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「B/Sで見る“会社の体力”―3つの指標と資金繰り改善のポイント」
2025.05.09
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にしたい」
そのために、一生懸命書き続けます。
昨日、地元の水産物販売などを
メインとした会社が倒産したという
ニュースが流れた。
従業員が新会社を設立し、販売部門を引き継ぐ
ようですが取引先等がスムーズに
取引してくれるのかは、疑問視されます。
どうか、頑張ってください。
二度と同じことが起きないよう
しっかりと「会社のお金」の勉強をし
強い会社を作ってください。
先日、B/S全体を図形によって把握する方法を
書きましたが、本日は、
B/Sの勘定科目を使った「自社の体力測定」の方法
を書いてみようと思います。
(前回の記事)
https://sato-insurance.jp/blog/377/
本題に入る前に、大切なことなので
繰り返し言います!
「会社は、P/L(売上)ではなく、B/S(資金・現預金)で倒産します」
新聞等のメディアには「コロナにより売上急減」や
「融資残高」つまり「借金の額」などの
数字がピックアップされますが
誤解を恐れずに言うのなら
「売上が減る」や「借金が多い」は
倒産の直接的な原因ではありません。
「そんな、馬鹿言ってんじゃない」という方
日産を見てください。2024年度の決算予測が
7500億の巨額な赤字ですよ。
(うち、5000億程度は減損損失)
しかし、全く「倒産」だなんて聞きません。
どころか、発表後一時株価が上がりました。
何故か?
2024年3月末の時点で現預金が
「1兆8000億円」あるからです。
もし、現預金が8000億円しかなかったら
そりゃもう、大騒ぎとなるはずです。
「うちは売上があるから大丈夫」
「うちは売り上げが上がっているから大丈夫」
そう思っていませんか?
本当にそうでしょうか?
決算書上は利益が出ていても、
ある日突然資金ショートに陥ってしまい、
黒字倒産してしまう企業は少なくありません。
実際、倒産した会社の約5割が
「P/L上は黒字」だと言われています。
企業の「本当の体力」は売上や利益ではなく、
「現金(キャッシュ)」なのです。
もし明日、仕入先への支払いができなくなったら?
従業員の給与が払えなくなったら?
いずれも事業の継続は極めて難しくなってしまいます。
経営者はまず、「会社の体力=資金力」を測るために
次の3つの指標を押さえください。
そのうえで資金繰りを改善するための
具体的なアクションをわかりやすくご紹介します。
今のうちに会社のお金の「見える化」を進めておけば、
いざという時にも柔軟に対応できるでしょうし
その「いざ」がいつ訪れるのかを把握できます。
1.会社の資金体力を把握する3つの指標
① 運転資金の残り月数(資金繰りの耐久度)
「運転資金の残り月数」とは、
現預金が毎月の固定費もしくは、月商に対して
どれほどの期間を支えられるかの目安です。
計算式は至ってシンプルで、
「現預金 ÷ 毎月の固定費」
最低でも3か月分が望ましく、
できれば6か月分を確保しておくと安心です。
コロナのような自力では防ぎようのない現象や
仕入先や取引先の突然の倒産による売掛金回収不能
大口取引先との取引消滅などの際にも
数か月の余力があれば立て直しや
銀行からの資金調達などの猶予が生まれます。
もし、どうしても現金は持ちたくないという方は
「当座貸越」の設定にチャレンジしましょう。
詳しくは書きませんが、銀行への十分な信用力があれば
可能です。
② 売掛金サイトと買掛金サイトのズレの確認
売掛金が回収できるのが3か月後なのに、
買掛金の支払いは2か月後……。
このように、入金サイトと出金サイトにズレがあれば、
その分1か月分の資金が不足してしまいます。
図や表を使い、今後のキャッシュフローを予測してみると、
このギャップが一目瞭然。
入金と出金のタイミングを調整できれば、
資金ショートのリスクを減らせるのです。
一番いい状態は「売掛金が先 買掛金が後」
Amazonは、その代表格と言えます。
売掛金回転率が12.5回/年
買掛金回転率が4.38回/年
(2023年度の財務データから算出)
年間4.38回支払い 12.5回入金がある
羨ましい限りです。
③ 毎月の資金繰り表の作成
会社のキャッシュを安定的に回すには、
「今後どれくらいの入出金があり、
いつごろ現金が不足するのか」を
見える化する必要があります。
そこでおすすめしたいのが、
1か月単位の資金繰り表の作成です。
まずは、ザックリでも構いませんので、
翌月以降の現金残高をシミュレーションしてみましょう。
早めに危機を察知できれば、
金融機関への借入打診や、支出の削減など、
手を打つ時間が十分に取れます。
とはいえ、資金繰り表を作っている中小企業は
非常に少ないのが現実です。
理由としては
「そもそも、作り方がわからない」
「伝票類が整理されていない」
「時間がない」 などなど
上記の問題を1発で解消するとすれば
売掛の伝票を毎日整理する「仕組み」を作ったうえで
経理の専門職の人間を雇うこと
これが一番早い解決策です。
そのうえで、可能であれば会計事務所と連携した
会計ソフトを導入すれば、ほぼ完璧です。
「・・・・・・年間何百万の支出増」
厳しいですよね。
現実的な解決策としては
「1日10分だけ、時間を空ける」(伝票整理)
これだけです。
可能であれば「出納簿」をつけましょう。
そして、月が明けたら整理した伝票と出納簿を
会計事務所に即提出
「勘定元帳」を作ってもらったうえで
会計事務所や私たちのようなコンサルタントに
資金繰り表を作ってもらいましょう。
どのような資金繰り表になるかは
それぞれなのでわかりませんが
例えば私なら、資金繰り表をもとに
事業計画や資金計画、銀行借り入れの際の資料などに
なるような資金繰り表を作ります。
デメリットとしては
会計事務所もしくはコンサルタントへ
新たな報酬の支払いが発生することです。
しかし、経営者と一緒になり経営計画を立てたり
銀行交渉の手助けができたり
社長と社員の数字に対する「意識のズレ」を
修正してくれたりしてくれれば、
支払った報酬以上の成果が生まれるでしょうし、
なにより、経理担当者を雇用するより、遥かに低額で
「社長の右腕」を得ることができるメリットが生まれます。
3.資金体力を改善する3つのアクション
① 無駄な支出の削減
まず手を付けやすいのは、固定費の削減です。
オフィスの家賃や通信費、サブスクリプション契約など
不要な出費はないか、定期的に洗い出しましょう。
なお、固定費の代名詞である「人件費」
ここに手を付けるのは最後にしましょう。
現在の売り上げの減少はもちろん
将来の会社の成長の芽を摘み取ってしまう
可能性があります。
確かに経費削減としては、効果が高いですが
「もろ刃の剣」であることをお忘れなく。
「人件費」は「コスト」ではなく「投資」である。
基本はこのスタンスで経営にあたりましょう。
② 入金サイトの短縮/出金サイトの交渉
取引先との契約内容を見直し、
入金サイトを短縮できるよう交渉することも一案です。
また、支払いサイクルを後ろ倒しにできるよう、
仕入先と相談するのも有効。
お互いの信頼関係を大切にしつつ、
少しでも資金ギャップを埋める努力が必要です。
とはいえ、こんな教科書的なこと言っても
当たり前すぎますし、上記は全て「相手」がある話です。
つまりは、自分の努力だけでは解決できないことです。
そこで、「一人支払いサイクル改善作戦」
自社の商品や在庫1点1点を見直しましょう。
「受注販売できるものはないか?」
もしくは、「その体制に移行できそうなものはないか?」
「数年に1度くらいしか、売れない商品はないか?」
販売機会をロスする可能性はありますが
こまめな仕入れや在庫整理は
確実に利益やキャッシュ増に貢献します。
しかも、自社の努力だけでできることですから
「やらない」という選択肢はないはずです。
③ 資金繰り表や借入残高一覧表の作成
資金繰り表の作成、銀行への提出は
みなさんが思っている以上に銀行へのアピールになります。
インパクトや破壊力があると言ってもいいでしょう。
また、借入残高一覧の作成により
信用保証枠の事前確認や適切な借入方法への転換が
一目でわかるようになります。
プロパー融資や当座貸越の設定など
金融機関との交渉時にも役に立ちます。
銀行担当者に見せることにより
思わぬ好条件の融資の紹介などの
きっかけとなりますので、お勧めです。
このようにして、金融機関と日頃から関係を
築いておくことがポイントです。
「借入残高一覧表」フォーマット
各種書式ダウンロード | 南日本銀行
(金融機関取引状況表)
他にも、たくさん無料のものがあります。
「資金繰り表ってどう作ればいいの?」
「自社の資金耐久月数を知りたい!」
そんな方は、お気軽に無料相談をお使いください。
今すぐ「資金の見える化」を始めましょう。
本当の意味での「強い会社」を目指して一歩を踏み出しましょう。
この本「お勧め」ですよ
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「残ったお金」から卒業! 『収入-必要なお金=使えるお金』で攻めの経営を実現する方法
2025.03.25
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にしたい」
そのために、一生懸命書き続けます。
3月決算という会社は多いと思う。
既に、新年度の計画を立てている会社もあれば
今まさに作成中なんて会社もあれば
「計画を立てたことがない」もしくは
「立て方がわからない」という会社もあると思う。
そんな時期だからこそ、本日は「会社のお金」に対する
言われてみれば当たり前だけど
多くの経営者が無意識にやってしまっている「思考」
について書いていこうと思う。
「お金」には2つの考え方がある
あなたは、会社のお金をどのように捉えていますか?
「収入-使ったお金=残ったお金」
多くの人が、無意識にこのような式を
思い浮かべているのではないでしょうか。
しかし、この考え方は、
事業を成長させ続ける上で大きな落とし穴になりかねません。
真に事業を成長させ、安定した経営を実現するためには、
「収入-必要なお金=使えるお金」
この式で考える必要があります。
「残ったお金」は受け身、「使えるお金」は攻め
「残ったお金」は、収入から様々な経費や支払いを差し引いた
「結果」として残ったものです。
ここには、計画的に事業を成長させよう、
積極的に投資しようという意図は見えません。
いわば受け身の姿勢で生まれたお金と言えます。
「収入-使ったお金=残ったお金」という考え方は、
一見すると理にかなっているように思えます。
実際、多くの人は家計管理や個人の小遣い管理で
同じ発想を用いているかもしれません。
確かに、日常レベルでの管理ならば
この程度の管理や意識でも、大怪我はしません。
しかし、経営という視点で考えると、
この方法ではリスク管理が甘くなる可能性があります。
最初に“使うだけ使って”しまうと、
あらためて必要な費用を支払う段階になって
「資金がショートしてしまう」事態が起こりやすくなります。
特にビジネスには売上のタイミングのズレや、
仕入れや外注費の支払いサイトなど、
予想と実際がずれる要素が多分にあります。
そのズレがあることを前提として、
あらかじめ必要なお金を守る仕組みを作る必要があるのです。
また、この「残ったお金」の考え方ですと、
気になるのは「今月はいくら残ったか」ということになり
「お金が残ったら、〇〇をする」というような思考となり
ビジネスチャンスや経営者や社員への投資が
結果的にできない、しないことにつながります。
よくある話ですが、経営者向けの勉強会などに参加する際に
なかなか会社を上手く成長させられていない経営者は
「今は、お金がないから、お金が準備できたら参加します」
とおっしゃいますが、後日、
お金ができたから参加するという方は、ほぼいません。
理由は簡単で、「収入-使ったお金=残ったお金」思考では
最終的にお金が残らないことが多いからです。
一方、「使えるお金」は、あらかじめ事業計画に基づいて
明確な目的のために確保されたお金です。
新たな設備投資、人材育成、新規事業開発など、
未来に向けた攻めの投資を行うことで、
さらなる収益を生み出すための原動力となります。
先ほどの勉強会の話にしても
会社をうまく成長させている経営者は
参加意思の表明がとても速い方が多いです。
そのため、多くの勉強会の募集期間は
とても短く設定されているものが多いのです。
募集期間を1か月で設定しても1週間で設定しても
参加者の数は、ほとんど変わりません。
「使えるお金」を増やす方法とは
「使えるお金」を生み出すために最も重要なのは、
「必要なお金」を明確化することです。
短期的な視点での「必要なお金」とは
毎月の運転資金や人件費、家賃、光熱費などの固定費、
そして仕入れ費用や広告費といった変動費など、
事業を維持するために必要な費用です。
一方、長期的な視点での「必要なお金」とは
事業を成長させるための設備投資、
新規事業開発、人材育成、マーケティング、
また、コロナやリーマンショックのような
自身の力では防ぎようのない、
不可抗力的で予測不能な事態
に対応するための「内部留保・貯金」など
未来への投資や備えに必要な資金です。
これらの必要なお金を洗い出し、
具体的な金額を設定し把握することで、
初めて「使えるお金」の範囲が見えてきます。
これにより、「適切な時期に、適切な金額を、適切な場所に」
投資することが可能になり会社の成長の原動力となります。
まとめ
事業を成長させるためには、
「収入-必要なお金=使えるお金」と考え、
まずは重要な支出と貯蓄・投資を
先に確保する仕組みをつくることが効果的です。
そのうえで、残ったお金を自由に使えるようにすれば、
お金のリスク管理も万全ですし、
安心して新しい挑戦や投資を行うことができます。
反対に「収入-使ったお金=残ったお金」
という考え方から抜け出せないと、
常に“残り”を気にするがゆえに、
不意の出費や機会損失を起こすリスクが高まります。
ぜひ、あなたのビジネスでも
「先に必要なお金を確保する」手法を導入してみてください。
毎月の資金繰りがクリアになり、
戦略的に投資を行える安定基盤ができるはずです。
事業を次のステージへ引き上げるためにも、
この考え方を習慣化し、ゆとりある経営を実現していきましょう。
ゆとり?いや「油断」しすぎですよ
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「なぜ資金繰りが苦しい? 経営者がチェックすべき“キャッシュフロー”の真実」
2025.03.19
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にしたい」
そのために、一生懸命書き続けます。
「うちは黒字経営だし、銀行とも問題なく取引できている。
なのに、なぜか資金繰りが厳しい」
そんな悩みを抱えている経営者の方はいませんか?
