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自分を動かす魔法の言葉 〜決断を支えるセルフトーク術〜
2025.07.10
数あるブログの中から、私のブログへの訪問、有難うございます。
函館はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
~言葉ひとつで、心は変えられる~
「やるべきか、やめるべきか」
経営をしていると、判断に迷う場面は日常茶飯事です。
新規事業への投資、値上げのタイミング、
社員の処遇、資金繰りの判断・・・
どれも正解がわからないまま、
最後は「自分で決める」しかありません。
そんなとき、実は私たちの行動を
大きく左右しているものがあります。
それが「セルフペップトーク」です。
セルフペップトークとは何か?
まず、「セルフトーク」とは、
「自分が自分に対して無意識に語っている言葉」のこと。
たとえば、
「失敗したらどうしよう」
「きっとまたうまくいかない」
「自分にはムリかもしれない」
こうした「内なる声」は、知らないうちに心を縛り、
判断を鈍らせ、足を止めさせてしまいます。
逆に、こういう言葉をかけているときはどうでしょうか?
「この経験も、きっと次につながる」
「今は耐えるとき。必ず突破口はある」
「過去にも乗り越えたじゃないか。今回も大丈夫」
同じ状況でも、かける言葉によって
自信や判断の質は大きく変わるのです。
そうです。これが「セルフペップトーク」
自分自身を励まし、前向きにさせ、
最初の一歩を踏み出せるように、そっと背中を押す。
このような、自分で自分にかける
ポジティブな言葉や声かけを言います。
経営判断を左右する「言葉の選び方」
セルフトークには、大きく分けて
「ネガティブ」と「ポジティブ」があります。
❌悪いセルフトークの例
「またうまくいかないかも」
「自分には能力が足りない」
「社員にも理解されないかも」
こうした言葉は、自分のエネルギーを削り、
不安を拡大させるだけです。
まるで「ブレーキをかけながらアクセルを踏む」
ような状態になってしまいます。
これを俗に「セルフプッペトーク」と言います。
(ペップの反対を表現した造語で
ペップをひっくり返しプッペとしてものです)
✅良いセルフトークの例
「今回はうまくいかなかったが、きっと次につながる」
「今は学びのとき。成長のチャンスだ」
「不安なのは挑戦している証拠だ」
前向きな言葉は、自分に「行動する勇気」を与えてくれます。
不安がゼロになるわけではありませんが
「一歩踏み出す力」は確実に高まります。
これが「セルフペップトーク」です。
迷ったときに試したい
「セルフペップトークの実践法」
では、具体的にどうすれば
前向きなセルフペップトークを身につけられるのでしょうか?
様々なやり方があると思いますが
ここでは、私自身が特に効果を実感している
3つのステップをご紹介します。
①「いま、何をつぶやいているか」に気づく
まずは、迷っているときに
自分がどんな言葉を口にしているか、
あるいは心の中でつぶやいているかを
客観的に観察してみましょう。
ノートに書き出してみるのがおすすめです。
②「それ、本当に事実?」と問いかける
多くのネガティブセルフトーク(プッペトーク)は、
感情に基づいた、もしくは、
それまでの失敗などに基づいた「思い込み」です。
たとえば「失敗したら終わり」という言葉は、
本当に「終わり」でしょうか?
多くの場合、そんなことはありませんよね。
事実ではなく、「恐れ」が語らせていることに気づくだけでも、
冷静さを取り戻せます。
コラム
この「思い込みに気づく」プロセスについて、
私が好きなバンドの歌詞に、
まさにぴったりの一節があります。
back numberの曲「高嶺の花子さん」
の後半の歌詞がまさにこれです。
「気になる人の恋人候補は、きっと容姿端麗
俺なんか一つも勝てるところがない」と
勝手に想像したものの、このように気づくのです。
「いや待てよ? そいつ誰だ?」
きっとそれまでの失恋経験から
「また、だめだろう」「俺なんかだめだ」
もしくは、「また傷つきたくない」と「恐れ」が
先行してしまい、悪い想像ばかりしてしまうわけです。
③「未来に向かう言葉」に言い換える
最後に、自分を責める言葉を、
「未来に向かう言葉」に変えてみましょう。
たとえば、
「こんな自分じゃダメだ」
→「この経験を活かせば、もっと良くなれる」
「失敗したらどうしよう」
→「失敗しても、またやり直せる」
「資金繰りが厳しい」
→「大丈夫。これまでも乗り越えてきた。突破口があるはずだ」
言葉の方向を「過去」から「未来」へ向けるだけでも、
自然とエネルギーが湧いてきますよね。
まとめ:経営者の武器は「自分にかける言葉」
経営者の仕事は、決断の連続です。
そしてその決断は、いつも「自分自身との対話」
の上に成り立っています。
だからこそ、自分にどんな言葉をかけるかは、最重要ポイントです。
迷ったときほど、こうつぶやいてください。
「これは自分が成長するためのチャンスだ」と。
あなたの言葉が、あなたを前に進めてくれます。
そして、あなたの進む姿が、
社員や家族、周りの人を勇気づけていくのです。
「全力で前進!!」(しすぎです!!)
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シニア世代の住宅ローン破綻が急増!FP×財務コンサルが解説するリスク管理と3つの対策
2025.07.04
数あるブログの中から、私のブログへの訪問、有難うございます。
函館はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
本日は、いつもと少し毛色の違うお話です。
最近、「シニア世代」の住宅ローン破綻が増えているみたいです。
その記事を読んでいて
https://news.yahoo.co.jp/articles/10465338fec7fb92bccab9d72f24ffca9c5fdc1f
お金に関する問題は
「結局は個人も法人も大差ない」と感じるところが
多々あったので、今回は
「FP」と「財務コンサルタント」両方の立場から
個人にも経営者にも役に立つような内容の記事を
書いてみたいと思います。
住宅ローン破綻はなぜ起こる? 具体例から見る共通点
住宅ローンの返済に苦しみ、
最終的に自宅を売却したシニア世代の例は
枚挙にいとまがありません。
参考記事によると
① ある50代男性は、55歳で一軒家を購入し、
70歳での完済を目指していました。
しかし、退職後に再就職がうまくいかず、
生活費や介護費用が家計を圧迫。
貯蓄を取り崩し頑張っていましたが、
最終的にはローンの返済が滞り、
自宅売却を余儀なくされました。
② 自営業で一時的に年商5000万円を
超えていた別の男性は、
繰り上げ返済も視野に入れていたようですが
業績悪化とコロナ禍の影響で経済状況が急激に悪化。
さらに妻の病気や葬儀費用といった予期せぬ出費が重なり、
ローン返済が不可能となり、自宅を手放すことになりました。
これらの事例から浮かび上がる共通点は、
「経済環境や人生の変化に対するリスク管理不足」という点です。
具体的に見ていきましょう。
①の例の問題点
何といっても「退職後の再就職」の部分ですよね。
通常、退職するような年齢での再就職の場合
「収入は減少」します。
まずは、この現実をしっかりと自覚する必要があります。
もちろん、増加に転じる方もいます。
しかし、ごく一部でしょう。
では、収入を増やすには、どうしたらよいでしょう。
最もわかりやすい例の1つは「国家資格等の取得」です。
それまでの経験を活かし、中小企業診断士などを取得し
活躍している方は少なからず存在します。
また、資格に頼らなくても、現役時代に「唯一無二」の
スキルを身に着けておくことも、収入増へ向けた手段でしょう。
どちらにしても言えることは
「現在の状況に満足している場合ではない」
ということです。
「記憶が」「体力が」など口にしていてはいけません。
②の例の問題点
ここは、少し財務の観点から見ていきましょう。
そうすると最大の見落としの原因は
「年商5000万円」という売上高に目を奪われ
気が緩んでしまった点だと言えます。
大切な数字は「年商」ではありません。
「利益」や「キャッシュ」です。
借入金に関しても同じです。
借入金の大小が問題ではなく
返済できるだけの、事業を維持するだけの
利益やキャッシュがあるかどうかが大切です。
確かに、コロナによる業績への悪影響は
非常に大きなものでした。
ですが、そのような予期せぬ災難やトラブルの際に
会社を維持できるような「体質」や「体力」を
平時に整えておくことこそが経営者の最大の仕事です。
また、どちらにも共通していることとして
老後や高齢期になると、「お金の使い道」が
それまでとは大きく変化するということです。
収入の柱や社会的立場も大きく変わってきます。
「給与」⇒「年金」
「正社員」⇒「パート」など
このような避けがたい変化は、事前に想像できますので
的確に対応する必要があります。
シニアの住宅ローン破綻が増える社会背景
なぜ、これほどまでにシニア世代の
住宅ローン破綻が増えているのでしょうか。
そこには複数の社会問題が絡んでいるようです。
・住宅取得年齢の高齢化:
晩婚化の影響で住宅購入年齢が上がり、
定年後もローン返済が続くケースが増加しています。
退職金の大幅な減少:
1997年には約2800万円あった大卒の退職金が、
2022年には約1900万円まで減少しています。
(厚生労働省「就労条件総合調査」(平成9年調査および令和5年調査))
社会保険料の増加:
手取り収入が年々減少しており、
家計を圧迫する要因となっています。
上記3つの中から、
FPの立場から「社会保険料の増加」と
「年金の繰り下げ受給」の話です。
年金受給を1か月繰り下げると0.7%
受給額が増えます。
なので、退職後も働き、年金受給を繰り下げつつ
住宅ローンを返済し続け、後に増えた年金額を
ローン返済の一部に充てるという考えですが
これは「捕らぬ狸の皮算用」です。やめましょう。
その時の社会保険料がいくらになるか
わからない上に、繰り下げ受給により年金受給額が増えると
「社会保険料が高くなる可能性があります」
(同じ理屈で、税金も)
つまり、多くのFPが示しているのは「支給額」であり
そこから税金や社会保険料が引かれた額
「手取り額」を示してはいません。
つまり、予定よりも、少なくなる可能性があるわけです。
いかがですか?「皮算用」であることを
ご理解いただけたと思います。
住宅ローン破綻を防ぐための3つの対策
では、こうした事態を避けるためにはどうすれば良いのでしょうか。
1.「最悪の状況」を想定した資金計画を立てる
住宅ローンを組む際は、現在の収入だけでなく、
将来の収入減や予期せぬ出費を考慮した
綿密な資金計画が必要です。
特に定年後もローンが残るような長期ローンは避けましょう。
退職時の住宅ローン残高を早めに確認し、
必要に応じて返済計画を柔軟に見直す姿勢が重要です。
2.金利変動リスクを軽視しない
今後、金利上昇の可能性があります。
変動金利型のローンを利用している場合は、
返済額が増加するリスクを常に意識しましょう。
金利上昇に備え、常に家計に余裕を持たせることが大切です。
反対に、金利が安いというだけで
ローンの乗り換えはやめましょう。
ローン乗り換えの手続きには
様々な手数料が発生します。
しっかり確認した上で、乗り換えを考えましょう。
3.万が一に備えた貯蓄を確保する
収入減少や病気、介護といった想定外の事態に備え、
最低でも住宅ローン返済額の6カ月分程度の貯蓄
(企業の場合は運転資金として
固定費の6カ月分を確保するのと同じ発想です)
を確保しておくことが強く推奨されます。
この備えがあれば、一時的に収入が途絶えたり、
大きな出費があっても、慌てずに対応できます。
また、生命保険の活用も有効です。
ただし、考えられるリスクを
生命保険で全てカバーするのではなく
すでに準備されている「社会保険制度」をフル活用し
それでも足りない部分を民間の保険でカバーしましょう。
住宅ローン破綻は、決して他人事ではありません。
将来の不確実性を念頭に置き、
長期的で柔軟な視点を持った資金計画を立てることが、
ご自身とご家族の未来を守る最善の方法となります。
家庭ですら、このような資金計画が必要なのですから
企業に事業計画や資金繰り表が必要なのは
当たり前のことと言えます。
家庭も会社も「脱★ドンブリ」で、いきましょう!
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銀行からの評価を高める『経営計画書』の作り方 ─ 信頼を勝ち取るための実践ポイント
2025.06.27
数あるブログの中から、私のブログへの訪問、有難うございます。
函館はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
銀行から「経営計画書の提出をお願いします」
と言われた経験はありませんか?
これは決して珍しいことではなく、
多くの中小企業が融資を受ける際に求められる必須の書類です。
何を隠そう、当社も現在、銀行からの融資を
検討していて、銀行提出用の事業計画書や
資金繰り表の作成をしている最中なのです。
銀行は単に数字を見たいわけではなく、
あなたの会社が今後どう成長していくのか、
その計画の現実性や将来性を確認したいのです。
しかし、実際には多くの中小企業が
経営計画書を作成していないようです。
参考 2 経営計画の策定状況等について
出典元 中小企業庁
裏を返せば、経営計画書をきちんと作成して
銀行に提出するだけで、あなたの会社は銀行から
一歩抜きん出た信頼を得られるチャンスとなるのです。
(実は当社は銀行から、事業計画書や資金繰り表を
求められていません。だからこそあえて提出するのです。
これも、銀行取引を上手く進める手段の1つです。)
経営計画書は「作るだけ」で銀行評価は上がる
自ら作成した経営計画書や資金繰り表を
融資の提案を受ける際に、決算書などと一緒に
相手が求める前に提出しましょう。
融資の審査はスムーズに進み、
条件も良好なものに近づくはずです。
銀行員さんの、反応をみるとわかります。
多くの場合、驚かれます。
経営者自身が自分のビジョンと数字を整理していることが伝わると、
銀行は「この会社は未来に向けて計画的に経営している」
と判断するのです。
「立派なものや見栄えのいいもの」である必要はありません。
ただし、経営計画書は「質」が重要
とはいえ、ただ闇雲に計画書を作って
提出すれば良いわけではありません。
非現実的な計画書は逆効果になることもあります。
よくある失敗例として、
売上も利益も順調に伸びていく
「右肩上がりになる計画」があります。
今現在、もしくは、ここ数年間の売上や利益が
横ばいか下降傾向なのに、
今年度以降は、順調に成長していく計画は
銀行だけでなく誰が見ても
「信じられない」「ありえないな~」と思われてしまいます。
このような計画は、
かえって無計画だと思われてしまい、
銀行からの信頼を損ねてしまうのです。
いくら未来の計画とはいえ、
「未来は現在の延長線上」にしか存在しません。
確かに、売上や利益が右肩下がりの計画書は
提出しづらいと思いますが、
銀行がチェックしているのは「返済能力」ですから
「現在より1割、売上や利益が落ち込んでも返済可能」
であることを示した方が信頼が得られやすいでしょう。
銀行に信頼される経営計画書のポイント
では、銀行にとって信頼できる経営計画書とはどのようなものでしょうか?
現実的な数字に基づいていること
過去の実績や市場の動向、
具体的な営業戦略などを踏まえ、
実現可能な計画を立てることが大切です。
根拠のある計画は銀行に安心感を与えます。
数字の根拠が説明できること
ただ数字を並べるだけではなく、
「なぜこの数字が出せるのか?」を
説明できる内容にすること。
ここで大切なことは、とにかく
「自分の口で」「経営者自身が」話すことです。
「会計事務所に作ってもらった」
「経理の人に作ってもらった」
このような計画がいけないと
言っているのではありません。
誰かに作ってもらった計画であっても
そこに経営者の「想い」や「熱意」がこもっていて
「語る」ことができるようにすることが大切なのです。
無理のない利益計画
「売上増加」=「利益の増加」
となる時代は、遠い昔の話だと考えましょう。
昨今は、原材料、人件費等の値上がりが激しく
恐らく、銀行交渉よりも頭を悩ます
「値上げ交渉」ができなければ
売上が上がったとしても利益が必ず出る時代ではないはずです。
過度に楽観的な利益計画は「夢物語」と受け取られます。
経営計画書を自分で作り、銀行に提出しよう
経営計画書は自分で作成し、
自分の言葉で銀行に説明することが最も効果的です。
「銀行から言われて仕方なく作る」のではなく、
計画を通じて自社の未来を明確に描くことが重要です。
経営計画書があると、銀行との信頼関係が深まるだけでなく、
経営者自身も経営の舵取りに自信を持てるようになります。
経営者の皆さまが、しっかりとした計画で
銀行と良好な関係を築き、
事業の安定と発展を実現されることを心より願っています。
私も、頑張って作ります!
「雨は、大嫌いです!でも頑張ってウ〇チしてきます!」
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眠れるキャッシュを呼び戻す! 法人保険“見直し”で資金繰りが劇的改善
2025.06.25
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
はじめに
経営者の皆さまにとって、
資金繰りは常に頭を悩ませる
重要課題の1つではないでしょうか?
売上や利益が安定していても、
なぜか手元の現金が足りずに焦る経験はありませんか?
その原因のひとつに「法人保険の見直し不足」や
「法人保険の設計ミス」が挙げられます。
多くの企業が過去の加入契約をそのまま継続し、
現状に合っていない支出が続いているケースだったり
そもそもの目的に合致していない契約が見られます。
本記事では、法人保険の見直しが
なぜ資金繰り改善につながるのか、
その理由と具体的な進め方をわかりやすく解説します。
1.法人保険が資金繰りに与える影響とは?
