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節税が利益を減らす?中小企業が取り組むべき「お金の貯め方」と財務改善の方法
2024.10.28
先日、生命保険の保険料の「出どころ」について触れましたが、
本日は、財務体質の強い会社になるための1つの方法をお伝えします。
たとえ専門家が傍にいなくてもできることですので
「稼いだ金は、どこに消えた?」「利益が出ているのにお金が増えない」
「もっと銀行交渉を有利に進めたい」など
疑問や希望をお持ちの方は、ご覧ください。
1. 「節税」の実態と利益確保
まず、前提として「節税は、けしからん!」と言っているわけではありません。
私だって、できることなら税金は少なくしたいと思っています。
しかし、現実には「節税」と言われているものの多くは「利益の繰り延べ」に
すぎないことが多いのが現実です。
もちろん、節税による手残り増加の手法も存在しますが、
私が知る限り、そのような優れた節税を実施できる専門家には
多額の顧問料が発生します。「年間数百万円の顧問料」が必要となり
その金額以上の節税効果がなければ、意味がないケースがほとんどです。
更に、節税できる金額の「約3倍」の利益を「毎年出す」ことが必要なうえ
決算直前に慌ててできるものには、節税効果が小さなものが多いので
裏を返せば、毎月きっちりと数字を管理できている会社でなければ
期待している効果をあげることはできません。
この前提から考えると、これだけ先が不透明な時代に
節税が本当に必要で、その効果が期待以上のものになるのかは疑問が残ります。
2. 「お金」で確認してますか?
確かに「節税」という言葉は、耳障りはイイ。
では、しっかりと「お金」の貯め方の方向からみているだろうか?
簡単な考え方なので、ぜひ覚えていただきたいと思う。
仮に税率を30%とすると、「30万円の節税」のためには、
どれだけのお金を使う必要があるだろうか?
答えは、簡単ですよね。
そうです「100万円」
100万円の利益を潰す、つまり、手元からなくなることにより
はじめて30万円の税金を減らすことが可能になります。
「どうしても必要」なものならまだしも、多くの場合
「いずれ使うだろう」や「利益に直結しないもの」に費やされていないだろうか?
一方、節税しなかった場合は、「税金を30万円支払う」(痛い!)
しかし、手元には70万円が残ります。
決算書で言えば、当期純利益のところが「70万円」となります。
3. 会社にとってのメリット
P/Lの「当期純利益」は結果として、B/Sの「利益余剰金」を積み増すこととなります。
利益余剰金は、「いざという時の備え」はもちろん
新たなことへのチャレンジの際などにも、自由に使えます。
もちろん、残念ながらの赤字の際にも、その穴埋めとして使えます。
ここで、少し考えてみましょう。中小企業という前提です。
利益余剰金が「100万円の会社」VS「1億円の会社」
新規事業に進出しようとした際に、どちらの会社が成功に近いと感じますか?
もし、資金として3000万円必要としたら、どちらの会社が先発できますか?
もし、あなたが銀行員なら、3000万の融資を申し込まれたのなら
どちらの会社に融資しますか?
もし、新規事業が失敗した場合、どちらの会社の方が危険な状態になりそうですか?
残念ながら、戦う前から結果が見えていると思います。
このように、新たなチャレンジの際だけでなく、銀行融資、資金繰り
そしてなによりも「社長の睡眠や健康状態」に好影響をもたらします。
4. 節税にとらわれず、企業価値を高めるための考え方
いかがでしたか? 何百万もの経費を掛けなくても会社は強くなります。
さらに、節税しないという選択をすることにより
1. 節税のために使っていた時間を本業やお客様に使える
2. 節税のために使っていたお金を本業の発展や従業員のために使える
など
企業の成長に必要不可欠なことに使うことも可能になります。
限られたリソースをフル活用し、企業価値を向上させていきましょう!
最後に、日本中の頑張っている社長様に向けて
最も効率的な投資先は「自分」や「自社」です。
自己投資は成功確率100%、さらに収益は無限大です。
「お届け物で~す」
今日もお仕事頑張ります!
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中小企業が陥りがちな「生命保険」の罠とは?資金繰りとリスク管理から考える最適化方法
2024.10.25
会社の決算書に「保険料」が計上されていない会社は
まず存在しないと思います。
しかし、その保険が本当に必要なのかどうかを検討する必要性があります。
今日は、会社経営と保険の関係について
「財務」「資金繰り」「リスク」「相続」などの観点から見ていきましょう。
1. その保険は本当に必要か?
多くの企業が保険を経費として計上しますが、
その保険が本当に必要なのか見直すことは非常に重要です。
特に、過去には生命保険を使った「節税」や「退職金積立」などが一般的でしたが、
必ずしも以前契約した保険が現在の経営状況に適しているとは限りません。
その上、保険セールスパーソンの中で、会社の財務やキャッシュフロー
その会社が抱えるリスクなど、多角的に判断した上で
生命保険提案をできる人間は、残念ながら全体の5%前後
と言って過言ではありません。
こんなことを書くと、怒られてしまいそうですが
生命保険の話をしていると「たった5%」の理由がよくわかります。
「なぜ、この生命保険の契約をなさったのですか?」
こう問いかけた際に、返ってくる答えが
「節税」「借入金額が、これくらいだから」「なんとなく不安だから」
「士業の先生に勧められたから」「付き合いで」「聞いてもよくわからんし」
95%が、こんな答えです。
今回は、詳しくは説明しませんが
生命保険は、「なんとなく」で入るものでは当然ありませんし
付き合いで入るにしては、高額すぎますし
ご存じの方も多くなってきましたが、節税にはなりませんし
借入金同等額の保険金では、万が一の際には、借金の全額返済はできません。
ましてや、聞いてわからないものにお金を払うなんて
ほかの商品では、あり得ませんよね。
2. 会社の経費削減と保険契約の見直し
よく聞く「経費削減」ですが、削減候補として真っ先に頭に浮かぶのが
保険料や広告費や研修費ではないでしょうか。
本当は、もっと手を付けたい経費があるが、そこに手を付けるのは
なかなか難しい経費もあると思います。
では、なぜ、保険料や広告費、研修費などは削減の1番手なのでしょう?
