税金を払いたくない」が会社を殺す? 銀行員が見ている「当期純利益」の本当の意味
2025.11.28
忙しいあなたへ「1分で読めるAI要約」
多くの経営者は「税金を払うくらいなら経費で使う」と考えがちですが、財務に強い経営者は違います。
当期純利益は単なる「今年の成果」ではなく、貸借対照表の自己資本となり、会社を守る「筋肉」になるからです。
過度な節税は自己資本を削り、銀行からの信用も失います。
銀行は「当期純利益+減価償却費」で返済能力を判断するため、
利益ゼロの会社は「借金を返せない会社」と見なされます。
ただし、当期純利益には2つの罠があります。
①土地売却益などの特別利益で実力を見誤る ②利益はあるのに現金がない状態。
経営者は「調整後当期純利益(特別損益を除いた実力値)」で判断すべきです。
税金は「国へのお金」ではなく「財務基盤強化と資金調達力向上のための投資」です。
目先の節税より、10年20年続く「潰れない会社」を目指しましょう。
本文
「一生懸命働いて利益が出たのに、最後にガッポリ税金で持っていかれた」
「税金を払うくらいなら、経費を使ってしまえ!」
決算の時期、そんな「節税」の誘惑に駆られることはありませんか?
お気持ちは痛いほどわかります。
しかし、財務に強い経営者は、あえて「しっかりと税金を払い、当期純利益を残す」
という選択をする場合があります。
なぜなら、この「当期純利益」こそが、銀行に頼らず会社を守る「最強の盾(自己資本)」になるからです。
こんにちは。財務が苦手な社長や次期経営者のための超入門シリーズ、いよいよ損益計算書(P/L)の最終行です。
第1回:総論
第2回:限界利益(受ける・やめるの判断軸)
第3回:粗利(儲かる仕組みの設計図)
第4回:営業利益(経営力の通信簿 )
第5回:中小企業の体力を測る「EBITDA」(会社の体力測定)
第6回:経常利益 会社全体の「総合評価」
第7回:当期純利益 会社の筋肉量(潰れにくい会社の原点)
今回は、会社の寿命を決める最終成果、「当期純利益(とうきじゅんりえき)」について解説します。
「最後の一行」を見る目が変われば、あなたの経営判断は劇的に変わります。
1. 当期純利益とは? ——「ゴール」であり「スタート」
これまで見てきた「経常利益(平時の総合点)」に、最後の仕上げをしたものが当期純利益です。
当期純利益 = 経常利益 ± 特別損益 − 法人税等
ここで登場する要素は2つです。
特別損益:「今年だけ」「異常な」出来事
(例:土地を売った利益、災害による損失、中小企業の役員の退職金など)
法人税等:利益に応じて国に払う「場所代」や「会費」のようなもの
これらをすべて精算し、最後に会社の手元に残った「完全な手取り」
それが当期純利益です。
2. なぜ「税金を払ってでも」利益を残すべきか?
まず、はじめに言っておきます。
私は「節税なんて絶対ダメだ」と言っているわけではありません。
「節税すべき会社」と「節税してる場合ではない会社」があるということです。
そして、中小企業の多くは経験上「後者」であると思います。
また、意識というか考え方として「節税」ではなく「利益の繰り越し」
という観点から「やる・やらない」を決めれなければなりません。
私が考える「節税している場合ではない会社」については
後日、書いてみたいなと思います。
では、本題へ。
多くの経営者が「当期純利益=単なる今年の結果」だと思っています。
しかし、財務の視点は違います。
「当期純利益は、貸借対照表(B/S)へ移動し、会社の「肉体」になる」
どういうことでしょうか?
実は、P/L(成績表)とB/S(財産目録)は、この「当期純利益」という一本のパイプでつながっています。
あなたが稼ぎ出し、税金を払った後の利益は、B/Sの「利益剰余金(内部留保)」という場所に貯金されます。
これは「自己資本」の一部となり、誰にも返す必要のない、会社自身の純粋な体力となります。
黒字(納税) = 会社の筋肉(自己資本)が増える
赤字(過度な節税) = 会社の筋肉を削って痩せ細る
「税金を払いたくないから利益を消す」というのは、
「自ら会社の肉体を削り、防御力を下げている」のと同じことなのです。
また、多くの経営者が憧れる「無借金経営」
節税という行為は、無借金経営と逆行する行為と言えます。
当たり前といえば当たり前ですよね。
キャッシュの源である「利益」を減らす行為が「節税」なのですから。
3. 「見かけの数字」に騙されるな! 2つのワナ
ただし、この当期純利益には、経営判断を誤らせる「ワナ」があります。
数字の大小だけで一喜一憂せず、必ず中身を確認してください。
ワナ①:「特別利益」で実力を見誤る
「今年は当期純利益が5,000万円も出た! 絶好調だ!」
よく見ると、本業(営業利益)は赤字で、昔買った「土地の売却益」が乗っているだけだった。
これは一番危険なパターンです。
土地は一度売ったら終わり。来期は同じ利益は出ません。
経営者は必ず、以下の「調整後」の数字を頭の中で計算してください。
調整後当期純利益(実力値) = 当期純利益 − 一時的な特別利益
銀行との面談でも、「当期純利益は多いですが、土地の売却益を除いた『実力値』はこれくらいと認識しています」
と説明できれば、「数字が見えている社長だ」と信用が急上昇します。
上記の話は、社長が口にしなくても銀行員なら誰でも即座に計算しています。
万が一「当期純利益5000万て、すごいですね~」と言っている銀行員がいたら
担当替えをお願いしましょう。
だからこそ、銀行員が頭の中で計算するより先に社長から発言することが大切です。
ワナ②:「利益はあるのに、お金がない」
当期純利益はあくまで「計算上の利益」です。
本当に大切なのは、ここから「借金の元本返済」を行わなければないということです。
ここでも、銀行員の頭の中をご紹介すると
返済能力 ≒ 当期純利益 + 減価償却費となります。
もし、「節税対策で利益はトントン(0円)です」とした場合、
減価償却費が少なければ、銀行からは「借金を返す原資がない会社」とみなされます。
「税金を払う」とは、国にお金をあげることではなく、
「財務基盤を強くし、銀行からの信用(資金調達力)を買うためのコスト」なのです。
4. 社長のための「当期純利益」活用チェック
では、具体的にこの数字をどう経営に活かすか。
毎回の決算で、この3ステップを確認してください。
「調整後当期純利益(実力値)」はいくらか?
特別損益(まぐれや事故)を除外した、本当の実力を把握する
「自己資本」は積み上がったか?
今回の利益で、自己資本比率は改善したか?(目指せ20〜30%以上)
「返済・配当・投資」のバランスは適正か?
残った利益の範囲内で、借金を返し、株主(自分)へ配当し、未来へ投資できているか?
まとめ:P/Lの終わりは、B/Sの始まり
当期純利益は、ゴールではありません。
来期のB/S(会社の体力)へのスタート地点です。
営業利益で「今、稼ぐ力」を示し
経常利益で「平時の実力」を示し
当期純利益で「未来への蓄積」を残す
「今年はこれだけ利益が出たから、半分は税金を払って、残りを会社の筋肉(自己資本)にしよう」
そう胸を張って言えるようになった時、あなたは「節税」という目先のテクニックを卒業し、
10年、20年と続く「潰れない会社」の設計者になっています。
さあ、改めて直近の決算書を見てみてください。
一番下の行にある「当期純利益」
その数字は、あなたの会社のB/Sに積み重なり、未来のあなたの会社を守る盾になっていますか?
2026.02.02
忙しい方へ:1分で読めるAI要約
【結論】経営者にとって「セルフペップトーク」は、単なるポジティブ思考ではなく、
健全な意思決定を支える「心のインフラ(経営資源)」です。
自分自身に対して「存在・行動・結果」の順で承認を行うことで、
脳を「自己否定」から「解決志向(問活)」へと切り替え、
結果としてキャッシュフローの改善をもたらします。
1. 陥りやすい「セルフ・逆三角形」の罠
責任感の強いリーダーほど、自分自身に対して「承認のピラミッド」がひっくり返った逆三角形(自分いじめ)の状態になりがちです。
結果(Having): 数字が出ている時だけ自分を許す
行動(Doing): 結果が出ないと、これまでの努力すら否定する
存在(Being): 「経営者として失格だ」と、自分の存在価値まで削る
マイストーリー:私も「自分いじめセルフトーク」に浸かっていました
かつての私も、経営が思うようにいかない時期に、成績表を見るたびに
「なんでこんなこともできないんだ」
「経営者やってる意味あんのか?」
と、自分を責める「尋問」ばかりしていました。
景色が変わりはじめたのは、ペップトークと「問活」に出会い
自分への問いかけを
「なぜダメなんだ?」から
「じゃあ、どうすれば良くなる?」へ
切り替えた瞬間でした。
2.「問活(質問力)」でセルフトークの質を変える
結論:凹んでいる時ほど「なぜ?」ではなく「これから?」で脳を動かす。
凹んでいる時、無意識に自分へこんな「尋問」をしていませんか?