法人保険は、企業のリスクヘッジや
退職金準備などに役立つ重要な財務ツールです。
しかし、加入当初は適切だったプランも、
経営環境や会社のフェーズが変われば、
必ずしも最適とは限りません。
また、「一時の利益」に対する「節税や利益の先延ばし」
のような「近視眼的」な設計が多数みられます。
それにより、
以下のような問題点が放置されることが多いのです。
・保険料が高額で、キャッシュフローを圧迫している
・解約返戻金のピークを過ぎてしまい、資金効率が悪化している
・保険目的が曖昧で、出口戦略もない
・解約返戻金に多額の法人税が発生
これらは見過ごすと、毎月の無駄な固定費となったり、
解約し現金化したのはいいが、想像以上の税金が発生したりし
経営の柔軟性を奪います。
逆に言えば、法人保険の見直しは、
短期間で確実に支出削減と資金改善を実現できる有効策なのです。
2.見直しで改善できる3つのポイント
(1)無駄な保険料の削減
多くの企業が複数の保険に加入していますが、
契約内容を整理せずに支払いを続けているケースが目立ちます。
たとえば、既に解約返戻金のピークを過ぎている保険や、
重複した保障が含まれている場合は見直し対象です。
また、保険販売側の知識不足により、最悪の場合
多額の借金だけが残されるような保険を
契約している場合も、相当数みられます。
これらを整理するだけで、
年間数十万円〜数百万円の削減も可能です。
(2)資金効率の改善
法人保険には貯蓄性のあるものもありますが、
契約形態や解約のタイミングによっては、
将来受け取れる解約返戻金の額が
期待より低くなることがあります。
最適なタイミングで見直しや解約を行うことで、
手元資金を早期に確保でき、
資金繰りにゆとりが生まれます。
(3)財務戦略の一環として活用
法人保険は単なる保障ではなく、
経営戦略の一部として活用できます。
例えば、退職金の準備や事業承継資金の積み立て
として計画的に運用することで、
税務面のメリットも享受できます。
目的を明確にしたプラン設計が重要です。
3.法人保険見直しの具体的な進め方
ステップ1:現在の契約内容を「見える化」する
まずは加入している保険契約の一覧を作成します。
契約期間、保険料、被保険者、
解約返戻金の状況、支払い原資が
「経費扱い」なのか「現預金からの支出」なのかなどを整理し、
実態を把握しましょう。
ステップ2:保険の目的と経営課題を再確認
契約時と現在の経営環境や目的が一致しているかを検証します。
不要な保障や重複する保険はないか、
資金繰りに負担をかけていないかを見極めます。
ステップ3:改善案を検討し実行
専門家のアドバイスを受けながら、
解約や契約変更、新規加入を検討します。
また、単なる解約ではなく
払い済みや失効制度などを使うことにより
自社の現在の財務状況に最も適した対策を
取ることができます。
しかし、残念ながら「最も適した」対策を提案できる
保険屋さんや会計事務所は非常に少ないのが現状です。
コラム
つい数か月前に実際に起きた悲劇をお伝えします。
10年くらい前に契約した、いわゆる「節税保険」
「解約返戻金がピーク」ということで
解約された会社があります。
しかし、多額の節税保険の支払いができるほどの会社ですから
当然「黒字経営」「繰越欠損金」も、なしでした。
解約返戻金が、「数千万円」・・・
もう、おわかりですね。
今まで、せっせと行ってきた「節税」は、一瞬で水の泡に。
今期は、多額の法人税を支払う羽目に・・・
毎月、素早く試算表を作るシステムを
企業・会計事務所双方で導入していなかったとはいえ
決算書を作り始めてすぐに、
会計事務所も頭を抱えていました。
関係のない私も「解約前に相談してくれれば」と・・・
まさに、「財務を知らない保険屋」と「財務を知らない社長」
の間で起きた悲劇です。
参考までに、以前に生命保険の使い方を書いたブログが
ありますので、リンクを張っておきます。
https://sato-insurance.jp/blog/255/
4.成功事例:資金繰り改善で経営の安定化を実現
ある中小企業では、法人保険の見直しにより、
年間約150万円の保険料削減に成功
さらに、解約返戻金の活用で約500万円の現金を確保し、
それを有効活用。
結果として、銀行借入依存度が下がったり、
資金繰りが楽になったり、
財務の健全化と経営の安定が実現できました。
5. 最重要「苦しいから解約」で更なる苦境へ
資金繰りが苦しくなった時に使おうと契約した生命保険
「苦しくなったから解約」して何が悪い?
おっしゃる通り、何も悪くはありません。
赤字の補填や設備投資の原資に充てるのであれば
合理的な判断でしょう。何の問題もありません。
しかし、被保険者である社長の体況が悪く
新契約ができないとしたら、どうしますか?
もし、病気で長期入院してしまったり
亡くなってしまった場合、銀行からの借入は
「誰が、どのようにして」返済なさるのでしょうか?
借入金の「保証人の地位」は、立派な相続財産です。
配偶者だけでなく、未成年の子供であっても
その地位からは、逃れられません。
この記事では、詳しくは書きませんが
法人契約の生命保険の死亡保険金の受取のために
一時、配偶者が事業を承継した場合でも
正しい順序で継承手続きをしなければ
最悪、相続放棄もできなくなります。
相続放棄したとしても、残された家族は
「家無し」「金なし」となります。
(これを簡単に防ぐ方法はあります)
6. 法人保険は「最も簡単な資金繰り改善方法」
資金繰りの不安は、経営者にとって大きなストレス源です。
法人保険の見直しは専門的な作業に思えますが、
適切なサポートを受けながら進めることで、
確実に、またスピーディーに効果を実感できます。
会社のお金の「見える化」と「目的の明確化」を行い
今一度、保険契約の棚卸しを検討してみてはいかがでしょうか。
もし詳しい見直し方法や具体的な相談が必要であれば、
お気軽にお問い合わせください。
あなたの経営を力強くサポートします。
「力強い!」 意味が違います!
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賢い経営者の運転資金調達術~借入のベストタイミングと実践手順
2025.06.20
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
「資金繰りは会社の血液」とよく言われますが、
では、企業が銀行から運転資金を借りる
ベストなタイミングはいつなのでしょうか?
結論から先にお伝えすると、
それは「経営が順調なうち」です。
多くの経営者は「資金が足りなくなってから借りるものだ」
と考えがちですが、それは大きな間違い。
経営が順調で、資金に余裕がある時期にこそ、
将来の成長機会を逃さず、
金利や条件交渉でも主導権を握ることができます。
この記事では、企業が銀行から
運転資金を借り入れるべきタイミングについて、
具体的な判断軸と成功のポイントを詳しく解説します。
1. 売上好調時こそ注意!
「黒字倒産」リスクとキャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)
一見矛盾しているようですが、一般的には
売上が好調な時こそ運転資金が必要になります。
新規の大口受注が増えれば、
仕入れや生産を前倒しする必要があり、
その支払い(買掛金)が先行します。
しかし、売上代金(売掛金)が入金されるのは数ヶ月後。
この「売上から入金までの期間(売掛金の回収期間)に
資金が一時的に不足する現象が、
いわゆる「資金ショート」の原因です。
その結果が黒字倒産となります。
このような状況を把握するために役立つのが、
キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)です。
CCCは「在庫日数 + 売掛金回収日数 - 買掛金支払日数」
で計算され、仕入れから販売、
現金回収までにかかる期間を示します。
と書いても、わかりづらいですよね。
なので、具体例は書きません。
何か、「プロっぽい」感じが出ますが
中小企業の経営者が使えなければ
何の意味もありません。
ですから、私は現場で、こんな式は使いません。
となると、どうするればよいのか?
私のブログでは何度も登場していますが
やはり「資金繰り表」です。
一目瞭然で資金の増減がわかりますし
運転資金の増加局面で銀行に融資の提案を求める時は
資金繰り表を銀行員に提出してあげると
とても喜ばれます。
とはいえ、資金繰り表とて、なかなか難しいという場合は
せめて「口座残高」だけでもチェックしましょう。
ただし、「毎日」です。
口座残高を毎日チェックしていれば
売り上げは伸びているのに、現金が増えない
もしくは、減っているという「違和感」を
感じ取れるはずです。
その違和感を感じたら、銀行や私のような人に相談してみましょう。
銀行員は優秀な方が多いですから
社長の「違和感」の原因を教えてくれると思います。
そして、必要があれば融資の提案をしてくれるはずです。
また、季節変動がある業種では、
繁忙期に合わせて仕入れや人員を
前倒しする資金が必須となります。
閑散期に返済原資が確保できるかも同時に確認し、
予測可能な資金需要に対しては、
余裕を持ったタイミングで融資枠を確保しておくことが重要です。
2. 成長投資と運転資金は分けて考える
事業拡大のために新規設備への投資を行う際や、
大型受注への先行発注が必要な局面では、
運転資金を設備投資で食い潰す前に、
「資金を色分け」することが重要です。
設備投資は長期融資で、
短期的な運転資金は短期融資で手当てする。
これが基本です。
残念なことにこの融資の形が「バブル崩壊後」に
日本から姿を消しました。
数年前から、銀行員の間でも「運転資金は短期融資で」
ということが当たり前となってはていますが
融資先の方が理解できていないために
短期融資を断ることもあるそうです。
しかし、短期融資の利用は、返済バランスを保ち、
会社によっては資金繰りを劇的に改善でき
資金ショートを防ぐことができます。
3. 金利サイクルと市場環境を見極める
資金調達のコストに直結するのが金利です。
2025年6月時点で日銀は金利を据え置きつつも、
年内に追加利上げの可能性を残しています。
このような金利上昇局面の場合、
当然のことですが、金利が上がる前に借りるのが鉄則です。
「余計な資金は借りたくない」
その気持ちは、よくわかります。
余計な金利の支払いも発生しますし。
ですが、金利が上がるということは
一般的に考えて「景気が拡大傾向」ということになります。
つまりは「売上アップ」のチャンスということです。
早めに、低い金利で資金調達しておくことは
金利上昇のリスクを回避する行動であり
ビジネスチャンスを確実にとらえるために必要な
「投資判断」の一つだと思います。
4. 財務指標で「健康診断」を行う
日頃から自社の財務状況を客観的に把握し、
「健康診断」を行うことも大切です。
以下のような兆候が見られたら、
借り入れ準備フェーズに移行することを検討しましょう。
営業キャッシュフローが2期連続でマイナス
・本業で現金を稼げていない状態を示します。
決算書の損益計算書では「黒字」は
営業外収益などが含まれていますので
会社は「事業」を行っているのですから
その事業時単体で「黒字」であることが必要です。
クイック比率(当座比率)が100%を下回る
・短期的な支払能力に不安がある状態です。
ざっくりですが
「現預金」(借入のある銀行に預けている定期預金等は差し引いて下さい)
「売掛債権(売掛金や受取手形)を足したものを
「流動負債」で割った数字に100を掛けた数字が
100を超えているかどうか
(現預金+売掛金)÷流動負債×100
貸借対照表から、必要な数字を拾ってきましょう。
といっても、ほんの数個です。
でも、こんな数字をいちいち計算しなくても
3ヶ月先までの資金繰り表を作成すればいいことなのです。
5. 関係性づくりは「晴れの日」に
銀行との関係構築は、
資金繰りが苦しくなってからではなく、
業績が好調な「晴れの日」こそ行うべきです。
銀行は「借りに来る時だけ顔を出す会社」よりも、
決算報告や試算表をタイムリーに提出し、
日頃から情報を共有する会社を高く評価します。
業績が好調なうちに、追加の融資枠の相談や、
将来の会社の姿を話すことにより、
信用枠を厚くしておくことが好機です。
いざという時に迅速かつ有利な条件で
資金を調達できる体制を整えておくことで、
不測の事態にも対応できるレジリエンス(回復力)
の高い企業体質を築けます。
借入交渉を成功させる3ステップ
実際に銀行に融資を申し込む際には、
以下の3つのステップを踏むことで、
交渉を有利に進められる可能性が高まります。
1.必要額を“根拠ある数字”で示す
「いつ(何か月後に)」「いくら」必要なのかを
月次資金繰り表、事業計画書、受注残一覧などを用いて、
なぜその資金が必要なのかを具体的に裏付けましょう。
2.返済シナリオを複数提示する
基本となるベースケース(現状のまま推移)に加え、
売上が10%%減少した場合などを想定したストレスケースを用意し、
どのような状況でも返済が可能であることを示しましょう。
3.未来志向のストーリーを語る
単に資金が必要な理由だけでなく、
借り入れによって「いかに利益とキャッシュフローを創出し、
地域経済に貢献していくか」という
企業のビジョンと将来性を熱意を持って伝えましょう。
やはり最後は「人間力」がものを言います。
まとめ
運転資金の借り入れは、「足りなくなってから」では遅すぎます。
・資金が潤沢、事業が順調なうちに融資枠を確保
・金利上昇前に固定化
・成長局面でフル活用できるよう財務体質を整える
この3点を押さえれば、
金融機関は力強いパートナーとなり、
あなたの会社のビジョン実現を
力強く後押ししてくれるはずです。
積極的に資金戦略を立て、
会社の未来に追い風を呼び込みましょう。
眩しいほどに輝こう!
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ダメ出しを「伸びしろ提案」に変える魔法~「成果を爆上げ」成長を促す3つのステップ
2025.06.17
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
ビジネスの現場では、日々、限られた時間と資源の中で
結果を出すことが求められます。
チームメンバーの育成、部下への指示、
あるいは仲間との共同プロジェクト。
そこには必ず「フィードバック」がつきものです。
しかし、「せっかくアドバイスしたのに、
なんだかやる気をなくさせてしまった」
「指摘しても改善されないどころか、
職場の雰囲気が悪くなった」
そんな苦い経験、あなたにもありませんか?
私たちはつい「相手のため」と思って、
足りない部分や改善点を指摘しがちです。
でも、その伝え方一つで、
相手のモチベーションは萎み、
成長曲線は停滞してしまいます。
実は、この「ダメ出し」のコミュニケーションこそが、
組織の成長を阻む大きな壁になっているのです。
では、どうすればフィードバックを
「叱責」ではなく、「付加価値」に変え、
チーム全体の成果を最大化できるのでしょうか?
本日は、日本キャッシュフローコーチ協会と
日本ペップトーク普及協会で学んだことを合成したもので
普段のコンサルティングの現場で私が
「意識している言動」をお伝えします。
何度も何度も練習は必要ですが
間違いなく誰もができるようになりますので
是非、自分のものにして、会社内のコミュニケーションや
家庭内での、子育てや夫婦間のやりとりなどに
使ってみて下さい。
周りの反応はおろか、自分の心の中まで変化が起きますよ。
フィードバックが成果を分ける「スイートスポット」
想像してみてください。会社内で長々と部下や同僚に対し
アドバイスができる時間がありますか?
多くの方は、そんな時間は、お互いに取れないと思います。
では、「限られた時間」で「最高の成果」を出すためには
どのようなフィードバックが必要でしょうか?