実は、それは「決算書で見るべき数字」を
誤っている可能性が高いのです。
本日は、黒字経営でも資金繰りが苦しくなる
意外な落とし穴について解説します。
利益が出ているのに資金繰りが厳しい?そのワケは?
企業の資金繰りを左右する重要な要素の一つに
「キャッシュフロー」があります。
簡単に言うと、手元資金の出入りを表す指標です。
簡易なキャッシュフローは、以下の式で計算できます。
当期税引き後利益 + 減価償却費 = キャッシュフロー
健全な資金繰りのためには、このキャッシュフローが、
とても大切な数字となります。
実は、ここを確認していない経営者は意外と多いのです。
経営者の方はよく「損益計算書」(P/L)は
確認していると思います。
P/Lの中でも「営業利益」や「経常利益」の確認をし
たくさん利益が出ていると「節税」が頭をよぎり
車や、そのうち使う備品を購入したり
保険やリースなどを契約なさったりすると思います。
しかし、上記のキャッシュフローとは、
P/Lの一番最後にある「税引き後利益」が基礎数字
となります。
その数字に、「減価償却費」を足した数字ですから
決算書を見ただけでは、決してわからない
書いていない数字なのです。
では、その書いていない数字である
キャッシュフローと言われるお金から出ていくものは
どんなものがあるのでしょう?
まずは、「銀行からの借入金の元本部分の返済金」
利息部分は経費となりますが
元本部分は経費ではなく「最後に手元に残ったお金」からの
返済となります。
これ以外ですと、「将来の設備投資など計画的に貯めるお金」や
予期せぬ事態が発生した際に会社が「生き延びるためのお金」
生命保険の「資産計上部分にあたるお金」
などとなります。
「銀行への返済がきつい」と感じる原因は
これなのです。税金も支払った後に残った
「乾いたタオル」であるお金から支払っているのです。
では、資金繰りを改善するためには
どんなことを実行すればよいのでしょう。
1.キャッシュフローの確認
2.毎月の銀行への返済額の確認
3.会社の将来への貯金目標額
4.生命保険の資産計上分の金額
5.銀行からの借入金の借り方の変更
最初に書いときます。5番に関しては
ここには書きません。長くなるので。
しかし、効果は「爆発的」にあります。
キャッシュフローを意識した経営をなさるならば
細かなことはおいておいて、
まずは上記の4つを確認しましょう。
4つの数字を確認できたら、
キャッシュフローの金額から、2~4番を引いてみましょう。
1-2-3-4
この計算式の答えがプラスなら
キャッシュフローが健全であるということです。
しかし、残念ながら、多くの中小企業では
マイナスやほぼ0という企業が多いのが現実です。
マイナスはおろか、ほぼ0とは
家庭で言えば「貯金0」ということになります。
どうですか?
生きていくうえで、貯金0円の生活て。
会社経営なら平気だが家庭に置き換えると、
その危うさを実感なさると思います。
これが、マイナスとなるとどうでしょう?
家庭において、毎月のお金が足りないとなると
どこにお金を借りに行くでしょうか?
銀行に「生活費が足りないのでお金貸してください」
と言っても、貸してくれませんよね。
ところが、これが「会社」となると銀行は「融資」
と言う名のもとに、お金を貸してくれます。
そして毎年、足りないとなると「返しては借りる」
ということを繰り返します。
ここで、経営者は、お金が借りれるので、
つい安心してしまいます。
しかしここで立ち止まって、考えてみてください。
「もう貸しません」と言われたら、どうなるのかを。
通常の流れとして、貸してもらえなくなったら、
それまで社長個人が貯めていたお金を会社につぎ込みます。
やがて、そのお金は尽きます。
様々な、金策をし、お金をかき集めますが
それも、手が尽きます。
ゴールは、見えましたね。
最近は、そうなる前に「リスケジュール」という手段を
使うのが一般的です。
ざっくりいうと銀行に返済金額や期間の変更を願い出たりして
資金繰りを改善することです。
金融庁の指導の下、ほぼ全ての案件は承認されています。
しかし、当然ですが、リスケを承認してもらうためには
たくさんの資料を提出することとなりますし
提出した再建計画に沿って、会社を立て直す必要があります。
ここで、私が伝えたいのは
「財務状態が悪くなればなるほど、
たくさんの資料作成と費用がかかる」ということなのです。
本日の主題である「キャッシュフロー」の計算とは
比べ物にならないほど大変な思いをします。
当然、読者のみなさんには、そんな思いを
してほしくないので、キャッシュフローが
「プラスかマイナスか」は是非、
確認していただきたいと思います。
解決策はないの?
当然あります。
企業ごとに様々なので基本的には
私たちのような財務の専門家の力を借りて
どこに手を打つべきかをみつけ
地道に改善していくことをお勧めします。
なので、ここでは一般的な解決策を書きます。
1. 節税をしない
2. 資金繰り表をつける
3. 借入金の「借り方」を変える
4. 生命保険の上手な「見直し」
5. 手を付けるべき経費はどこか見極める
1と2は、専門家の手を借りなくてもできます。
3と5は、専門家と一緒にやるのが賢明です。
4に関しては過去のブログを参考にしてください。
とはいえ、財務に精通した保険担当者がいると
心強いでしょう。
https://sato-insurance.jp/blog/255/
重要なのは、現状を正しく認識し、
経営者自身が財務の知識が十分ではないのなら
早めに専門家に相談することです。
とかく財務に関しては
「明日、会社が倒産するわけではないし・・・」と
「重要だけど、緊急ではない」問題として認識してしまいます。
また、多くの経営者は、
資金繰りの厳しさに漠然とした不安を抱えながらも、
「こんなものかな」と諦めてしまいがちです。
そんな経営者に提案です。
財務に関わらず「重要だけど緊急ではない」物事に
着手するための考え方として
まず手始めに「周りの人」を見てください。
配偶者や子供、社員、取引先、ロータリー・ライオンズの仲間
商工会議所や法人会の仲間 などなど
あなたの会社に万が一のことがあった際に
どれだけ多くの方に迷惑や心配をかけますか?
ましてや、配偶者や子供に大変な思いは
してほしくないはずです。
そうです! 「あなたのために」行動は起こせなくとも
「周りの大切な人」のためになら
行動を起こせるはずです!
後回しにせずに、今度こそ一歩前に踏み出してみましょう。
その一歩が、「大切な人を守る一歩」となります。
「ライバルの一歩前に出る」こととなります。
私が応援します。声かけてください。
「力の限り、かじります!」
「か、硬ったいな~」
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『収支分岐点と損益分岐点の実務活用法 〜現金と利益の視点から見る経営戦略〜』
2025.01.27
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にしたい」
そのために、一生懸命書き続けます。
では、スタート!
前回のブログで「収支分岐点売上高」と「損益分岐点売上高」の
簡単な出し方について書きました。
https://sato-insurance.jp/blog/278/
今回は、計算した数字を、
実際の経営にどのように活かすかについて
書いていこうと思います。
「収支分岐点売上高」と「損益分岐点売上高」の
話の前に、よくある話をします。
「利益」と「現金」の違いです。
わかっている方は、飛ばして下さい。
よく経営者の口から出てくる言葉に
「利益は出ているんだけど、思ったように現金が増えない」
があります。
いわゆる「稼いだ金は、どこに行った?」です。
一言で言えば「利益と現金は違う」となってしまいますが
わかりやすく違いを書きます。
「利益」とは
企業が一定期間(多くは1年間)に得た収入(多くは売上)から、
経費や費用(変動費や固定費)を差し引いた残りの金額です。
これは、企業の経済活動の成果を示す指標であり、
損益計算書に書いてある数字です。
ここで大切なのは、利益は「金額」であり「指標」である
ということです。
言ってみれば「計算上の数字」ということです。
「現金」とは
現金は、企業が手元に持っている実際のお金を指します。
これは、銀行口座にある預金や、手元にある現金など、
すぐに使用できる資産です。
現金は、企業の流動性を示す重要な指標です。
もっと平たく言うと
格闘ゲームでいう「HP」つまり「残りの体力」のことです。
ゲームでも、HPが0になったらゲームオーバーですよね。
それと同じです。
ちなみに、「利益」が0になっても、
一般的な企業は、ゲームオーバーになりませんよね。
もっと言えば赤字になっても、ゲームオーバーとは
ならない方が多いはずです。
それは、実際の体力(HP)ではない証拠です。
ここだけ見ても、利益と現金は違うことがわかると思います。
この概念を踏まえた上で、読んでみてください。
1. 収支分岐点売上高:キャッシュフローの視点
収支分岐点売上高は、
企業の収入と支出が均衡する売上高を示します。
つまり、キャッシュの流入と流出が同額となり、
収支が「トントン」になっている状態を指します。
「トントン」と言えば聞こえはいいですが
実際の会社で言えば「顔が水面ギリギリ」
と言う方が正確だと思います。
すなわち「収支分岐点売上高」を下回った売上しか
上げれなかった場合「溺れる」ことになります。
特徴として
・ キャッシュフローに着目した数字
・ 資金ショートのリスクを把握できる
・ 短期的な経営判断に有効
・売上げ目標数字を立てる時に有効
実務での活用例
1. 経営戦略の策定
収支損益分岐点を把握することで、
企業はどの程度の売上が必要かを明確に理解できます。
これにより、価格設定や販売戦略を見直すことができます。
2. 投資判断
新しいプロジェクトや製品の導入を検討する際、
収支損益分岐点を計算することで、
そのプロジェクトが現金を生むかどうかを判断できます。
3. パフォーマンスのモニタリング
企業や商品のパフォーマンスをモニタリングできます。
原材料などが値上がりしている昨今
「本当の利益」言い換えると「現金」を生み出している
商品かどうかなどを知ることができます。
市場環境やコスト構造が変化が激しい今
この数値を把握することで迅速な対応が可能になります。
4. 価格戦略の見直し
製品やサービスの価格戦略を見直すことができます。
競合他社の価格や市場の需要に応じて、
価格を調整することで、利益を確保することが可能です。
2. 損益分岐点売上高:利益の視点
損益分岐点売上高は、売上高から費用を差し引いた
利益がゼロになる売上高を示します。
つまり、この売上高を超えると利益が生まれ、
下回ると損失が出るという、企業の収益力を示す指標です。
特徴として
・ 利益に着目した数字である
・ 企業の収益構造を把握できる
・ 長期的な経営戦略に有効である
実務での活用例
1. 経営計画の策定
損益分岐点を把握することで、企業は売上目標を設定しやすくなります。
例えば、固定費や変動費を考慮し、
どの程度の売上が必要かを明確にすることで、
現実的な経営計画を立てることができます。
これにより、資金繰りや投資計画も立てやすくなります。
2. 価格設定の戦略
損益分岐点を理解することで、
製品やサービスの価格設定においても
戦略的な判断が可能になります。
例えば、価格を「10円」引き上げるた場合に
どれくらいの利益が生まれるのかや、
競合他社との価格競争の際にも、
どこまでなら下げても「利益」がでるのかなどを
計算できます。
3. コストの管理
損益分岐点を基に、固定費や変動費の管理が行いやすくなります。
コスト削減のための施策を講じる際、
「どの費用を削減」すれば損益分岐点を下げられるかを
シミュレーションすることができます。
これにより、効果的で根拠を持った経費削減が可能になり
企業の成長の妨げになるような経費削減を回避することが可能になります。
4. 売上のシミュレーション
損益分岐点を用いて、異なる売上シナリオを
シミュレーションすることができます。
例えば、売上が10%増加した場合や、逆に5%減少した場合や
仕入れ値を@1円下げた場合、家賃を10%下げたらなど
様々な場面を想定した利益状況を予測が可能になります。
5. 投資判断
新規事業や新製品の導入を検討する際、
損益分岐点を計算することで、
その事業がどの程度の売上を必要とするかを把握できます。
これにより、投資の妥当性を評価し、
投資リスクを最小限に抑えることができます。
6. その他
現在の売上高と損益分岐点売上高を比べることにより
あとどれくらいまで売上が下がっても赤字にならないかや
企業の安全性を示す数値の1つとして「安全余裕率」も
はじき出すことができます。
これらは、企業の営業活動、ようは「売上高」が
赤字になるまでどの程度余裕があるかを示しています。
(利益率を変えない。目標売上高達成のための
値引き販売はしない前提の話です)
また、「目標利益」を達成するための売上高の設定も可能です。
長期の視点で計画を立てる際、
現金の出入りは、不確実性が高いと言えますので
中・長期の計画策定には、こちらの方が適していると言えます。
収支分岐点と損益分岐点を活用した経営戦略
収支分岐点と損益分岐点は、
それぞれ単独で活用するだけでなく、
組み合わせて分析することで、より効果的な経営判断が可能になります。
明確な違いは「現金ベース」か「利益ベース」なのかであり
双方とも、実際の活用方法に大きな差異はみつかりません。
よって例えば、新規事業を立ち上げる場合、
損益分岐点分析で長期的な収益性を評価すると同時に、
収支分岐点分析で短期的な資金繰りの
安全性も確認する必要があります。
また、既存事業においても、
損益分岐点を下げるためのコスト削減や販売価格の見直しを行いながら、
収支分岐点を意識した資金管理を行うことで、
安定した経営基盤を築くことができます。
それぞれの指標の特徴を理解し、
適切に活用することで、企業は収益性と安全性を
両立させた経営を実現することができます。
兄弟(本物の兄弟です)で1つの「目標?」見つめてます
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【決算に向けて上手に活用】会社で契約した生命保険、解約以外の賢い活用術!