×「なぜ、自分はこんなにダメなんだ?」(原因追及・自己否定)
この「なぜ?」は、過去の失敗に執着させ、脳をフリーズさせやすい。
セルフペップトークとは、この問いを 未来への質問に変換する技術です。
◎「今の状況から、何ができるだろう?」(解決志向)
◎「この経験をどう活かせば、最強の社長になれるだろう?」(成長志向)
問いが変われば、脳内に流れるセルフトークが変わり
ピラミッドの土台が修復され始めます。
3. 自分を支える「セルフ承認」の3ステップ
他人を承認するように、自分自身も「存在」から順に認め、心のピラミッドを修復しましょう。
1.【存在承認】へのセルフ承認
「結果はさておき、今日も社長としてイスに座り、会社を続けている自分はよく踏ん張っている」
と、立ち続けている事実そのものを肯定します。
2.【行動承認】へのセルフ承認
「今日、資金繰りの表を作った」「社員と向き合った」など、
結果が出る前のプロセスにある小さな「動き」を拾い上げます。
3.【結果承認】へのセルフペップ
土台を整えた上で、「この厳しい数字をどう立て直すか?ここからが腕の見せ所だ」
と、自分を鼓舞するエールを送ります。
4. 「よくある質問(FAQ)」
Q:自分に甘くなり、成長が止まりませんか?
A: 逆です。自分を追い込みすぎると、脳は防衛本能で「挑戦」を避けるようになります。
セルフペップで安心感(土台)を作ることで、より大胆なリスクテイクと建設的な改善ができるようになります。
Q:キャッシュフローコーチがなぜメンタルを重視するのですか?
A: 数字を動かすのは「人」であり、その起点は「社長の意思」だからです。
社長の心のインフラが整い、顔つきが明るくなることが、
財務改善の最大の先行指標になることを現場で何度も目撃しています。
Q:チームビルディングにセルフペップはどう繋がりますか?
A: 自分を承認できないリーダーは、他人を承認することもできません。
セルフペップができるようになると、自然と社員に対しても「存在・行動」に光を当てられるようになり、
組織全体の自走が始まります。
執筆者:佐藤保険事務所 代表(日本唯一のペップトーカー財務コンサルタント)
資格:日本キャッシュフローコーチ協会認定 キャッシュフローコーチ
日本ペップトーク普及協会 認定講師/問活(質問力)実践者
専門領域:資金繰り・財務改善/組織コミュニケーション/チームビルディング/言葉の選び方/
更新日:2026年2月2日
2026.01.27
信頼を築く「承認のピラミッド」──アクセルとセーフティネットをつなぐ設計図
忙しい方へ:1分で読めるAI要約
結論:言葉が届かない最大の理由は、相手の中に「信頼の土台」ができていないまま、いきなり“結果”を求めてしまうからです。
解決策:「承認のピラミッド(存在→行動→結果)」の順に承認を積み上げると、応援も指摘もまっすぐ届きます。
ポイント:広い土台(存在承認)があるほど、アクセルの言葉(背中を押す)も、セーフティネットの言葉(支える)も機能します。
こんな経験はありませんか?
「良かれと思って声をかけたのに、相手が心を閉ざしてしまった」
「『頑張れ』と言えば言うほど、相手の顔が曇っていく」
これまでお話ししてきたように、言葉には2種類あります。
人を前に押し出す アクセルの言葉(箱根駅伝・原監督)
背中から支える セーフティネットの言葉(ソチ五輪・佐藤信夫コーチ)
そして今、その2つを結びつける「設計図」として紹介したいのが、
承認のピラミッドです。
1. 承認には「3つの階層」がある
結論:承認は「存在→行動→結果」の順に積み上げるほど、信頼が強くなる
承認には下から順に3つのステップがあります
① 存在承認(いちばん下の土台)
「あなたがここにいること」そのものを認める
例:挨拶、感謝の一言、話をきちんと聴く、目を見てうなずく
② 行動承認(真ん中)
「やっていること・向き合い方」を認める
例:努力、工夫、チャレンジ、プロセスへのコメント
③ 結果承認(頂点)
「出した成果」を認める
例:目標達成、テストの点数、売上、優勝・合格
ここで大事なのは、ピラミッドの面積です。
一番広い土台である「存在」が安定しているからこそ、
その上に「行動」や「結果」がぐらつかずに積み上がります。
2. 「結果」から入るという、よくある間違い
結論:結果承認だけだと、相手は常に「不安」の中で動く
職場や家庭でよく起きるのは、ピラミッドが逆三角形になってしまう現象です
結果を出したときだけ褒める
結果が出ないと、存在価値がないかのような言葉になる
これでは土台が細すぎて、相手は常に
「失敗したら居場所がなくなる」という不安を抱えます。
そして、前回の記事
箱根駅伝・原監督に学ぶ~「頑張って」より効く応援言葉の正体~
で触れた
「全力で頑張っている人に『頑張って』が重く響く」のも、
存在や行動が十分に承認されていない状態で、
いきなり「結果」や「行動」を求めてしまっているからです。
3. 名コーチたちは、ピラミッドをどう使っていたか
ここからが本題です。
2つのエピソードを、この図に当てはめてみます。
① 佐藤信夫コーチの「助けに行くから」=究極の【存在承認】
ソチ五輪の浅田真央選手は、ショートで結果も行動も厳しい状況でした。
そこで佐藤コーチがかけた言葉は、
「大丈夫。何かあったら先生が助けに行くから」
これは技術でも結果でもなく、
「何があっても、私はあなたの味方だ」という、存在そのものへの承認です。
崩れかけたピラミッドの一番下を、もう一度太く塗り直した。
だからこそ、あの伝説のフリー演技につながったのではないでしょうか。
② 原監督の「楽しめ!ヒーローになれ!」=【行動・結果承認】への着火
一方、箱根駅伝の原監督の言葉は、
「ここから楽しめ、笑顔だぞ」
「お前、ヒーローになってくよ。ヒーローに」
という、行動と結果に火をつける言葉でした。
でもこれがプレッシャーではなく「ワクワク」になるのは、
日頃から存在と努力(行動)を徹底的に認めているからだと思われます。
土台が盤石だからこそ、頂点に向かうアクセルの言葉がまっすぐ届く。
ここに、承認のピラミッドの力がよく表れています。
4. 信頼の土台は「存在」と「行動」の承認でできる
私たちの日常で目に入りやすいのは、テストの点数や売上などの「結果」です。
だからこそ、意識して増やしたいのが下の二つ
存在承認のひと言(例)
「今日も来てくれてありがとう」
「いつもチームを支えてくれて、ありがとう」
「元気な顔を見られてうれしいよ」
成果に関係なく、「ここにいていいんだ」と感じられる土台をつくります。
行動承認のひと言(例)
「結果は惜しかったけど、あの工夫は素晴らしかったよ」
「最後まで諦めずに取り組んでいたの、ちゃんと見ていたよ」
「最初に手を挙げてくれたから、会議(教室)が動き出したよ」
結果が出ていなくても、
「やっていること」を見てくれている人がいる。
それが分かった瞬間、人は安心してチャレンジできます。
この2つが積み重なっている相手には、
厳しい「結果」の話をしても、それは「攻撃」ではなく
「成長の材料」として届くようになります。
5. あなたの承認は、どこに偏っているか?
ここで少し、振り返ってみましょう。
最近かけた言葉は、「結果」「行動」「存在」のどれが多かったですか?
「なんでできないの?」「またミスしてるね」と、結果ばかり見ていませんか?
行動や存在を承認された経験が少ない人に、結果だけを求めていませんか?