その答えの一つとして
アドバイスする側が、どれだけ質の高いフィードバックが
できたのかがカギを握ります。
「質の高いフィードバック」とは
実はあらかじめ「設計しておく」ものなのです。
つまり「型」があるということです。
そして、設計された質の高いフィードバックの有無は
・組織やチームのパフォーマンス
・従業員のエンゲージメント
・生産性向上
に大きく貢献するという研究は多数存在します。
従業員のエンゲージメントと生産性の向上
定期的に質の高いフィードバックを受けている従業員は、
そうでない従業員に比べてエンゲージメントが高く、
生産性も向上するというデータがあります。
ある調査では、フィードバックを受けている従業員の85%が
より主体的に行動するとされています。
出典元:The Impact Of Real-Time Feedback On Employee Productivity - SurveyConnect
離職率の低下
定期的なフィードバック、
特に強みに焦点を当てたフィードバックを行っている企業では、
従業員の離職率が有意に低いという報告もあります。
出典元:Surprising Employee Turnover and Retention Statistics - WebMD Health Services
目標達成率の向上
具体的なフィードバックは、個人の目標達成を促進し、
結果的にチームや組織全体の成果に寄与します。
出典元:(PDF) Feedback, goal-setting and task performance revisited. - ResearchGate
出典元:Goals and Progress Feedback: Effects on Self-Efficacy and Writing Achievement By - CORE
学習効果と行動定着
フィードバックが具体的かつタイムリーであるほど、
学習効果が高まり、望ましい行動の定着につながることが示されています。
出典元:Why Giving Instant Feedback is Important for Effective Learning - eduMe
部下が提出した報告書に修正が必要な時
営業ロールプレイングで改善点が露呈した時
子どもの家庭学習時に間違いを見つけた時
日常のあらゆるシーンで訪れる「フィードバック分岐点」で、
「何をどう伝えるか」によって、
相手のモチベーションも、アウトプットの質も大きく変わるのです。
ダメ出しで終われば、相手は萎縮し、成長は停滞します。
しかし、意図的に設計されたフィードバックなら、
学習曲線は急上昇し、チーム全体の生産性が飛躍的に向上するのです。
成果を最大化するフィードバック3ステップ
STEP 1: 自己評価を促す──「自律」を引き出す問いかけ
フィードバックの第一歩は、
相手に「君自身はどう感じた?」と問いかけることです。
人は、自分が「気づいたこと」しか変えることができません。
「人は変えられない」聞いたことありますよね。
外からの指摘は、時に「押しつけ」や「批判」と受け取られ、
防衛反応を引き起こします。
しかし、まず相手自身に内省を促し、
「何を感じ、どう評価したか」を言語化してもらうことで、
「自分ごと」として課題を捉えるスイッチが入ります。
ここで重要なことは、「正解・不正解を示さない」ことです。
大切なのは、「自由に感じたことを語ってもらうこと」です。
このプロセスを通じて、相手は自らのパフォーマンスを客観視し、
改善へのモチベーションを内側から高めていくことができます。
もし、忘れてしまう心配があるのなら
ノート1冊を用意し、なんでもいいので
気づいたことや感じたことをメモすることにより
行動の定着率をさらに高めることができます。
STEP 2: 強みを具体化する──「自信」を育てる承認
次に、相手が「すでにできている部分」を
具体的に言語化して伝えることです。
ここ、結構苦手という人、多いと思います。
実は私も、そうでした。
そんな私がはじめのうちに意識したことは
本来の「褒める」部分とは違うのですが、慣れるまでは
「相手のよいところや出来ているところを褒める」
と捉えることにより、定着速度が上がりました。
たとえば、こんなことを伝えてあげてください。
「今日のプレゼンの資料の色づかいがとても見やすかったよ」
「ストーリー構成が上手で、すごく理解しやすかった」
など、あなたが観察した事実そのままを伝えます。
「何が良かったのか」がクリアになるほど、
相手のセルフイメージは高まり、
「自分はできるんだ」という自信が生まれます。
この自信こそが、次の挑戦への大きなエネルギーとなるのです。
また、強みを具体的に承認することは、
後に伝える改善点を受け入れるための
「心のクッション」にもなります。
さらに、ここで見つけた強みを
第三者にも共有すれば、それは個人だけでなく、
組織全体の「資産」となり、活用されます。
STEP 3: 改善点はアイメッセージで提案
「防衛反応」を防ぎ「共創」へ
そして、いよいよ改善点の指摘についてです。
ここでのポイントは、
「私はこう感じた」というアイ(I)メッセージで伝えることです。
例えば、「この部分は少し聞き取りづらかったよ」
と断定するのではなく、
「私(I)はこの部分が少し聞き取りづらく感じたのですが、
あなた(YOU)はどう思いますか?」と問いかけます。
このように、主語を「私」にし、
相手に意見を求める形にすることで、
命令形や断定的な口調を避け、
相手の防衛本能が働くのを防ぎます。
相手の主体性を尊重しつつ、
具体的な改善策を「一緒に考える」という土台ができます。
フィードバックは、決して一方的な「指摘」ではありません。
「問い」を活用し、改善点を「共創プロジェクト」として捉えることで、
建設的な議論へとつながり、
より良い解決策が生まれる可能性が飛躍的に高まります。
最重要:信頼残高を積み上げる「日頃の貯金」
これら3つのステップが機能するための大前提があります。
それは、日ごろからの「信頼貯金(信頼残高)」です。
普段から感謝や称賛の言葉を伝え合い、
良好な関係性が築かれていれば、
たとえ厳しい指摘であっても、
相手は「自分のことを思ってくれているからこそ言ってくれたんだ」
と好意的に受け止めることができます。
逆に、信頼残高がない、もしくは低い関係性では、
どんなに正論を述べても、
それは単なる批判として跳ね返されてしまうでしょう。
朝礼でのちょっとした一言、チャットでの感謝のスタンプ、
すれ違いざまの短い声かけ。こうした小さな行動の積み重ねが、
着実に信頼口座に積み立てられ、
あなたのアドバイスが大活躍し、
大きな効果が生まれることにつながります。
明日からできる!
あなたのチームを変えるチェックリスト
さあ、明日から早速このフィードバック設計を実践してみましょう。
まずは1on1ミーティングや
小規模なチーム内での会話で試してみてください。
まだ、信頼貯金が貯まっていないのなら
まずは、日常会話を大切にしましょう。
では、ここでも私が貯金を増やすために行ったことを
お伝えします。 誰でもできます!
それは・・・
「ありがとう」の回数を増やすことです。
今まで言ったことがない人がいきなり
「アドバイス」的なことを話しても
恐らく相手は、相当驚かれると思います。
なので、それくらいならば、まずは「ありがとう」から
スタートしましょう。
フィードバックの際には、以下の点をチェックしてみてください。
チェックリストを作成するとよいでしょう。
もし、「チェックリストがほしい」という方には
プレゼントしますので、トップページ右上の
「お問い合わせ」https://sato-insurance.jp/contact/
より「チェックリストほしい」と書いて
連絡ください。
・KGI(目標やゴール)を相手と共有したか
・自己評価を引き出す質問をしたか
・強みを具体的に言語化できたか
・改善案を「一緒に解決していく問題」として提示できたか
・次回の日時を設定する
指導やフィードバックの質は、
組織全体のパフォーマンスの上限を決定します。
「ダメ出し」していた時間を
「成長のための時間」へと転換できた瞬間、
「ダメ出し」が「伸びしろ提案」に変わった瞬間、
部下やお子さんや会社の成果曲線は加速度的に伸び
あなたの大切な人や、組織の未来は、
大きく、そして明るく開けていくはずです。
伸びる~~~
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たった3つの数字で見極める!ラーメン屋で学ぶ価格転嫁の「超」実践法
2025.06.12
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
6/11付けの北海道新聞に
「価格転嫁 悩む道内企業」
という記事が書かれていた。
帝国データバンク札幌支店の調査によると
「もし金利が1%上昇したら」の問いに
「財務体質の改善」「価格転嫁」と答えた割合が
どちらも約25%との回答でした。
また、「経営に悪影響」と答えた割合は56.6%
との回答でした。
「財務体質の改善」中でも「経費削減による改善」は
既に多くの企業で限界を迎えているのではないかと
思われます。それでも「乾ききった雑巾」を
まだ絞るということになりますから
たとえ絞れたとしても、その効果はかなり限られたものに
なるのではないかと思います。
となると、次に来るのが
「価格転嫁」ということになりますが
「顧客離れ」や「販売量の減少」が怖くて
なかなか決断できないというのが
多くの経営者の悩みではないでしょうか。
では、どれくらいの「客離れ」や「売上低下」がおこると
自社が赤字に転落するのでしょうか?
この問いに、「根拠を持った数字」を示せる経営者が
どれくらいいるのでしょうか?
おそらく、1~2割程度ではないかと思われます。
私たち財務コンサルタントは
このような問いに対し、根拠ある数字をもって
値上げの有無や幅を経営者が判断できるように
お手伝いさせていただくわけですが
一般の経営者が、難解な管理会計の教科書を開き
勉強する前に、たった3つの数字を押さえるだけで
意思決定の8割はできるようになる方法を
ラーメン屋さんを題材にお伝えします。
(材料は全て仕入れするものとします)
決算書と電卓を片手に読み進めてみてください。
STEP1 費用を「動く」「動かない」で仕分けする
まずは会社のお金を 変動費(動く費用) と 固定費(動かない費用) に分けます。
ラーメン屋さんの主な変動費は
麺やスープのような材料です。
ラーメンを1杯売れれば使う麵は1玉
ラーメンを2杯売れば2玉
ラーメンが売れなければ0玉
このように「売れた分と連動して増減する」費用が変動費
一方
お客様が1人だけ来店しても
100人来店しても変わらない費用
給料や家賃や利息などのように
「売上に関係なく毎月ほぼ一定」な費用を固定費
決算書に書かれているさまざまな費用を
この2つに振り分けていきます。
ここまでが、第一段階です。
これを専門用語でいうと「固変分解」といいます。
名前を憶えても1円にもなりません。
この作業が終わったら
A4 用紙に次の式を書き出しましょう。
売上高 -変動費 (動く費用) = 手元に残るお金(限界利益)
この「手元に残るお金(限界利益)」が
経営判断を行う上で、とても大切な数字となります。
STEP2 「限界利益率」を算出する
限界利益を売上高で割った数字に100を掛けた数字を
限界利益率 といいます。
例)ラーメン1杯1,000 円
材料費 600 円 → 限界利益額 400 円
限界利益率 = (400 ÷1,000)✖100 = 40%
もし材料費が 10%(60 円)上がり
原価上昇分の60円をそのまま売価に転嫁し
同じ限界利益額 400 円を確保したとすると
限界利益率 = 400 ÷1,060 = 37.7%となり
「額」はキープできても「率」は低下します。
では「率」をキープするためには売価をいくらに
設定する必要があるかですが
限界利益率を(元の水準に)維持するには、
売価を約10%アップさせる必要がありますので、
算式としては
660円(変動費)÷0.6(変動費率)=1,100円
となります。
値上げのシミュレーションは、
「額を守る」か「率を守る」か で変わります。
とはいえ、一般的な中小企業なら、
まずは「額」を重視での判断が優先されるであろうと思います。
しかし、全ての商品や全ての判断基準を
「額」にしてしまうと、後々問題が発生します。
面倒がらずに、商品1品ごとに判断することをお勧めします。
この手間を惜しんで「ドンブリ経営」を続けても
何一つとして良いことは起こりません。
今回は、「額と率」の判断基準までは書きませんので
興味のある方は、ご連絡ください。
STEP3 「どこまで客数が減っても黒字なの?」をチェックする
最後は“赤字ライン”を確認します。
赤字にならない売上高 = 動かない費用 ÷ 限界利益率
(値引きなど、販売条件は変えない前提です)
例:月間固定費300万円、限界利益率40%。
現在の売上高が1000万円で、
限界利益額が400万円のラーメン屋さんであれば、
400万(限界利益額)-300万(固定費)=100万円で、
現在の経常利益は100万円ということになります。
この条件で赤字ラインを計算すると…」
赤字ライン = 300 ÷ 0.4 = 750 万円
現在の売上高 1,000 万円なら、
黒字確保まで、許される売上ダウン金額は
1000万円―750 万円=250万円となり
仮に値上げで売上が 100万円ダウンし、900 万円に落ちても
750 万円を上回るため、まだ黒字圏内です。
黒字確保までの猶予額250 万円を
平均顧客単価で割ってやれば
顧客減数の許容範囲を把握可能となります。
ここまで把握できれば「値上げ幅」と「客離れの許容度」が
数字でクリアになります。
ただし、ここだけは勘違いしないでください!
「売上が10%ダウン」=「経常利益も10%」
ではありません!
「黒字圏内」なだけです!
あくまで「売上―経費」が黒字というだけの話です。
計算式のレベルでいうと「ただの引き算」レベルです。
参考までに、このラーメン屋さんですと
売上が10%ダウンすると
経常利益は40%ダウンの「60万円」となります。
もし、銀行への借入金返済額が月々80万円あった場合
このラーメン屋さんは、「毎月20万円」の現金を
どこからか調達しなければ
銀行への返済ができなくなるということです。
こんなことを続けていれば、どうなるか?
結論は、見えていますよね。
応用編:一律ではなく「厚い商品」から値上げ
「限界利益率が高い」つまり「粗利の厚い」商品ほど値上げによる
客離れの痛手も小さくて済みます。
多くの場合、利幅が大きい商品は、競合が真似しづらいサービスや機能
また、ファンの多い看板商品が多いと思われます。
よって優先的に改定しても受け入れられやすい
「価格耐久性」が高い商品と言えます。
すべての商品を一律に上げるのではなく
商品ごとの細かな調整を考えていきましょう。
まとめ:たった3つを明確にし決断力アップ
1.費用を「動く/動かない」に分類
2.限界利益率と額を確認
3.赤字にならない売上高を計算し、顧客離れ余裕度を把握
以上、わずか3ステップにより
数字という「事実」を把握することで
値上げへの不安はぐっと小さくなります。
一刻も早く「勘による値決め」から卒業し
「根拠ある経営」にステージアップしていきましょう。
数字はあなたの背中を押す最強の味方です!
小さな利益の積み重ねが大切ですね
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「失敗を恐れる心の正体~損失回避の法則を味方につける経営戦略~」
2025.06.06
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
今朝のテレビで一瞬だったのですが
こんなことを相談している小学生がいました。
「失敗すると、それが気になり集中できない」
「え!小学生が!」私はショックを受けました。
同時に、違うかもしれませんが
あの子は失敗するたびに、周りの大人に
「なぜ、失敗したのか」みたいな言葉を
幼いころから投げかけられていたのかなと思い
とても、残念に思いました。
(個人の勝手な思いです)
もし、失敗という事実は受け止め
チャレンジした過程を褒めていたら
「うまくいかなかったね、残念。
でも、このチャレンジをしたあなたは
すごいと思うよ」
こう語りかけていたら
きっと、あの子はそんな質問しないだろうな~と
勝手に考えてしまいました。
今日のブログは、その想いから生まれ出たものです。
振り返ってみると、私自身も含め
「それ、アカンやろー」という言葉を発しているなと思い
自戒の念も含めて書いてみました。
前段からは想像もつかない程
ビジネス寄りの内容です。
「もし失敗したらどうしよう」
新しい挑戦を前に足が止まるとき、
あなたの頭に浮かぶのは成功のイメージよりも、
失敗して失うかもしれない時間やお金ではないでしょうか。
これは性格の弱さではなく、人類に共通する心理的傾向です。
行動経済学者ダニエル・カーネマンと
エイモス・トヴェルスキーが提唱した
プロスペクト理論によれば、
人は利益よりも損失を約2~2.5倍強く感じ取ると言われています。
この現象を「損失回避の法則(Loss Aversion)」と呼びます。
ビジネスの世界でも、この法則に則ってしまい
チャンスを逸することが少なくありません。
申し訳ないのですが、行政のやることは
私が見ている限り「ほぼ100%」、この法則にハマります。
「仕方ない」と言えばそれまでですが
あらゆる世界の概念が急速に変わっている今
行政だけが、「以前のまま」でいいわけはありません。
特に、衰退が激しい地方都市の自治体においては
「損失回避の法則」を勇気をもって打ち破らなければ
また、そのような文化を育成しなければ
衰退の速度が増し、手遅れとなると思われます。
(そうです。私の住んでる街「函館」のことを
言っているのです)
では、「何をどうすればいいのか」ですが
ブログを読み進めていってもらえれば
そのヒントが書いてあります。
1. 数字で味わう損失の痛み
あなたに二つの選択肢があるとします。
A:確実に1万円もらえる
B:50%の確率で2万円もらえるが、50%の確率で0円
多くの人はAを選びます。
Bの期待値は1万円で同じにもかかわらず、
「もらえない」リスクを避けたいからです。
ところが場面を「損失」に変えると判断は逆転します。
C:確実に1万円失う
D:50%の確率で2万円失うが、50%の確率で0円
今度はDを選ぶ人が増えます。
確実な損失を避けるために、
ギャンブル的な選択に手を伸ばすのです。
利益と損失で意思決定の軸が入れ替わる典型例と言えます。
2.ビジネス現場に潜む損失回避
損失回避は会議室でもコンビニのレジ前でも姿を現します。
導入決定が遅れる
新しい商品の市場への導入は
導入効果より「売れなかったら大損」という
不安で棚上げされがちです。
もちろん、限界利益など
採算をとるために最低限必要な売上高や売上個数を
事前に把握するためにも「管理会計」の導入は
必要不可欠ですが、
そのような「数字の裏付け」があっても
「予定通りにいかなかった場合」つまりは
「損失」のことが頭の中を支配し
なかなか前に進めないことが少なくありません。
値決め戦略が保守的になる
価格を上げれば利益率向上が見込めても、
「顧客離れ」という損失が怖くて踏み切れない。
これも、多くの中小企業で起きている現象です。
大手と言われるところは、消費者からすると
「問答無用」状態で値上げし
確実に利益を確保しています。
そうしなければ、顧客へのサービスや
商品提供ができなくなるからです。
そうするかどうかは、個別の判断ですが
今は値上げし、原価等が下がったら
値下げをし顧客に喜んでいただく。
こうやって、世の中に合わせ、フレキシブルに
値決めをしていくことが、必要なのかもしれません。
マーケティング的にいうのなら「今だけ」が効く
「本日終了」「残り3席」といった表現は、
得を逃す=損失と感じさせ、購買率を高めます。
昔で言えば、万年「閉店セール」ですね。
(これ知ってる人は、それなりの年齢の方だけですね)
また、日付や席数や個数など
目に見えるものだけではなく
最近では「特別な経験」など
形のないものでも、購買意欲を高める手法が
使われています。
やはり「限定」や「あなただけに」は
心揺さぶられますよね。
「このチャンスを逸しては損だ」という心理を
ついているわけです。
3.損失回避を乗り越える4つのステップ
1.リスクを数字で「見える化」する
感情ではなくデータで判断する癖をつけましょう。
その為にも、やはり「管理会計」の導入は
企業経営には必須です。
例を書きます。
決算書の「損益計算書」を思い浮かべてください。
新商品のお菓子を発売したとしましょう。
今回は、わかりやすいように
今回発売する「お菓子のみ」しか扱っていない会社とします。
売上600万-製造原価300万=利益300万
つい、このように考えてしまいませんか?
製造し、すぐに市場に投入し、一瞬で完売なら
ほぼ、この計算で間違いありません。
では、完売まで3か月かかったらどうなるでしょうか?
実は利益がグッと下がります。
なぜなら、製造していなくても原価が増えるからです。
何が増えるのか?