2025.01.07
さぁ!本日も「日本中の中小企業を元気にする」
ミッション達成に向けて
一生懸命書きます。
では、スタート!
「会社で契約している生命保険、解約しようか迷っている…」
3月の決算に向けて、そろそろ考える時期に突入してきます。
生命保険の販売サイドも「作戦会議開始」でしょうか。
会社契約の生命保険は本来、会社の財務状況の確認はもちろん
社長の夢やビジョンや計画に即した設計が必要となりますが
残念ながら、販売サイドにそこまでの能力が備わっているのかは
はなはだ疑問です。
とはいえ、世の中には「法人契約」と言われる生命保険は
たくさん存在しています。
入口(契約時)の時に多い悩みは「保険料」
出口(解約時)の時に多い悩みは「解約返戻金」
会社で契約した生命保険に対する悩みの多くは
この部分かと思います。
しかし、「ちょっと待ってください!」
契約を解約してしまう前に、
「解約以外の賢い活用法」があることをご存知ですか?
解約は最後の手段。保険をもっと戦略的に活用することにより、
会社の財務状況を改善したり、
社長の夢や目標へ近づくことが可能になります。
このブログを読み、一度立ち止まって考えてみて下さい。
法人契約の生命保険に対する考え方
まずは、大前提としての話です。
一昔前まで「節税になる」と人気だった「損金タイプの生命保険」
しかし、実際には「節税」になっているわけではなく
あくまで「利益の先延ばし」になっているだけということを
確認しておきましょう。
この話をすると「赤字とぶつければ節税になる」と話す専門家も
いますが、そもそも、赤字の時を考えるのならば
損金タイプの生命保険を契約してはいけません。
赤字ですから、税金を納める必要がないので
契約時に渡される設計書の通りの節税効果はありません。
ましてや、赤字なのに外部に
「キャッシュアウト」している場合ではないはずです。
また、昨今は「保障がついている投資保険」が発売されていますが
このような保険自体が良い悪いではなく
経営者として会社のお金を「本業以外の投資」に使うのは
そもそも論として「アウト」です。
考えてみてください。
あなたが銀行員だとして、そのようなお金の使い方をしている経営者に
お金を貸したいと思いますか?
私なら、貸しません。「貸したお金が何に使われるかわからない」
ということは、「返してもらえるかわからない」
ということになってしまいますから。
もちろん一方で「契約すべき生命保険」も存在しています。
どこの生命保険会社でも販売しています。
「他人や家族に迷惑を掛けない」
これこそが、経営者として必ず契約すべき生命保険です。
説得力ある根拠の元に提案ができる「生命保険募集人」を探しましょう。
いかがですか?
「たかが保険」ですが、見る人が見れば
人柄まで透けて見えるものなのです。
解約以外の賢い活用法
1. 保険料支払猶予期間を上手に使いキャッシュフローを改善
まず、法人契約の生命保険は「決算月」に契約しましょう。
支払い方法は、「振込」を選択です。
その上で、「保険料支払い猶予期間」を上手に活用しましょう。
「支払い猶予期間」とは、読んで字のごとく
支払いを猶予してもらえる期間のことです。
保険会社や契約内容によって異なることがあるかもしれませんが
概ね「最大で2か月間」猶予期間が設けられています。
この制度の使い方ですが、
「3月決算」で「保険料支払日も3月」の場合
「今期は赤字」ならば、3月の保険料支払いをやめます。
そうするだけで、決算書が「赤字」から「黒字」へ変わることも
ありえますし、少なくとも赤字幅は小さくなります。
当然、銀行融資や信用取引などに対しても
良い効果が生まれます。
また、「半分損金・半分資産」の契約なら
資産計上分の現金が手元から出ていきませんので
キャッシュフローにも良い影響があります。
保険料は、決算が終わった4月か5月に支払いましょう。
2. 「失効」を活用して、上手に資金コントロール
生命保険には「失効」という制度があります。
失効とは、保険契約を解約せずに、保険の効力を一時的に停止する方法のこと。
これにより、「最大で3年間」解約を先延ばしすることができます。
ただし、失効中は保険の保障機能が停止するため、注意が必要です。
つまり「死亡保障はなくなる」ということです。
この制度の上手な使い方は、たくさんありますが
一言で言うと
「当座の資金需要がない時に保険の現金化を先延ばしできる」
と言えます。
予定より、勇退時期が伸びた時や予定の設備投資の延期など
様々な場面で活用することができます。
ただし、ご注意いただきたいところがあります。
この制度は、恐らく、いや確実にあと数年しか使えません。
金融庁が目を付けましたし、保険会社によっては来年から
「失効は、即時強制解約とする」みたいなこと言っています。
いずれにしても、常に情報アンテナを高く張っているような
「生命保険募集人」とのお付き合いが肝要かと思います。
3. 緊急時には「契約者貸付制度」で資金調達
「今すぐ資金が必要だ!」
そんな緊急時には、「契約者貸付制度」を利用しましょう。
これは、解約返戻金の7~8割程度を保険会社から借りることができる制度です。
無審査で、スピーディーに融資を受けられますし
自社の積み立てたお金を現金化しているだけですから
最悪、返済しなくてもよいこともあります。
ただし、掛け捨てタイプの生命保険など、
解約返戻金が少ない保険には利用できない場合があります。
「自分の会社の保険で、どの制度が使えるの?」
そう思った方は、保険証券や決算書を確認してみましょう。
「解約返戻金の推移」や「保険積立金」といった項目があれば、
いわゆる「貯金」となっている部分の有無や
おおよその金額の目安がわかります。
もちろん、保険会社に直接問い合わせるのが一番確実です。
信頼できる専門家との連携を
今回ご紹介した内容は、あくまで一般的な情報です。
保険の契約内容や保険会社によって
使える方法が異なりますし
その時の自社の状況によって最適な方法は異なります。
自社の置かれている財務内容やその時の状況を把握している
信頼できる士業や保険募集人と連携し、
あなたのビジネスに最適なアドバイスや情報を提供してもらいましょう。
特に、最近では税務当局もこれらのスキームを厳しくチェックしています。
安易な情報に飛びつかず、必ず専門家の意見を聞くようにしてください。
いかがでしたか。
本日は生命保険の賢い使い方の一例をご紹介しました。
生命保険は「個人」「法人」を問わず
「そこから先の夢やライフプラン」に沿ったものを契約しましょう。
「なんとなく」や「付き合いで」などの理由で契約していた
バブリーな時代は、とっくに終わっています。
「あなた亡き後」や「あなたの会社の大切なお金」を託す。
生命保険とは、それくらい大切な「人生や社会の部品」です。
たまには、まじめな顔することもあります!
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節税が利益を減らす?中小企業が取り組むべき「お金の貯め方」と財務改善の方法
2024.10.28
先日、生命保険の保険料の「出どころ」について触れましたが、
本日は、財務体質の強い会社になるための1つの方法をお伝えします。
たとえ専門家が傍にいなくてもできることですので
「稼いだ金は、どこに消えた?」「利益が出ているのにお金が増えない」
「もっと銀行交渉を有利に進めたい」など
疑問や希望をお持ちの方は、ご覧ください。
1. 「節税」の実態と利益確保
まず、前提として「節税は、けしからん!」と言っているわけではありません。
私だって、できることなら税金は少なくしたいと思っています。
しかし、現実には「節税」と言われているものの多くは「利益の繰り延べ」に
すぎないことが多いのが現実です。
もちろん、節税による手残り増加の手法も存在しますが、
私が知る限り、そのような優れた節税を実施できる専門家には
多額の顧問料が発生します。「年間数百万円の顧問料」が必要となり
その金額以上の節税効果がなければ、意味がないケースがほとんどです。
更に、節税できる金額の「約3倍」の利益を「毎年出す」ことが必要なうえ
決算直前に慌ててできるものには、節税効果が小さなものが多いので
裏を返せば、毎月きっちりと数字を管理できている会社でなければ
期待している効果をあげることはできません。
この前提から考えると、これだけ先が不透明な時代に
節税が本当に必要で、その効果が期待以上のものになるのかは疑問が残ります。
2. 「お金」で確認してますか?
確かに「節税」という言葉は、耳障りはイイ。
では、しっかりと「お金」の貯め方の方向からみているだろうか?
簡単な考え方なので、ぜひ覚えていただきたいと思う。
仮に税率を30%とすると、「30万円の節税」のためには、
どれだけのお金を使う必要があるだろうか?
答えは、簡単ですよね。
そうです「100万円」
100万円の利益を潰す、つまり、手元からなくなることにより
はじめて30万円の税金を減らすことが可能になります。
「どうしても必要」なものならまだしも、多くの場合
「いずれ使うだろう」や「利益に直結しないもの」に費やされていないだろうか?
一方、節税しなかった場合は、「税金を30万円支払う」(痛い!)
しかし、手元には70万円が残ります。
決算書で言えば、当期純利益のところが「70万円」となります。
3. 会社にとってのメリット
P/Lの「当期純利益」は結果として、B/Sの「利益余剰金」を積み増すこととなります。
利益余剰金は、「いざという時の備え」はもちろん
新たなことへのチャレンジの際などにも、自由に使えます。
もちろん、残念ながらの赤字の際にも、その穴埋めとして使えます。
ここで、少し考えてみましょう。中小企業という前提です。
利益余剰金が「100万円の会社」VS「1億円の会社」
新規事業に進出しようとした際に、どちらの会社が成功に近いと感じますか?
もし、資金として3000万円必要としたら、どちらの会社が先発できますか?
もし、あなたが銀行員なら、3000万の融資を申し込まれたのなら
どちらの会社に融資しますか?
もし、新規事業が失敗した場合、どちらの会社の方が危険な状態になりそうですか?
残念ながら、戦う前から結果が見えていると思います。
このように、新たなチャレンジの際だけでなく、銀行融資、資金繰り
そしてなによりも「社長の睡眠や健康状態」に好影響をもたらします。
4. 節税にとらわれず、企業価値を高めるための考え方
いかがでしたか? 何百万もの経費を掛けなくても会社は強くなります。
さらに、節税しないという選択をすることにより
1. 節税のために使っていた時間を本業やお客様に使える
2. 節税のために使っていたお金を本業の発展や従業員のために使える
など
企業の成長に必要不可欠なことに使うことも可能になります。
限られたリソースをフル活用し、企業価値を向上させていきましょう!
最後に、日本中の頑張っている社長様に向けて
最も効率的な投資先は「自分」や「自社」です。
自己投資は成功確率100%、さらに収益は無限大です。
「お届け物で~す」
今日もお仕事頑張ります!
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中小企業が陥りがちな「生命保険」の罠とは?資金繰りとリスク管理から考える最適化方法
2024.10.25
会社の決算書に「保険料」が計上されていない会社は
まず存在しないと思います。
しかし、その保険が本当に必要なのかどうかを検討する必要性があります。
今日は、会社経営と保険の関係について
「財務」「資金繰り」「リスク」「相続」などの観点から見ていきましょう。
1. その保険は本当に必要か?
多くの企業が保険を経費として計上しますが、
その保険が本当に必要なのか見直すことは非常に重要です。
特に、過去には生命保険を使った「節税」や「退職金積立」などが一般的でしたが、
必ずしも以前契約した保険が現在の経営状況に適しているとは限りません。
その上、保険セールスパーソンの中で、会社の財務やキャッシュフロー
その会社が抱えるリスクなど、多角的に判断した上で
生命保険提案をできる人間は、残念ながら全体の5%前後
と言って過言ではありません。
こんなことを書くと、怒られてしまいそうですが
生命保険の話をしていると「たった5%」の理由がよくわかります。
「なぜ、この生命保険の契約をなさったのですか?」
こう問いかけた際に、返ってくる答えが
「節税」「借入金額が、これくらいだから」「なんとなく不安だから」
「士業の先生に勧められたから」「付き合いで」「聞いてもよくわからんし」
95%が、こんな答えです。
今回は、詳しくは説明しませんが
生命保険は、「なんとなく」で入るものでは当然ありませんし
付き合いで入るにしては、高額すぎますし
ご存じの方も多くなってきましたが、節税にはなりませんし
借入金同等額の保険金では、万が一の際には、借金の全額返済はできません。
ましてや、聞いてわからないものにお金を払うなんて
ほかの商品では、あり得ませんよね。
2. 会社の経費削減と保険契約の見直し
よく聞く「経費削減」ですが、削減候補として真っ先に頭に浮かぶのが
保険料や広告費や研修費ではないでしょうか。
本当は、もっと手を付けたい経費があるが、そこに手を付けるのは
なかなか難しい経費もあると思います。
では、なぜ、保険料や広告費、研修費などは削減の1番手なのでしょう?