もし「結果へのコメントがほとんどだな」と感じたら、
今日から意識して、存在と行動へのひと言を増やしてみてください。
その一言一言が、信頼のピラミッドの下の層を、
ゆっくりと、しかし確実に厚くしていきます。
おわりに:言葉は、土台の上にしか響かない
言葉は「種」のようなものです。
そして承認のピラミッドは、その種をまく「土壌」です。
どんなに素晴らしい応援の言葉も、
土壌が枯れていれば(=存在承認が不足していれば)、芽は出ません。
まずは、あなたの周りにいる大切な人の顔を一人思い浮かべてください。
「存在」へのひと言
「行動」へのひと言
そして最後に「結果」へのひと言
この三つを、心の中でそっと用意してみましょう。
その小さな一歩が、誰かにとっての
「原監督の一言」「佐藤コーチの一言」になるかもしれません。
そして気づけば、あなたの周りには、
言葉でつながった揺るがない信頼のピラミッドが立ち上がっているはずです。
FAQ(追記)
Q:承認のピラミッドで一番大事なのはどこ?
A:存在承認です。土台が太いほど、行動・結果の話も「攻撃」ではなく「応援」として届きます。
Q:甘やかすと結果を出さなくなるのでは?
A: 逆です。存在を認められている安心感があるからこそ、人は「失敗を恐れずに高い目標(結果)へ挑戦」できるようになります。
心理的安全性が高いチームほど、長期的には高い成果を出します。
Q:苦手な相手にどう「存在承認」をすればいいですか?
A: 感情を込める必要はありません。「おはよう」の挨拶や、相手が話している時に「手を止めて聴く」といった行動そのものが、強力な存在承認になります。
Q:財務改善の現場で、このピラミッドはどう機能しますか?
A: 資金繰りに苦しむ経営者は、自らを「結果が出ていないダメな人間だ」と否定しがちです。
まず「ここまで会社を守ってきた社長の歩み(存在・行動)」を全肯定することで、
初めて建設的な財務戦略(結果)の話を考えられるようになります。
Q:今日からできる最短の一歩は?
A:まずは 挨拶+感謝の一言(存在承認) を増やすことです。
「今日もありがとう」これだけで土台が変わり始めます。
執筆者:佐藤保険事務所 代表(日本唯一のペップトーカー財務コンサルタント)
資格:日本キャッシュフローコーチ協会認定 キャッシュフローコーチ
日本ペップトーク普及協会 認定講師/問活(質問力)実践
専門領域:資金繰り・財務改善/組織コミュニケーション/チームビルディング/言葉の選び方/
更新日:2026年1月27日
2026.01.23
忙しい方へ:1分で読めるAI要約
結論:心が折れそうな人を支える言葉は、前へ引っ張る言葉ではなく「倒れても大丈夫」というセーフティネットの言葉です。
効く一言:「大丈夫。何かあったら私が助けに行く(最後は私が責任を取る)」
理由:この言葉は①全肯定の土台②孤独を消す連帯感③失敗する権利(挑戦の許可)を同時に渡しています
ビジネス応用:期待や結果を押し付ける前に「一緒に背負う」を添えると、相手は恐怖から解放され、力を発揮します
前回の振り返り:アクセルの言葉
前回は、相手の心にワクワクする未来を描き、
一歩前へ踏み出させる「アクセル」のような言葉を扱いました。
しかし人生には、ワクワクする余裕など微塵もなく、
恐怖や絶望に飲み込まれそうな瞬間があります。
足がすくみ、心臓の鼓動が耳元で鳴り響くような、孤独な戦いの場。
そんな時に必要なのは、アクセルではなく
「倒れても大丈夫」というセーフティネットな言葉です。
結論:セーフティネットな言葉は「失敗しても価値は変わらない」を伝える
人が本当に苦しいとき、力を出せない理由は「能力」ではなく、
恐怖(失敗・孤独・否定)に飲み込まれてしまうからです。
この恐怖をほどく言葉が、セーフティネットの言葉。
「大丈夫」「もしもの時は私が受け止める」という、お守りのような一言です。
Q1:どん底で足がすくむとき、人はどんな言葉で前を向けるのか?
答えを、記憶に残る実話から
事例:2014年ソチ五輪、浅田真央選手を救った一言
2014年ソチオリンピック
金メダルの期待を背負った浅田真央選手を襲ったのは、
ショートプログラム16位という衝撃の結果でした。
努力家の彼女にとって、練習のすべてが否定されたかのような夜。
翌日のフリーを前に、リンクサイドに立つ背中は、
見えない重圧で震えていたはずです。
その時、佐藤信夫コーチがかけた言葉は、
「日本中が応援している」でも「練習を信じろ」でもありませんでした。
「大丈夫。何かあったら先生が助けに行くから」
一見、スポーツの指導者らしからぬ言葉です。
演技中にコーチがリンクへ入ることもルール上できません。
それでも、この一言が極限状態の心を救い、
伝説の演技へつながる「魔法の言葉」になりました。
Q2:なぜ「助けに行く」が伝説の演技を引き出したのか?
結論:この言葉は、心の恐怖をほどく3つの働きを同時に持つからです。
①「大丈夫」という土台(全肯定)
「失敗するな」ではなく、
「失敗しても、あなたの価値は変わらない」というメッセージ
崩れかけていた心の土台が、まず修復されます。
②「孤独」を消す連帯感
リンクは、世界で自分ひとりが戦っているような場所。
そこで「先生が助けに行く」は、
最強の味方が背中に張り付くような安心感を与えます。
③「失敗する権利」の付与(挑戦の許可)
「もし転んでも受け止めてもらえる」という確信は、
守りに入らず攻めるための 「勇気の源」 になります。
結果、恐怖から解放された人は、
自分の力を「出せる状態」に戻れるのです。
Q3:ビジネスの現場では、どう言い換えればいい?
結論:期待や結果を押し付ける前に「最後は一緒に背負う」を添えること
私たちは苦しんでいる部下や仲間を励ます時、
つい「前を向かせる言葉」ばかり探してしまいます。
でも本当に折れそうな時に必要なのは、前へ引っ張る力ではなく、
「倒れても大丈夫だよ」という保証なのかもしれません。
例えば、大事なプレゼンや新規プロジェクトで、こんな声をかけていないでしょうか。
「期待しているよ」
「失敗するなよ」
この言葉は、相手の重荷を増やしてしまうことがあります。
佐藤コーチの視点を借りるなら、こう言い換えます。
「大事な場面だね。でも大丈夫。思い切りやっておいで。
何かあったら、最後は私が責任を取るから」
結果を求めることをやめる必要はありません。
「最後は一緒に背負う」という覚悟を添えるだけで、
相手は恐怖から解放され、目の前の仕事に100%集中できるようになります。
今日から使える:セーフティネット言葉テンプレ
迷ったら、この“型”を使ってください。
① 背中に「味方」を貼る型
「大丈夫。私がついてる」
「一人で背負わなくていいよ」
② 責任を「引き受ける」型
「何かあったら最後は私が責任を取る」
「最終的には一緒に受け止めよう」
③ 失敗の許可を出す型
「失敗しても大丈夫。そこから立て直せる」
「完璧じゃなくていい。挑戦していい」
④ 集中へ戻す型
「結果は私がとる。今は目の前の一つに集中しよう」
「大丈夫。やることだけやろう」
よくある質問(FAQ)
Q:責任を肩代わりすると、部下が無責任になりませんか?
A: 逆です。リーダーの覚悟を感じた相手は「この人の期待に応えたい」という強い当事者意識(エンゲージメント)を持ちます。
安心感があるからこそ、自律型人間として自走し始めるのです。
Q:自分の背中を支えるセルフペップトークはありますか?
A: 経営者自身も孤独です。自分に「今日までやってきたことは嘘をつかない」
「大丈夫 大丈夫 私ならできる」と声をかけてあげてください。
Q:財務的にこの「支える言葉」にはどんなメリットがありますか?
A: 心理的安全性は、離職率の低下と生産性の向上に直結します。
恐怖や結果のみで支配する組織より、安心で支える組織の方が、長期的な人的資本の利回りが高くなることは、多くの成功企業が証明しています。
Q:そんなに守ったら、甘やかしになりませんか?