そうです。人件費です。
たとえ工場が止まっていても、工場で働く人の
給料は、発生し続けます。
これが、損益計算書(P/L)経営の落とし穴なのです。
このような計算ミスを防ぐためにも
会社経営には「管理会計」が必須なのです。
2.スモールスタート
大きな変化ではなく、少しずつ試し
失敗コストを最小化し
心理的ハードルを下げることが大切です。
いきなりの設備投資や人員増強は避け
「失敗しても痛くない」もしくは
「失敗しても会社の経営に支障はない」程度から
スタートしましょう。
では、「痛くない」や「経営に支障がない」投資金額て
どれくらいなのでしょう?
ここでも、「感情」による判断をしてはいけません。
やはり「数字」による判断が必要です。
具体的には、というより論理的には
今度は「貸借対照表」(B/S)の数字で判断します。
どの数字か?
そうです。一番右下の「繰越利益剰余金」です。
この金額の範囲内なら、たとえ新事業が失敗しても
会社が「債務超過」などに陥ることはありません。
(ただし、あくまで会計上のお金ですから
いわゆる「現金」とは違います)
3.損失の上限を設計
「最悪でもここでやめる」という出口戦略を決めましょう。
つまりは「引き際」をはじめから設定しておくのです。
ここでもつい「損したくない」「損を取り返した」
「せめて投資額だけでも、回収したい」という
損失回避の法則が働きます。
しかし、その判断もやはり「感情」による判断と言えます。
やはりここでも「1000万損失を出したら撤退」など
数字による明確な意思決定が大切です。
撤退の金額の目安は、先ほど書いた通りです。
4.学習コストという投資思考
失敗=損ではなく、
次の成功確率を上げるデータ取得と捉えましょう。
この考え方を腹落ちさせると
理論上は世の中から失敗はなくなります。
トライ&エラーを恐れず繰り返し
知識資産を蓄積しましょう。
4.現状維持バイアスとの関係
損失回避は「現状維持が一番安全」
という誤解を強化します。
しかし環境が変わり続ける現代において、
現状維持は実質的な後退です。
短期的な安心と引き換えに、
中長期的な機会損失を抱え込むリスクに
気づく必要があります。
これが冒頭に書いた「行政機関」の陥っている穴の正体です。
民間企業である私たちは、
是非とも「現状維持バイアス」の居心地の良さに打ち勝ち
前進し続けていきましょう。
5.最後に──恐怖の正体を数字で照らす
「失敗したらどうしよう」という声が聞こえたら、
それは損失回避の法則が働いている証拠です。
その声を無視するのではなく、
認識し、分析し、そして活用しましょう。
リスクを数値化し、段階的に進み、
学習機会として捉える。
そして時には、損失回避の力を借りて、
より良い習慣や仕組みを作る。
私たちの脳に組み込まれた
この古代からの警報システムを理解することで、
より賢明な選択ができるようになるのです。
「恐怖に支配されるのではなく、恐怖と共に前進する。」
それが、現代を生きる私たちに求められる知恵なのかもしれません。
「真っ黒だけど、いつもの私です」
みなさん、熱中症には、気を付けて下さいね~
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「高いのに売れる」企業の共通点――「価格」ではなく「価値」を売れ
2025.06.02
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
「お客様は安いものしか買わない」
この思い込みに囚われていませんか?
多くのビジネスが直面する価格競争は、
この誤解から生まれることが多いのです。
しかし、本当に消費者は価格だけで
商品を選んでいるのでしょうか?
今日は、この問いを起点にビジネスを再構築し、
価格競争の罠から抜け出して、顧客に真の価値を伝え、
選ばれるための具体的な方法を解説します。
是非、このような視点を持ち、
あなたのビジネスに役立ててください。
「価格だけ」という誤解を解く
多くの経営者が、明確な理由もなく自社は
価格競争に巻き込まれやすいと感じています。
というよりも、無意識のうちに自ら価格競争に
挑んでいるのではないでしょうか?
確かに、低価格競争は熾烈であり、
一見すると価格が全てであるかのように
思えるかもしれません。
しかし、本当にそうでしょうか?
例えば、自動車市場を考えてみましょう。
新車販売台数を見れば、低価格を売りにした
軽自動車やコンパクトカーは確かに人気です。
しかしその一方で、数百万円、
時には1000万円を超えるような高級車も、
その存在感を失うことなく根強く売れ続けています。
さらに、価格の安さだけを追求するのであれば
新車よりも中古車の方が売れているはずです。
これらの事実は、消費者が単に「価格」だけで
商品を選択しているわけではない明確な証拠です。
消費者は、「価格」に加えて
「価値」に基づいて商品を選んでいるのです。
安さだけを追求するのではなく、
その商品やサービスが自分にとってどのようなメリットをもたらし、
どのような「理想の未来」を実現してくれるのかを重視しているのです。
お客様が本当に求める「価値」とは?
では、お客様が本当に求めている
「価値」とは一体何でしょうか?
それは、お客様が商品やサービスを
購入することによって得られる理想の未来や、
具体的なメリットのことを指します。
たとえば健康食品を例に考えてみましょう。
お客様がその健康食品を購入する際、
単純に「健康食品」が欲しいわけではありません。
求めているのは、
「ダイエットに成功して自信を持ちたい」
「体力をつけて毎日を活動的に過ごしたい」
「健康な体を維持して老後も趣味を楽しみたい」
といった具体的な期待や願望です。
これこそが、
お客様がその商品に求めている「価値」なのです。
お客様が求めている本当の価値を明確にとらえれば、
あなたは価格競争から自然と距離を置けるようになります。
なぜなら、その価値は価格では測れない、
お客様自身の具体的なニーズと結びついているからです。
なぜ価格競争に巻き込まれるのか?
多くの企業が価格競争に陥ってしまう理由は、
非常にシンプルです。
それは、自社の商品やサービスの
「独自性」がお客様に十分に伝わっていないからです。
お客様にとって、
あなたの会社の商品と他社の商品に
明確な違いが見えなければ、
比較する際の判断基準は必然的に
「価格」だけになってしまいます。
もしお客様が、あなたの商品に対して
「どこで買っても同じなら、一番安いところで買おう」
と考えてしまうのであれば、
それはあなたのビジネスの独自性が伝わっていない証拠です。
つまり、独自性が明確に伝わっていなければ、
価格以外で勝負する術を失ってしまうことになります。
この状況こそが、「価格競争の罠」なのです。
お客様の「価値観」を具体的に把握する
価格競争の悪循環から抜け出すためには、
まずお客様が「何を価値と感じているのか」を
具体的に把握する必要があります。
これはビジネスにおいて最も重要なステップの一つです。
例えば
アンケート調査やヒアリングなどで
商品・サービスに何を期待しているか、
どのような点で満足・不満を感じているかなどを
尋ねてみましょう。
また最近ですとSNSのレビュー分析により
自社商品はおろか、競合商品に対する
評判も見ることができます。。
これらの作業を通じて、
「なぜその商品を選んだのか」
「購入後に何を期待しているのか」
といった、お客様の深層心理にあるニーズや
願望を深く掘り下げましょう。
これらの把握こそが、他社との明確な差別化を図り、
価格以外の魅力でお客様に選ばれるための
重要なヒントとなるのです。
「価値」を明確に伝える工夫
お客様が価値と感じているポイントを発見したら、
次はその価値を具体的に可視化し、
言語化や見える化して伝えることが必要となります。
日本人は「良いものを作れば自然と売れる」という
成功体験をしてきました。
ゆえに、この「伝える」という作業が
とても苦手だと言われています。
しかし、ここが、あなたのビジネスが
価格競争から抜け出すための最大の転換点となります。
ホームページやソーシャルメディアで
「高品質」「お客様第一」といった言葉を見かけます。
上場しているような大企業でさえ
このような言葉を口にしていない企業はないと思いますが、
「高品質」と書かれて商品の品質が伝わるでしょうか?
「お客様第一」と書かれて、アフターフォローの充実度を
想像できるでしょうか?
正直、私には商品の性能や良いところが
全く伝わってきません。
「当たり前」感すら覚えます。
やはり、お客様には
「この商品を買うと、自分にはこんな良いことがあるんだ」
「こんな困り事が解決でき、その結果こんなに爽快になるんだ」
と明確にイメージしてもらえるような
言語化が必要になります。
例えば
ビフォー・アフターの具体例を
明確な数字や写真などで示したり
実際のお客様の声を紹介し
お客様が自社の商品・サービスを利用して
どのように変わったのか、どのようなメリットを感じたのかを、
具体的なエピソードなどで紹介したり
信頼感のあるところからの
商品の効果や性能を示すデータや数字の提示などを行い
お客様が自分の未来像を
より想像しやすくする工夫が大切です。
また最近は、「商品が生まれた背景や開発者の想い」
お客様がその商品を通じて得られる
価値をストーリーとして語ることなど
動画を使い、共感を呼び、記憶に残るメッセージにするなどの
プロモーションもあります。
このように、「実際にどのように変わるのか」を
明確に伝えることで、
お客様はその商品がもたらす未来を
具体的に想像できるようになり、
価格以外の価値に注目するようになります。
価格以外の比較ポイントを作る
お客様が価格だけで判断しないようにするためには、
商品やサービスを比較するための新たな軸を
意図的に作り出すことが重要です。
競合他社にはない、
または他社よりも優れている自社の強みを明確に提示し、
それを比較基準としてお客様に提示しましょう。
たとえば、
納期: スピードを強みとしてアピールする
保証期間: 購入後のリスクを軽減する価値となる
サポート体制: 購入後のフォロー体制を強みとして打ち出す
カスタマイズの自由度:唯一無二の商品の提供
品質・耐久性: 結果的にコスパが高いという価値
付加サービス: 商品本体以外の独自の付加価値やサービス提供
これらのポイントを明確に示すことにより、
お客様が「価格以外の点で、この商品を選ぶ理由がある」
と感じるように誘導することで、
価格競争から一歩抜け出すことができます。
まとめ:価値で選ばれるビジネスへ
お客様は決して
価格だけで商品を選んでいるわけではありません。
彼らは、自分の課題を解決し
理想の未来を実現してくれる「価値」を求めているのです。
あなたが提供する商品やサービスが
どのような「価値」をお客様にもたらすのかを明確にし
それを効果的に伝えることで
価格競争に巻き込まれることなく
独自の市場ポジションを築くことが可能です。
今一度、自社の商品やサービスが
お客様にあたえる「価値」を再確認してみましょう。
そして、その価値を明確に伝えるための施策を実行すれば
顧客との「より深く」「長期的な関係」を築けるようになるはずです。
あなたのビジネスは、
お客様にどのような「価値」を提供していますか?
そして、その価値は明確に伝わっていますか?
「ドロンコ遊び」楽しかったのでしょうね・・・
十分、伝わります・・・
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成功と失敗は紙一重! 「 成功するための5つのステップ」
2025.05.30
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
「なぜあの人は成功するのか?」
「自分はなぜうまくいかなかったのか?」
私たちは日々、成功と失敗という結果に一喜一憂します。
しかし実は、成功者と失敗者の行動や思考には、
意外なほど共通点があるのです。
違いは「どう向き合ったか」「どこまで深く掘り下げたか」
つまり「解釈と活用」の部分にあります。
この記事では、成功と失敗のプロセスに潜む
5つの共通点を取り上げ、
それぞれから学ぶべき教訓と、
すぐに活かせる実践ポイントをご紹介します。
ビジネスでも人生でも、子育てでも、
次の一歩を確かなものにするヒント
としてお役立てください。
1.目標は誰もが立てているはず
成功者も失敗者も、例外なく「目標」を立てています。
ただ、その質には大きな違いがあります。
成功する人の目標は、具体的かつ測定可能です。
たとえば、「半年後に新規顧客を30社獲得する」
「年内に〇〇の資格試験に合格する」など。
一方、失敗に終わるケースでは、
「顧客をもっと増やしたい」
「いつか、〇〇になりたい」など、
曖昧でぼんやりした目標が多く見られます。
では、目標達成に必要な行動指針には
どんなものがあるでしょう。
代表的なものの1つに「SMARTの原則」があります。
SMARTの原則とは、
1981年にジョージ・T・ドランによって提唱され、
効果的な目標設定を助けるために広く使用されています。
Specific(具体的): 目標は明確で具体的であるべき
Measurable(測定可能): 進捗を測定できる基準が必要
Achievable(達成可能): 現実的に達成可能な目標であることが重要
Relevant(関連性): 組織や個人の目標に関連している必要がある
Time-bound(時間制約): 期限を設けることで、
目標達成のための時間的な枠組みを持つことが求められる
上記のように、「より具体的で」「進捗を確認出来て」
「頑張れば手が届く目標で」
「なりたいものや達成したい領域に関係するもので」
「目標を達成するまでの時間や日時を明確に決める」
この5つの要素を決め、毎日、毎週、振り返りをすることにより
目標達成がより確実になると示唆しています。
2.どちらも「計画」を立てている
成功者も失敗者も、
スタート時には何かしらの計画を持っています。
違いは「変化への対応力」です。
成功者は、計画どおりに進まない場面や
想定外の出来事が起きても、
冷静に、また柔軟に軌道修正できる力があるのです。
反対に、失敗者は、計画が狂った時に慌ててしまい、
迷走してしまいます。
先ほどのSMARTの原則に則り振り返ってみると
当然ながら、予定通りに進んでいない場面に出くわします。
その際に、どのように対応していくのか
「もうだめだ」や「うまくいかないな~」ではなく
「この方法や計画がだめなら、こっち」というような
柔軟性が大切なことになります。
よく、「うまくいかないことを前提に」考えることの
重要性が言われています。
否定はしません。事前に「プランBやC」を用意しておく
ことは、とても有益だと思いますし、
可能であれば、事前に準備しておく方がよいでしょう。
しかし、最近は物事の変化の流れが早く
事前の準備だけでは対応できないことも増えてきています。
失敗することを恐れて、足が前に出ないくらいなら
無策は困りますが、
事前準備に時間をかけすぎないことを私はお勧めします。
3.「行動量」だけでは差がつかない
成功も失敗も、「とにかくやってみる」ことで始まります。
しかし、行動量だけに頼ると、
結果がついてこないこともあります。
確かに成功者は、たくさんの行動を起こしています。
裏を返せば、それだけ「失敗」もしていると言えます。
では、成功者と失敗者の行動の違いは
どこにあるのでしょう。
私は「行動の質」に違いがあると考えています。
「行動の質」とは、「無駄な動きをしない」
「無駄な時間を過ごさない」ということです。
上手くいかなっかった時に、その原因を探し
的確に対処することにより
「目的に直結した行動」を選択できるようになります。
時間をかけるだけでなく、
成果につながる行動の「質」を意識しているのです。
「忙しい=成果」ではないということです。
行動の質を上げ、無駄な動きや時間を減らし、
より成果の出る取り組みに集中しましょう。
4.フィードバックの活かし方
誰でも人からの意見や評価を受けます。
それを「どう受け取るか」で、大きな差が出ます。
成功者は、批判や指摘を「成長の糧」として取り入れます。
自分のやり方を冷静に見直し、
柔軟に変えていく力があります。
一方で、失敗者は批判を「否定」と捉え、
防御的になりやすい傾向があります。
これが学びを止め、行動を阻害し
ひいては、自己肯定感すら低めてしまいます。
他人からのフィードバックは、
事実として受け取ることが大切です。
「真実」ではなく「事実」「現実」と受け取るのです。
人から何か言われると
「なんだよ」「チェッ」「うるさいな」など
つい、感情が先に出てしまう。
気持ちはわかりますし、
私も、そうなることはありますが
そのように受け取ってしまうと
せっかくのフィードバックを活かすことができず
本質的な学びが遠のいてしまいます。
「なぜそう言われたのか?」と
一歩引いて考える習慣が、あなたを成長させてくれます。
5.挑戦しているかどうか
挑戦することは、とても大切ですし
私は「挑戦者」が大好きです。
可能な限り、そういった人たちに囲まれて
これからも歩んでいきたいと思っています。
だからこそ、失敗してしまい
次の一歩が踏み出せない方に伝えたい言葉が
「成功者も失敗者も同じ“挑戦者”である」なのです。
挑戦したからこそ、結果としてうまくいかなかっただけです。
ビジネスの場面でも、子育ての場面でも成否を分けるのは、
「失敗を恐れずに続けられる環境づくり」が
できているかどうかだと思います。
基本的に、挑戦する価値があるものならば、
何度でもトライ&エラーを繰り返し
「〇〇までに、成功させる」と決め行動を起こす。
このような決断をさせる空気が職場や家庭にあることが
とても大切です。
もちろん「人・物・金」の関係により
いつまでも無限に挑戦させるわけにはいきませんが
「挑戦しようとする芽」を潰してしまうのは避けましょう。
まとめ 結果より「向き合い方」が分けるもの
成功と失敗は、たまたま結果が違っただけで、
その過程には多くの共通点があります。
大事なのは、その共通点をどう次に活かすかです。
もし今、うまくいっていないことがあったとしても、
それは「失敗」ではなく「途中経過」にすぎません。
成功も失敗も、次の行動のためのデータ(事実)として受け止め、
そこから何を学び、どう動くか。
それこそが、最も重要な分岐点になります。
今日から、成功と失敗を「別物」として見るのではなく、
「どちらも成長の材料」
として捉える視点を持ってみてください。
そのうえで、周りの人たちは
挑戦者の背中をそっと「応援し」
挑戦した過程を「褒めてあげて」
成功したら「一緒に喜ぶ」
「成功」という結果を一緒に喜び
挑戦の過程を褒める。
つまりは「挑戦者全員」が褒める対象なのです。
褒められるの「大好き」です
2025.07.10

数あるブログの中から、私のブログへの訪問、有難うございます。
函館はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
~言葉ひとつで、心は変えられる~
「やるべきか、やめるべきか」
経営をしていると、判断に迷う場面は日常茶飯事です。
新規事業への投資、値上げのタイミング、
社員の処遇、資金繰りの判断・・・
どれも正解がわからないまま、
最後は「自分で決める」しかありません。
そんなとき、実は私たちの行動を
大きく左右しているものがあります。
それが「セルフペップトーク」です。
セルフペップトークとは何か?