それは、短期的には会社に与える影響が少ないからです。
しかし、長期的には売上や会社や社員の成長に悪影響を与える可能性があります。
「とはいえ、ここを乗り越えなければ」という場面になったのなら
やはり、「削減の1番バッター」は「保険料」その中でも「生命保険料」だと思います。
多くの場合は、それが正解だと思われます。理由としては
「削ったからといって、直ちに売上が減少するわけではなく、
生命保険の業績への貢献度は低いから」ではないでしょうか。
3. 会社のお金に縛りがかかっていないか?
今度は角度を変え、「保険料の支払い」という観点から検証してみようと思う。
保険料を毎月、毎年支払うことにより、
その分のお金は「使えないお金」として縛られます。
多くの企業は業績が好調なときに、なんらかの理由で生命保険を契約しますが、
業績が悪化するとその保険料の負担が重く感じられることがあります。
となれば、「解約する」という選択をすると思いますが
生命保険の場合、解約を躊躇させてしまう仕組みがあります。
その理由の一つが、「元金割れのリスク」ではないでしょうか?
頑張って支払ってきたお金が減って返ってくるのですから当然のことと思います。
しかし、その保険料の支払いにより、会社の資金繰りが厳しくなるのなら
当然の話として、躊躇している場合ではありませんし
そこまで深刻ではないにしても、将来の事業環境が不透明であれば、
銀行への返済のお金や保険料のように「支払わなくてはいけないお金」は
誤解を恐れずに言えば、減らすべきです。
(様々な理由で減らせない場合があります)
将来の成長のために借りたお金の返済ならともかく
明確な目的もなく契約した生命保険の保険料支払いにより
経営の意思決定に縛りがかかるような事態は避けるべきです。
4. 保険料の出どころと経営リスク
「半損」と呼ばれる生命保険(例えば養老保険を使った福利厚生プラン)は、
半分は損金、半分は資産計上として扱われますが、
その資産計上されている保険料がどこから出ているのかを考えたことありますか?
実はこれ、「税引き後利益」から出ていくお金なのです。
税引き後利益から出ていくお金やその用途は代表的なものとして
「銀行への返済のお金」(元本部分)
「将来への投資の為のお金」
「いざという時の為の貯金のお金」
などがあります。
つまりは最後に残った、それはそれは「大切なお金」です。
資産計上分がある生命保険に入るということは、こういうことなのです。
もちろん、ある明確な目的をもって、このような生命保険に入る場合もあります。
ですので、その全てを否定するものではありません。
実際私も、企業や目的によって、資産計上がある生命保険を契約する場合もあります。
しかし、こうしたキャッシュは、中小企業にとっての命綱である
銀行の借入金の元本返済にも充てられる大切な資金です。
この資金を保険料として長期間ロックしてしまうことは、
経営の自由度を奪うリスクがあることをしっかりと把握しておきましょう。
5. 「会社や家族」大切なものを守ろう
例えば、事故や災害時に賠償金や再建に備える
「自動車保険」「火災保険」「賠償保険」などは、
事故が起きた場合、会社の存続や社会的信用にも影響を与えるため、
解約の意思決定は慎重に行うべきです。
また、特に中小企業の場合、社長の死亡保障は不可欠です。
多くの中小企業では、社長がトップセールスマンであり、会社の信用そのものです。
社長が倒れた場合、会社が存続できないばかりか、
家族に「個人保証」という形で負債が相続されてしまう可能性があります。
このようなリスクに対処するためには、適切な保険を適切な保険金額で
契約することが必要です。
さらに、会社を取り巻く状況は日々変化していきます。
そのため、生命保険のように契約期間が長いものは、
変化にあわせたメンテナンスが必要不可欠となります。
冒頭に出ました「5%」の保険セールスパーソンとは
こういったことに対する正しい知識や経験を持っています。
大切な会社や家族を守るために、
一度立ち止まって考えてみませんか?