それは、短期的には会社に与える影響が少ないからです。
しかし、長期的には売上や会社や社員の成長に悪影響を与える可能性があります。
「とはいえ、ここを乗り越えなければ」という場面になったのなら
やはり、「削減の1番バッター」は「保険料」その中でも「生命保険料」だと思います。
多くの場合は、それが正解だと思われます。理由としては
「削ったからといって、直ちに売上が減少するわけではなく、
生命保険の業績への貢献度は低いから」ではないでしょうか。
3. 会社のお金に縛りがかかっていないか?
今度は角度を変え、「保険料の支払い」という観点から検証してみようと思う。
保険料を毎月、毎年支払うことにより、
その分のお金は「使えないお金」として縛られます。
多くの企業は業績が好調なときに、なんらかの理由で生命保険を契約しますが、
業績が悪化するとその保険料の負担が重く感じられることがあります。
となれば、「解約する」という選択をすると思いますが
生命保険の場合、解約を躊躇させてしまう仕組みがあります。
その理由の一つが、「元金割れのリスク」ではないでしょうか?
頑張って支払ってきたお金が減って返ってくるのですから当然のことと思います。
しかし、その保険料の支払いにより、会社の資金繰りが厳しくなるのなら
当然の話として、躊躇している場合ではありませんし
そこまで深刻ではないにしても、将来の事業環境が不透明であれば、
銀行への返済のお金や保険料のように「支払わなくてはいけないお金」は
誤解を恐れずに言えば、減らすべきです。
(様々な理由で減らせない場合があります)
将来の成長のために借りたお金の返済ならともかく
明確な目的もなく契約した生命保険の保険料支払いにより
経営の意思決定に縛りがかかるような事態は避けるべきです。
4. 保険料の出どころと経営リスク
「半損」と呼ばれる生命保険(例えば養老保険を使った福利厚生プラン)は、
半分は損金、半分は資産計上として扱われますが、
その資産計上されている保険料がどこから出ているのかを考えたことありますか?
実はこれ、「税引き後利益」から出ていくお金なのです。
税引き後利益から出ていくお金やその用途は代表的なものとして
「銀行への返済のお金」(元本部分)
「将来への投資の為のお金」
「いざという時の為の貯金のお金」
などがあります。
つまりは最後に残った、それはそれは「大切なお金」です。
資産計上分がある生命保険に入るということは、こういうことなのです。
もちろん、ある明確な目的をもって、このような生命保険に入る場合もあります。
ですので、その全てを否定するものではありません。
実際私も、企業や目的によって、資産計上がある生命保険を契約する場合もあります。
しかし、こうしたキャッシュは、中小企業にとっての命綱である
銀行の借入金の元本返済にも充てられる大切な資金です。
この資金を保険料として長期間ロックしてしまうことは、
経営の自由度を奪うリスクがあることをしっかりと把握しておきましょう。
5. 「会社や家族」大切なものを守ろう
例えば、事故や災害時に賠償金や再建に備える
「自動車保険」「火災保険」「賠償保険」などは、
事故が起きた場合、会社の存続や社会的信用にも影響を与えるため、
解約の意思決定は慎重に行うべきです。
また、特に中小企業の場合、社長の死亡保障は不可欠です。
多くの中小企業では、社長がトップセールスマンであり、会社の信用そのものです。
社長が倒れた場合、会社が存続できないばかりか、
家族に「個人保証」という形で負債が相続されてしまう可能性があります。
このようなリスクに対処するためには、適切な保険を適切な保険金額で
契約することが必要です。
さらに、会社を取り巻く状況は日々変化していきます。
そのため、生命保険のように契約期間が長いものは、
変化にあわせたメンテナンスが必要不可欠となります。
冒頭に出ました「5%」の保険セールスパーソンとは
こういったことに対する正しい知識や経験を持っています。
大切な会社や家族を守るために、
一度立ち止まって考えてみませんか?
夢や願望を叶えつつ、お金の不安がない人生が開けますよ。
これが、私の夢を叶えた姿
泥を見ると、どうしても「ゴロスリ」したくなるのよね~
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生命保険を活用した節税のリスクとキャッシュフロー管理の重要性:企業経営者が知っておくべきポイント
2024.10.10
かつて、生命保険を使った節税策は「節税の王道」として多くの経営者に利用されていましたが、
国の規制強化により、その効果は大きく変わってきています。
特に、「バレンタインショック」や「ホワイトデーショック」と呼ばれる規制は、
多くの企業が利用していた「節税保険」と呼ばれていた商品の販売停止を引き起こしました。
このような背景から、生命保険を利用した節税策は、慎重に検討する必要があります。
現在は、節税を売りにした生命保険は、ほぼ全てなくなってしまいましたが
現在でも「1/2損金」みたいな保険は存在しています。
その保険自体が、良い・悪いということではなく、「誤った」もしくは「知らなかった」
ことによる、企業に与えるダメージをお伝えします。
多くの企業はもちろん、生命保険を販売している人間も多くの人たちが
「財務」の知識不足により陥っている部分です。
少なくとも私は、一度もこのことを「生命保険会社の人間」からも聞いたことはありません。
生命保険と節税:過去の規制強化による影響
かつては「節税保険」として、企業が保険料を経費として処理しつつ、
解約時には一定のキャッシュが戻ってくるという仕組みの生命保険が広く使われていました。
しかし、これが税制の「抜け道」として問題視され、国が規制を強化。
これにより、保険会社も販売を停止することを余儀なくされ、「名義変更プラン」なども同様に封じられました。
なかには度が過ぎて、金融庁からお灸を据えられた生命保険会社もあります。
そのため現在の生命保険の「設計書」なるものには、
「この保険は、節税できませんよ」と書いていると思います。
節税より重要な「キャッシュフローの管理」
生命保険の「半損定期保険(1/2損金保険)」などは、保険料の半分を経費として落とし、
残りの半分を資産計上するとなっていますが、この資産に計上している部分の保険料は
決算書のどこに出てくるでしょうか ?
答えは
一般的な中小企業の決算書には「どこにも出てこない」 です。
これが、生命保険に関して言えば、企業経営、特に「現金」に与えるインパクトが大きいところなのです。
何故、大きいのか。 それは
「税引き後の利益から保険料の半分を支払う」からです。
税引き後利益とは、文字の通り税金を支払った後に残ったお金。
つまりは、「手持ちの現金」にあたるお金です。
この税金を含めたすべての支払いが終わった後に残るお金は、
最も代表的なものとして、銀行への借入金の「元本返済金」の支払い原資となります。
多くの会社が、銀行からの借入をして、会社を回していると思います。
そして返済をし、信頼を積み重ねることにより、繰り返し融資を受けていると思います。
そこに、輪をかけて、生命保険の資産計上部分の保険料がのしかかる。
多くの企業がこの事実に気づかずに、また、保険募集人がこの事実を知らずに
生命保険の契約をしているのが残念ながら現実です。
保険料の支払いが会社の資金ショートの原因となるリスクの一つであることを
ご理解いただけたと思います。
正しい保険契約の見直しが会社の健全経営を支える
保険契約は、「保障」を第一に考えつつ、キャッシュフローの管理も忘れないことが重要です。
経営者として、節税目的だけにとらわれず、財務戦略全体の一部として保険を活用するべきです。
保険契約が会社の資金繰りにどのように影響を与えるかを確認し、
不要なキャッシュアウトを避けるための判断が求められます。
もし、「自分の会社はどうなっているのか」確認してみたいという方がいましたら
ホームページの「問い合わせ」から、ご連絡下さい。
たった1枚の紙に書かれた、ブロックを使い、だれでも簡単に自社の財務状態が
一瞬で理解できる資料をお渡しいたします。
「隠れたリスク」発見しませんか?
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社長!確認してください!会社にとって必要な節税戦略とリスク ②
2024.10.08
いつもご訪問ありがとうございます。
今日は、世の中で広く言われている「節税」の際のポイントや
誤解されがちな点について、解説していきます。
節税の基本: 利益を抑えるだけでは不十分
節税の基本的な考え方は「利益を抑える」ことにあります。
しかし、ここで重要なのは、「キャッシュフローを確保しつつ節税を行う」という視点を忘れてはならない点です。
法人税は「所得」に基づき計算されるため、税負担を抑えるために利益を調整することは有効ですが、
現金(キャッシュ)を失ってしまうような節税策は企業にとって逆効果になりかねません。
しかし、残念ながら「キャッシュアウト」を伴わない節税対策と呼ばれているものは非常に少なく、
また、「利益の繰り延べ」にしかなっていない節税対策なるものは大変多く見られます。
キャッシュフローを優先する節税の重要性
会社が倒産する最大の理由は「キャッシュが途切れたとき」です。
そのため、節税を考える際に最も重要なことは「キャッシュを一定程度維持しながら、税負担を減らすこと」です。
また、利益を投資などで繰り延べる節税策がありますが、これは長期的な視点で判断する必要があります。
企業経営は、山あり谷ありです。赤字の際にも続けていくべき対策なのか
赤字の際に活用できるリソースとして(赤字の補填)、使えるものなのかなど、あらかじめ確認しておくことが大切です。
決算書に表れない隠れた出費に注意
節税を行う際には、決算書上に出てこない「隠れたコスト」にも注意が必要です。
たとえば、借入金の返済や損金算入できない生命保険料などは大きな出費となり得ます。
これらを無視して節税を行うと、結果的にキャッシュが不足し、「自転車操業」に陥るリスクが高まります。
キャッシュを守る節税を
節税策を検討する際には、「利益を抑えるだけ」ではなく、キャッシュフローを守りつつ実行することが不可欠です。
また、節税のタイミングや方法については、経営者が慎重に判断する必要があります。
しっかりとした財務戦略を持ち、企業の成長を促進するための節税を実践しましょう。
関連ページ
正しい節税とは?社長!確認してください!節税戦略とリスク ① – (有)佐藤保険事務所 (sato-insurance.jp)
まじめに書いてます!
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無借金経営を目指すべきか?借金は本当に悪いのか?
2024.10.01
「無借金経営をしたい!」と思うのは、多くの経営者にとって目標です。
では逆に、借入金が多い会社はダメな会社でしょうか?
答えは「NO」です。
借入金の有無やその額が、会社の良し悪し判断する理由とはなりません。
借入金と会社の実態:A社 vs. B社
例を挙げてみましょう。
A社: 借入金1億円、現金1億円
B社: 借入金0円、現金0円
新規で取引するとしたら、どちらの会社と取引したいですか? 答えは明らかでしょう。
どちらも自前の資金はゼロですが、B社とは取引したくないはずです。
A社は現金があり、借入金を全額返しても資産は残らなくとも倒産しない状況です。
一方B社は、ほんの少しのアクシデントや予定外があっただけで、一瞬で資金ショートします。
このように、借入自体が悪いわけではありません。
「借りたお金を返せない」とが問題となるです。
だから、将来の利益を見込んでの借入は健全な資金運用といえます。
借金を溶かさないことが大事
借入は「将来の利益の先食い」と言われることがありますが、
それは、銀行が「将来的に返済できるだけの利益を生むだろう」と見込んで貸していることから見ても明らかです。
借りたお金を事業拡大や新製品開発に使い、結果として利益を生めば問題ありません。
しかし、赤字補填のために借入金を使うと、資金が溶けてしまい、お金がなくなります。
だから、経営が苦しい時に「お金を貸してくれ」と頼んでも、
銀行はお金を貸せないのです。お金が消えてしまう(溶けてしまう)リスクを理解しているからです。
その観点からみて、「コロナ融資」は異常な融資であると言えます。
はじめから、溶けてなくなったお金を補填する目的の融資です。
だからこそ、「返済不能」に陥る企業が増えるぞと言われているわけです。
将来生まれるであろう「利益」を見込んでの融資ではないのですから
そうなるのは、当然とも言えます。
実質無借金経営のすすめ
では、中小企業が目指すべき、財務状況とは、どんな状態でしょうか?
もちろん最終的には、運転資金から設備投資まで全てを自己資金で補えるのが理想ですが
そんな簡単なものではないとことは、みなさん承知だと思います。
では、まず目指すべき姿はといえば、やはり 「実質無借金経営」ではないでしょうか。
多くの専門家も推奨しています。
これは、現預金と有利子負債がバランスする状態を指します。
たとえば、A社のように、手元資金が借入金と同額ある状態を指します。
専門用語など使わずに言えば
銀行から「すぐに、融資したお金、全額返して」と言われても
「はい、どうぞ」と返せる状態です。
余談になりますが、全額返すと手元資金が「ゼロ」となりますが
銀行からすれば、銀行の収益である「利息」が「ゼロ」となりますから
困ってしまうのは銀行となります。
企業は、別の銀行から借りればいいだけの話です。
銀行との付き合いの重要性
前段で少し銀行をディスってしまいましたが、銀行との健全なお付き合いは大変重要です。
健全なお付き合いとは、「お金を借りて、ちゃんと返す」こと。
「無借金経営」は一見魅力的ですが、「実質無借金経営」の方が「健全なお付き合い」ができます。
理由は、銀行との取引関係が維持されているからです。
銀行との健全な関係がなければ、急な資金調達が必要な際に審査に時間がかかり、
ビジネスチャンスを逃すことがあります。
健全なお付き合いを保ったうえで、定期的に資金繰り表を提出するなど、
日頃から銀行との健全な関係を築いておくことが重要です。
最後に
借りたお金を返すことは、当たり前ですが大切です。
しかし、経営者の仕事は、借りたお金を返すことではありません。
借りたお金を必要なところに投資し、「さらに増やす」ことにあります。
ですから、無用に借金を怖がる必要はありません。
自社の体力(返済能力や資金力)に応じた借入金を把握した上で
正しい資金運用とキャッシュフロー管理が、会社の長期的な成長に繋がります。
まずは、自社の状況をしっかり確認してみよう
2025.05.09

いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にしたい」
そのために、一生懸命書き続けます。
昨日、地元の水産物販売などを
メインとした会社が倒産したという
ニュースが流れた。
従業員が新会社を設立し、販売部門を引き継ぐ
ようですが取引先等がスムーズに
取引してくれるのかは、疑問視されます。
どうか、頑張ってください。
二度と同じことが起きないよう
しっかりと「会社のお金」の勉強をし
強い会社を作ってください。
先日、B/S全体を図形によって把握する方法を
書きましたが、本日は、
B/Sの勘定科目を使った「自社の体力測定」の方法
を書いてみようと思います。
(前回の記事)
https://sato-insurance.jp/blog/377/
本題に入る前に、大切なことなので
繰り返し言います!