まず、「セルフトーク」とは、
「自分が自分に対して無意識に語っている言葉」のこと。
たとえば、
「失敗したらどうしよう」
「きっとまたうまくいかない」
「自分にはムリかもしれない」
こうした「内なる声」は、知らないうちに心を縛り、
判断を鈍らせ、足を止めさせてしまいます。
逆に、こういう言葉をかけているときはどうでしょうか?
「この経験も、きっと次につながる」
「今は耐えるとき。必ず突破口はある」
「過去にも乗り越えたじゃないか。今回も大丈夫」
同じ状況でも、かける言葉によって
自信や判断の質は大きく変わるのです。
そうです。これが「セルフペップトーク」
自分自身を励まし、前向きにさせ、
最初の一歩を踏み出せるように、そっと背中を押す。
このような、自分で自分にかける
ポジティブな言葉や声かけを言います。
経営判断を左右する「言葉の選び方」
セルフトークには、大きく分けて
「ネガティブ」と「ポジティブ」があります。
❌悪いセルフトークの例
「またうまくいかないかも」
「自分には能力が足りない」
「社員にも理解されないかも」
こうした言葉は、自分のエネルギーを削り、
不安を拡大させるだけです。
まるで「ブレーキをかけながらアクセルを踏む」
ような状態になってしまいます。
これを俗に「セルフプッペトーク」と言います。
(ペップの反対を表現した造語で
ペップをひっくり返しプッペとしてものです)
✅良いセルフトークの例
「今回はうまくいかなかったが、きっと次につながる」
「今は学びのとき。成長のチャンスだ」
「不安なのは挑戦している証拠だ」
前向きな言葉は、自分に「行動する勇気」を与えてくれます。
不安がゼロになるわけではありませんが
「一歩踏み出す力」は確実に高まります。
これが「セルフペップトーク」です。
迷ったときに試したい
「セルフペップトークの実践法」
では、具体的にどうすれば
前向きなセルフペップトークを身につけられるのでしょうか?
様々なやり方があると思いますが
ここでは、私自身が特に効果を実感している
3つのステップをご紹介します。
①「いま、何をつぶやいているか」に気づく
まずは、迷っているときに
自分がどんな言葉を口にしているか、
あるいは心の中でつぶやいているかを
客観的に観察してみましょう。
ノートに書き出してみるのがおすすめです。
②「それ、本当に事実?」と問いかける
多くのネガティブセルフトーク(プッペトーク)は、
感情に基づいた、もしくは、
それまでの失敗などに基づいた「思い込み」です。
たとえば「失敗したら終わり」という言葉は、
本当に「終わり」でしょうか?
多くの場合、そんなことはありませんよね。
事実ではなく、「恐れ」が語らせていることに気づくだけでも、
冷静さを取り戻せます。
コラム
この「思い込みに気づく」プロセスについて、
私が好きなバンドの歌詞に、
まさにぴったりの一節があります。
back numberの曲「高嶺の花子さん」
の後半の歌詞がまさにこれです。
「気になる人の恋人候補は、きっと容姿端麗
俺なんか一つも勝てるところがない」と
勝手に想像したものの、このように気づくのです。
「いや待てよ? そいつ誰だ?」
きっとそれまでの失恋経験から
「また、だめだろう」「俺なんかだめだ」
もしくは、「また傷つきたくない」と「恐れ」が
先行してしまい、悪い想像ばかりしてしまうわけです。
③「未来に向かう言葉」に言い換える
最後に、自分を責める言葉を、
「未来に向かう言葉」に変えてみましょう。
たとえば、
「こんな自分じゃダメだ」
→「この経験を活かせば、もっと良くなれる」
「失敗したらどうしよう」
→「失敗しても、またやり直せる」
「資金繰りが厳しい」
→「大丈夫。これまでも乗り越えてきた。突破口があるはずだ」
言葉の方向を「過去」から「未来」へ向けるだけでも、
自然とエネルギーが湧いてきますよね。
まとめ:経営者の武器は「自分にかける言葉」
経営者の仕事は、決断の連続です。
そしてその決断は、いつも「自分自身との対話」
の上に成り立っています。
だからこそ、自分にどんな言葉をかけるかは、最重要ポイントです。
迷ったときほど、こうつぶやいてください。
「これは自分が成長するためのチャンスだ」と。
あなたの言葉が、あなたを前に進めてくれます。
そして、あなたの進む姿が、
社員や家族、周りの人を勇気づけていくのです。
「全力で前進!!」(しすぎです!!)
2025.07.04

数あるブログの中から、私のブログへの訪問、有難うございます。
函館はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
本日は、いつもと少し毛色の違うお話です。
最近、「シニア世代」の住宅ローン破綻が増えているみたいです。
その記事を読んでいて
https://news.yahoo.co.jp/articles/10465338fec7fb92bccab9d72f24ffca9c5fdc1f
お金に関する問題は
「結局は個人も法人も大差ない」と感じるところが
多々あったので、今回は
「FP」と「財務コンサルタント」両方の立場から
個人にも経営者にも役に立つような内容の記事を
書いてみたいと思います。
住宅ローン破綻はなぜ起こる? 具体例から見る共通点
住宅ローンの返済に苦しみ、
最終的に自宅を売却したシニア世代の例は
枚挙にいとまがありません。
参考記事によると
① ある50代男性は、55歳で一軒家を購入し、
70歳での完済を目指していました。
しかし、退職後に再就職がうまくいかず、
生活費や介護費用が家計を圧迫。
貯蓄を取り崩し頑張っていましたが、
最終的にはローンの返済が滞り、
自宅売却を余儀なくされました。
② 自営業で一時的に年商5000万円を
超えていた別の男性は、
繰り上げ返済も視野に入れていたようですが
業績悪化とコロナ禍の影響で経済状況が急激に悪化。
さらに妻の病気や葬儀費用といった予期せぬ出費が重なり、
ローン返済が不可能となり、自宅を手放すことになりました。
これらの事例から浮かび上がる共通点は、
「経済環境や人生の変化に対するリスク管理不足」という点です。
具体的に見ていきましょう。
①の例の問題点
何といっても「退職後の再就職」の部分ですよね。
通常、退職するような年齢での再就職の場合
「収入は減少」します。
まずは、この現実をしっかりと自覚する必要があります。
もちろん、増加に転じる方もいます。
しかし、ごく一部でしょう。
では、収入を増やすには、どうしたらよいでしょう。
最もわかりやすい例の1つは「国家資格等の取得」です。
それまでの経験を活かし、中小企業診断士などを取得し
活躍している方は少なからず存在します。
また、資格に頼らなくても、現役時代に「唯一無二」の
スキルを身に着けておくことも、収入増へ向けた手段でしょう。
どちらにしても言えることは
「現在の状況に満足している場合ではない」
ということです。
「記憶が」「体力が」など口にしていてはいけません。
②の例の問題点
ここは、少し財務の観点から見ていきましょう。
そうすると最大の見落としの原因は
「年商5000万円」という売上高に目を奪われ
気が緩んでしまった点だと言えます。
大切な数字は「年商」ではありません。
「利益」や「キャッシュ」です。
借入金に関しても同じです。
借入金の大小が問題ではなく
返済できるだけの、事業を維持するだけの
利益やキャッシュがあるかどうかが大切です。
確かに、コロナによる業績への悪影響は
非常に大きなものでした。
ですが、そのような予期せぬ災難やトラブルの際に
会社を維持できるような「体質」や「体力」を
平時に整えておくことこそが経営者の最大の仕事です。
また、どちらにも共通していることとして
老後や高齢期になると、「お金の使い道」が
それまでとは大きく変化するということです。
収入の柱や社会的立場も大きく変わってきます。
「給与」⇒「年金」
「正社員」⇒「パート」など
このような避けがたい変化は、事前に想像できますので
的確に対応する必要があります。
シニアの住宅ローン破綻が増える社会背景
なぜ、これほどまでにシニア世代の
住宅ローン破綻が増えているのでしょうか。
そこには複数の社会問題が絡んでいるようです。
・住宅取得年齢の高齢化:
晩婚化の影響で住宅購入年齢が上がり、
定年後もローン返済が続くケースが増加しています。
退職金の大幅な減少:
1997年には約2800万円あった大卒の退職金が、
2022年には約1900万円まで減少しています。
(厚生労働省「就労条件総合調査」(平成9年調査および令和5年調査))
社会保険料の増加:
手取り収入が年々減少しており、
家計を圧迫する要因となっています。
上記3つの中から、
FPの立場から「社会保険料の増加」と
「年金の繰り下げ受給」の話です。
年金受給を1か月繰り下げると0.7%
受給額が増えます。
なので、退職後も働き、年金受給を繰り下げつつ
住宅ローンを返済し続け、後に増えた年金額を
ローン返済の一部に充てるという考えですが
これは「捕らぬ狸の皮算用」です。やめましょう。
その時の社会保険料がいくらになるか
わからない上に、繰り下げ受給により年金受給額が増えると
「社会保険料が高くなる可能性があります」
(同じ理屈で、税金も)
つまり、多くのFPが示しているのは「支給額」であり
そこから税金や社会保険料が引かれた額
「手取り額」を示してはいません。
つまり、予定よりも、少なくなる可能性があるわけです。
いかがですか?「皮算用」であることを
ご理解いただけたと思います。
住宅ローン破綻を防ぐための3つの対策
では、こうした事態を避けるためにはどうすれば良いのでしょうか。
1.「最悪の状況」を想定した資金計画を立てる
住宅ローンを組む際は、現在の収入だけでなく、
将来の収入減や予期せぬ出費を考慮した
綿密な資金計画が必要です。
特に定年後もローンが残るような長期ローンは避けましょう。
退職時の住宅ローン残高を早めに確認し、
必要に応じて返済計画を柔軟に見直す姿勢が重要です。
2.金利変動リスクを軽視しない
今後、金利上昇の可能性があります。
変動金利型のローンを利用している場合は、
返済額が増加するリスクを常に意識しましょう。
金利上昇に備え、常に家計に余裕を持たせることが大切です。
反対に、金利が安いというだけで
ローンの乗り換えはやめましょう。
ローン乗り換えの手続きには
様々な手数料が発生します。
しっかり確認した上で、乗り換えを考えましょう。
3.万が一に備えた貯蓄を確保する
収入減少や病気、介護といった想定外の事態に備え、
最低でも住宅ローン返済額の6カ月分程度の貯蓄
(企業の場合は運転資金として
固定費の6カ月分を確保するのと同じ発想です)
を確保しておくことが強く推奨されます。
この備えがあれば、一時的に収入が途絶えたり、
大きな出費があっても、慌てずに対応できます。
また、生命保険の活用も有効です。
ただし、考えられるリスクを
生命保険で全てカバーするのではなく
すでに準備されている「社会保険制度」をフル活用し
それでも足りない部分を民間の保険でカバーしましょう。
住宅ローン破綻は、決して他人事ではありません。
将来の不確実性を念頭に置き、
長期的で柔軟な視点を持った資金計画を立てることが、
ご自身とご家族の未来を守る最善の方法となります。
家庭ですら、このような資金計画が必要なのですから
企業に事業計画や資金繰り表が必要なのは
当たり前のことと言えます。
家庭も会社も「脱★ドンブリ」で、いきましょう!
2025.06.27

数あるブログの中から、私のブログへの訪問、有難うございます。
函館はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
銀行から「経営計画書の提出をお願いします」
と言われた経験はありませんか?
これは決して珍しいことではなく、
多くの中小企業が融資を受ける際に求められる必須の書類です。
何を隠そう、当社も現在、銀行からの融資を
検討していて、銀行提出用の事業計画書や
資金繰り表の作成をしている最中なのです。
銀行は単に数字を見たいわけではなく、
あなたの会社が今後どう成長していくのか、
その計画の現実性や将来性を確認したいのです。
しかし、実際には多くの中小企業が
経営計画書を作成していないようです。
参考 2 経営計画の策定状況等について
出典元 中小企業庁
裏を返せば、経営計画書をきちんと作成して
銀行に提出するだけで、あなたの会社は銀行から
一歩抜きん出た信頼を得られるチャンスとなるのです。
(実は当社は銀行から、事業計画書や資金繰り表を
求められていません。だからこそあえて提出するのです。
これも、銀行取引を上手く進める手段の1つです。)
経営計画書は「作るだけ」で銀行評価は上がる
自ら作成した経営計画書や資金繰り表を
融資の提案を受ける際に、決算書などと一緒に
相手が求める前に提出しましょう。
融資の審査はスムーズに進み、
条件も良好なものに近づくはずです。
銀行員さんの、反応をみるとわかります。
多くの場合、驚かれます。
経営者自身が自分のビジョンと数字を整理していることが伝わると、
銀行は「この会社は未来に向けて計画的に経営している」
と判断するのです。
「立派なものや見栄えのいいもの」である必要はありません。
ただし、経営計画書は「質」が重要
とはいえ、ただ闇雲に計画書を作って
提出すれば良いわけではありません。
非現実的な計画書は逆効果になることもあります。
よくある失敗例として、
売上も利益も順調に伸びていく
「右肩上がりになる計画」があります。
今現在、もしくは、ここ数年間の売上や利益が
横ばいか下降傾向なのに、
今年度以降は、順調に成長していく計画は
銀行だけでなく誰が見ても
「信じられない」「ありえないな~」と思われてしまいます。
このような計画は、
かえって無計画だと思われてしまい、
銀行からの信頼を損ねてしまうのです。
いくら未来の計画とはいえ、
「未来は現在の延長線上」にしか存在しません。
確かに、売上や利益が右肩下がりの計画書は
提出しづらいと思いますが、
銀行がチェックしているのは「返済能力」ですから
「現在より1割、売上や利益が落ち込んでも返済可能」
であることを示した方が信頼が得られやすいでしょう。
銀行に信頼される経営計画書のポイント
では、銀行にとって信頼できる経営計画書とはどのようなものでしょうか?
現実的な数字に基づいていること
過去の実績や市場の動向、
具体的な営業戦略などを踏まえ、
実現可能な計画を立てることが大切です。
根拠のある計画は銀行に安心感を与えます。
数字の根拠が説明できること
ただ数字を並べるだけではなく、
「なぜこの数字が出せるのか?」を
説明できる内容にすること。
ここで大切なことは、とにかく
「自分の口で」「経営者自身が」話すことです。
「会計事務所に作ってもらった」
「経理の人に作ってもらった」
このような計画がいけないと
言っているのではありません。
誰かに作ってもらった計画であっても
そこに経営者の「想い」や「熱意」がこもっていて
「語る」ことができるようにすることが大切なのです。
無理のない利益計画
「売上増加」=「利益の増加」
となる時代は、遠い昔の話だと考えましょう。
昨今は、原材料、人件費等の値上がりが激しく
恐らく、銀行交渉よりも頭を悩ます
「値上げ交渉」ができなければ
売上が上がったとしても利益が必ず出る時代ではないはずです。
過度に楽観的な利益計画は「夢物語」と受け取られます。
経営計画書を自分で作り、銀行に提出しよう
経営計画書は自分で作成し、
自分の言葉で銀行に説明することが最も効果的です。
「銀行から言われて仕方なく作る」のではなく、
計画を通じて自社の未来を明確に描くことが重要です。
経営計画書があると、銀行との信頼関係が深まるだけでなく、
経営者自身も経営の舵取りに自信を持てるようになります。
経営者の皆さまが、しっかりとした計画で
銀行と良好な関係を築き、
事業の安定と発展を実現されることを心より願っています。
私も、頑張って作ります!
「雨は、大嫌いです!でも頑張ってウ〇チしてきます!」
2025.06.25

いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
はじめに
経営者の皆さまにとって、
資金繰りは常に頭を悩ませる
重要課題の1つではないでしょうか?
売上や利益が安定していても、
なぜか手元の現金が足りずに焦る経験はありませんか?
その原因のひとつに「法人保険の見直し不足」や
「法人保険の設計ミス」が挙げられます。
多くの企業が過去の加入契約をそのまま継続し、
現状に合っていない支出が続いているケースだったり
そもそもの目的に合致していない契約が見られます。
本記事では、法人保険の見直しが
なぜ資金繰り改善につながるのか、
その理由と具体的な進め方をわかりやすく解説します。
1.法人保険が資金繰りに与える影響とは?