夢や願望を叶えつつ、お金の不安がない人生が開けますよ。
これが、私の夢を叶えた姿
泥を見ると、どうしても「ゴロスリ」したくなるのよね~
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決算期に備える!中小企業向け節税対策の簡単実践ガイド
2024.10.15
企業経営者にとって、決算期に向けての節税対策は大切な検討事項です。
ここでは、企業が実践できる4つのつの節税策について解説します。
適切に活用すれば税金負担を軽減する手助けとなりますが、同時に資金管理の慎重さが求められます。
1. 家賃の前払い
家賃の前払いは、一定の条件を満たす場合に経費として認められる節税方法の一つです。
翌年分の家賃を一括で前払いすることで、その金額を今年の経費として計上できます。
ただし、注意点としては、この方法は1年限りの節税効果しかなく、
翌年以降も一括払いを続ける必要があります。
十分な利益が確保できている会社にとって有効な手段ですが、
毎年同じように利益を出す必要があるため、慎重な計画が必要です。
2. 社員への決算ボーナス支給
決算ボーナスの支給は、社員に喜ばれる上に経費として計上できる節税策です。
特に、利益が多い年には有効ですが、社員は翌年以降もボーナスを期待するものです。
支給できない年があった場合には、社員のモチベーションへの影響を考える必要があります。
経営者にとって、このバランスを保つことが求められます。
3. 経営者への賞与支給
経営者に対する賞与支給は、一見すると損金不算入ですが、特定の条件を満たす方法を活用すれば、
経費として計上することも可能です。これには、正確な手続きが必要であり、適法であることが求められます。
また、決算期直前では手を打つことはできません。
詳しい方法については、トップページの「問い合わせ」からご相談ください。
4. セーフティ共済への加入
かつては「最強の節税商品」として知られたセーフティ共済ですが、
2024年10月以降の新規加入分については、最初の2年間は掛け金の損金算入が認められなくなりました。
したがって、今後の加入を考えている方は、注意が必要です。
まとめ:節税対策とキャッシュフロー管理
いずれの方法も、節税に役立つ手段ですが、同時に大きなキャッシュアウトを伴うことを忘れてはなりません。
節税を目的とするのではなく、企業の長期的な経営戦略の一部として取り入れることが大切です。
特に、資金繰りに余裕がない場合、無理な節税策は逆効果になる可能性もあるため、専門家の助言を受けながら計画的に進めましょう。
もし、「どうしても節税したい」とお考えなら、一概には言えませんが相談相手としての
選択肢の見つけ方を、ご紹介いたします。
ズバリ「月額報酬25万以上の人」この辺のレベルの人の中には「この人凄い!」て人がいます。
裏を返せば「年間300万以上の節税ができる人」とも言えます。
様々な「投資」を利用した節税策を提案してくださいますので
言い方を変えれば「年間300万以上、お金を増やしてくれる人」とも言えます。
もし自社の財務状態や節税対策に関してお悩みの方は、ご相談ください。
残念ですが、私は、そこまで高額の顧問料はいただけません。
そこまで凄い、節税策もできませんし、何より私は
「社長や社員の夢を、お金という裏付けをもって実現する」のが仕事なので。
秋ですね~
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生命保険を活用した節税のリスクとキャッシュフロー管理の重要性:企業経営者が知っておくべきポイント
2024.10.10
かつて、生命保険を使った節税策は「節税の王道」として多くの経営者に利用されていましたが、
国の規制強化により、その効果は大きく変わってきています。
特に、「バレンタインショック」や「ホワイトデーショック」と呼ばれる規制は、
多くの企業が利用していた「節税保険」と呼ばれていた商品の販売停止を引き起こしました。
このような背景から、生命保険を利用した節税策は、慎重に検討する必要があります。
現在は、節税を売りにした生命保険は、ほぼ全てなくなってしまいましたが
現在でも「1/2損金」みたいな保険は存在しています。
その保険自体が、良い・悪いということではなく、「誤った」もしくは「知らなかった」
ことによる、企業に与えるダメージをお伝えします。
多くの企業はもちろん、生命保険を販売している人間も多くの人たちが
「財務」の知識不足により陥っている部分です。
少なくとも私は、一度もこのことを「生命保険会社の人間」からも聞いたことはありません。
生命保険と節税:過去の規制強化による影響
かつては「節税保険」として、企業が保険料を経費として処理しつつ、
解約時には一定のキャッシュが戻ってくるという仕組みの生命保険が広く使われていました。
しかし、これが税制の「抜け道」として問題視され、国が規制を強化。
これにより、保険会社も販売を停止することを余儀なくされ、「名義変更プラン」なども同様に封じられました。
なかには度が過ぎて、金融庁からお灸を据えられた生命保険会社もあります。
そのため現在の生命保険の「設計書」なるものには、
「この保険は、節税できませんよ」と書いていると思います。
節税より重要な「キャッシュフローの管理」
生命保険の「半損定期保険(1/2損金保険)」などは、保険料の半分を経費として落とし、
残りの半分を資産計上するとなっていますが、この資産に計上している部分の保険料は
決算書のどこに出てくるでしょうか ?
答えは
一般的な中小企業の決算書には「どこにも出てこない」 です。
これが、生命保険に関して言えば、企業経営、特に「現金」に与えるインパクトが大きいところなのです。
何故、大きいのか。 それは
「税引き後の利益から保険料の半分を支払う」からです。
税引き後利益とは、文字の通り税金を支払った後に残ったお金。
つまりは、「手持ちの現金」にあたるお金です。
この税金を含めたすべての支払いが終わった後に残るお金は、
最も代表的なものとして、銀行への借入金の「元本返済金」の支払い原資となります。
多くの会社が、銀行からの借入をして、会社を回していると思います。
そして返済をし、信頼を積み重ねることにより、繰り返し融資を受けていると思います。
そこに、輪をかけて、生命保険の資産計上部分の保険料がのしかかる。
多くの企業がこの事実に気づかずに、また、保険募集人がこの事実を知らずに
生命保険の契約をしているのが残念ながら現実です。
保険料の支払いが会社の資金ショートの原因となるリスクの一つであることを
ご理解いただけたと思います。
正しい保険契約の見直しが会社の健全経営を支える
保険契約は、「保障」を第一に考えつつ、キャッシュフローの管理も忘れないことが重要です。
経営者として、節税目的だけにとらわれず、財務戦略全体の一部として保険を活用するべきです。
保険契約が会社の資金繰りにどのように影響を与えるかを確認し、
不要なキャッシュアウトを避けるための判断が求められます。
もし、「自分の会社はどうなっているのか」確認してみたいという方がいましたら
ホームページの「問い合わせ」から、ご連絡下さい。
たった1枚の紙に書かれた、ブロックを使い、だれでも簡単に自社の財務状態が
一瞬で理解できる資料をお渡しいたします。
「隠れたリスク」発見しませんか?