「会社は、P/L(売上)ではなく、B/S(資金・現預金)で倒産します」
新聞等のメディアには「コロナにより売上急減」や
「融資残高」つまり「借金の額」などの
数字がピックアップされますが
誤解を恐れずに言うのなら
「売上が減る」や「借金が多い」は
倒産の直接的な原因ではありません。
「そんな、馬鹿言ってんじゃない」という方
日産を見てください。2024年度の決算予測が
7500億の巨額な赤字ですよ。
(うち、5000億程度は減損損失)
しかし、全く「倒産」だなんて聞きません。
どころか、発表後一時株価が上がりました。
何故か?
2024年3月末の時点で現預金が
「1兆8000億円」あるからです。
もし、現預金が8000億円しかなかったら
そりゃもう、大騒ぎとなるはずです。
「うちは売上があるから大丈夫」
「うちは売り上げが上がっているから大丈夫」
そう思っていませんか?
本当にそうでしょうか?
決算書上は利益が出ていても、
ある日突然資金ショートに陥ってしまい、
黒字倒産してしまう企業は少なくありません。
実際、倒産した会社の約5割が
「P/L上は黒字」だと言われています。
企業の「本当の体力」は売上や利益ではなく、
「現金(キャッシュ)」なのです。
もし明日、仕入先への支払いができなくなったら?
従業員の給与が払えなくなったら?
いずれも事業の継続は極めて難しくなってしまいます。
経営者はまず、「会社の体力=資金力」を測るために
次の3つの指標を押さえください。
そのうえで資金繰りを改善するための
具体的なアクションをわかりやすくご紹介します。
今のうちに会社のお金の「見える化」を進めておけば、
いざという時にも柔軟に対応できるでしょうし
その「いざ」がいつ訪れるのかを把握できます。
1.会社の資金体力を把握する3つの指標
① 運転資金の残り月数(資金繰りの耐久度)
「運転資金の残り月数」とは、
現預金が毎月の固定費もしくは、月商に対して
どれほどの期間を支えられるかの目安です。
計算式は至ってシンプルで、
「現預金 ÷ 毎月の固定費」
最低でも3か月分が望ましく、
できれば6か月分を確保しておくと安心です。
コロナのような自力では防ぎようのない現象や
仕入先や取引先の突然の倒産による売掛金回収不能
大口取引先との取引消滅などの際にも
数か月の余力があれば立て直しや
銀行からの資金調達などの猶予が生まれます。
もし、どうしても現金は持ちたくないという方は
「当座貸越」の設定にチャレンジしましょう。
詳しくは書きませんが、銀行への十分な信用力があれば
可能です。
② 売掛金サイトと買掛金サイトのズレの確認
売掛金が回収できるのが3か月後なのに、
買掛金の支払いは2か月後……。
このように、入金サイトと出金サイトにズレがあれば、
その分1か月分の資金が不足してしまいます。
図や表を使い、今後のキャッシュフローを予測してみると、
このギャップが一目瞭然。
入金と出金のタイミングを調整できれば、
資金ショートのリスクを減らせるのです。
一番いい状態は「売掛金が先 買掛金が後」
Amazonは、その代表格と言えます。
売掛金回転率が12.5回/年
買掛金回転率が4.38回/年
(2023年度の財務データから算出)
年間4.38回支払い 12.5回入金がある
羨ましい限りです。
③ 毎月の資金繰り表の作成
会社のキャッシュを安定的に回すには、
「今後どれくらいの入出金があり、
いつごろ現金が不足するのか」を
見える化する必要があります。
そこでおすすめしたいのが、
1か月単位の資金繰り表の作成です。
まずは、ザックリでも構いませんので、
翌月以降の現金残高をシミュレーションしてみましょう。
早めに危機を察知できれば、
金融機関への借入打診や、支出の削減など、
手を打つ時間が十分に取れます。
とはいえ、資金繰り表を作っている中小企業は
非常に少ないのが現実です。
理由としては
「そもそも、作り方がわからない」
「伝票類が整理されていない」
「時間がない」 などなど
上記の問題を1発で解消するとすれば
売掛の伝票を毎日整理する「仕組み」を作ったうえで
経理の専門職の人間を雇うこと
これが一番早い解決策です。
そのうえで、可能であれば会計事務所と連携した
会計ソフトを導入すれば、ほぼ完璧です。
「・・・・・・年間何百万の支出増」
厳しいですよね。
現実的な解決策としては
「1日10分だけ、時間を空ける」(伝票整理)
これだけです。
可能であれば「出納簿」をつけましょう。
そして、月が明けたら整理した伝票と出納簿を
会計事務所に即提出
「勘定元帳」を作ってもらったうえで
会計事務所や私たちのようなコンサルタントに
資金繰り表を作ってもらいましょう。
どのような資金繰り表になるかは
それぞれなのでわかりませんが
例えば私なら、資金繰り表をもとに
事業計画や資金計画、銀行借り入れの際の資料などに
なるような資金繰り表を作ります。
デメリットとしては
会計事務所もしくはコンサルタントへ
新たな報酬の支払いが発生することです。
しかし、経営者と一緒になり経営計画を立てたり
銀行交渉の手助けができたり
社長と社員の数字に対する「意識のズレ」を
修正してくれたりしてくれれば、
支払った報酬以上の成果が生まれるでしょうし、
なにより、経理担当者を雇用するより、遥かに低額で
「社長の右腕」を得ることができるメリットが生まれます。
3.資金体力を改善する3つのアクション
① 無駄な支出の削減
まず手を付けやすいのは、固定費の削減です。
オフィスの家賃や通信費、サブスクリプション契約など
不要な出費はないか、定期的に洗い出しましょう。
なお、固定費の代名詞である「人件費」
ここに手を付けるのは最後にしましょう。
現在の売り上げの減少はもちろん
将来の会社の成長の芽を摘み取ってしまう
可能性があります。
確かに経費削減としては、効果が高いですが
「もろ刃の剣」であることをお忘れなく。
「人件費」は「コスト」ではなく「投資」である。
基本はこのスタンスで経営にあたりましょう。
② 入金サイトの短縮/出金サイトの交渉
取引先との契約内容を見直し、
入金サイトを短縮できるよう交渉することも一案です。
また、支払いサイクルを後ろ倒しにできるよう、
仕入先と相談するのも有効。
お互いの信頼関係を大切にしつつ、
少しでも資金ギャップを埋める努力が必要です。
とはいえ、こんな教科書的なこと言っても
当たり前すぎますし、上記は全て「相手」がある話です。
つまりは、自分の努力だけでは解決できないことです。
そこで、「一人支払いサイクル改善作戦」
自社の商品や在庫1点1点を見直しましょう。
「受注販売できるものはないか?」
もしくは、「その体制に移行できそうなものはないか?」
「数年に1度くらいしか、売れない商品はないか?」
販売機会をロスする可能性はありますが
こまめな仕入れや在庫整理は
確実に利益やキャッシュ増に貢献します。
しかも、自社の努力だけでできることですから
「やらない」という選択肢はないはずです。
③ 資金繰り表や借入残高一覧表の作成
資金繰り表の作成、銀行への提出は
みなさんが思っている以上に銀行へのアピールになります。
インパクトや破壊力があると言ってもいいでしょう。
また、借入残高一覧の作成により
信用保証枠の事前確認や適切な借入方法への転換が
一目でわかるようになります。
プロパー融資や当座貸越の設定など
金融機関との交渉時にも役に立ちます。
銀行担当者に見せることにより
思わぬ好条件の融資の紹介などの
きっかけとなりますので、お勧めです。
このようにして、金融機関と日頃から関係を
築いておくことがポイントです。
「借入残高一覧表」フォーマット
各種書式ダウンロード | 南日本銀行
(金融機関取引状況表)
他にも、たくさん無料のものがあります。
「資金繰り表ってどう作ればいいの?」
「自社の資金耐久月数を知りたい!」
そんな方は、お気軽に無料相談をお使いください。
今すぐ「資金の見える化」を始めましょう。
本当の意味での「強い会社」を目指して一歩を踏み出しましょう。
この本「お勧め」ですよ
2025.03.25

いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にしたい」
そのために、一生懸命書き続けます。
3月決算という会社は多いと思う。
既に、新年度の計画を立てている会社もあれば
今まさに作成中なんて会社もあれば
「計画を立てたことがない」もしくは
「立て方がわからない」という会社もあると思う。
そんな時期だからこそ、本日は「会社のお金」に対する
言われてみれば当たり前だけど
多くの経営者が無意識にやってしまっている「思考」
について書いていこうと思う。
「お金」には2つの考え方がある
あなたは、会社のお金をどのように捉えていますか?
「収入-使ったお金=残ったお金」
多くの人が、無意識にこのような式を
思い浮かべているのではないでしょうか。
しかし、この考え方は、
事業を成長させ続ける上で大きな落とし穴になりかねません。
真に事業を成長させ、安定した経営を実現するためには、
「収入-必要なお金=使えるお金」
この式で考える必要があります。
「残ったお金」は受け身、「使えるお金」は攻め
「残ったお金」は、収入から様々な経費や支払いを差し引いた
「結果」として残ったものです。
ここには、計画的に事業を成長させよう、
積極的に投資しようという意図は見えません。
いわば受け身の姿勢で生まれたお金と言えます。
「収入-使ったお金=残ったお金」という考え方は、
一見すると理にかなっているように思えます。
実際、多くの人は家計管理や個人の小遣い管理で
同じ発想を用いているかもしれません。
確かに、日常レベルでの管理ならば
この程度の管理や意識でも、大怪我はしません。
しかし、経営という視点で考えると、
この方法ではリスク管理が甘くなる可能性があります。
最初に“使うだけ使って”しまうと、
あらためて必要な費用を支払う段階になって
「資金がショートしてしまう」事態が起こりやすくなります。
特にビジネスには売上のタイミングのズレや、
仕入れや外注費の支払いサイトなど、
予想と実際がずれる要素が多分にあります。
そのズレがあることを前提として、
あらかじめ必要なお金を守る仕組みを作る必要があるのです。
また、この「残ったお金」の考え方ですと、
気になるのは「今月はいくら残ったか」ということになり
「お金が残ったら、〇〇をする」というような思考となり
ビジネスチャンスや経営者や社員への投資が
結果的にできない、しないことにつながります。
よくある話ですが、経営者向けの勉強会などに参加する際に
なかなか会社を上手く成長させられていない経営者は
「今は、お金がないから、お金が準備できたら参加します」
とおっしゃいますが、後日、
お金ができたから参加するという方は、ほぼいません。
理由は簡単で、「収入-使ったお金=残ったお金」思考では
最終的にお金が残らないことが多いからです。
一方、「使えるお金」は、あらかじめ事業計画に基づいて
明確な目的のために確保されたお金です。
新たな設備投資、人材育成、新規事業開発など、
未来に向けた攻めの投資を行うことで、
さらなる収益を生み出すための原動力となります。
先ほどの勉強会の話にしても
会社をうまく成長させている経営者は
参加意思の表明がとても速い方が多いです。
そのため、多くの勉強会の募集期間は
とても短く設定されているものが多いのです。
募集期間を1か月で設定しても1週間で設定しても
参加者の数は、ほとんど変わりません。
「使えるお金」を増やす方法とは
「使えるお金」を生み出すために最も重要なのは、
「必要なお金」を明確化することです。
短期的な視点での「必要なお金」とは
毎月の運転資金や人件費、家賃、光熱費などの固定費、
そして仕入れ費用や広告費といった変動費など、
事業を維持するために必要な費用です。
一方、長期的な視点での「必要なお金」とは
事業を成長させるための設備投資、
新規事業開発、人材育成、マーケティング、
また、コロナやリーマンショックのような
自身の力では防ぎようのない、
不可抗力的で予測不能な事態
に対応するための「内部留保・貯金」など
未来への投資や備えに必要な資金です。
これらの必要なお金を洗い出し、
具体的な金額を設定し把握することで、
初めて「使えるお金」の範囲が見えてきます。
これにより、「適切な時期に、適切な金額を、適切な場所に」
投資することが可能になり会社の成長の原動力となります。
まとめ
事業を成長させるためには、
「収入-必要なお金=使えるお金」と考え、
まずは重要な支出と貯蓄・投資を
先に確保する仕組みをつくることが効果的です。
そのうえで、残ったお金を自由に使えるようにすれば、
お金のリスク管理も万全ですし、
安心して新しい挑戦や投資を行うことができます。
反対に「収入-使ったお金=残ったお金」
という考え方から抜け出せないと、
常に“残り”を気にするがゆえに、
不意の出費や機会損失を起こすリスクが高まります。
ぜひ、あなたのビジネスでも
「先に必要なお金を確保する」手法を導入してみてください。
毎月の資金繰りがクリアになり、
戦略的に投資を行える安定基盤ができるはずです。
事業を次のステージへ引き上げるためにも、
この考え方を習慣化し、ゆとりある経営を実現していきましょう。
ゆとり?いや「油断」しすぎですよ
2025.03.19

いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にしたい」
そのために、一生懸命書き続けます。
「うちは黒字経営だし、銀行とも問題なく取引できている。
なのに、なぜか資金繰りが厳しい」
そんな悩みを抱えている経営者の方はいませんか?