法人保険は、企業のリスクヘッジや
退職金準備などに役立つ重要な財務ツールです。
しかし、加入当初は適切だったプランも、
経営環境や会社のフェーズが変われば、
必ずしも最適とは限りません。
また、「一時の利益」に対する「節税や利益の先延ばし」
のような「近視眼的」な設計が多数みられます。
それにより、
以下のような問題点が放置されることが多いのです。
・保険料が高額で、キャッシュフローを圧迫している
・解約返戻金のピークを過ぎてしまい、資金効率が悪化している
・保険目的が曖昧で、出口戦略もない
・解約返戻金に多額の法人税が発生
これらは見過ごすと、毎月の無駄な固定費となったり、
解約し現金化したのはいいが、想像以上の税金が発生したりし
経営の柔軟性を奪います。
逆に言えば、法人保険の見直しは、
短期間で確実に支出削減と資金改善を実現できる有効策なのです。
2.見直しで改善できる3つのポイント
(1)無駄な保険料の削減
多くの企業が複数の保険に加入していますが、
契約内容を整理せずに支払いを続けているケースが目立ちます。
たとえば、既に解約返戻金のピークを過ぎている保険や、
重複した保障が含まれている場合は見直し対象です。
また、保険販売側の知識不足により、最悪の場合
多額の借金だけが残されるような保険を
契約している場合も、相当数みられます。
これらを整理するだけで、
年間数十万円〜数百万円の削減も可能です。
(2)資金効率の改善
法人保険には貯蓄性のあるものもありますが、
契約形態や解約のタイミングによっては、
将来受け取れる解約返戻金の額が
期待より低くなることがあります。
最適なタイミングで見直しや解約を行うことで、
手元資金を早期に確保でき、
資金繰りにゆとりが生まれます。
(3)財務戦略の一環として活用
法人保険は単なる保障ではなく、
経営戦略の一部として活用できます。
例えば、退職金の準備や事業承継資金の積み立て
として計画的に運用することで、
税務面のメリットも享受できます。
目的を明確にしたプラン設計が重要です。
3.法人保険見直しの具体的な進め方
ステップ1:現在の契約内容を「見える化」する
まずは加入している保険契約の一覧を作成します。
契約期間、保険料、被保険者、
解約返戻金の状況、支払い原資が
「経費扱い」なのか「現預金からの支出」なのかなどを整理し、
実態を把握しましょう。
ステップ2:保険の目的と経営課題を再確認
契約時と現在の経営環境や目的が一致しているかを検証します。
不要な保障や重複する保険はないか、
資金繰りに負担をかけていないかを見極めます。
ステップ3:改善案を検討し実行
専門家のアドバイスを受けながら、
解約や契約変更、新規加入を検討します。
また、単なる解約ではなく
払い済みや失効制度などを使うことにより
自社の現在の財務状況に最も適した対策を
取ることができます。
しかし、残念ながら「最も適した」対策を提案できる
保険屋さんや会計事務所は非常に少ないのが現状です。
コラム
つい数か月前に実際に起きた悲劇をお伝えします。
10年くらい前に契約した、いわゆる「節税保険」
「解約返戻金がピーク」ということで
解約された会社があります。
しかし、多額の節税保険の支払いができるほどの会社ですから
当然「黒字経営」「繰越欠損金」も、なしでした。
解約返戻金が、「数千万円」・・・
もう、おわかりですね。
今まで、せっせと行ってきた「節税」は、一瞬で水の泡に。
今期は、多額の法人税を支払う羽目に・・・
毎月、素早く試算表を作るシステムを
企業・会計事務所双方で導入していなかったとはいえ
決算書を作り始めてすぐに、
会計事務所も頭を抱えていました。
関係のない私も「解約前に相談してくれれば」と・・・
まさに、「財務を知らない保険屋」と「財務を知らない社長」
の間で起きた悲劇です。
参考までに、以前に生命保険の使い方を書いたブログが
ありますので、リンクを張っておきます。
https://sato-insurance.jp/blog/255/
4.成功事例:資金繰り改善で経営の安定化を実現
ある中小企業では、法人保険の見直しにより、
年間約150万円の保険料削減に成功
さらに、解約返戻金の活用で約500万円の現金を確保し、
それを有効活用。
結果として、銀行借入依存度が下がったり、
資金繰りが楽になったり、
財務の健全化と経営の安定が実現できました。
5. 最重要「苦しいから解約」で更なる苦境へ
資金繰りが苦しくなった時に使おうと契約した生命保険
「苦しくなったから解約」して何が悪い?
おっしゃる通り、何も悪くはありません。
赤字の補填や設備投資の原資に充てるのであれば
合理的な判断でしょう。何の問題もありません。
しかし、被保険者である社長の体況が悪く
新契約ができないとしたら、どうしますか?
もし、病気で長期入院してしまったり
亡くなってしまった場合、銀行からの借入は
「誰が、どのようにして」返済なさるのでしょうか?
借入金の「保証人の地位」は、立派な相続財産です。
配偶者だけでなく、未成年の子供であっても
その地位からは、逃れられません。
この記事では、詳しくは書きませんが
法人契約の生命保険の死亡保険金の受取のために
一時、配偶者が事業を承継した場合でも
正しい順序で継承手続きをしなければ
最悪、相続放棄もできなくなります。
相続放棄したとしても、残された家族は
「家無し」「金なし」となります。
(これを簡単に防ぐ方法はあります)
6. 法人保険は「最も簡単な資金繰り改善方法」
資金繰りの不安は、経営者にとって大きなストレス源です。
法人保険の見直しは専門的な作業に思えますが、
適切なサポートを受けながら進めることで、
確実に、またスピーディーに効果を実感できます。
会社のお金の「見える化」と「目的の明確化」を行い
今一度、保険契約の棚卸しを検討してみてはいかがでしょうか。
もし詳しい見直し方法や具体的な相談が必要であれば、
お気軽にお問い合わせください。
あなたの経営を力強くサポートします。
「力強い!」 意味が違います!
2025.06.20

いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
「資金繰りは会社の血液」とよく言われますが、
では、企業が銀行から運転資金を借りる
ベストなタイミングはいつなのでしょうか?
結論から先にお伝えすると、
それは「経営が順調なうち」です。
多くの経営者は「資金が足りなくなってから借りるものだ」
と考えがちですが、それは大きな間違い。
経営が順調で、資金に余裕がある時期にこそ、
将来の成長機会を逃さず、
金利や条件交渉でも主導権を握ることができます。
この記事では、企業が銀行から
運転資金を借り入れるべきタイミングについて、
具体的な判断軸と成功のポイントを詳しく解説します。
1. 売上好調時こそ注意!
「黒字倒産」リスクとキャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)
一見矛盾しているようですが、一般的には
売上が好調な時こそ運転資金が必要になります。
新規の大口受注が増えれば、
仕入れや生産を前倒しする必要があり、
その支払い(買掛金)が先行します。
しかし、売上代金(売掛金)が入金されるのは数ヶ月後。
この「売上から入金までの期間(売掛金の回収期間)に
資金が一時的に不足する現象が、
いわゆる「資金ショート」の原因です。
その結果が黒字倒産となります。
このような状況を把握するために役立つのが、
キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)です。
CCCは「在庫日数 + 売掛金回収日数 - 買掛金支払日数」
で計算され、仕入れから販売、
現金回収までにかかる期間を示します。
と書いても、わかりづらいですよね。
なので、具体例は書きません。
何か、「プロっぽい」感じが出ますが
中小企業の経営者が使えなければ
何の意味もありません。
ですから、私は現場で、こんな式は使いません。
となると、どうするればよいのか?
私のブログでは何度も登場していますが
やはり「資金繰り表」です。
一目瞭然で資金の増減がわかりますし
運転資金の増加局面で銀行に融資の提案を求める時は
資金繰り表を銀行員に提出してあげると
とても喜ばれます。
とはいえ、資金繰り表とて、なかなか難しいという場合は
せめて「口座残高」だけでもチェックしましょう。
ただし、「毎日」です。
口座残高を毎日チェックしていれば
売り上げは伸びているのに、現金が増えない
もしくは、減っているという「違和感」を
感じ取れるはずです。
その違和感を感じたら、銀行や私のような人に相談してみましょう。
銀行員は優秀な方が多いですから
社長の「違和感」の原因を教えてくれると思います。
そして、必要があれば融資の提案をしてくれるはずです。
また、季節変動がある業種では、
繁忙期に合わせて仕入れや人員を
前倒しする資金が必須となります。
閑散期に返済原資が確保できるかも同時に確認し、
予測可能な資金需要に対しては、
余裕を持ったタイミングで融資枠を確保しておくことが重要です。
2. 成長投資と運転資金は分けて考える
事業拡大のために新規設備への投資を行う際や、
大型受注への先行発注が必要な局面では、
運転資金を設備投資で食い潰す前に、
「資金を色分け」することが重要です。
設備投資は長期融資で、
短期的な運転資金は短期融資で手当てする。
これが基本です。
残念なことにこの融資の形が「バブル崩壊後」に
日本から姿を消しました。
数年前から、銀行員の間でも「運転資金は短期融資で」
ということが当たり前となってはていますが
融資先の方が理解できていないために
短期融資を断ることもあるそうです。
しかし、短期融資の利用は、返済バランスを保ち、
会社によっては資金繰りを劇的に改善でき
資金ショートを防ぐことができます。
3. 金利サイクルと市場環境を見極める
資金調達のコストに直結するのが金利です。
2025年6月時点で日銀は金利を据え置きつつも、
年内に追加利上げの可能性を残しています。
このような金利上昇局面の場合、
当然のことですが、金利が上がる前に借りるのが鉄則です。
「余計な資金は借りたくない」
その気持ちは、よくわかります。
余計な金利の支払いも発生しますし。
ですが、金利が上がるということは
一般的に考えて「景気が拡大傾向」ということになります。
つまりは「売上アップ」のチャンスということです。
早めに、低い金利で資金調達しておくことは
金利上昇のリスクを回避する行動であり
ビジネスチャンスを確実にとらえるために必要な
「投資判断」の一つだと思います。
4. 財務指標で「健康診断」を行う
日頃から自社の財務状況を客観的に把握し、
「健康診断」を行うことも大切です。
以下のような兆候が見られたら、
借り入れ準備フェーズに移行することを検討しましょう。
営業キャッシュフローが2期連続でマイナス
・本業で現金を稼げていない状態を示します。
決算書の損益計算書では「黒字」は
営業外収益などが含まれていますので
会社は「事業」を行っているのですから
その事業時単体で「黒字」であることが必要です。
クイック比率(当座比率)が100%を下回る
・短期的な支払能力に不安がある状態です。
ざっくりですが
「現預金」(借入のある銀行に預けている定期預金等は差し引いて下さい)
「売掛債権(売掛金や受取手形)を足したものを
「流動負債」で割った数字に100を掛けた数字が
100を超えているかどうか
(現預金+売掛金)÷流動負債×100
貸借対照表から、必要な数字を拾ってきましょう。
といっても、ほんの数個です。
でも、こんな数字をいちいち計算しなくても
3ヶ月先までの資金繰り表を作成すればいいことなのです。
5. 関係性づくりは「晴れの日」に
銀行との関係構築は、
資金繰りが苦しくなってからではなく、
業績が好調な「晴れの日」こそ行うべきです。
銀行は「借りに来る時だけ顔を出す会社」よりも、
決算報告や試算表をタイムリーに提出し、
日頃から情報を共有する会社を高く評価します。
業績が好調なうちに、追加の融資枠の相談や、
将来の会社の姿を話すことにより、
信用枠を厚くしておくことが好機です。
いざという時に迅速かつ有利な条件で
資金を調達できる体制を整えておくことで、
不測の事態にも対応できるレジリエンス(回復力)
の高い企業体質を築けます。
借入交渉を成功させる3ステップ
実際に銀行に融資を申し込む際には、
以下の3つのステップを踏むことで、
交渉を有利に進められる可能性が高まります。
1.必要額を“根拠ある数字”で示す
「いつ(何か月後に)」「いくら」必要なのかを
月次資金繰り表、事業計画書、受注残一覧などを用いて、
なぜその資金が必要なのかを具体的に裏付けましょう。
2.返済シナリオを複数提示する
基本となるベースケース(現状のまま推移)に加え、
売上が10%%減少した場合などを想定したストレスケースを用意し、
どのような状況でも返済が可能であることを示しましょう。
3.未来志向のストーリーを語る
単に資金が必要な理由だけでなく、
借り入れによって「いかに利益とキャッシュフローを創出し、
地域経済に貢献していくか」という
企業のビジョンと将来性を熱意を持って伝えましょう。
やはり最後は「人間力」がものを言います。
まとめ
運転資金の借り入れは、「足りなくなってから」では遅すぎます。
・資金が潤沢、事業が順調なうちに融資枠を確保
・金利上昇前に固定化
・成長局面でフル活用できるよう財務体質を整える
この3点を押さえれば、
金融機関は力強いパートナーとなり、
あなたの会社のビジョン実現を
力強く後押ししてくれるはずです。
積極的に資金戦略を立て、
会社の未来に追い風を呼び込みましょう。
眩しいほどに輝こう!
2025.06.17

いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
ビジネスの現場では、日々、限られた時間と資源の中で
結果を出すことが求められます。
チームメンバーの育成、部下への指示、
あるいは仲間との共同プロジェクト。
そこには必ず「フィードバック」がつきものです。
しかし、「せっかくアドバイスしたのに、
なんだかやる気をなくさせてしまった」
「指摘しても改善されないどころか、
職場の雰囲気が悪くなった」
そんな苦い経験、あなたにもありませんか?
私たちはつい「相手のため」と思って、
足りない部分や改善点を指摘しがちです。
でも、その伝え方一つで、
相手のモチベーションは萎み、
成長曲線は停滞してしまいます。
実は、この「ダメ出し」のコミュニケーションこそが、
組織の成長を阻む大きな壁になっているのです。
では、どうすればフィードバックを
「叱責」ではなく、「付加価値」に変え、
チーム全体の成果を最大化できるのでしょうか?
本日は、日本キャッシュフローコーチ協会と
日本ペップトーク普及協会で学んだことを合成したもので
普段のコンサルティングの現場で私が
「意識している言動」をお伝えします。
何度も何度も練習は必要ですが
間違いなく誰もができるようになりますので
是非、自分のものにして、会社内のコミュニケーションや
家庭内での、子育てや夫婦間のやりとりなどに
使ってみて下さい。
周りの反応はおろか、自分の心の中まで変化が起きますよ。
フィードバックが成果を分ける「スイートスポット」
想像してみてください。会社内で長々と部下や同僚に対し
アドバイスができる時間がありますか?
多くの方は、そんな時間は、お互いに取れないと思います。
では、「限られた時間」で「最高の成果」を出すためには
どのようなフィードバックが必要でしょうか?