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節税対策で陥りがちなミスとは?車や備品購入のメリットとデメリット
2024.10.09
決算前に知っておきたい節税の落とし穴:車(備品)の購入は本当にお得か?
決算が近づくと、会計事務所や税理士から「今期、利益が出ていますよ」とアドバイスを受けることがあります。
その際、多くの経営者が「節税のために何か買おうか」と考え、
車の購入や備品の購入、生命保険の加入を検討することも少なくありません。
決算直前の車購入が持つ意外な落とし穴
例えば、決算前に急いで車を購入するケースを考えてみましょう。
一見、節税効果が期待できそうに見えますが、実は「減価償却」という壁が存在します。
車などの高額な固定資産は、購入した年に全額を経費として計上できず、
数年間にわたって少しずつ経費化されます。
特に決算直前の購入では、その年の経費に計上できるのは、決算日までの「月割り」分だけ。
したがって、期待していたほどの節税効果が得られないばかりか、
手元の現金が大幅に減ってしまっただけなんてことになりかねません。
節税対策としてのキャッシュ管理の重要性
手元資金が十分に潤沢であれば、節税のために大きな買い物をすることも問題ありません。
しかし、内部留保が十分ではない場合には、慎重な判断が必要です。
コロナの時や自然災害など、売上が一時的にゼロ、もしくは激減した場合を考えてみましょう。
自然災害や予期せぬトラブル、SNSによる風評被害など、いつどこで企業の収益が一時停止するかは予測できません。
実際に、ペヤングソース焼きそばの、消費者からの異物混入の訴えへの対応では
6か月間も工場を閉鎖しました。それでも従業員の給与を支払い続けられたのは、手元に現金を確保していたからです。
車のローン購入や中古車の選択肢は本当に得策か?
一度に、多額の現金が手元からなくならないようにするために、キャッシュアウトは頭金程度とし
「車を借入をして買えばいいのでは?」と考えるかもしれませんが、
翌年以降の税負担や保険料など、必ず発生する経費があります。
また、借入金の元本返済額は経費にはならないため、
税引き後利益からの「キャッシュアウト」となります。
また、中古車を購入する選択肢も一部では有効な戦略ですが、
それでも翌年以降の固定資産税や保険料の負担は避けられません。
結果的に、短期的な節税を狙った買い物が、長期的には企業のキャッシュフローを圧迫する可能性があるわけです。
「節税」という名の「お買い物」
節税と言えば響きはイイですが、要は「お買い物」です。
そして、大きな買い物をすれば、「何を買ったのか」の記録が残ります。
そう、決算書の貸借対照表(B/S)と言われる紙に。
もし、家計簿や、お小遣い帳に「これって、ほんとに必要なのかな?」という買い物が
書き込まれていたら、どうでしょうか?
下駄箱に入りきれないほど大量の靴があるのに、靴を買って帰ってきたら、どう思うでしょうか?
私も零細企業とはいえ、経営者ですから
「自分のお金」と「会社のお金」に対する、妙な感覚の違いを感じます。
なので最近は、会社のお金を使う時には、いい意味で「自分のお金感覚」を
意識するようにしています。
悪い意味での「自分のお金」感覚には、くれぐれもご注意くださいね。
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社長!確認してください!会社にとって必要な節税戦略とリスク ② – (有)佐藤保険事務所 (sato-insurance.jp)
犬に合羽は必要か?
まぁ~ 可愛いからいいか
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社長!確認してください!会社にとって必要な節税戦略とリスク ②
2024.10.08
いつもご訪問ありがとうございます。
今日は、世の中で広く言われている「節税」の際のポイントや
誤解されがちな点について、解説していきます。
節税の基本: 利益を抑えるだけでは不十分
節税の基本的な考え方は「利益を抑える」ことにあります。
しかし、ここで重要なのは、「キャッシュフローを確保しつつ節税を行う」という視点を忘れてはならない点です。
法人税は「所得」に基づき計算されるため、税負担を抑えるために利益を調整することは有効ですが、
現金(キャッシュ)を失ってしまうような節税策は企業にとって逆効果になりかねません。
しかし、残念ながら「キャッシュアウト」を伴わない節税対策と呼ばれているものは非常に少なく、
また、「利益の繰り延べ」にしかなっていない節税対策なるものは大変多く見られます。
キャッシュフローを優先する節税の重要性
会社が倒産する最大の理由は「キャッシュが途切れたとき」です。
そのため、節税を考える際に最も重要なことは「キャッシュを一定程度維持しながら、税負担を減らすこと」です。
また、利益を投資などで繰り延べる節税策がありますが、これは長期的な視点で判断する必要があります。
企業経営は、山あり谷ありです。赤字の際にも続けていくべき対策なのか
赤字の際に活用できるリソースとして(赤字の補填)、使えるものなのかなど、あらかじめ確認しておくことが大切です。
決算書に表れない隠れた出費に注意
節税を行う際には、決算書上に出てこない「隠れたコスト」にも注意が必要です。
たとえば、借入金の返済や損金算入できない生命保険料などは大きな出費となり得ます。
これらを無視して節税を行うと、結果的にキャッシュが不足し、「自転車操業」に陥るリスクが高まります。
キャッシュを守る節税を
節税策を検討する際には、「利益を抑えるだけ」ではなく、キャッシュフローを守りつつ実行することが不可欠です。
また、節税のタイミングや方法については、経営者が慎重に判断する必要があります。
しっかりとした財務戦略を持ち、企業の成長を促進するための節税を実践しましょう。
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正しい節税とは?社長!確認してください!節税戦略とリスク ①
2024.10.07
世の中には、さまざまな「節税方法」が存在しますが、その多くが誤解されていることも少なくありません。
この記事では、正しい節税の考え方や、それが企業成長にどう関わるのかについて解説していきます。
一度では書ききれないので、数回シリーズにして、お送り致します。
節税の定義とは?