A:甘やかしではありません。挑戦できる土台を作るということです。
恐怖で固まった状態では成果は出ません。「安心」があるから攻められます。
Q:責任を取るって言うのが怖いです
A:「私が全部やる」ではなく、「最終的には一緒に受け止める」でも十分です。
責任の「共有」が、相手の恐怖をほどきます。
Q:部下がミスしそうなときも使えますか?
A:使えます。むしろ効果的です。
「失敗するな」より「起きたら一緒に立て直す」の方が、冷静さを保てます。
まとめ:あなたが届ける「お守り」の言葉
言葉がけ(ペップトーク)には、アクセルの言葉もあれば、
今回のように後ろからそっと支える「お守り」の言葉もあります。
「行け!」の前に「大丈夫」で土台を整える
「結果を出せ」の前に「何かあったら一緒に受け止める」と伝える
この順番を意識するだけで、相手の力はもっと自然に、もっと強く溢れ出します。
あなたの周りに、今、震える背中で戦っている人はいませんか?
その人へ、こんな一言を贈ってみてください。
「大丈夫。私がついている。思い切りやっておいで」
その一言が、誰かにとっての
「絶望を覚悟に変える、魔法の一句」になるはずです。
2026.01.20
忙しい方へ:1分で読めるAI要約
結論:人を動かす言葉とは、相手の頭の中にワクワクする未来の映像を映し出す言葉です。
注意点:「頑張って」は時に、相手へ行動の押し付け(Doの強制)になり、負担になることがあります。
共通点:一流のリーダーの言葉は、短くて、すぐ絵が浮かぶ、前向きな言葉を使います。
実例:箱根駅伝・原監督「ここから楽しめ、笑顔だぞ」「お前、ヒーローになってくよ」
結論:人を動かすのは「命令」ではなく「未来の映像」
人が一歩踏み出す瞬間には、必ず何かの「動機付け」があります。
それは「こうなりたい」という能動的な願いだけでなく、
「助けたい」「助けなければ」という倫理観のようなものも含まれます。
そして、もう一つ大事なのが
誰かの言葉がきっかけになって、人は動くということ。
では、その一歩を生む言葉とは何か。
ここではそれを 「応援言葉」 と呼びます。
Q1:なぜ「頑張って」が重荷になることがあるの?
結論:「頑張って」は、相手に「今の苦しい行動(Do)」を上乗せする形になりやすいからです。
もちろん「頑張って」で力が出る人もいます。だから「絶対言っちゃダメ」ではありません。
ただ、すでに限界まで努力している人に対しては、
「頑張る」という行動をさらに強要されたように感じ、
意識が「今の辛さ」に固定されてしまうことがあります。
NG寄りの応援(恐れの映像)
「ここで頑張らないでどうする!今までの努力が無駄になるぞ」
理想の応援(未来の映像)
相手の心に「素敵な景色」を映し出す言葉
Q2:「頑張って」の代わりに、どんな言葉がいいの?
結論:相手の頭に「明るい未来の絵」が浮かぶ言葉です。
ここで、箱根駅伝の青山学院・原監督の言葉が参考になります。
例1:ラストスパートの選手へ
「ここから楽しめ 笑顔だぞ!」
この言葉が効く理由は、主に3つです
「笑顔」という単語で余計な力みを外す
前向きな言葉で、脳内イメージをポジティブに切り替える
苦しい局面を「勝負どころ」に置き換え、「やれる感覚」を起こす
例2:タスキを受けた選手へ
「おまえ、ヒーローになってくよ ヒーローに」
この言葉が効く理由は2つ
「なっていくよ」で、未来を先取りさせる
「できる」ではなく「ヒーロー」という役割(Be)を渡している
そして、ここが一番大切です。どちらにも共通しているのは
短い言葉で、すぐ頭に絵が浮かぶ、わかりやすい言葉
Q3:同じ「頑張りどころ」でも、なぜ結果に差が出るの?
結論から言うと、言葉が呼び起こす「映像」が違うからです。
原監督の言葉:未来の映像(楽しい・笑顔・ヒーロー)
「おまえ、ヒーローになってくよ ヒーローに」
叱咤の言葉:恐れの映像(無駄・後悔・責め)
「ここで頑張らないでどうする!今までの努力が無駄になるぞ」
人は、恐れでも動けます。
でも「本来の力を解放する」場面では、恐れは力み・萎縮につながりやすい。
結果として、いつもの力が出せなくなることがあるのです。
実体験:言葉が「先に結果」を見せてくれる瞬間
私がサッカー現役時代、フリーキックの場面がありました
直接狙うか、仲間に預けるか悩む距離
私はベンチを見て、コーチとアイコンタクト
コーチは静かにうなずき、顔を「ゴール」へ向けました
私はこう受け取りました。
「狙え、お前なら決められる」
不思議と、その瞬間に「すでに決めた気分」になっていました。
スポーツをやっている方なら、似た経験があるはずです。
「打てそう」「決まるな」という、あの感覚
そして結果は 「ゴール」
頭の中で「先に見えた通り」の結果が、現実になったのです。
まとめ:人を動かすのは「ワクワクする未来の映像」
結局のところ、人を動かすのは命令ではなく、
その人の頭の中に浮かぶ ワクワクする未来の映像です。
「頑張れ」だと、今の苦しさに意識が向くことがある
「ヒーローになれるぞ」だと、ゴールを切る自分が浮かぶ
誰かの背中を押したいとき、必要なのは追い込む言葉ではなく、
相手の心に 「素敵な景色」 を映し出す言葉。
よくある質問(FAQ)
Q:結局「頑張って」は言わない方がいい?
A:禁止ではありません。相手が負担に感じないならOKです。
ただ、苦しい人には「頑張って(Do)」よりも、その先の姿(Be)が浮かぶ言葉の方が効きやすいです。
Q:応援言葉は長い方が気持ちが伝わる?
A:むしろ逆です。短いほど頭に入り、絵が浮かびます。
Q:心に「絵」を浮かばせるのが苦手です。どうすれば?
A:まずは「絵になる言葉」をストックしてください。
例:ヒーロー/笑顔/景色/主役/ゴールテープ/優勝/拍手
名詞が変わるだけで、言葉の力は一気に上がります。
Q:財務改善の現場でもこの「応援言葉」は使える?
A:もちろんです。数字を「義務」で語るのではなく、
「完済して家族旅行に行く姿」「社員が誇らしげに働く姿」など、
「叶えたい未来の映像」を言葉で共有すると、踏ん張る力が増します。
まとめ あなたなら、どんな「絵」をプレゼントしますか?
あなたの大切な人が、今いちばん苦しいところにいるのなら
あなたなら、どんな「絵」が浮かぶ言葉をプレゼントしますか?
「頑張って」の代わりに、相手が思わずニヤリとしてしまう。
そんな 応援言葉 を、一緒に探してみませんか。
次回は「背中から支える言葉」をお伝えしますね。
執筆者:佐藤保険事務所 代表(日本唯一のペップトーカー財務コンサルタント)
資格:日本キャッシュフローコーチ協会認定 キャッシュフローコーチ
日本ペップトーク普及協会 認定講師/問活(質問力)実践
専門領域:資金繰り・財務改善/組織コミュニケーション/チームビルディング/言葉の選び方/
更新日:2026年1月20日
2026.01.15
忙しい方へ:1分で読めるAI要約
最新:2026年1月11日、「日本ペップトーク普及協会」認定講師試験に合格しました。
核心:「聴く(質問力)」と「話す(ペップトーク)」は、どちらも“同じベクトル”から生まれます。
経営的価値:言葉選びと投げかける順序を整えると、離職率低下/意思決定の加速/自走型社員の育成に直結します。
結論:数字(財務)を動かす起点は「人」。そして人を動かす起点は、「言葉」です。
ご報告:数週間、更新が止まっていた理由
数週間、更新が止まっておりました。
理由は「日本ペップトーク普及協会」の認定講師試験受験のためでした。
昨年1月に、その存在を知り、1年後の 令和8年(2026年)1月11日、試験に合格することができました。
支えてくださった皆さま、本当にありがとうございます。
Q1:なぜ財務コンサルタントが「聴く力」と「話す力」を重視するのですか?