その答えの一つとして
アドバイスする側が、どれだけ質の高いフィードバックが
できたのかがカギを握ります。
「質の高いフィードバック」とは
実はあらかじめ「設計しておく」ものなのです。
つまり「型」があるということです。
そして、設計された質の高いフィードバックの有無は
・組織やチームのパフォーマンス
・従業員のエンゲージメント
・生産性向上
に大きく貢献するという研究は多数存在します。
従業員のエンゲージメントと生産性の向上
定期的に質の高いフィードバックを受けている従業員は、
そうでない従業員に比べてエンゲージメントが高く、
生産性も向上するというデータがあります。
ある調査では、フィードバックを受けている従業員の85%が
より主体的に行動するとされています。
出典元:The Impact Of Real-Time Feedback On Employee Productivity - SurveyConnect
離職率の低下
定期的なフィードバック、
特に強みに焦点を当てたフィードバックを行っている企業では、
従業員の離職率が有意に低いという報告もあります。
出典元:Surprising Employee Turnover and Retention Statistics - WebMD Health Services
目標達成率の向上
具体的なフィードバックは、個人の目標達成を促進し、
結果的にチームや組織全体の成果に寄与します。
出典元:(PDF) Feedback, goal-setting and task performance revisited. - ResearchGate
出典元:Goals and Progress Feedback: Effects on Self-Efficacy and Writing Achievement By - CORE
学習効果と行動定着
フィードバックが具体的かつタイムリーであるほど、
学習効果が高まり、望ましい行動の定着につながることが示されています。
出典元:Why Giving Instant Feedback is Important for Effective Learning - eduMe
部下が提出した報告書に修正が必要な時
営業ロールプレイングで改善点が露呈した時
子どもの家庭学習時に間違いを見つけた時
日常のあらゆるシーンで訪れる「フィードバック分岐点」で、
「何をどう伝えるか」によって、
相手のモチベーションも、アウトプットの質も大きく変わるのです。
ダメ出しで終われば、相手は萎縮し、成長は停滞します。
しかし、意図的に設計されたフィードバックなら、
学習曲線は急上昇し、チーム全体の生産性が飛躍的に向上するのです。
成果を最大化するフィードバック3ステップ
STEP 1: 自己評価を促す──「自律」を引き出す問いかけ
フィードバックの第一歩は、
相手に「君自身はどう感じた?」と問いかけることです。
人は、自分が「気づいたこと」しか変えることができません。
「人は変えられない」聞いたことありますよね。
外からの指摘は、時に「押しつけ」や「批判」と受け取られ、
防衛反応を引き起こします。
しかし、まず相手自身に内省を促し、
「何を感じ、どう評価したか」を言語化してもらうことで、
「自分ごと」として課題を捉えるスイッチが入ります。
ここで重要なことは、「正解・不正解を示さない」ことです。
大切なのは、「自由に感じたことを語ってもらうこと」です。
このプロセスを通じて、相手は自らのパフォーマンスを客観視し、
改善へのモチベーションを内側から高めていくことができます。
もし、忘れてしまう心配があるのなら
ノート1冊を用意し、なんでもいいので
気づいたことや感じたことをメモすることにより
行動の定着率をさらに高めることができます。
STEP 2: 強みを具体化する──「自信」を育てる承認
次に、相手が「すでにできている部分」を
具体的に言語化して伝えることです。
ここ、結構苦手という人、多いと思います。
実は私も、そうでした。
そんな私がはじめのうちに意識したことは
本来の「褒める」部分とは違うのですが、慣れるまでは
「相手のよいところや出来ているところを褒める」
と捉えることにより、定着速度が上がりました。
たとえば、こんなことを伝えてあげてください。
「今日のプレゼンの資料の色づかいがとても見やすかったよ」
「ストーリー構成が上手で、すごく理解しやすかった」
など、あなたが観察した事実そのままを伝えます。
「何が良かったのか」がクリアになるほど、
相手のセルフイメージは高まり、
「自分はできるんだ」という自信が生まれます。
この自信こそが、次の挑戦への大きなエネルギーとなるのです。
また、強みを具体的に承認することは、
後に伝える改善点を受け入れるための
「心のクッション」にもなります。
さらに、ここで見つけた強みを
第三者にも共有すれば、それは個人だけでなく、
組織全体の「資産」となり、活用されます。
STEP 3: 改善点はアイメッセージで提案
「防衛反応」を防ぎ「共創」へ
そして、いよいよ改善点の指摘についてです。
ここでのポイントは、
「私はこう感じた」というアイ(I)メッセージで伝えることです。
例えば、「この部分は少し聞き取りづらかったよ」
と断定するのではなく、
「私(I)はこの部分が少し聞き取りづらく感じたのですが、
あなた(YOU)はどう思いますか?」と問いかけます。
このように、主語を「私」にし、
相手に意見を求める形にすることで、
命令形や断定的な口調を避け、
相手の防衛本能が働くのを防ぎます。
相手の主体性を尊重しつつ、
具体的な改善策を「一緒に考える」という土台ができます。
フィードバックは、決して一方的な「指摘」ではありません。
「問い」を活用し、改善点を「共創プロジェクト」として捉えることで、
建設的な議論へとつながり、
より良い解決策が生まれる可能性が飛躍的に高まります。
最重要:信頼残高を積み上げる「日頃の貯金」
これら3つのステップが機能するための大前提があります。
それは、日ごろからの「信頼貯金(信頼残高)」です。
普段から感謝や称賛の言葉を伝え合い、
良好な関係性が築かれていれば、
たとえ厳しい指摘であっても、
相手は「自分のことを思ってくれているからこそ言ってくれたんだ」
と好意的に受け止めることができます。
逆に、信頼残高がない、もしくは低い関係性では、
どんなに正論を述べても、
それは単なる批判として跳ね返されてしまうでしょう。
朝礼でのちょっとした一言、チャットでの感謝のスタンプ、
すれ違いざまの短い声かけ。こうした小さな行動の積み重ねが、
着実に信頼口座に積み立てられ、
あなたのアドバイスが大活躍し、
大きな効果が生まれることにつながります。
明日からできる!
あなたのチームを変えるチェックリスト
さあ、明日から早速このフィードバック設計を実践してみましょう。
まずは1on1ミーティングや
小規模なチーム内での会話で試してみてください。
まだ、信頼貯金が貯まっていないのなら
まずは、日常会話を大切にしましょう。
では、ここでも私が貯金を増やすために行ったことを
お伝えします。 誰でもできます!
それは・・・
「ありがとう」の回数を増やすことです。
今まで言ったことがない人がいきなり
「アドバイス」的なことを話しても
恐らく相手は、相当驚かれると思います。
なので、それくらいならば、まずは「ありがとう」から
スタートしましょう。
フィードバックの際には、以下の点をチェックしてみてください。
チェックリストを作成するとよいでしょう。
もし、「チェックリストがほしい」という方には
プレゼントしますので、トップページ右上の
「お問い合わせ」https://sato-insurance.jp/contact/
より「チェックリストほしい」と書いて
連絡ください。
・KGI(目標やゴール)を相手と共有したか
・自己評価を引き出す質問をしたか
・強みを具体的に言語化できたか
・改善案を「一緒に解決していく問題」として提示できたか
・次回の日時を設定する
指導やフィードバックの質は、
組織全体のパフォーマンスの上限を決定します。
「ダメ出し」していた時間を
「成長のための時間」へと転換できた瞬間、
「ダメ出し」が「伸びしろ提案」に変わった瞬間、
部下やお子さんや会社の成果曲線は加速度的に伸び
あなたの大切な人や、組織の未来は、
大きく、そして明るく開けていくはずです。
伸びる~~~
2025.06.12

いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
6/11付けの北海道新聞に
「価格転嫁 悩む道内企業」
という記事が書かれていた。
帝国データバンク札幌支店の調査によると
「もし金利が1%上昇したら」の問いに
「財務体質の改善」「価格転嫁」と答えた割合が
どちらも約25%との回答でした。
また、「経営に悪影響」と答えた割合は56.6%
との回答でした。
「財務体質の改善」中でも「経費削減による改善」は
既に多くの企業で限界を迎えているのではないかと
思われます。それでも「乾ききった雑巾」を
まだ絞るということになりますから
たとえ絞れたとしても、その効果はかなり限られたものに
なるのではないかと思います。
となると、次に来るのが
「価格転嫁」ということになりますが
「顧客離れ」や「販売量の減少」が怖くて
なかなか決断できないというのが
多くの経営者の悩みではないでしょうか。
では、どれくらいの「客離れ」や「売上低下」がおこると
自社が赤字に転落するのでしょうか?
この問いに、「根拠を持った数字」を示せる経営者が
どれくらいいるのでしょうか?
おそらく、1~2割程度ではないかと思われます。
私たち財務コンサルタントは
このような問いに対し、根拠ある数字をもって
値上げの有無や幅を経営者が判断できるように
お手伝いさせていただくわけですが
一般の経営者が、難解な管理会計の教科書を開き
勉強する前に、たった3つの数字を押さえるだけで
意思決定の8割はできるようになる方法を
ラーメン屋さんを題材にお伝えします。
(材料は全て仕入れするものとします)
決算書と電卓を片手に読み進めてみてください。
STEP1 費用を「動く」「動かない」で仕分けする
まずは会社のお金を 変動費(動く費用) と 固定費(動かない費用) に分けます。
ラーメン屋さんの主な変動費は
麺やスープのような材料です。
ラーメンを1杯売れれば使う麵は1玉
ラーメンを2杯売れば2玉
ラーメンが売れなければ0玉
このように「売れた分と連動して増減する」費用が変動費
一方
お客様が1人だけ来店しても
100人来店しても変わらない費用
給料や家賃や利息などのように
「売上に関係なく毎月ほぼ一定」な費用を固定費
決算書に書かれているさまざまな費用を
この2つに振り分けていきます。
ここまでが、第一段階です。
これを専門用語でいうと「固変分解」といいます。
名前を憶えても1円にもなりません。
この作業が終わったら
A4 用紙に次の式を書き出しましょう。
売上高 -変動費 (動く費用) = 手元に残るお金(限界利益)
この「手元に残るお金(限界利益)」が
経営判断を行う上で、とても大切な数字となります。
STEP2 「限界利益率」を算出する
限界利益を売上高で割った数字に100を掛けた数字を
限界利益率 といいます。
例)ラーメン1杯1,000 円
材料費 600 円 → 限界利益額 400 円
限界利益率 = (400 ÷1,000)✖100 = 40%
もし材料費が 10%(60 円)上がり
原価上昇分の60円をそのまま売価に転嫁し
同じ限界利益額 400 円を確保したとすると
限界利益率 = 400 ÷1,060 = 37.7%となり
「額」はキープできても「率」は低下します。
では「率」をキープするためには売価をいくらに
設定する必要があるかですが
限界利益率を(元の水準に)維持するには、
売価を約10%アップさせる必要がありますので、
算式としては
660円(変動費)÷0.6(変動費率)=1,100円
となります。
値上げのシミュレーションは、
「額を守る」か「率を守る」か で変わります。
とはいえ、一般的な中小企業なら、
まずは「額」を重視での判断が優先されるであろうと思います。
しかし、全ての商品や全ての判断基準を
「額」にしてしまうと、後々問題が発生します。
面倒がらずに、商品1品ごとに判断することをお勧めします。
この手間を惜しんで「ドンブリ経営」を続けても
何一つとして良いことは起こりません。
今回は、「額と率」の判断基準までは書きませんので
興味のある方は、ご連絡ください。
STEP3 「どこまで客数が減っても黒字なの?」をチェックする
最後は“赤字ライン”を確認します。
赤字にならない売上高 = 動かない費用 ÷ 限界利益率
(値引きなど、販売条件は変えない前提です)
例:月間固定費300万円、限界利益率40%。
現在の売上高が1000万円で、
限界利益額が400万円のラーメン屋さんであれば、
400万(限界利益額)-300万(固定費)=100万円で、
現在の経常利益は100万円ということになります。
この条件で赤字ラインを計算すると…」
赤字ライン = 300 ÷ 0.4 = 750 万円
現在の売上高 1,000 万円なら、
黒字確保まで、許される売上ダウン金額は
1000万円―750 万円=250万円となり
仮に値上げで売上が 100万円ダウンし、900 万円に落ちても
750 万円を上回るため、まだ黒字圏内です。
黒字確保までの猶予額250 万円を
平均顧客単価で割ってやれば
顧客減数の許容範囲を把握可能となります。
ここまで把握できれば「値上げ幅」と「客離れの許容度」が
数字でクリアになります。
ただし、ここだけは勘違いしないでください!
「売上が10%ダウン」=「経常利益も10%」
ではありません!
「黒字圏内」なだけです!
あくまで「売上―経費」が黒字というだけの話です。
計算式のレベルでいうと「ただの引き算」レベルです。
参考までに、このラーメン屋さんですと
売上が10%ダウンすると
経常利益は40%ダウンの「60万円」となります。
もし、銀行への借入金返済額が月々80万円あった場合
このラーメン屋さんは、「毎月20万円」の現金を
どこからか調達しなければ
銀行への返済ができなくなるということです。
こんなことを続けていれば、どうなるか?
結論は、見えていますよね。
応用編:一律ではなく「厚い商品」から値上げ
「限界利益率が高い」つまり「粗利の厚い」商品ほど値上げによる
客離れの痛手も小さくて済みます。
多くの場合、利幅が大きい商品は、競合が真似しづらいサービスや機能
また、ファンの多い看板商品が多いと思われます。
よって優先的に改定しても受け入れられやすい
「価格耐久性」が高い商品と言えます。
すべての商品を一律に上げるのではなく
商品ごとの細かな調整を考えていきましょう。
まとめ:たった3つを明確にし決断力アップ
1.費用を「動く/動かない」に分類
2.限界利益率と額を確認
3.赤字にならない売上高を計算し、顧客離れ余裕度を把握
以上、わずか3ステップにより
数字という「事実」を把握することで
値上げへの不安はぐっと小さくなります。
一刻も早く「勘による値決め」から卒業し
「根拠ある経営」にステージアップしていきましょう。
数字はあなたの背中を押す最強の味方です!
小さな利益の積み重ねが大切ですね
2025.06.06

いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
今朝のテレビで一瞬だったのですが
こんなことを相談している小学生がいました。
「失敗すると、それが気になり集中できない」
「え!小学生が!」私はショックを受けました。
同時に、違うかもしれませんが
あの子は失敗するたびに、周りの大人に
「なぜ、失敗したのか」みたいな言葉を
幼いころから投げかけられていたのかなと思い
とても、残念に思いました。
(個人の勝手な思いです)
もし、失敗という事実は受け止め
チャレンジした過程を褒めていたら
「うまくいかなかったね、残念。
でも、このチャレンジをしたあなたは
すごいと思うよ」
こう語りかけていたら
きっと、あの子はそんな質問しないだろうな~と
勝手に考えてしまいました。
今日のブログは、その想いから生まれ出たものです。
振り返ってみると、私自身も含め
「それ、アカンやろー」という言葉を発しているなと思い
自戒の念も含めて書いてみました。
前段からは想像もつかない程
ビジネス寄りの内容です。
「もし失敗したらどうしよう」
新しい挑戦を前に足が止まるとき、
あなたの頭に浮かぶのは成功のイメージよりも、
失敗して失うかもしれない時間やお金ではないでしょうか。
これは性格の弱さではなく、人類に共通する心理的傾向です。
行動経済学者ダニエル・カーネマンと
エイモス・トヴェルスキーが提唱した
プロスペクト理論によれば、
人は利益よりも損失を約2~2.5倍強く感じ取ると言われています。
この現象を「損失回避の法則(Loss Aversion)」と呼びます。
ビジネスの世界でも、この法則に則ってしまい
チャンスを逸することが少なくありません。
申し訳ないのですが、行政のやることは
私が見ている限り「ほぼ100%」、この法則にハマります。
「仕方ない」と言えばそれまでですが
あらゆる世界の概念が急速に変わっている今
行政だけが、「以前のまま」でいいわけはありません。
特に、衰退が激しい地方都市の自治体においては
「損失回避の法則」を勇気をもって打ち破らなければ
また、そのような文化を育成しなければ
衰退の速度が増し、手遅れとなると思われます。
(そうです。私の住んでる街「函館」のことを
言っているのです)
では、「何をどうすればいいのか」ですが
ブログを読み進めていってもらえれば
そのヒントが書いてあります。
1. 数字で味わう損失の痛み
あなたに二つの選択肢があるとします。
A:確実に1万円もらえる
B:50%の確率で2万円もらえるが、50%の確率で0円
多くの人はAを選びます。
Bの期待値は1万円で同じにもかかわらず、
「もらえない」リスクを避けたいからです。
ところが場面を「損失」に変えると判断は逆転します。
C:確実に1万円失う
D:50%の確率で2万円失うが、50%の確率で0円
今度はDを選ぶ人が増えます。
確実な損失を避けるために、
ギャンブル的な選択に手を伸ばすのです。
利益と損失で意思決定の軸が入れ替わる典型例と言えます。
2.ビジネス現場に潜む損失回避
損失回避は会議室でもコンビニのレジ前でも姿を現します。
導入決定が遅れる
新しい商品の市場への導入は
導入効果より「売れなかったら大損」という
不安で棚上げされがちです。
もちろん、限界利益など
採算をとるために最低限必要な売上高や売上個数を
事前に把握するためにも「管理会計」の導入は
必要不可欠ですが、
そのような「数字の裏付け」があっても
「予定通りにいかなかった場合」つまりは
「損失」のことが頭の中を支配し
なかなか前に進めないことが少なくありません。
値決め戦略が保守的になる
価格を上げれば利益率向上が見込めても、
「顧客離れ」という損失が怖くて踏み切れない。
これも、多くの中小企業で起きている現象です。
大手と言われるところは、消費者からすると
「問答無用」状態で値上げし
確実に利益を確保しています。
そうしなければ、顧客へのサービスや
商品提供ができなくなるからです。
そうするかどうかは、個別の判断ですが
今は値上げし、原価等が下がったら
値下げをし顧客に喜んでいただく。
こうやって、世の中に合わせ、フレキシブルに
値決めをしていくことが、必要なのかもしれません。
マーケティング的にいうのなら「今だけ」が効く
「本日終了」「残り3席」といった表現は、
得を逃す=損失と感じさせ、購買率を高めます。
昔で言えば、万年「閉店セール」ですね。
(これ知ってる人は、それなりの年齢の方だけですね)
また、日付や席数や個数など
目に見えるものだけではなく
最近では「特別な経験」など
形のないものでも、購買意欲を高める手法が
使われています。
やはり「限定」や「あなただけに」は
心揺さぶられますよね。
「このチャンスを逸しては損だ」という心理を
ついているわけです。
3.損失回避を乗り越える4つのステップ
1.リスクを数字で「見える化」する
感情ではなくデータで判断する癖をつけましょう。
その為にも、やはり「管理会計」の導入は
企業経営には必須です。
例を書きます。
決算書の「損益計算書」を思い浮かべてください。
新商品のお菓子を発売したとしましょう。
今回は、わかりやすいように
今回発売する「お菓子のみ」しか扱っていない会社とします。
売上600万-製造原価300万=利益300万
つい、このように考えてしまいませんか?
製造し、すぐに市場に投入し、一瞬で完売なら
ほぼ、この計算で間違いありません。
では、完売まで3か月かかったらどうなるでしょうか?
実は利益がグッと下がります。
なぜなら、製造していなくても原価が増えるからです。
何が増えるのか?