まず、「節税」とは何か? その基本的な定義を確認しましょう。
節税とは、法律に基づいて合法的に税負担を軽減する行為のことを指します。
重要なのは、税法の「範囲内」で行うことが条件であり、範囲を超えた行為は当然「脱税」と見なされます。
税法は時折見直され、今までの節税方法が使えなくなることもあります。
最新の情報を確認することが必要です。
また、税務署や税理士の前では、「節税」という言葉を避け、
「適正な税負担」と表現するのがマナーです。
節税に関する注意点
近年、YouTubeなどやSNSでも節税に関する情報が数多く配信されていますが、
全ての情報が信頼できるわけではありません。
また、YouTubeで紹介された節税方法が税制の変更に影響を与えたケースがあるくらい、
最近は、国をも動かすほどの影響力をもった番組まで現れましたので
全てを鵜呑みにせず、最新の情報を信頼できる人間と一緒にチェックすることも大切です。
会社のステージに応じた節税戦略
節税が効果的かどうか、必要かどうかなどは、会社の成長段階によって異なります。
企業は「誕生期」「成長期」「安定期」「衰退期」「消滅期」のようなステージを辿り、
それぞれの段階に応じた財務戦略が求められます。
このタイミングを誤ると、将来的に「こうしておけばよかった」と後悔する場面が出てきますし
利益が出ているにも関わらず、いつまでたっても「体力がなく」「体質の弱い」会社から脱することができず
しいては、銀行からの借入れの際にも、思ったような額や条件で借りられなかったり
コロナや災害の発生時や〇〇ショックといわれる「10年に一度」程度の間隔で発生する
自分の力では、どうにもできない災害や不況の際に、簡単に苦境に陥ってしまいます。
「今期、利益が出たから節税する」が来期以降の会社の苦境の際にあだとならぬよう
「税務」に詳しいではなく「財務」詳しい人間と関わりをもつことは、とても重要です。
あま~い囁き「節税できますよ」の誘い文句
「節税になります」「節税できますよ」の誘い文句には、十分気を付けましょう。
節税と言われるものの多くは「税金は安くなる」が安くなる税金の額より多くのお金がなくなる
なんてものが、多いのは事実です。それでは、「本末転倒」ですよね。
節税すべき状態や環境かどうか、もしくは、社長自身が、一番守りたいものや
どのような会社にしたいのかなどによって、節税をするしないは勿論
どのような節税をするかも、変わってきます。
その決断ができるのは、まさに「社長たったひとり」なのです。
慎重には慎重を重ねて、お考え下さいね。
では、明日以降、具体的な話を交えながら、書き進めていこうと思います。
晴れた日に、見通しが良くても
一度立ち止まり「確認、確認」
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銀行との賢い付き合い方:晴れた日にこそ備えるべき理由とは?
2024.10.04
「銀行は晴れた日に傘を貸し、雨の日には取り上げる」とよく言われます。
これは、経営が順調な時には融資が受けやすいのに、経営に陰りが出てくると
急に融資が難しくなるという状況を表しています。
言い換えれば、銀行は「返済が確実にできる状態でないとお金を貸さない」
というごく当たり前のビジネスを行っていることを指しています。
では、企業経営において「晴れた日」とはどのような状態でしょうか?
それは「業績が好調で資金に余裕がある状態」を指します。
しかし、皮肉なことに、この「晴れた日」には
急激に売り上げが伸びたなどではない限り
融資を必要としない、考えないことが多いものです。
一方で、「雨の日」とは業績が悪化し、資金繰りが厳しい時。
こんなときには借入が難しく、もし借りられたとしても金利が高く、条件が厳しいことが多いのです。
銀行との良好な関係を維持し、資金調達を円滑にするためには、
好調な時期にこそ「雨に備えた借入」を検討することが賢明です。
晴れた日に借入を行うメリット
1.借入がしやすい:経営が好調な時期には、銀行からの評価が高く、スムーズに融資を受けることが可能です。
2.低金利で借りられる:会社の財務状況や企業の信用度が高ければ、金利も低く抑えられます。
3.資金繰りが安定する:余裕がある時期に手元資金を確保しておくことで、アクシデントに備えられます。
4.経営者保証が外れやすい:経営状況が良好であれば、経営者の個人保証を外せる可能性があります。
5.プロパー融資が受けられる:銀行が保証なしで直接融資する「プロパー融資」も、条件が整えば受けやすくなります。
雨の日に借入を行うリスク
逆に、業績が悪化している「雨の日」には以下のようなリスクが伴います
1.借入が難しくなる:信用が低下し、融資のハードルが高くなります。
2.金利が高くなる:回収リスクが高いと判断されるため、金利が上昇します。
3.経営者保証が必要になる:銀行から個人保証や担保を求められることが増えます。
4.審査が厳しくなる:借入自体ができなくなる可能性が高まります。
金利は「保険料」と考える
「余計な金利を払いたくない」という経営者の声もあります。
十分、理解はできます。とはいえ、借りやすい時に借りておくことのメリットは大きい。
「わかっちゃいるけど~」という経営者の方へ、こんな考え方をご提案します。
晴れた日に、お金を借りておき、手元資金を厚くしておくことは、
会社に降ってくるかもしれない「事故」に備えるようなものです。
ですから、「余計と思われる金利」は、まさに「保険料」
その上、金利は経費として扱われるため、節税効果もあります。
節税になるということは、金利の約3割は国が負担してくれているようなものです。
どうでしょう? 少しは前向きに考えられませんか?