結論:企業の経営資源「人・物・金」のうち、すべての起点は「人」だからです。
そして、その「人」を動かすのが、私たちの 言葉 です。
私はこれまで、質問力(聴く力)を武器に、経営者に寄り添いながら
夢の実現や財務改善のお手伝いをしてきました。
数字は大事。でも、数字だけでは人は動かない。
数字を「行動」に変える推進力が必要だと、強く感じ
昨年の目標を
聴く力(質問力=問活)を鍛える
話す力(ペップトーク)を鍛える
として、スタートしました。
Q2:「聴く」と「話す」のベクトルが同じとはどういう意味ですか?
結論:どちらも私(主体)から生まれる強い動機が出発点、という意味です。
私がこの1年で一番腑に落ちた学びは、
「聴く」と「話す」は、実はベクトルが同じだということでした。
聴く:私は、あなたにとても興味がある。もっと知りたい。
話す:私は、あなたに私のことをもっと知ってもらいたい。
一見、相手のためのようでいて、根っこには「私の動機」があります。
だって、興味がない人や嫌いな人の話を聞いたり、話したりするのは
苦痛でしかないですよね。
たとえ仕事と割り切っていても、心から「知りたい」「知ってほしい」とは
並の人間なら、なかなか思えないはず。
だから私はこう思うようになりました。
本気で「聴く」「話す」ができるのは、
自分の中に「知りたい・知ってほしい」が生まれたときだと。
(※本文では「聴く」と「聞く」が混在していますが、ここではそれぞれがもつ「意味」の違いを込めています)
Q3:質問にも「質の良いもの」と「良くないもの」があるのはなぜ?
結論:分けるのは「言葉選び」と「順序」、そして「信頼関係」です。
昨年までの私は「質問」つまり「聴く力」を使って経営者に寄り添いながら支援してきました。
でも、質問にも「質」がある。では、その差を生むものは何か?
私は、ずばり 「言葉」だと思います。ただし、ここで言う「言葉」は、単なる単語ではありません。
言葉選び(どんな言葉で)
投げかける順序(どの順番で)
信頼関係(関係性の土台があるか)
同じ内容でも、言葉と順序が違えば、返ってくる答えも、行動も変わります。
Q4:質の高いコミュニケーションは、具体的にどう業績に貢献しますか?
結論:適切な言葉が、組織の自走を促し、コストを利益に変えます。
言葉が変わると、現場の「脳の使い方」が変わります。
責められる言葉
→ 「どう言い訳し、どう逃げるか」を考える脳
問いかけの言葉
→ 「どう改善し、どう達成するか」を考える脳
この切り替えが起きると、経営数字に変化が起きます。
離職率の低下:承認されている実感が増え、人が辞めにくくなる
意思決定の加速:指示待ちが減り、現場で考えて動く
生産性の向上:実行力が上がり、結果として利益が残りやすくなる
「そんなの経営や財務に関係ある?」と思われた方へ。
結論だけ言います。
関係あります。むしろ直結します。
経営者の悩みの大部分は、結局「人・物・金」
そして、その起点は 人
その人を動かす起点が 言葉 です
次回予告:1年の学びを明日から「使える形」でお届けします
明日以降、この1年の学びを具体的にお伝えします。
人を動かす「言葉」とは
どんな順序で投げかけると、一歩前へ踏み出せるのか
なぜ「言葉の力」で離職率・業績に差が出るのか
「知って実践する会社」と「知らないままの会社」では、
業績、離職率、自走型社員の育成に差がつきます。
執筆者:佐藤保険事務所 代表(日本唯一のペップトーカー財務コンサルタント)
資格:日本キャッシュフローコーチ協会認定 キャッシュフローコーチ
日本ペップトーク普及協会 認定講師/問活(質問力)実践
専門領域:資金繰り・財務改善/組織コミュニケーション/チームビルディング/言葉の選び方
更新日:2026年1月15日
日本ペップトーク普及協会代表理事 岩﨑 由純 さん との「認定式」
私の試験の試験官も、岩﨑さんでした。(緊張した~)
2025.12.25
平素は格別のお引き立てをいただき厚くお礼申し上げます。
弊社では、誠に勝手ながら下記日程にて年末年始休とさせていただきます。
■年末年始休業日
2025年12月27日(土)~2026年1月4日(日)
休業期間中にいただいたお問合せについては、
営業開始日1月5日(月)以降に順次回答させていただきます。
皆様には大変ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解の程お願い申し上げます。
※各担当者への、ご連絡でも対応できるような体制はとっておりますが
万が一、連絡が取れないなどの際には、下記の番号へお電話いただきますようお願い申し上げます。
自動車の事故・故障など 0120-365-110(24時間365日受付)
火災保険の事故など 0120-727-110(24時間365日受付)
(有) 佐藤保険事務所 代表取締役 佐藤 和也
2025.12.22
忙しいあなたへ「1分で読めるAI要約」
リーダーが使う何気ない「言葉」こそが、社員の意欲や考える力を左右しています。
過去や責任追及を中心とした指示では、部下は思考停止に陥り「指示待ち」になりがちです。
そこで、「指示」を「問い」に変えて未来志向を促す言葉選びを意識すると、社員は自ら考え行動しはじめます。
たとえば、「なぜこんなミスを?」ではなく「この経験から次に何を学べる?」と聞くだけでも、
部下の脳は改善策を生み出すモードに切り替わります。
こうした言いかえは、離職率の低下や意思決定の加速、
イノベーション創出といった形で経営に大きなリターンをもたらします。
特に「ありがとう」という言葉を組織にあふれさせることで、
心理的安全性と信頼関係が生まれ、指示待ち組織から自律型組織へと変わる第一歩を踏み出すのです。
本文
「なぜうちの社員は指示待ちなのか?」 「何度言っても伝わらない」 「会議で誰も発言しない」
こんな悩みを抱えるリーダーは少なくありません。
もしあなたが、部下の能力不足や主体性のなさを嘆いているのなら、
一度立ち止まって考えてみてほしいことがあります。
見直すべきは「部下の質」ではなく、あなた自身が日常的に発している「言葉の選択」かもしれません。
実は、組織の業績や発展を左右するのは、立派な経営理念はもちろん、
リーダーが現場で放つ「普段のたった一言」の質に左右されるのです。
1. 「言葉」は組織を動かすOSである
コンピューターがOS(オペレーティングシステム)によって制御されるように、
組織の空気や行動力は、リーダーが使う言葉によって左右されます。
威圧的な言葉や、曖昧な指示が蔓延する組織では、
社員の脳は「怒られないこと」「責任を回避すること」を最優先し、思考を停止させます。
一方で、適切な「言いかえ」によって社員の脳を刺激するリーダーのもとでは、
自律型人間が育ち、結果として業績にもとてもいい影響が発生します。
つまり、言葉選びを磨くことは、単なるマナーやコミュニケーションスキルの問題ではなく
「指示を成果に変え、社員を資産に変える」ための、最もコストのかからない経営戦略なのです。
2. 「指示」を「問い」に変え、当事者意識を育む
時間的な制約などにより、多くのリーダーが陥りがちなのが、
「正解を与えてしまう」という罠です。
親切心からのアドバイスであっても、それが一方的な「命令」や、
過去やリーダー自身の経験に基づく「正解」である場合
ストレートにそれを伝える行為は