実は、それは「決算書で見るべき数字」を
誤っている可能性が高いのです。
本日は、黒字経営でも資金繰りが苦しくなる
意外な落とし穴について解説します。
利益が出ているのに資金繰りが厳しい?そのワケは?
企業の資金繰りを左右する重要な要素の一つに
「キャッシュフロー」があります。
簡単に言うと、手元資金の出入りを表す指標です。
簡易なキャッシュフローは、以下の式で計算できます。
当期税引き後利益 + 減価償却費 = キャッシュフロー
健全な資金繰りのためには、このキャッシュフローが、
とても大切な数字となります。
実は、ここを確認していない経営者は意外と多いのです。
経営者の方はよく「損益計算書」(P/L)は
確認していると思います。
P/Lの中でも「営業利益」や「経常利益」の確認をし
たくさん利益が出ていると「節税」が頭をよぎり
車や、そのうち使う備品を購入したり
保険やリースなどを契約なさったりすると思います。
しかし、上記のキャッシュフローとは、
P/Lの一番最後にある「税引き後利益」が基礎数字
となります。
その数字に、「減価償却費」を足した数字ですから
決算書を見ただけでは、決してわからない
書いていない数字なのです。
では、その書いていない数字である
キャッシュフローと言われるお金から出ていくものは
どんなものがあるのでしょう?
まずは、「銀行からの借入金の元本部分の返済金」
利息部分は経費となりますが
元本部分は経費ではなく「最後に手元に残ったお金」からの
返済となります。
これ以外ですと、「将来の設備投資など計画的に貯めるお金」や
予期せぬ事態が発生した際に会社が「生き延びるためのお金」
生命保険の「資産計上部分にあたるお金」
などとなります。
「銀行への返済がきつい」と感じる原因は
これなのです。税金も支払った後に残った
「乾いたタオル」であるお金から支払っているのです。
では、資金繰りを改善するためには
どんなことを実行すればよいのでしょう。
1.キャッシュフローの確認
2.毎月の銀行への返済額の確認
3.会社の将来への貯金目標額
4.生命保険の資産計上分の金額
5.銀行からの借入金の借り方の変更
最初に書いときます。5番に関しては
ここには書きません。長くなるので。
しかし、効果は「爆発的」にあります。
キャッシュフローを意識した経営をなさるならば
細かなことはおいておいて、
まずは上記の4つを確認しましょう。
4つの数字を確認できたら、
キャッシュフローの金額から、2~4番を引いてみましょう。
1-2-3-4
この計算式の答えがプラスなら
キャッシュフローが健全であるということです。
しかし、残念ながら、多くの中小企業では
マイナスやほぼ0という企業が多いのが現実です。
マイナスはおろか、ほぼ0とは
家庭で言えば「貯金0」ということになります。
どうですか?
生きていくうえで、貯金0円の生活て。
会社経営なら平気だが家庭に置き換えると、
その危うさを実感なさると思います。
これが、マイナスとなるとどうでしょう?
家庭において、毎月のお金が足りないとなると
どこにお金を借りに行くでしょうか?
銀行に「生活費が足りないのでお金貸してください」
と言っても、貸してくれませんよね。
ところが、これが「会社」となると銀行は「融資」
と言う名のもとに、お金を貸してくれます。
そして毎年、足りないとなると「返しては借りる」
ということを繰り返します。
ここで、経営者は、お金が借りれるので、
つい安心してしまいます。
しかしここで立ち止まって、考えてみてください。
「もう貸しません」と言われたら、どうなるのかを。
通常の流れとして、貸してもらえなくなったら、
それまで社長個人が貯めていたお金を会社につぎ込みます。
やがて、そのお金は尽きます。
様々な、金策をし、お金をかき集めますが
それも、手が尽きます。
ゴールは、見えましたね。
最近は、そうなる前に「リスケジュール」という手段を
使うのが一般的です。
ざっくりいうと銀行に返済金額や期間の変更を願い出たりして
資金繰りを改善することです。
金融庁の指導の下、ほぼ全ての案件は承認されています。
しかし、当然ですが、リスケを承認してもらうためには
たくさんの資料を提出することとなりますし
提出した再建計画に沿って、会社を立て直す必要があります。
ここで、私が伝えたいのは
「財務状態が悪くなればなるほど、
たくさんの資料作成と費用がかかる」ということなのです。
本日の主題である「キャッシュフロー」の計算とは
比べ物にならないほど大変な思いをします。
当然、読者のみなさんには、そんな思いを
してほしくないので、キャッシュフローが
「プラスかマイナスか」は是非、
確認していただきたいと思います。
解決策はないの?
当然あります。
企業ごとに様々なので基本的には
私たちのような財務の専門家の力を借りて
どこに手を打つべきかをみつけ
地道に改善していくことをお勧めします。
なので、ここでは一般的な解決策を書きます。
1. 節税をしない
2. 資金繰り表をつける
3. 借入金の「借り方」を変える
4. 生命保険の上手な「見直し」
5. 手を付けるべき経費はどこか見極める
1と2は、専門家の手を借りなくてもできます。
3と5は、専門家と一緒にやるのが賢明です。
4に関しては過去のブログを参考にしてください。
とはいえ、財務に精通した保険担当者がいると
心強いでしょう。
https://sato-insurance.jp/blog/255/
重要なのは、現状を正しく認識し、
経営者自身が財務の知識が十分ではないのなら
早めに専門家に相談することです。
とかく財務に関しては
「明日、会社が倒産するわけではないし・・・」と
「重要だけど、緊急ではない」問題として認識してしまいます。
また、多くの経営者は、
資金繰りの厳しさに漠然とした不安を抱えながらも、
「こんなものかな」と諦めてしまいがちです。
そんな経営者に提案です。
財務に関わらず「重要だけど緊急ではない」物事に
着手するための考え方として
まず手始めに「周りの人」を見てください。
配偶者や子供、社員、取引先、ロータリー・ライオンズの仲間
商工会議所や法人会の仲間 などなど
あなたの会社に万が一のことがあった際に
どれだけ多くの方に迷惑や心配をかけますか?
ましてや、配偶者や子供に大変な思いは
してほしくないはずです。
そうです! 「あなたのために」行動は起こせなくとも
「周りの大切な人」のためになら
行動を起こせるはずです!
後回しにせずに、今度こそ一歩前に踏み出してみましょう。
その一歩が、「大切な人を守る一歩」となります。
「ライバルの一歩前に出る」こととなります。
私が応援します。声かけてください。
「力の限り、かじります!」
「か、硬ったいな~」
2025.01.27

いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にしたい」
そのために、一生懸命書き続けます。
では、スタート!
前回のブログで「収支分岐点売上高」と「損益分岐点売上高」の
簡単な出し方について書きました。
https://sato-insurance.jp/blog/278/
今回は、計算した数字を、
実際の経営にどのように活かすかについて
書いていこうと思います。
「収支分岐点売上高」と「損益分岐点売上高」の
話の前に、よくある話をします。
「利益」と「現金」の違いです。
わかっている方は、飛ばして下さい。
よく経営者の口から出てくる言葉に
「利益は出ているんだけど、思ったように現金が増えない」
があります。
いわゆる「稼いだ金は、どこに行った?」です。
一言で言えば「利益と現金は違う」となってしまいますが
わかりやすく違いを書きます。
「利益」とは
企業が一定期間(多くは1年間)に得た収入(多くは売上)から、
経費や費用(変動費や固定費)を差し引いた残りの金額です。
これは、企業の経済活動の成果を示す指標であり、
損益計算書に書いてある数字です。
ここで大切なのは、利益は「金額」であり「指標」である
ということです。
言ってみれば「計算上の数字」ということです。
「現金」とは
現金は、企業が手元に持っている実際のお金を指します。
これは、銀行口座にある預金や、手元にある現金など、
すぐに使用できる資産です。
現金は、企業の流動性を示す重要な指標です。
もっと平たく言うと
格闘ゲームでいう「HP」つまり「残りの体力」のことです。
ゲームでも、HPが0になったらゲームオーバーですよね。
それと同じです。
ちなみに、「利益」が0になっても、
一般的な企業は、ゲームオーバーになりませんよね。
もっと言えば赤字になっても、ゲームオーバーとは
ならない方が多いはずです。
それは、実際の体力(HP)ではない証拠です。
ここだけ見ても、利益と現金は違うことがわかると思います。
この概念を踏まえた上で、読んでみてください。
1. 収支分岐点売上高:キャッシュフローの視点
収支分岐点売上高は、
企業の収入と支出が均衡する売上高を示します。
つまり、キャッシュの流入と流出が同額となり、
収支が「トントン」になっている状態を指します。
「トントン」と言えば聞こえはいいですが
実際の会社で言えば「顔が水面ギリギリ」
と言う方が正確だと思います。
すなわち「収支分岐点売上高」を下回った売上しか
上げれなかった場合「溺れる」ことになります。
特徴として
・ キャッシュフローに着目した数字
・ 資金ショートのリスクを把握できる
・ 短期的な経営判断に有効
・売上げ目標数字を立てる時に有効
実務での活用例
1. 経営戦略の策定
収支損益分岐点を把握することで、
企業はどの程度の売上が必要かを明確に理解できます。
これにより、価格設定や販売戦略を見直すことができます。
2. 投資判断
新しいプロジェクトや製品の導入を検討する際、
収支損益分岐点を計算することで、
そのプロジェクトが現金を生むかどうかを判断できます。
3. パフォーマンスのモニタリング
企業や商品のパフォーマンスをモニタリングできます。
原材料などが値上がりしている昨今
「本当の利益」言い換えると「現金」を生み出している
商品かどうかなどを知ることができます。
市場環境やコスト構造が変化が激しい今
この数値を把握することで迅速な対応が可能になります。
4. 価格戦略の見直し
製品やサービスの価格戦略を見直すことができます。
競合他社の価格や市場の需要に応じて、
価格を調整することで、利益を確保することが可能です。
2. 損益分岐点売上高:利益の視点
損益分岐点売上高は、売上高から費用を差し引いた
利益がゼロになる売上高を示します。
つまり、この売上高を超えると利益が生まれ、
下回ると損失が出るという、企業の収益力を示す指標です。
特徴として
・ 利益に着目した数字である
・ 企業の収益構造を把握できる
・ 長期的な経営戦略に有効である
実務での活用例
1. 経営計画の策定
損益分岐点を把握することで、企業は売上目標を設定しやすくなります。
例えば、固定費や変動費を考慮し、
どの程度の売上が必要かを明確にすることで、
現実的な経営計画を立てることができます。
これにより、資金繰りや投資計画も立てやすくなります。
2. 価格設定の戦略
損益分岐点を理解することで、
製品やサービスの価格設定においても
戦略的な判断が可能になります。
例えば、価格を「10円」引き上げるた場合に
どれくらいの利益が生まれるのかや、
競合他社との価格競争の際にも、
どこまでなら下げても「利益」がでるのかなどを
計算できます。
3. コストの管理
損益分岐点を基に、固定費や変動費の管理が行いやすくなります。
コスト削減のための施策を講じる際、
「どの費用を削減」すれば損益分岐点を下げられるかを
シミュレーションすることができます。
これにより、効果的で根拠を持った経費削減が可能になり
企業の成長の妨げになるような経費削減を回避することが可能になります。
4. 売上のシミュレーション
損益分岐点を用いて、異なる売上シナリオを
シミュレーションすることができます。
例えば、売上が10%増加した場合や、逆に5%減少した場合や
仕入れ値を@1円下げた場合、家賃を10%下げたらなど
様々な場面を想定した利益状況を予測が可能になります。
5. 投資判断
新規事業や新製品の導入を検討する際、
損益分岐点を計算することで、
その事業がどの程度の売上を必要とするかを把握できます。
これにより、投資の妥当性を評価し、
投資リスクを最小限に抑えることができます。
6. その他
現在の売上高と損益分岐点売上高を比べることにより
あとどれくらいまで売上が下がっても赤字にならないかや
企業の安全性を示す数値の1つとして「安全余裕率」も
はじき出すことができます。
これらは、企業の営業活動、ようは「売上高」が
赤字になるまでどの程度余裕があるかを示しています。
(利益率を変えない。目標売上高達成のための
値引き販売はしない前提の話です)
また、「目標利益」を達成するための売上高の設定も可能です。
長期の視点で計画を立てる際、
現金の出入りは、不確実性が高いと言えますので
中・長期の計画策定には、こちらの方が適していると言えます。
収支分岐点と損益分岐点を活用した経営戦略
収支分岐点と損益分岐点は、
それぞれ単独で活用するだけでなく、
組み合わせて分析することで、より効果的な経営判断が可能になります。
明確な違いは「現金ベース」か「利益ベース」なのかであり
双方とも、実際の活用方法に大きな差異はみつかりません。
よって例えば、新規事業を立ち上げる場合、
損益分岐点分析で長期的な収益性を評価すると同時に、
収支分岐点分析で短期的な資金繰りの
安全性も確認する必要があります。
また、既存事業においても、
損益分岐点を下げるためのコスト削減や販売価格の見直しを行いながら、
収支分岐点を意識した資金管理を行うことで、
安定した経営基盤を築くことができます。
それぞれの指標の特徴を理解し、
適切に活用することで、企業は収益性と安全性を
両立させた経営を実現することができます。
兄弟(本物の兄弟です)で1つの「目標?」見つめてます
2025.01.07

さぁ!本日も「日本中の中小企業を元気にする」
ミッション達成に向けて
一生懸命書きます。
では、スタート!