最後になりますが、決して「借金の勧め」をしているわけでも
「銀行のフォロー」をしているわけでもありません。
いつかは、無借金経営でも、会社が回り、発展するのがベストです。
ですが、そこにたどり着くには「順番」や「段階」があるのです。
「経営者」は「消費者」ではありません。
お金を消費するのではなく、上手にお金を使い、増やしつつ
会社や従業員さんたちを守り、成長させていきましょう。
晴れてる時には、一服したい・・・。でも、休んじゃいられない・・・
会社経営て大変ですね
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無借金経営を目指すべきか?借金は本当に悪いのか?
2024.10.01
「無借金経営をしたい!」と思うのは、多くの経営者にとって目標です。
では逆に、借入金が多い会社はダメな会社でしょうか?
答えは「NO」です。
借入金の有無やその額が、会社の良し悪し判断する理由とはなりません。
借入金と会社の実態:A社 vs. B社
例を挙げてみましょう。
A社: 借入金1億円、現金1億円
B社: 借入金0円、現金0円
新規で取引するとしたら、どちらの会社と取引したいですか? 答えは明らかでしょう。
どちらも自前の資金はゼロですが、B社とは取引したくないはずです。
A社は現金があり、借入金を全額返しても資産は残らなくとも倒産しない状況です。
一方B社は、ほんの少しのアクシデントや予定外があっただけで、一瞬で資金ショートします。
このように、借入自体が悪いわけではありません。
「借りたお金を返せない」とが問題となるです。
だから、将来の利益を見込んでの借入は健全な資金運用といえます。
借金を溶かさないことが大事
借入は「将来の利益の先食い」と言われることがありますが、
それは、銀行が「将来的に返済できるだけの利益を生むだろう」と見込んで貸していることから見ても明らかです。
借りたお金を事業拡大や新製品開発に使い、結果として利益を生めば問題ありません。
しかし、赤字補填のために借入金を使うと、資金が溶けてしまい、お金がなくなります。
だから、経営が苦しい時に「お金を貸してくれ」と頼んでも、
銀行はお金を貸せないのです。お金が消えてしまう(溶けてしまう)リスクを理解しているからです。
その観点からみて、「コロナ融資」は異常な融資であると言えます。
はじめから、溶けてなくなったお金を補填する目的の融資です。
だからこそ、「返済不能」に陥る企業が増えるぞと言われているわけです。
将来生まれるであろう「利益」を見込んでの融資ではないのですから
そうなるのは、当然とも言えます。
実質無借金経営のすすめ
では、中小企業が目指すべき、財務状況とは、どんな状態でしょうか?
もちろん最終的には、運転資金から設備投資まで全てを自己資金で補えるのが理想ですが
そんな簡単なものではないとことは、みなさん承知だと思います。
では、まず目指すべき姿はといえば、やはり 「実質無借金経営」ではないでしょうか。
多くの専門家も推奨しています。
これは、現預金と有利子負債がバランスする状態を指します。
たとえば、A社のように、手元資金が借入金と同額ある状態を指します。
専門用語など使わずに言えば
銀行から「すぐに、融資したお金、全額返して」と言われても
「はい、どうぞ」と返せる状態です。
余談になりますが、全額返すと手元資金が「ゼロ」となりますが
銀行からすれば、銀行の収益である「利息」が「ゼロ」となりますから
困ってしまうのは銀行となります。
企業は、別の銀行から借りればいいだけの話です。
銀行との付き合いの重要性
前段で少し銀行をディスってしまいましたが、銀行との健全なお付き合いは大変重要です。
健全なお付き合いとは、「お金を借りて、ちゃんと返す」こと。
「無借金経営」は一見魅力的ですが、「実質無借金経営」の方が「健全なお付き合い」ができます。
理由は、銀行との取引関係が維持されているからです。
銀行との健全な関係がなければ、急な資金調達が必要な際に審査に時間がかかり、
ビジネスチャンスを逃すことがあります。
健全なお付き合いを保ったうえで、定期的に資金繰り表を提出するなど、
日頃から銀行との健全な関係を築いておくことが重要です。
最後に
借りたお金を返すことは、当たり前ですが大切です。
しかし、経営者の仕事は、借りたお金を返すことではありません。
借りたお金を必要なところに投資し、「さらに増やす」ことにあります。
ですから、無用に借金を怖がる必要はありません。
自社の体力(返済能力や資金力)に応じた借入金を把握した上で
正しい資金運用とキャッシュフロー管理が、会社の長期的な成長に繋がります。
まずは、自社の状況をしっかり確認してみよう
2024.10.28

先日、生命保険の保険料の「出どころ」について触れましたが、
本日は、財務体質の強い会社になるための1つの方法をお伝えします。
たとえ専門家が傍にいなくてもできることですので
「稼いだ金は、どこに消えた?」「利益が出ているのにお金が増えない」
「もっと銀行交渉を有利に進めたい」など
疑問や希望をお持ちの方は、ご覧ください。
1. 「節税」の実態と利益確保
まず、前提として「節税は、けしからん!」と言っているわけではありません。
私だって、できることなら税金は少なくしたいと思っています。
しかし、現実には「節税」と言われているものの多くは「利益の繰り延べ」に
すぎないことが多いのが現実です。
もちろん、節税による手残り増加の手法も存在しますが、
私が知る限り、そのような優れた節税を実施できる専門家には
多額の顧問料が発生します。「年間数百万円の顧問料」が必要となり
その金額以上の節税効果がなければ、意味がないケースがほとんどです。
更に、節税できる金額の「約3倍」の利益を「毎年出す」ことが必要なうえ
決算直前に慌ててできるものには、節税効果が小さなものが多いので
裏を返せば、毎月きっちりと数字を管理できている会社でなければ
期待している効果をあげることはできません。
この前提から考えると、これだけ先が不透明な時代に
節税が本当に必要で、その効果が期待以上のものになるのかは疑問が残ります。
2. 「お金」で確認してますか?