そうです。人件費です。
たとえ工場が止まっていても、工場で働く人の
給料は、発生し続けます。
これが、損益計算書(P/L)経営の落とし穴なのです。
このような計算ミスを防ぐためにも
会社経営には「管理会計」が必須なのです。
2.スモールスタート
大きな変化ではなく、少しずつ試し
失敗コストを最小化し
心理的ハードルを下げることが大切です。
いきなりの設備投資や人員増強は避け
「失敗しても痛くない」もしくは
「失敗しても会社の経営に支障はない」程度から
スタートしましょう。
では、「痛くない」や「経営に支障がない」投資金額て
どれくらいなのでしょう?
ここでも、「感情」による判断をしてはいけません。
やはり「数字」による判断が必要です。
具体的には、というより論理的には
今度は「貸借対照表」(B/S)の数字で判断します。
どの数字か?
そうです。一番右下の「繰越利益剰余金」です。
この金額の範囲内なら、たとえ新事業が失敗しても
会社が「債務超過」などに陥ることはありません。
(ただし、あくまで会計上のお金ですから
いわゆる「現金」とは違います)
3.損失の上限を設計
「最悪でもここでやめる」という出口戦略を決めましょう。
つまりは「引き際」をはじめから設定しておくのです。
ここでもつい「損したくない」「損を取り返した」
「せめて投資額だけでも、回収したい」という
損失回避の法則が働きます。
しかし、その判断もやはり「感情」による判断と言えます。
やはりここでも「1000万損失を出したら撤退」など
数字による明確な意思決定が大切です。
撤退の金額の目安は、先ほど書いた通りです。
4.学習コストという投資思考
失敗=損ではなく、
次の成功確率を上げるデータ取得と捉えましょう。
この考え方を腹落ちさせると
理論上は世の中から失敗はなくなります。
トライ&エラーを恐れず繰り返し
知識資産を蓄積しましょう。
4.現状維持バイアスとの関係
損失回避は「現状維持が一番安全」
という誤解を強化します。
しかし環境が変わり続ける現代において、
現状維持は実質的な後退です。
短期的な安心と引き換えに、
中長期的な機会損失を抱え込むリスクに
気づく必要があります。
これが冒頭に書いた「行政機関」の陥っている穴の正体です。
民間企業である私たちは、
是非とも「現状維持バイアス」の居心地の良さに打ち勝ち
前進し続けていきましょう。
5.最後に──恐怖の正体を数字で照らす
「失敗したらどうしよう」という声が聞こえたら、
それは損失回避の法則が働いている証拠です。
その声を無視するのではなく、
認識し、分析し、そして活用しましょう。
リスクを数値化し、段階的に進み、
学習機会として捉える。
そして時には、損失回避の力を借りて、
より良い習慣や仕組みを作る。
私たちの脳に組み込まれた
この古代からの警報システムを理解することで、
より賢明な選択ができるようになるのです。
「恐怖に支配されるのではなく、恐怖と共に前進する。」
それが、現代を生きる私たちに求められる知恵なのかもしれません。
「真っ黒だけど、いつもの私です」
みなさん、熱中症には、気を付けて下さいね~
2025.06.02

いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
「お客様は安いものしか買わない」
この思い込みに囚われていませんか?
多くのビジネスが直面する価格競争は、
この誤解から生まれることが多いのです。
しかし、本当に消費者は価格だけで
商品を選んでいるのでしょうか?
今日は、この問いを起点にビジネスを再構築し、
価格競争の罠から抜け出して、顧客に真の価値を伝え、
選ばれるための具体的な方法を解説します。
是非、このような視点を持ち、
あなたのビジネスに役立ててください。
「価格だけ」という誤解を解く
多くの経営者が、明確な理由もなく自社は
価格競争に巻き込まれやすいと感じています。
というよりも、無意識のうちに自ら価格競争に
挑んでいるのではないでしょうか?
確かに、低価格競争は熾烈であり、
一見すると価格が全てであるかのように
思えるかもしれません。
しかし、本当にそうでしょうか?
例えば、自動車市場を考えてみましょう。
新車販売台数を見れば、低価格を売りにした
軽自動車やコンパクトカーは確かに人気です。
しかしその一方で、数百万円、
時には1000万円を超えるような高級車も、
その存在感を失うことなく根強く売れ続けています。
さらに、価格の安さだけを追求するのであれば
新車よりも中古車の方が売れているはずです。
これらの事実は、消費者が単に「価格」だけで
商品を選択しているわけではない明確な証拠です。
消費者は、「価格」に加えて
「価値」に基づいて商品を選んでいるのです。
安さだけを追求するのではなく、
その商品やサービスが自分にとってどのようなメリットをもたらし、
どのような「理想の未来」を実現してくれるのかを重視しているのです。
お客様が本当に求める「価値」とは?
では、お客様が本当に求めている
「価値」とは一体何でしょうか?
それは、お客様が商品やサービスを
購入することによって得られる理想の未来や、
具体的なメリットのことを指します。
たとえば健康食品を例に考えてみましょう。
お客様がその健康食品を購入する際、
単純に「健康食品」が欲しいわけではありません。
求めているのは、
「ダイエットに成功して自信を持ちたい」
「体力をつけて毎日を活動的に過ごしたい」
「健康な体を維持して老後も趣味を楽しみたい」
といった具体的な期待や願望です。
これこそが、
お客様がその商品に求めている「価値」なのです。
お客様が求めている本当の価値を明確にとらえれば、
あなたは価格競争から自然と距離を置けるようになります。
なぜなら、その価値は価格では測れない、
お客様自身の具体的なニーズと結びついているからです。
なぜ価格競争に巻き込まれるのか?
多くの企業が価格競争に陥ってしまう理由は、
非常にシンプルです。
それは、自社の商品やサービスの
「独自性」がお客様に十分に伝わっていないからです。
お客様にとって、
あなたの会社の商品と他社の商品に
明確な違いが見えなければ、
比較する際の判断基準は必然的に
「価格」だけになってしまいます。
もしお客様が、あなたの商品に対して
「どこで買っても同じなら、一番安いところで買おう」
と考えてしまうのであれば、
それはあなたのビジネスの独自性が伝わっていない証拠です。
つまり、独自性が明確に伝わっていなければ、
価格以外で勝負する術を失ってしまうことになります。
この状況こそが、「価格競争の罠」なのです。
お客様の「価値観」を具体的に把握する
価格競争の悪循環から抜け出すためには、
まずお客様が「何を価値と感じているのか」を
具体的に把握する必要があります。
これはビジネスにおいて最も重要なステップの一つです。
例えば
アンケート調査やヒアリングなどで
商品・サービスに何を期待しているか、
どのような点で満足・不満を感じているかなどを
尋ねてみましょう。
また最近ですとSNSのレビュー分析により
自社商品はおろか、競合商品に対する
評判も見ることができます。。
これらの作業を通じて、
「なぜその商品を選んだのか」
「購入後に何を期待しているのか」
といった、お客様の深層心理にあるニーズや
願望を深く掘り下げましょう。
これらの把握こそが、他社との明確な差別化を図り、
価格以外の魅力でお客様に選ばれるための
重要なヒントとなるのです。
「価値」を明確に伝える工夫
お客様が価値と感じているポイントを発見したら、
次はその価値を具体的に可視化し、
言語化や見える化して伝えることが必要となります。
日本人は「良いものを作れば自然と売れる」という
成功体験をしてきました。
ゆえに、この「伝える」という作業が
とても苦手だと言われています。
しかし、ここが、あなたのビジネスが
価格競争から抜け出すための最大の転換点となります。
ホームページやソーシャルメディアで
「高品質」「お客様第一」といった言葉を見かけます。
上場しているような大企業でさえ
このような言葉を口にしていない企業はないと思いますが、
「高品質」と書かれて商品の品質が伝わるでしょうか?
「お客様第一」と書かれて、アフターフォローの充実度を
想像できるでしょうか?
正直、私には商品の性能や良いところが
全く伝わってきません。
「当たり前」感すら覚えます。
やはり、お客様には
「この商品を買うと、自分にはこんな良いことがあるんだ」
「こんな困り事が解決でき、その結果こんなに爽快になるんだ」
と明確にイメージしてもらえるような
言語化が必要になります。
例えば
ビフォー・アフターの具体例を
明確な数字や写真などで示したり
実際のお客様の声を紹介し
お客様が自社の商品・サービスを利用して
どのように変わったのか、どのようなメリットを感じたのかを、
具体的なエピソードなどで紹介したり
信頼感のあるところからの
商品の効果や性能を示すデータや数字の提示などを行い
お客様が自分の未来像を
より想像しやすくする工夫が大切です。
また最近は、「商品が生まれた背景や開発者の想い」
お客様がその商品を通じて得られる
価値をストーリーとして語ることなど
動画を使い、共感を呼び、記憶に残るメッセージにするなどの
プロモーションもあります。
このように、「実際にどのように変わるのか」を
明確に伝えることで、
お客様はその商品がもたらす未来を
具体的に想像できるようになり、
価格以外の価値に注目するようになります。
価格以外の比較ポイントを作る
お客様が価格だけで判断しないようにするためには、
商品やサービスを比較するための新たな軸を
意図的に作り出すことが重要です。
競合他社にはない、
または他社よりも優れている自社の強みを明確に提示し、
それを比較基準としてお客様に提示しましょう。
たとえば、
納期: スピードを強みとしてアピールする
保証期間: 購入後のリスクを軽減する価値となる
サポート体制: 購入後のフォロー体制を強みとして打ち出す
カスタマイズの自由度:唯一無二の商品の提供
品質・耐久性: 結果的にコスパが高いという価値
付加サービス: 商品本体以外の独自の付加価値やサービス提供
これらのポイントを明確に示すことにより、
お客様が「価格以外の点で、この商品を選ぶ理由がある」
と感じるように誘導することで、
価格競争から一歩抜け出すことができます。
まとめ:価値で選ばれるビジネスへ
お客様は決して
価格だけで商品を選んでいるわけではありません。
彼らは、自分の課題を解決し
理想の未来を実現してくれる「価値」を求めているのです。
あなたが提供する商品やサービスが
どのような「価値」をお客様にもたらすのかを明確にし
それを効果的に伝えることで
価格競争に巻き込まれることなく
独自の市場ポジションを築くことが可能です。
今一度、自社の商品やサービスが
お客様にあたえる「価値」を再確認してみましょう。
そして、その価値を明確に伝えるための施策を実行すれば
顧客との「より深く」「長期的な関係」を築けるようになるはずです。
あなたのビジネスは、
お客様にどのような「価値」を提供していますか?
そして、その価値は明確に伝わっていますか?
「ドロンコ遊び」楽しかったのでしょうね・・・
十分、伝わります・・・
2025.05.30

いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
「なぜあの人は成功するのか?」
「自分はなぜうまくいかなかったのか?」
私たちは日々、成功と失敗という結果に一喜一憂します。
しかし実は、成功者と失敗者の行動や思考には、
意外なほど共通点があるのです。
違いは「どう向き合ったか」「どこまで深く掘り下げたか」
つまり「解釈と活用」の部分にあります。
この記事では、成功と失敗のプロセスに潜む
5つの共通点を取り上げ、
それぞれから学ぶべき教訓と、
すぐに活かせる実践ポイントをご紹介します。
ビジネスでも人生でも、子育てでも、
次の一歩を確かなものにするヒント
としてお役立てください。
1.目標は誰もが立てているはず
成功者も失敗者も、例外なく「目標」を立てています。
ただ、その質には大きな違いがあります。
成功する人の目標は、具体的かつ測定可能です。
たとえば、「半年後に新規顧客を30社獲得する」
「年内に〇〇の資格試験に合格する」など。
一方、失敗に終わるケースでは、
「顧客をもっと増やしたい」
「いつか、〇〇になりたい」など、
曖昧でぼんやりした目標が多く見られます。
では、目標達成に必要な行動指針には
どんなものがあるでしょう。
代表的なものの1つに「SMARTの原則」があります。
SMARTの原則とは、
1981年にジョージ・T・ドランによって提唱され、
効果的な目標設定を助けるために広く使用されています。
Specific(具体的): 目標は明確で具体的であるべき
Measurable(測定可能): 進捗を測定できる基準が必要
Achievable(達成可能): 現実的に達成可能な目標であることが重要
Relevant(関連性): 組織や個人の目標に関連している必要がある
Time-bound(時間制約): 期限を設けることで、
目標達成のための時間的な枠組みを持つことが求められる
上記のように、「より具体的で」「進捗を確認出来て」
「頑張れば手が届く目標で」
「なりたいものや達成したい領域に関係するもので」
「目標を達成するまでの時間や日時を明確に決める」
この5つの要素を決め、毎日、毎週、振り返りをすることにより
目標達成がより確実になると示唆しています。
2.どちらも「計画」を立てている
成功者も失敗者も、
スタート時には何かしらの計画を持っています。
違いは「変化への対応力」です。
成功者は、計画どおりに進まない場面や
想定外の出来事が起きても、
冷静に、また柔軟に軌道修正できる力があるのです。
反対に、失敗者は、計画が狂った時に慌ててしまい、
迷走してしまいます。
先ほどのSMARTの原則に則り振り返ってみると
当然ながら、予定通りに進んでいない場面に出くわします。
その際に、どのように対応していくのか
「もうだめだ」や「うまくいかないな~」ではなく
「この方法や計画がだめなら、こっち」というような
柔軟性が大切なことになります。
よく、「うまくいかないことを前提に」考えることの
重要性が言われています。
否定はしません。事前に「プランBやC」を用意しておく
ことは、とても有益だと思いますし、
可能であれば、事前に準備しておく方がよいでしょう。
しかし、最近は物事の変化の流れが早く
事前の準備だけでは対応できないことも増えてきています。
失敗することを恐れて、足が前に出ないくらいなら
無策は困りますが、
事前準備に時間をかけすぎないことを私はお勧めします。
3.「行動量」だけでは差がつかない
成功も失敗も、「とにかくやってみる」ことで始まります。
しかし、行動量だけに頼ると、
結果がついてこないこともあります。
確かに成功者は、たくさんの行動を起こしています。
裏を返せば、それだけ「失敗」もしていると言えます。
では、成功者と失敗者の行動の違いは
どこにあるのでしょう。
私は「行動の質」に違いがあると考えています。
「行動の質」とは、「無駄な動きをしない」
「無駄な時間を過ごさない」ということです。
上手くいかなっかった時に、その原因を探し
的確に対処することにより
「目的に直結した行動」を選択できるようになります。
時間をかけるだけでなく、
成果につながる行動の「質」を意識しているのです。
「忙しい=成果」ではないということです。
行動の質を上げ、無駄な動きや時間を減らし、
より成果の出る取り組みに集中しましょう。
4.フィードバックの活かし方
誰でも人からの意見や評価を受けます。
それを「どう受け取るか」で、大きな差が出ます。
成功者は、批判や指摘を「成長の糧」として取り入れます。
自分のやり方を冷静に見直し、
柔軟に変えていく力があります。
一方で、失敗者は批判を「否定」と捉え、
防御的になりやすい傾向があります。
これが学びを止め、行動を阻害し
ひいては、自己肯定感すら低めてしまいます。
他人からのフィードバックは、
事実として受け取ることが大切です。
「真実」ではなく「事実」「現実」と受け取るのです。
人から何か言われると
「なんだよ」「チェッ」「うるさいな」など
つい、感情が先に出てしまう。
気持ちはわかりますし、
私も、そうなることはありますが
そのように受け取ってしまうと
せっかくのフィードバックを活かすことができず
本質的な学びが遠のいてしまいます。
「なぜそう言われたのか?」と
一歩引いて考える習慣が、あなたを成長させてくれます。
5.挑戦しているかどうか
挑戦することは、とても大切ですし
私は「挑戦者」が大好きです。
可能な限り、そういった人たちに囲まれて
これからも歩んでいきたいと思っています。
だからこそ、失敗してしまい
次の一歩が踏み出せない方に伝えたい言葉が
「成功者も失敗者も同じ“挑戦者”である」なのです。
挑戦したからこそ、結果としてうまくいかなかっただけです。
ビジネスの場面でも、子育ての場面でも成否を分けるのは、
「失敗を恐れずに続けられる環境づくり」が
できているかどうかだと思います。
基本的に、挑戦する価値があるものならば、
何度でもトライ&エラーを繰り返し
「〇〇までに、成功させる」と決め行動を起こす。
このような決断をさせる空気が職場や家庭にあることが
とても大切です。
もちろん「人・物・金」の関係により
いつまでも無限に挑戦させるわけにはいきませんが
「挑戦しようとする芽」を潰してしまうのは避けましょう。
まとめ 結果より「向き合い方」が分けるもの
成功と失敗は、たまたま結果が違っただけで、
その過程には多くの共通点があります。
大事なのは、その共通点をどう次に活かすかです。
もし今、うまくいっていないことがあったとしても、
それは「失敗」ではなく「途中経過」にすぎません。
成功も失敗も、次の行動のためのデータ(事実)として受け止め、
そこから何を学び、どう動くか。
それこそが、最も重要な分岐点になります。
今日から、成功と失敗を「別物」として見るのではなく、
「どちらも成長の材料」
として捉える視点を持ってみてください。
そのうえで、周りの人たちは
挑戦者の背中をそっと「応援し」
挑戦した過程を「褒めてあげて」
成功したら「一緒に喜ぶ」
「成功」という結果を一緒に喜び
挑戦の過程を褒める。
つまりは「挑戦者全員」が褒める対象なのです。
褒められるの「大好き」です