「会社で契約している生命保険、解約しようか迷っている…」
3月の決算に向けて、そろそろ考える時期に突入してきます。
生命保険の販売サイドも「作戦会議開始」でしょうか。
会社契約の生命保険は本来、会社の財務状況の確認はもちろん
社長の夢やビジョンや計画に即した設計が必要となりますが
残念ながら、販売サイドにそこまでの能力が備わっているのかは
はなはだ疑問です。
とはいえ、世の中には「法人契約」と言われる生命保険は
たくさん存在しています。
入口(契約時)の時に多い悩みは「保険料」
出口(解約時)の時に多い悩みは「解約返戻金」
会社で契約した生命保険に対する悩みの多くは
この部分かと思います。
しかし、「ちょっと待ってください!」
契約を解約してしまう前に、
「解約以外の賢い活用法」があることをご存知ですか?
解約は最後の手段。保険をもっと戦略的に活用することにより、
会社の財務状況を改善したり、
社長の夢や目標へ近づくことが可能になります。
このブログを読み、一度立ち止まって考えてみて下さい。
法人契約の生命保険に対する考え方
まずは、大前提としての話です。
一昔前まで「節税になる」と人気だった「損金タイプの生命保険」
しかし、実際には「節税」になっているわけではなく
あくまで「利益の先延ばし」になっているだけということを
確認しておきましょう。
この話をすると「赤字とぶつければ節税になる」と話す専門家も
いますが、そもそも、赤字の時を考えるのならば
損金タイプの生命保険を契約してはいけません。
赤字ですから、税金を納める必要がないので
契約時に渡される設計書の通りの節税効果はありません。
ましてや、赤字なのに外部に
「キャッシュアウト」している場合ではないはずです。
また、昨今は「保障がついている投資保険」が発売されていますが
このような保険自体が良い悪いではなく
経営者として会社のお金を「本業以外の投資」に使うのは
そもそも論として「アウト」です。
考えてみてください。
あなたが銀行員だとして、そのようなお金の使い方をしている経営者に
お金を貸したいと思いますか?
私なら、貸しません。「貸したお金が何に使われるかわからない」
ということは、「返してもらえるかわからない」
ということになってしまいますから。
もちろん一方で「契約すべき生命保険」も存在しています。
どこの生命保険会社でも販売しています。
「他人や家族に迷惑を掛けない」
これこそが、経営者として必ず契約すべき生命保険です。
説得力ある根拠の元に提案ができる「生命保険募集人」を探しましょう。
いかがですか?
「たかが保険」ですが、見る人が見れば
人柄まで透けて見えるものなのです。
解約以外の賢い活用法
1. 保険料支払猶予期間を上手に使いキャッシュフローを改善
まず、法人契約の生命保険は「決算月」に契約しましょう。
支払い方法は、「振込」を選択です。
その上で、「保険料支払い猶予期間」を上手に活用しましょう。
「支払い猶予期間」とは、読んで字のごとく
支払いを猶予してもらえる期間のことです。
保険会社や契約内容によって異なることがあるかもしれませんが
概ね「最大で2か月間」猶予期間が設けられています。
この制度の使い方ですが、
「3月決算」で「保険料支払日も3月」の場合
「今期は赤字」ならば、3月の保険料支払いをやめます。
そうするだけで、決算書が「赤字」から「黒字」へ変わることも
ありえますし、少なくとも赤字幅は小さくなります。
当然、銀行融資や信用取引などに対しても
良い効果が生まれます。
また、「半分損金・半分資産」の契約なら
資産計上分の現金が手元から出ていきませんので
キャッシュフローにも良い影響があります。
保険料は、決算が終わった4月か5月に支払いましょう。
2. 「失効」を活用して、上手に資金コントロール
生命保険には「失効」という制度があります。
失効とは、保険契約を解約せずに、保険の効力を一時的に停止する方法のこと。
これにより、「最大で3年間」解約を先延ばしすることができます。
ただし、失効中は保険の保障機能が停止するため、注意が必要です。
つまり「死亡保障はなくなる」ということです。
この制度の上手な使い方は、たくさんありますが
一言で言うと
「当座の資金需要がない時に保険の現金化を先延ばしできる」
と言えます。
予定より、勇退時期が伸びた時や予定の設備投資の延期など
様々な場面で活用することができます。
ただし、ご注意いただきたいところがあります。
この制度は、恐らく、いや確実にあと数年しか使えません。
金融庁が目を付けましたし、保険会社によっては来年から
「失効は、即時強制解約とする」みたいなこと言っています。
いずれにしても、常に情報アンテナを高く張っているような
「生命保険募集人」とのお付き合いが肝要かと思います。
3. 緊急時には「契約者貸付制度」で資金調達
「今すぐ資金が必要だ!」
そんな緊急時には、「契約者貸付制度」を利用しましょう。
これは、解約返戻金の7~8割程度を保険会社から借りることができる制度です。
無審査で、スピーディーに融資を受けられますし
自社の積み立てたお金を現金化しているだけですから
最悪、返済しなくてもよいこともあります。
ただし、掛け捨てタイプの生命保険など、
解約返戻金が少ない保険には利用できない場合があります。
「自分の会社の保険で、どの制度が使えるの?」
そう思った方は、保険証券や決算書を確認してみましょう。
「解約返戻金の推移」や「保険積立金」といった項目があれば、
いわゆる「貯金」となっている部分の有無や
おおよその金額の目安がわかります。
もちろん、保険会社に直接問い合わせるのが一番確実です。
信頼できる専門家との連携を
今回ご紹介した内容は、あくまで一般的な情報です。
保険の契約内容や保険会社によって
使える方法が異なりますし
その時の自社の状況によって最適な方法は異なります。
自社の置かれている財務内容やその時の状況を把握している
信頼できる士業や保険募集人と連携し、
あなたのビジネスに最適なアドバイスや情報を提供してもらいましょう。
特に、最近では税務当局もこれらのスキームを厳しくチェックしています。
安易な情報に飛びつかず、必ず専門家の意見を聞くようにしてください。
いかがでしたか。
本日は生命保険の賢い使い方の一例をご紹介しました。
生命保険は「個人」「法人」を問わず
「そこから先の夢やライフプラン」に沿ったものを契約しましょう。
「なんとなく」や「付き合いで」などの理由で契約していた
バブリーな時代は、とっくに終わっています。
「あなた亡き後」や「あなたの会社の大切なお金」を託す。
生命保険とは、それくらい大切な「人生や社会の部品」です。
たまには、まじめな顔することもあります!
2024.10.28

先日、生命保険の保険料の「出どころ」について触れましたが、
本日は、財務体質の強い会社になるための1つの方法をお伝えします。
たとえ専門家が傍にいなくてもできることですので
「稼いだ金は、どこに消えた?」「利益が出ているのにお金が増えない」
「もっと銀行交渉を有利に進めたい」など
疑問や希望をお持ちの方は、ご覧ください。
1. 「節税」の実態と利益確保
まず、前提として「節税は、けしからん!」と言っているわけではありません。
私だって、できることなら税金は少なくしたいと思っています。
しかし、現実には「節税」と言われているものの多くは「利益の繰り延べ」に
すぎないことが多いのが現実です。
もちろん、節税による手残り増加の手法も存在しますが、
私が知る限り、そのような優れた節税を実施できる専門家には
多額の顧問料が発生します。「年間数百万円の顧問料」が必要となり
その金額以上の節税効果がなければ、意味がないケースがほとんどです。
更に、節税できる金額の「約3倍」の利益を「毎年出す」ことが必要なうえ
決算直前に慌ててできるものには、節税効果が小さなものが多いので
裏を返せば、毎月きっちりと数字を管理できている会社でなければ
期待している効果をあげることはできません。
この前提から考えると、これだけ先が不透明な時代に
節税が本当に必要で、その効果が期待以上のものになるのかは疑問が残ります。
2. 「お金」で確認してますか?
確かに「節税」という言葉は、耳障りはイイ。
では、しっかりと「お金」の貯め方の方向からみているだろうか?
簡単な考え方なので、ぜひ覚えていただきたいと思う。
仮に税率を30%とすると、「30万円の節税」のためには、
どれだけのお金を使う必要があるだろうか?
答えは、簡単ですよね。
そうです「100万円」
100万円の利益を潰す、つまり、手元からなくなることにより
はじめて30万円の税金を減らすことが可能になります。
「どうしても必要」なものならまだしも、多くの場合
「いずれ使うだろう」や「利益に直結しないもの」に費やされていないだろうか?
一方、節税しなかった場合は、「税金を30万円支払う」(痛い!)
しかし、手元には70万円が残ります。
決算書で言えば、当期純利益のところが「70万円」となります。
3. 会社にとってのメリット
P/Lの「当期純利益」は結果として、B/Sの「利益余剰金」を積み増すこととなります。
利益余剰金は、「いざという時の備え」はもちろん
新たなことへのチャレンジの際などにも、自由に使えます。
もちろん、残念ながらの赤字の際にも、その穴埋めとして使えます。
ここで、少し考えてみましょう。中小企業という前提です。
利益余剰金が「100万円の会社」VS「1億円の会社」
新規事業に進出しようとした際に、どちらの会社が成功に近いと感じますか?
もし、資金として3000万円必要としたら、どちらの会社が先発できますか?
もし、あなたが銀行員なら、3000万の融資を申し込まれたのなら
どちらの会社に融資しますか?
もし、新規事業が失敗した場合、どちらの会社の方が危険な状態になりそうですか?
残念ながら、戦う前から結果が見えていると思います。
このように、新たなチャレンジの際だけでなく、銀行融資、資金繰り
そしてなによりも「社長の睡眠や健康状態」に好影響をもたらします。
4. 節税にとらわれず、企業価値を高めるための考え方
いかがでしたか? 何百万もの経費を掛けなくても会社は強くなります。
さらに、節税しないという選択をすることにより
1. 節税のために使っていた時間を本業やお客様に使える
2. 節税のために使っていたお金を本業の発展や従業員のために使える
など
企業の成長に必要不可欠なことに使うことも可能になります。
限られたリソースをフル活用し、企業価値を向上させていきましょう!
最後に、日本中の頑張っている社長様に向けて
最も効率的な投資先は「自分」や「自社」です。
自己投資は成功確率100%、さらに収益は無限大です。
「お届け物で~す」
今日もお仕事頑張ります!
2024.10.25

会社の決算書に「保険料」が計上されていない会社は
まず存在しないと思います。
しかし、その保険が本当に必要なのかどうかを検討する必要性があります。
今日は、会社経営と保険の関係について
「財務」「資金繰り」「リスク」「相続」などの観点から見ていきましょう。
1. その保険は本当に必要か?
多くの企業が保険を経費として計上しますが、
その保険が本当に必要なのか見直すことは非常に重要です。
特に、過去には生命保険を使った「節税」や「退職金積立」などが一般的でしたが、
必ずしも以前契約した保険が現在の経営状況に適しているとは限りません。
その上、保険セールスパーソンの中で、会社の財務やキャッシュフロー
その会社が抱えるリスクなど、多角的に判断した上で
生命保険提案をできる人間は、残念ながら全体の5%前後
と言って過言ではありません。
こんなことを書くと、怒られてしまいそうですが
生命保険の話をしていると「たった5%」の理由がよくわかります。
「なぜ、この生命保険の契約をなさったのですか?」
こう問いかけた際に、返ってくる答えが
「節税」「借入金額が、これくらいだから」「なんとなく不安だから」
「士業の先生に勧められたから」「付き合いで」「聞いてもよくわからんし」
95%が、こんな答えです。
今回は、詳しくは説明しませんが
生命保険は、「なんとなく」で入るものでは当然ありませんし
付き合いで入るにしては、高額すぎますし
ご存じの方も多くなってきましたが、節税にはなりませんし
借入金同等額の保険金では、万が一の際には、借金の全額返済はできません。
ましてや、聞いてわからないものにお金を払うなんて
ほかの商品では、あり得ませんよね。
2. 会社の経費削減と保険契約の見直し
よく聞く「経費削減」ですが、削減候補として真っ先に頭に浮かぶのが
保険料や広告費や研修費ではないでしょうか。
本当は、もっと手を付けたい経費があるが、そこに手を付けるのは
なかなか難しい経費もあると思います。
では、なぜ、保険料や広告費、研修費などは削減の1番手なのでしょう?