確かに「節税」という言葉は、耳障りはイイ。
では、しっかりと「お金」の貯め方の方向からみているだろうか?
簡単な考え方なので、ぜひ覚えていただきたいと思う。
仮に税率を30%とすると、「30万円の節税」のためには、
どれだけのお金を使う必要があるだろうか?
答えは、簡単ですよね。
そうです「100万円」
100万円の利益を潰す、つまり、手元からなくなることにより
はじめて30万円の税金を減らすことが可能になります。
「どうしても必要」なものならまだしも、多くの場合
「いずれ使うだろう」や「利益に直結しないもの」に費やされていないだろうか?
一方、節税しなかった場合は、「税金を30万円支払う」(痛い!)
しかし、手元には70万円が残ります。
決算書で言えば、当期純利益のところが「70万円」となります。
3. 会社にとってのメリット
P/Lの「当期純利益」は結果として、B/Sの「利益余剰金」を積み増すこととなります。
利益余剰金は、「いざという時の備え」はもちろん
新たなことへのチャレンジの際などにも、自由に使えます。
もちろん、残念ながらの赤字の際にも、その穴埋めとして使えます。
ここで、少し考えてみましょう。中小企業という前提です。
利益余剰金が「100万円の会社」VS「1億円の会社」
新規事業に進出しようとした際に、どちらの会社が成功に近いと感じますか?
もし、資金として3000万円必要としたら、どちらの会社が先発できますか?
もし、あなたが銀行員なら、3000万の融資を申し込まれたのなら
どちらの会社に融資しますか?
もし、新規事業が失敗した場合、どちらの会社の方が危険な状態になりそうですか?
残念ながら、戦う前から結果が見えていると思います。
このように、新たなチャレンジの際だけでなく、銀行融資、資金繰り
そしてなによりも「社長の睡眠や健康状態」に好影響をもたらします。
4. 節税にとらわれず、企業価値を高めるための考え方
いかがでしたか? 何百万もの経費を掛けなくても会社は強くなります。
さらに、節税しないという選択をすることにより
1. 節税のために使っていた時間を本業やお客様に使える
2. 節税のために使っていたお金を本業の発展や従業員のために使える
など
企業の成長に必要不可欠なことに使うことも可能になります。
限られたリソースをフル活用し、企業価値を向上させていきましょう!
最後に、日本中の頑張っている社長様に向けて
最も効率的な投資先は「自分」や「自社」です。
自己投資は成功確率100%、さらに収益は無限大です。
「お届け物で~す」
今日もお仕事頑張ります!
2024.10.25

会社の決算書に「保険料」が計上されていない会社は
まず存在しないと思います。
しかし、その保険が本当に必要なのかどうかを検討する必要性があります。
今日は、会社経営と保険の関係について
「財務」「資金繰り」「リスク」「相続」などの観点から見ていきましょう。
1. その保険は本当に必要か?
多くの企業が保険を経費として計上しますが、
その保険が本当に必要なのか見直すことは非常に重要です。
特に、過去には生命保険を使った「節税」や「退職金積立」などが一般的でしたが、
必ずしも以前契約した保険が現在の経営状況に適しているとは限りません。
その上、保険セールスパーソンの中で、会社の財務やキャッシュフロー
その会社が抱えるリスクなど、多角的に判断した上で
生命保険提案をできる人間は、残念ながら全体の5%前後
と言って過言ではありません。
こんなことを書くと、怒られてしまいそうですが
生命保険の話をしていると「たった5%」の理由がよくわかります。
「なぜ、この生命保険の契約をなさったのですか?」
こう問いかけた際に、返ってくる答えが
「節税」「借入金額が、これくらいだから」「なんとなく不安だから」
「士業の先生に勧められたから」「付き合いで」「聞いてもよくわからんし」
95%が、こんな答えです。
今回は、詳しくは説明しませんが
生命保険は、「なんとなく」で入るものでは当然ありませんし
付き合いで入るにしては、高額すぎますし
ご存じの方も多くなってきましたが、節税にはなりませんし
借入金同等額の保険金では、万が一の際には、借金の全額返済はできません。
ましてや、聞いてわからないものにお金を払うなんて
ほかの商品では、あり得ませんよね。
2. 会社の経費削減と保険契約の見直し
よく聞く「経費削減」ですが、削減候補として真っ先に頭に浮かぶのが
保険料や広告費や研修費ではないでしょうか。
本当は、もっと手を付けたい経費があるが、そこに手を付けるのは
なかなか難しい経費もあると思います。
では、なぜ、保険料や広告費、研修費などは削減の1番手なのでしょう?