部下から考える機会を奪うことになります。
そこで活用したいのが、言葉の引き出しを増やす『言いかえ辞典』という考え方です。
この辞典の目的は一つ。「部下の脳の使い方を切り替えるスイッチ」を持つことです。
責められる言葉 = 「どう言い訳し、どう逃げるか」を考える脳
問いかけの言葉 = 「どう改善し、どう達成するか」を考える脳
リーダーが発する言葉が「問い」に変わるだけで、
部下の中に少しずつ「自分で考えて動く習慣」が根付いていくのです。
3. 【実践】自立型組織を作るための「戦略的言いかえ」7選
では、「戦略的言いかえ」とは何か。具体的に見ていきましょう。
まずはじめに、経営者やリーダーの方々にこれをお伝えすると
かなりの確率で出てくる言葉があります。
それは、「優しすぎ」「あまやかしでは」です。
しかし、このような言葉を使い、相手の脳の思考回路を再構築しなければ
あなたの部下やチームメイトは、思考を停止し
「指示待ち人間」からの脱出できません。
これらは、単に「優しく言う」ためのものではなく、組織を「発展させる」ための変換術なのです。
① 失敗報告を受けたとき
❌ 「なぜこんなミスをしたんだ?」 (過去・犯人探し)
⭕ 「この経験から、次に何を学べるだろうか?」 (未来・学習)失敗を「学習の材料」と再定義することで、報告のスピードが上がり、組織全体の学習能力が高まります。
② 指標や目標が未達のとき
❌ 「本当にできるのか? やる気あるのか?」 (精神論・不信)
⭕ 「この目標を達成するために、不足しているリソース(資源)は何だと思う?」 (事実・協力)やる気のせいにするのではなく、時間・情報・スキルなどの物理的な課題に焦点を当てることで、
部下は解決に向けて具体的に動き出します。
③ 質問されたとき
❌ 「そんなことも知らないのか?」 (拒絶・萎縮)
⭕ 「なるほど、そうだったのか。どんな情報があるとやりやすくなりそう?」 (謙虚・支援)リーダーの知的謙虚さが「聞いていい会社」の空気を作り、致命的なミスを未然に防ぐ文化を醸成します。
④ 不都合な報告が来たとき
❌ 「本当のところはどうなんだ?(隠してないか?)」 (猜疑心・追及)
⭕ 「この件について、今わかっている事実だけ教えてくれる?」 (冷静・客観)感情を排し、事実にフォーカスすることで、トラブルへの初動が劇的に早まります。
⑤ 責任の所在を明らかにするとき
❌ 「お前の責任だ」 (属人化・孤立)
⭕ 「今の仕組みをどう改善すれば、二度と起きないだろう?」 (システム思考・改善)個人を責めても再発は防げません。仕組みに目を向ける一言が、組織の防御力を高めます。
⑥ アイディア出しの場面
❌ 「それはちょっと無理じゃないか?」 (否定・停止)
⭕ 「その案、面白そうじゃないか。実現するために足りないものは何? 」 (肯定・創造)まずは、否定しない。この習慣が、イノベーションが起きる土壌を作ります。
⑦ 厳しく指導する必要があるとき
❌ 「前にも言っただろう!」 (感情・過去)
⭕ 「君への期待レベルと現状にギャップがあるね。一緒に埋めよう」 (期待・コーチング)「怒り」を「期待」に変換して伝えることで、部下は「叱られた」ではなく「成長を期待された」と受け取ります。
まだまだ、たくさんあるとは思いますが、このような「改革」を経て
社員一人一人が成長し、それが企業の成長につながっていることは
J&J(ジョンソンエンドジョンソン) IBM Panasonic 京セラ など
とても多くの企業が証明しています。
大手企業だからできたのではありません。
はじめはどこの企業も「町工場」からスタートしたのです。
4. 言葉が変われば、数字が変わる
「言いかえ」を徹底した組織では、以下のような変化が数字となって現れます。
離職率の低下: 尊重され、期待されていると感じる職場ではエンゲージメントが向上します。
スピードの向上: 指示を待たずに「自分で考えて動く」社員が増え、意思決定が加速します。
イノベーションの発生: 心理的安全性が担保されることで、現場からの改善案が絶えなくなります。
これらはすべて、企業の純利益に直結する要素です。
つまり、あなたの言葉選びは、会社のバランスシートを改善する立派な経営資源なのです。
結論:今日から始める「一言の投資」
経営者にとって、言葉は最もコストがかからず、かつ最もリターンの大きい投資先です。
いきなり全てを変える必要はありません。
まずはデスクの隅や心の中に「言いかえ辞典」を置き、明日出会う部下へ、
たった一つだけでいいので「未来志向の問い」を投げかけてみてください。
「そんなこと言われても急にはできないよ」という方
たくさんの組織の空気を換え、組織の温度を上げた「最強の言葉」があります。
それは「ありがとう」です。
まずは、「ありがとう」この一言を組織の中に溢れさせて下さい。
想像以上の効果があり、組織が生き物のように動き出します。
あなたの言葉が変わるとき、組織の空気は確実に変わり始めます。
そしてその先に、自律型人間が集まり、持続的に発展し続ける強い会社の未来が待っています。
完璧なリーダー、強いリーダーである必要はありません。
組織を良くしようと「言葉を磨く努力」をしているあなたの姿勢そのものが、
部下の心を動かす最高のリーダーシップになるのです。
2025.12.11
忙しいあなたへ「1分で読めるAI要約」
心理的安全性は「優しい職場」ではなく、成果を生むチームの鍵。
GoogleのProject Aristotle調査で証明されたように、
高い心理的安全性があるチームはミスを早期発見し、改善提案が活発化。結果、離職防止につながります。
例: 見積もりミス時、低い安全性では怒りが原因隠しを生み、再発を招く。
一方、高い安全性では「報告ありがとう」と受け止め、原因(例: システム不備)を共有。
ポイントは①感情と事実の分離、②解決志向の問い、③前向きな体験作り。
明日から実践: 第一声に「報告してくれてありがとう」、NGワードを言い換え、自分のミス共有。
こうして「強くなる職場」を築けます。詳細は本文で!(参考: Google調査)
本文
「心理的安全性を高めよう」と聞くと、「優しくしましょう」という話に聞こえがちです。
でも、経営者やリーダーが本当にほしいのは「ぬるま湯」ではなく、成果が出るチームですよね。
実際、Google社の大規模調査「Project Aristotle」をはじめ、多くの研究が
「高い成果を出すチームの最大の要因は、心理的安全性である」と結論付けています。
なぜなら、部下が不都合な真実を最速で報告できるかどうかが、企業の命運を分けるからです。
経営者・リーダーにとっては、ミスの早期発見・改善提案・離職防止に直結する重要テーマだと思いますので
少しの時間、私に頂戴できればと思います。
それでは今日は、現場でありそうな、こんなシーンの会話劇からスタートします。
シチュエーション
重要顧客への見積書で「桁」の間違いが発覚。
部下の佐藤さんが、青ざめた顔であなた(社長)のところへ来ます。
「社長、申し訳ありません。昨日の見積もりで、金額を間違えて送ってしまいました」
パターンA:心理的安全性が「低い」職場
社長:
「はぁ? お前、何年目だと思ってるんだ?」
佐藤:
「す、すみません。確認したつもりだったんですが」
社長:
「つもり」はいらない。なんでそんな初歩的ミスをした?