それは、短期的には会社に与える影響が少ないからです。
しかし、長期的には売上や会社や社員の成長に悪影響を与える可能性があります。
「とはいえ、ここを乗り越えなければ」という場面になったのなら
やはり、「削減の1番バッター」は「保険料」その中でも「生命保険料」だと思います。
多くの場合は、それが正解だと思われます。理由としては
「削ったからといって、直ちに売上が減少するわけではなく、
生命保険の業績への貢献度は低いから」ではないでしょうか。
3. 会社のお金に縛りがかかっていないか?
今度は角度を変え、「保険料の支払い」という観点から検証してみようと思う。
保険料を毎月、毎年支払うことにより、
その分のお金は「使えないお金」として縛られます。
多くの企業は業績が好調なときに、なんらかの理由で生命保険を契約しますが、
業績が悪化するとその保険料の負担が重く感じられることがあります。
となれば、「解約する」という選択をすると思いますが
生命保険の場合、解約を躊躇させてしまう仕組みがあります。
その理由の一つが、「元金割れのリスク」ではないでしょうか?
頑張って支払ってきたお金が減って返ってくるのですから当然のことと思います。
しかし、その保険料の支払いにより、会社の資金繰りが厳しくなるのなら
当然の話として、躊躇している場合ではありませんし
そこまで深刻ではないにしても、将来の事業環境が不透明であれば、
銀行への返済のお金や保険料のように「支払わなくてはいけないお金」は
誤解を恐れずに言えば、減らすべきです。
(様々な理由で減らせない場合があります)
将来の成長のために借りたお金の返済ならともかく
明確な目的もなく契約した生命保険の保険料支払いにより
経営の意思決定に縛りがかかるような事態は避けるべきです。
4. 保険料の出どころと経営リスク
「半損」と呼ばれる生命保険(例えば養老保険を使った福利厚生プラン)は、
半分は損金、半分は資産計上として扱われますが、
その資産計上されている保険料がどこから出ているのかを考えたことありますか?
実はこれ、「税引き後利益」から出ていくお金なのです。
税引き後利益から出ていくお金やその用途は代表的なものとして
「銀行への返済のお金」(元本部分)
「将来への投資の為のお金」
「いざという時の為の貯金のお金」
などがあります。
つまりは最後に残った、それはそれは「大切なお金」です。
資産計上分がある生命保険に入るということは、こういうことなのです。
もちろん、ある明確な目的をもって、このような生命保険に入る場合もあります。
ですので、その全てを否定するものではありません。
実際私も、企業や目的によって、資産計上がある生命保険を契約する場合もあります。
しかし、こうしたキャッシュは、中小企業にとっての命綱である
銀行の借入金の元本返済にも充てられる大切な資金です。
この資金を保険料として長期間ロックしてしまうことは、
経営の自由度を奪うリスクがあることをしっかりと把握しておきましょう。
5. 「会社や家族」大切なものを守ろう
例えば、事故や災害時に賠償金や再建に備える
「自動車保険」「火災保険」「賠償保険」などは、
事故が起きた場合、会社の存続や社会的信用にも影響を与えるため、
解約の意思決定は慎重に行うべきです。
また、特に中小企業の場合、社長の死亡保障は不可欠です。
多くの中小企業では、社長がトップセールスマンであり、会社の信用そのものです。
社長が倒れた場合、会社が存続できないばかりか、
家族に「個人保証」という形で負債が相続されてしまう可能性があります。
このようなリスクに対処するためには、適切な保険を適切な保険金額で
契約することが必要です。
さらに、会社を取り巻く状況は日々変化していきます。
そのため、生命保険のように契約期間が長いものは、
変化にあわせたメンテナンスが必要不可欠となります。
冒頭に出ました「5%」の保険セールスパーソンとは
こういったことに対する正しい知識や経験を持っています。
大切な会社や家族を守るために、
一度立ち止まって考えてみませんか?
夢や願望を叶えつつ、お金の不安がない人生が開けますよ。
これが、私の夢を叶えた姿
泥を見ると、どうしても「ゴロスリ」したくなるのよね~
2024.10.10

かつて、生命保険を使った節税策は「節税の王道」として多くの経営者に利用されていましたが、
国の規制強化により、その効果は大きく変わってきています。
特に、「バレンタインショック」や「ホワイトデーショック」と呼ばれる規制は、
多くの企業が利用していた「節税保険」と呼ばれていた商品の販売停止を引き起こしました。
このような背景から、生命保険を利用した節税策は、慎重に検討する必要があります。
現在は、節税を売りにした生命保険は、ほぼ全てなくなってしまいましたが
現在でも「1/2損金」みたいな保険は存在しています。
その保険自体が、良い・悪いということではなく、「誤った」もしくは「知らなかった」
ことによる、企業に与えるダメージをお伝えします。
多くの企業はもちろん、生命保険を販売している人間も多くの人たちが
「財務」の知識不足により陥っている部分です。
少なくとも私は、一度もこのことを「生命保険会社の人間」からも聞いたことはありません。
生命保険と節税:過去の規制強化による影響
かつては「節税保険」として、企業が保険料を経費として処理しつつ、
解約時には一定のキャッシュが戻ってくるという仕組みの生命保険が広く使われていました。
しかし、これが税制の「抜け道」として問題視され、国が規制を強化。
これにより、保険会社も販売を停止することを余儀なくされ、「名義変更プラン」なども同様に封じられました。
なかには度が過ぎて、金融庁からお灸を据えられた生命保険会社もあります。
そのため現在の生命保険の「設計書」なるものには、
「この保険は、節税できませんよ」と書いていると思います。
節税より重要な「キャッシュフローの管理」
生命保険の「半損定期保険(1/2損金保険)」などは、保険料の半分を経費として落とし、
残りの半分を資産計上するとなっていますが、この資産に計上している部分の保険料は
決算書のどこに出てくるでしょうか ?
答えは
一般的な中小企業の決算書には「どこにも出てこない」 です。
これが、生命保険に関して言えば、企業経営、特に「現金」に与えるインパクトが大きいところなのです。
何故、大きいのか。 それは
「税引き後の利益から保険料の半分を支払う」からです。
税引き後利益とは、文字の通り税金を支払った後に残ったお金。
つまりは、「手持ちの現金」にあたるお金です。
この税金を含めたすべての支払いが終わった後に残るお金は、
最も代表的なものとして、銀行への借入金の「元本返済金」の支払い原資となります。
多くの会社が、銀行からの借入をして、会社を回していると思います。
そして返済をし、信頼を積み重ねることにより、繰り返し融資を受けていると思います。
そこに、輪をかけて、生命保険の資産計上部分の保険料がのしかかる。
多くの企業がこの事実に気づかずに、また、保険募集人がこの事実を知らずに
生命保険の契約をしているのが残念ながら現実です。
保険料の支払いが会社の資金ショートの原因となるリスクの一つであることを
ご理解いただけたと思います。
正しい保険契約の見直しが会社の健全経営を支える
保険契約は、「保障」を第一に考えつつ、キャッシュフローの管理も忘れないことが重要です。
経営者として、節税目的だけにとらわれず、財務戦略全体の一部として保険を活用するべきです。
保険契約が会社の資金繰りにどのように影響を与えるかを確認し、
不要なキャッシュアウトを避けるための判断が求められます。
もし、「自分の会社はどうなっているのか」確認してみたいという方がいましたら
ホームページの「問い合わせ」から、ご連絡下さい。
たった1枚の紙に書かれた、ブロックを使い、だれでも簡単に自社の財務状態が
一瞬で理解できる資料をお渡しいたします。
「隠れたリスク」発見しませんか?
2024.10.08

いつもご訪問ありがとうございます。
今日は、世の中で広く言われている「節税」の際のポイントや
誤解されがちな点について、解説していきます。
節税の基本: 利益を抑えるだけでは不十分
節税の基本的な考え方は「利益を抑える」ことにあります。
しかし、ここで重要なのは、「キャッシュフローを確保しつつ節税を行う」という視点を忘れてはならない点です。
法人税は「所得」に基づき計算されるため、税負担を抑えるために利益を調整することは有効ですが、
現金(キャッシュ)を失ってしまうような節税策は企業にとって逆効果になりかねません。
しかし、残念ながら「キャッシュアウト」を伴わない節税対策と呼ばれているものは非常に少なく、
また、「利益の繰り延べ」にしかなっていない節税対策なるものは大変多く見られます。
キャッシュフローを優先する節税の重要性
会社が倒産する最大の理由は「キャッシュが途切れたとき」です。
そのため、節税を考える際に最も重要なことは「キャッシュを一定程度維持しながら、税負担を減らすこと」です。
また、利益を投資などで繰り延べる節税策がありますが、これは長期的な視点で判断する必要があります。
企業経営は、山あり谷ありです。赤字の際にも続けていくべき対策なのか
赤字の際に活用できるリソースとして(赤字の補填)、使えるものなのかなど、あらかじめ確認しておくことが大切です。
決算書に表れない隠れた出費に注意
節税を行う際には、決算書上に出てこない「隠れたコスト」にも注意が必要です。
たとえば、借入金の返済や損金算入できない生命保険料などは大きな出費となり得ます。
これらを無視して節税を行うと、結果的にキャッシュが不足し、「自転車操業」に陥るリスクが高まります。
キャッシュを守る節税を
節税策を検討する際には、「利益を抑えるだけ」ではなく、キャッシュフローを守りつつ実行することが不可欠です。
また、節税のタイミングや方法については、経営者が慎重に判断する必要があります。
しっかりとした財務戦略を持ち、企業の成長を促進するための節税を実践しましょう。
関連ページ
正しい節税とは?社長!確認してください!節税戦略とリスク ① – (有)佐藤保険事務所 (sato-insurance.jp)
まじめに書いてます!
2024.10.01

「無借金経営をしたい!」と思うのは、多くの経営者にとって目標です。
では逆に、借入金が多い会社はダメな会社でしょうか?
答えは「NO」です。
借入金の有無やその額が、会社の良し悪し判断する理由とはなりません。
借入金と会社の実態:A社 vs. B社
例を挙げてみましょう。
A社: 借入金1億円、現金1億円
B社: 借入金0円、現金0円
新規で取引するとしたら、どちらの会社と取引したいですか? 答えは明らかでしょう。
どちらも自前の資金はゼロですが、B社とは取引したくないはずです。
A社は現金があり、借入金を全額返しても資産は残らなくとも倒産しない状況です。
一方B社は、ほんの少しのアクシデントや予定外があっただけで、一瞬で資金ショートします。
このように、借入自体が悪いわけではありません。
「借りたお金を返せない」とが問題となるです。
だから、将来の利益を見込んでの借入は健全な資金運用といえます。
借金を溶かさないことが大事
借入は「将来の利益の先食い」と言われることがありますが、
それは、銀行が「将来的に返済できるだけの利益を生むだろう」と見込んで貸していることから見ても明らかです。
借りたお金を事業拡大や新製品開発に使い、結果として利益を生めば問題ありません。
しかし、赤字補填のために借入金を使うと、資金が溶けてしまい、お金がなくなります。
だから、経営が苦しい時に「お金を貸してくれ」と頼んでも、
銀行はお金を貸せないのです。お金が消えてしまう(溶けてしまう)リスクを理解しているからです。
その観点からみて、「コロナ融資」は異常な融資であると言えます。
はじめから、溶けてなくなったお金を補填する目的の融資です。
だからこそ、「返済不能」に陥る企業が増えるぞと言われているわけです。
将来生まれるであろう「利益」を見込んでの融資ではないのですから
そうなるのは、当然とも言えます。
実質無借金経営のすすめ
では、中小企業が目指すべき、財務状況とは、どんな状態でしょうか?
もちろん最終的には、運転資金から設備投資まで全てを自己資金で補えるのが理想ですが
そんな簡単なものではないとことは、みなさん承知だと思います。
では、まず目指すべき姿はといえば、やはり 「実質無借金経営」ではないでしょうか。
多くの専門家も推奨しています。
これは、現預金と有利子負債がバランスする状態を指します。
たとえば、A社のように、手元資金が借入金と同額ある状態を指します。
専門用語など使わずに言えば
銀行から「すぐに、融資したお金、全額返して」と言われても
「はい、どうぞ」と返せる状態です。
余談になりますが、全額返すと手元資金が「ゼロ」となりますが
銀行からすれば、銀行の収益である「利息」が「ゼロ」となりますから
困ってしまうのは銀行となります。
企業は、別の銀行から借りればいいだけの話です。
銀行との付き合いの重要性
前段で少し銀行をディスってしまいましたが、銀行との健全なお付き合いは大変重要です。
健全なお付き合いとは、「お金を借りて、ちゃんと返す」こと。
「無借金経営」は一見魅力的ですが、「実質無借金経営」の方が「健全なお付き合い」ができます。
理由は、銀行との取引関係が維持されているからです。
銀行との健全な関係がなければ、急な資金調達が必要な際に審査に時間がかかり、
ビジネスチャンスを逃すことがあります。
健全なお付き合いを保ったうえで、定期的に資金繰り表を提出するなど、
日頃から銀行との健全な関係を築いておくことが重要です。
最後に
借りたお金を返すことは、当たり前ですが大切です。
しかし、経営者の仕事は、借りたお金を返すことではありません。
借りたお金を必要なところに投資し、「さらに増やす」ことにあります。
ですから、無用に借金を怖がる必要はありません。
自社の体力(返済能力や資金力)に応じた借入金を把握した上で
正しい資金運用とキャッシュフロー管理が、会社の長期的な成長に繋がります。
まずは、自社の状況をしっかり確認してみよう