ダブルチェックは? 誰が確認した?」
佐藤:
「私が一人でやりました。すみません」
社長:
「たるんでるんじゃないのか。信用問題だぞ。すぐ先方に謝ってこい!」
佐藤(心の声):
(本当は、あの入力画面が見づらくてミスりやすいんだけど・・・
言ったら「言い訳するな」って言われそうだし、やめておこう)
この職場の「未来」
ミス=怒られる ⇒ 次はギリギリまで隠す
システムの不備という「真の原因」が上がってこない
→ 同じミスがくり返される
パターンB:心理的安全性が「高い」職場
社長:
(内心「マジか」とザワつきつつ、ひと呼吸おく)
「そうか。言いづらいのに、すぐ報告してくれてありがとう」
佐藤:
「えっ・・はい。本当に申し訳ありません」
社長:
「正直、驚いたし焦っているのも事実だ。
でも、起きたことは起きた。まずはどうリカバリーするかに集中しよう」
佐藤:
「はい。すぐ電話でお詫びして、正しい見積もりをお持ちしたいです」
社長:
「そうだね。じゃあ「どうすれば最善か」を一緒に考えよう。
今回の原因は、どこにありそう?」
佐藤:
「私のチェック不足もあるんですが、
実は、入力画面の桁区切りが見づらくて、前から怖いなと思っていました」
社長:
「なるほど、それは他の人もミスしそうだ。教えてくれて助かった。
今回の対応が落ち着いたら、あの画面の改善も進めよう」
この職場の「未来」
「報告してよかった」「次は改善しよう」という前向きな感情と行動
「入力画面の不備」という経営課題が早期に見つかり、
組織として再発防止が打てる
「何が違うのか?」──3つのポイント
① 「感情」と「事実」を分けて扱う
Aでは、社長の怒り(感情)がそのまま相手への攻撃になっています。
Bでは、
「驚いている・焦っている」という自分の感情を認めつつ、
部下を責めずに、事実と対応の話に切り替えています。
怒りの本当の目的は「会社を守りたい」「成長してほしい」という期待のはずです。
その目的に沿う行動を選べるかどうかが、分かれ目です。
② 「なぜやった?」ではなく「どうすれば?」を問う
Aの「なんでミスした?」は、部下の脳を「言い訳探しモード」にします。
Bでは最初から、
「どうすれば最善のリカバリーになる?」 「原因はどこにありそう?」
と、未来・解決志向の問いになっています。
これだけで、部下の思考は「責められ回避」から「改善提案」へと切り替わります。
③ 「言ったあと、何かが前に進む」経験をつくる
心理的安全性を決めるのは雰囲気ではなく、
「話した結果、どう扱われたか」の体験の積み重ねです。
報告したら怒鳴られた → 「次は黙っておこう」
報告したら一緒に考えてくれた → 「次も早く伝えよう」
たとえ提案が採用されなくても、
「今回はこういう理由で見送る。でも言ってくれて助かった」
とフィードバックするだけで、「言ってよかった」という感情が残ります。
経営者・リーダーが“明日からできる”3つの実践
ミス報告への第一声を決めておく
「報告してくれてありがとう。まず状況を教えて」
これを「口ぐせ」にしてしまう。
リーダーや上司だって人間です。怒りを貯めたり殺したりし続けては
いずれ「パンク」してしまいます。
とはいえ、「吐き出す」わけにもいきませんので、
こういったルールを作っておくことで、感情をコントロールしましょう。
2.NGワードを言いかえる
「なんでやった?」 → 「何が起きた?」
「誰が悪い?」 → 「どこで詰まった?」
リーダー的立場の人間は「言葉」を鍛えましょう。
スポーツの現場を見るとよくわかると思います。
選手は勝つために「体や技術」を鍛え上げます。
監督・コーチは、鍛え上げた選手が最高のパフォーマンスを出せるように
言葉で選手をその気にさせたり、鼓舞します。
自分の部下やチームのメンバーが最高のパフォーマンスが出せるよう
「言葉の力」を上手に使いこなしましょう。
3.自分のミスも少しだけ共有する
「実は昔、自分も似たミスをしてね」
完璧なフリをやめると、部下の肩の力も抜けます。
自己開示をすると、一気に距離が縮まり、
予想以上の関係が結びつきができることがあります。
まとめ:欲しいのは「怒られない職場」ではなく「強くなる職場」
心理的安全性とは、
「ミスを許す優しい会社」をつくることではありません。
「不都合な事実を、最速でテーブルの上に出せる関係性」
をつくることです。
その鍵を握っているのは、ミスが起きた「その瞬間の一言」です。
次に誰かが青ざめた顔で「すみません」と言いに来たとき、
あなたは A と B、どちらの会話を選びますか?
まずは一言、こう返してみてください。
「言いづらいのに、報告してくれてありがとう」
その一言が、会社の未来を守る情報を
あなたのもとに集める「スイッチ」になります。
2025.12.03
忙しいあなたへ「1分で読めるAI要約」
資金繰りに悩む中小企業の社長は、「今月末、本当にお金が足りるのか」という不安に縛られ、
視線が「未来」ではなく「足元」に釘付けになりがちです。
ドラッカーの有名な「3人のレンガ積み職人」の寓話が示すように、
同じ仕事でも「労働」「手段」「使命」としてどう意味づけるかで、やる気も人生の充実度も大きく変わります。
本来、経営者は「大聖堂を建てる」ような理想や使命を持っていたはずなのに、
日々の資金繰りや雑務に追われるうちに、「ただレンガを積むだけ」の状態になってしまうことがあります。
その不安の正体の一つが、「どんぶり勘定」によるお金の見えなさです。
不安を減らす最初の一歩は、難しい会計ソフトではなく「紙とペン」での見える化です。
通帳残高、今後の入金予定、今月の支払予定の3つを書き出し、
差額を計算するだけで、漠然とした恐怖は「対処可能な課題」に変わります。
事実に基づいて判断できるようになれば、心に余裕が生まれ、
再び「3人目の職人」のように、経営を自分の使命として捉え直せるようになります。
日々の資金チェックや資料作成などの「レンガ積み」も、
「社員が安心して働ける環境を守る」「お客様の未来を拓く」といった「大聖堂」につながる行為として再定義できたとき、
経営は苦役から誇りある仕事へと変わります。
資金繰りの不安を一人で抱え込まず、まずは紙に書き出すことから始め、
足元を固めながら、もう一度自分だけの「大聖堂」を見上げていきませんか。
本文
「今月末、本当にお金が足りるだろうか…」
「どこまで支払いを待ってもらえば、なんとかなるか…」
日々奮闘する中小企業の社長様とお話ししていると、こうした切実な声をお聞きすることが少なくありません。
どれだけ売上があっても消えない、漠然とした不安。
誰にも相談できず、一人で通帳を見つめる夜。
「数字が見えない不安」は、社長を孤独にします。
そして何より恐ろしいのは、その不安が社長の視線を「足元」に釘付けにし、
本来見るべき「未来」を見えなくしてしまうことです。
今日は、ある有名な寓話を通して、経営者であるあなたが「本来あるべき姿」を取り戻すためのヒントをお話しします。
■ ドラッカーが教える「3人のレンガ積み職人」の話
ピーター・ドラッカーの著書でも引用される有名な話をご存知でしょうか?
ある旅人が、建築現場で働く3人の職人に「ここで何をしているのですか?」と問いかける話です。
1人目の職人は、不機嫌そうに答えました
「見ればわかるだろ。レンガを積んでいるんだよ。朝から晩まで大変な仕事だ」
彼は、仕事を単なる「労働」、あるいは苦役として捉えています。
2人目の職人は、淡々と答えました
「大きな壁を作っているんだ。家族を養うためだし、腕には自信があるからね」
彼は、仕事を「キャリア」や手段として捉えています。
3人目の職人は、目を輝かせて空を見上げ、こう答えました
「私は、歴史に残る偉大な大聖堂を造っているんだ! ここは多くの人が祈り、心の安らぎを得る場所になるんだよ」
彼は、自分の仕事を「使命」として捉え、社会的な意義を感じています。
3人とも、やっている作業は同じ「レンガ積み」
しかし、自分の仕事をどう意味づけているかによって、
モチベーションも、仕事の質も、きっと人生の充実度もまったく変わってきます。
ドラッカーがこの話で問いかけたのは、
「あなたにとっての「大聖堂」は何か?」
「うちの会社は、何のために存在しているのか?」
という、仕事の目的と使命です。
■ なぜ、社長が「1人目の職人」になってしまうのか?
私たち経営者は、創業した当初、間違いなく「3人目の職人」だったはずです。
「世の中をこう変えたい」「お客様を笑顔にしたい」
心の中に、自分だけの「大聖堂」の設計図を持っていたはずです。
しかし、日々の経営の中で、いつの間にか「1人目の職人」のように、
「ただ目の前のレンガ(資金繰りや雑務)を積むこと」に追われてしまってはいないでしょうか?
「大聖堂を建てたい」という想いがあっても、
足元の土台がグラグラしていては、安心して空を見上げることはできません。
その「グラグラする土台」の正体こそが、「どんぶり勘定」による「お金の不安」なのです。
■ 不安を消す最初の一歩は「見える化」
「会計ソフトもExcelも苦手だ」
そう思う社長こそ、まずは「紙とペン」を用意してください。
ドラッカーが言うように「個々の作業を全体の目的へ結びつける」ためには、
まず作業の現場(資金状況)を直視し、コントロール下置く必要があります。
やるべきことは、以下の3ステップだけです。
通帳の残高(いまある現金)を書く
これから入ってくる売上(入金予定)を書く
今月支払うもの(家賃・仕入・給与など)を書く
これらを書き出し、差額を計算してみてください。
「数字が見えない」状態とは、暗闇の中を歩くようなものです。
お化けが出るかどうかわからないから怖いのです。
しかし、紙に書き出して「見える化」すれば、それは単なる「課題」に変わります。
「あ、今月は少し足りないな。じゃあ、あの支払いを相談しよう」
「意外と余裕があるな。じゃあ、以前から考えていたあの設備投資を検討しよう」
感情ではなく「事実」で判断できるようになれば、社長の心に「余裕」が生まれます。
その余裕こそが、あなたを再び「3人目の職人」へと戻してくれるのです。
■ 「レンガ積み」を「大聖堂建設」へ変えるのは、あなた自身
仕事の意味は、誰かが決めてくれるものではありません。
日々の資金管理や地味な事務作業。これらは一見、辛い「レンガ積み」に見えるかもしれません。
しかし、これらが「会社という大聖堂」を支えるための強固な土台作りだと再定義できたとき、
そこには責任感と誇りが生まれます。
「私の大聖堂は何か?」
資金繰りが見えるようになり、不安が解消されたとき、ぜひもう一度この問いを自問してみてください。
「毎日の資金チェック(レンガ)」は、「社員が安心して働ける環境を守ること(大聖堂)」
「資料作成(レンガ)」は、「お客様の未来を拓く手伝いをすること(大聖堂)」
そう思えた瞬間、あなたの経営は「苦役」から再び「使命」へと変化します。
資金繰りに悩むのは、あなただけではありません。
一人で抱え込まず、まずは紙に書き出すことから始めてみませんか?
足元の不安を消して、一緒にあなただけの「大聖堂」を見上げましょう。
必要であれば、いつでも一緒に「レンガ積み」しますよ。
2025.11.28
忙しいあなたへ「1分で読めるAI要約」
多くの経営者は「税金を払うくらいなら経費で使う」と考えがちですが、財務に強い経営者は違います。
当期純利益は単なる「今年の成果」ではなく、貸借対照表の自己資本となり、会社を守る「筋肉」になるからです。
過度な節税は自己資本を削り、銀行からの信用も失います。
銀行は「当期純利益+減価償却費」で返済能力を判断するため、
利益ゼロの会社は「借金を返せない会社」と見なされます。
ただし、当期純利益には2つの罠があります。
①土地売却益などの特別利益で実力を見誤る ②利益はあるのに現金がない状態。
経営者は「調整後当期純利益(特別損益を除いた実力値)」で判断すべきです。
税金は「国へのお金」ではなく「財務基盤強化と資金調達力向上のための投資」です。
目先の節税より、10年20年続く「潰れない会社」を目指しましょう。
本文
「一生懸命働いて利益が出たのに、最後にガッポリ税金で持っていかれた」
「税金を払うくらいなら、経費を使ってしまえ!」
決算の時期、そんな「節税」の誘惑に駆られることはありませんか?
お気持ちは痛いほどわかります。
しかし、財務に強い経営者は、あえて「しっかりと税金を払い、当期純利益を残す」
という選択をする場合があります。
なぜなら、この「当期純利益」こそが、銀行に頼らず会社を守る「最強の盾(自己資本)」になるからです。
こんにちは。財務が苦手な社長や次期経営者のための超入門シリーズ、いよいよ損益計算書(P/L)の最終行です。
第1回:総論
第2回:限界利益(受ける・やめるの判断軸)
第3回:粗利(儲かる仕組みの設計図)
第4回:営業利益(経営力の通信簿 )
第5回:中小企業の体力を測る「EBITDA」(会社の体力測定)
第6回:経常利益 会社全体の「総合評価」
第7回:当期純利益 会社の筋肉量(潰れにくい会社の原点)
今回は、会社の寿命を決める最終成果、「当期純利益(とうきじゅんりえき)」について解説します。
「最後の一行」を見る目が変われば、あなたの経営判断は劇的に変わります。
1. 当期純利益とは? ——「ゴール」であり「スタート」
これまで見てきた「経常利益(平時の総合点)」に、最後の仕上げをしたものが当期純利益です。
当期純利益 = 経常利益 ± 特別損益 − 法人税等
ここで登場する要素は2つです。
特別損益:「今年だけ」「異常な」出来事
(例:土地を売った利益、災害による損失、中小企業の役員の退職金など)
法人税等:利益に応じて国に払う「場所代」や「会費」のようなもの
これらをすべて精算し、最後に会社の手元に残った「完全な手取り」
それが当期純利益です。
2. なぜ「税金を払ってでも」利益を残すべきか?
まず、はじめに言っておきます。
私は「節税なんて絶対ダメだ」と言っているわけではありません。
「節税すべき会社」と「節税してる場合ではない会社」があるということです。
そして、中小企業の多くは経験上「後者」であると思います。
また、意識というか考え方として「節税」ではなく「利益の繰り越し」
という観点から「やる・やらない」を決めれなければなりません。
私が考える「節税している場合ではない会社」については
後日、書いてみたいなと思います。
では、本題へ。
多くの経営者が「当期純利益=単なる今年の結果」だと思っています。
しかし、財務の視点は違います。
「当期純利益は、貸借対照表(B/S)へ移動し、会社の「肉体」になる」
どういうことでしょうか?
実は、P/L(成績表)とB/S(財産目録)は、この「当期純利益」という一本のパイプでつながっています。
あなたが稼ぎ出し、税金を払った後の利益は、B/Sの「利益剰余金(内部留保)」という場所に貯金されます。
これは「自己資本」の一部となり、誰にも返す必要のない、会社自身の純粋な体力となります。
黒字(納税) = 会社の筋肉(自己資本)が増える
赤字(過度な節税) = 会社の筋肉を削って痩せ細る
「税金を払いたくないから利益を消す」というのは、
「自ら会社の肉体を削り、防御力を下げている」のと同じことなのです。
また、多くの経営者が憧れる「無借金経営」
節税という行為は、無借金経営と逆行する行為と言えます。
当たり前といえば当たり前ですよね。
キャッシュの源である「利益」を減らす行為が「節税」なのですから。
3. 「見かけの数字」に騙されるな! 2つのワナ
ただし、この当期純利益には、経営判断を誤らせる「ワナ」があります。
数字の大小だけで一喜一憂せず、必ず中身を確認してください。
ワナ①:「特別利益」で実力を見誤る
「今年は当期純利益が5,000万円も出た! 絶好調だ!」
よく見ると、本業(営業利益)は赤字で、昔買った「土地の売却益」が乗っているだけだった。
これは一番危険なパターンです。
土地は一度売ったら終わり。来期は同じ利益は出ません。
経営者は必ず、以下の「調整後」の数字を頭の中で計算してください。
調整後当期純利益(実力値) = 当期純利益 − 一時的な特別利益
銀行との面談でも、「当期純利益は多いですが、土地の売却益を除いた『実力値』はこれくらいと認識しています」
と説明できれば、「数字が見えている社長だ」と信用が急上昇します。
上記の話は、社長が口にしなくても銀行員なら誰でも即座に計算しています。
万が一「当期純利益5000万て、すごいですね~」と言っている銀行員がいたら
担当替えをお願いしましょう。
だからこそ、銀行員が頭の中で計算するより先に社長から発言することが大切です。
ワナ②:「利益はあるのに、お金がない」
当期純利益はあくまで「計算上の利益」です。
本当に大切なのは、ここから「借金の元本返済」を行わなければないということです。
ここでも、銀行員の頭の中をご紹介すると
返済能力 ≒ 当期純利益 + 減価償却費となります。
もし、「節税対策で利益はトントン(0円)です」とした場合、
減価償却費が少なければ、銀行からは「借金を返す原資がない会社」とみなされます。
「税金を払う」とは、国にお金をあげることではなく、
「財務基盤を強くし、銀行からの信用(資金調達力)を買うためのコスト」なのです。
4. 社長のための「当期純利益」活用チェック
では、具体的にこの数字をどう経営に活かすか。
毎回の決算で、この3ステップを確認してください。
「調整後当期純利益(実力値)」はいくらか?
特別損益(まぐれや事故)を除外した、本当の実力を把握する
「自己資本」は積み上がったか?
今回の利益で、自己資本比率は改善したか?(目指せ20〜30%以上)
「返済・配当・投資」のバランスは適正か?
残った利益の範囲内で、借金を返し、株主(自分)へ配当し、未来へ投資できているか?
まとめ:P/Lの終わりは、B/Sの始まり
当期純利益は、ゴールではありません。
来期のB/S(会社の体力)へのスタート地点です。
営業利益で「今、稼ぐ力」を示し
経常利益で「平時の実力」を示し
当期純利益で「未来への蓄積」を残す
「今年はこれだけ利益が出たから、半分は税金を払って、残りを会社の筋肉(自己資本)にしよう」
そう胸を張って言えるようになった時、あなたは「節税」という目先のテクニックを卒業し、
10年、20年と続く「潰れない会社」の設計者になっています。
さあ、改めて直近の決算書を見てみてください。
一番下の行にある「当期純利益」
その数字は、あなたの会社のB/Sに積み重なり、未来のあなたの会社を守る盾になっていますか?