それは、短期的には会社に与える影響が少ないからです。
しかし、長期的には売上や会社や社員の成長に悪影響を与える可能性があります。
「とはいえ、ここを乗り越えなければ」という場面になったのなら
やはり、「削減の1番バッター」は「保険料」その中でも「生命保険料」だと思います。
多くの場合は、それが正解だと思われます。理由としては
「削ったからといって、直ちに売上が減少するわけではなく、
生命保険の業績への貢献度は低いから」ではないでしょうか。
3. 会社のお金に縛りがかかっていないか?
今度は角度を変え、「保険料の支払い」という観点から検証してみようと思う。
保険料を毎月、毎年支払うことにより、
その分のお金は「使えないお金」として縛られます。
多くの企業は業績が好調なときに、なんらかの理由で生命保険を契約しますが、
業績が悪化するとその保険料の負担が重く感じられることがあります。
となれば、「解約する」という選択をすると思いますが
生命保険の場合、解約を躊躇させてしまう仕組みがあります。
その理由の一つが、「元金割れのリスク」ではないでしょうか?
頑張って支払ってきたお金が減って返ってくるのですから当然のことと思います。
しかし、その保険料の支払いにより、会社の資金繰りが厳しくなるのなら
当然の話として、躊躇している場合ではありませんし
そこまで深刻ではないにしても、将来の事業環境が不透明であれば、
銀行への返済のお金や保険料のように「支払わなくてはいけないお金」は
誤解を恐れずに言えば、減らすべきです。
(様々な理由で減らせない場合があります)
将来の成長のために借りたお金の返済ならともかく
明確な目的もなく契約した生命保険の保険料支払いにより
経営の意思決定に縛りがかかるような事態は避けるべきです。
4. 保険料の出どころと経営リスク
「半損」と呼ばれる生命保険(例えば養老保険を使った福利厚生プラン)は、
半分は損金、半分は資産計上として扱われますが、
その資産計上されている保険料がどこから出ているのかを考えたことありますか?
実はこれ、「税引き後利益」から出ていくお金なのです。
税引き後利益から出ていくお金やその用途は代表的なものとして
「銀行への返済のお金」(元本部分)
「将来への投資の為のお金」
「いざという時の為の貯金のお金」
などがあります。
つまりは最後に残った、それはそれは「大切なお金」です。
資産計上分がある生命保険に入るということは、こういうことなのです。
もちろん、ある明確な目的をもって、このような生命保険に入る場合もあります。
ですので、その全てを否定するものではありません。
実際私も、企業や目的によって、資産計上がある生命保険を契約する場合もあります。
しかし、こうしたキャッシュは、中小企業にとっての命綱である
銀行の借入金の元本返済にも充てられる大切な資金です。
この資金を保険料として長期間ロックしてしまうことは、
経営の自由度を奪うリスクがあることをしっかりと把握しておきましょう。
5. 「会社や家族」大切なものを守ろう
例えば、事故や災害時に賠償金や再建に備える
「自動車保険」「火災保険」「賠償保険」などは、
事故が起きた場合、会社の存続や社会的信用にも影響を与えるため、
解約の意思決定は慎重に行うべきです。
また、特に中小企業の場合、社長の死亡保障は不可欠です。
多くの中小企業では、社長がトップセールスマンであり、会社の信用そのものです。
社長が倒れた場合、会社が存続できないばかりか、
家族に「個人保証」という形で負債が相続されてしまう可能性があります。
このようなリスクに対処するためには、適切な保険を適切な保険金額で
契約することが必要です。
さらに、会社を取り巻く状況は日々変化していきます。
そのため、生命保険のように契約期間が長いものは、
変化にあわせたメンテナンスが必要不可欠となります。
冒頭に出ました「5%」の保険セールスパーソンとは
こういったことに対する正しい知識や経験を持っています。
大切な会社や家族を守るために、
一度立ち止まって考えてみませんか?
夢や願望を叶えつつ、お金の不安がない人生が開けますよ。
これが、私の夢を叶えた姿
泥を見ると、どうしても「ゴロスリ」したくなるのよね~
2024.10.15

企業経営者にとって、決算期に向けての節税対策は大切な検討事項です。
ここでは、企業が実践できる4つのつの節税策について解説します。
適切に活用すれば税金負担を軽減する手助けとなりますが、同時に資金管理の慎重さが求められます。
1. 家賃の前払い
家賃の前払いは、一定の条件を満たす場合に経費として認められる節税方法の一つです。
翌年分の家賃を一括で前払いすることで、その金額を今年の経費として計上できます。
ただし、注意点としては、この方法は1年限りの節税効果しかなく、
翌年以降も一括払いを続ける必要があります。
十分な利益が確保できている会社にとって有効な手段ですが、
毎年同じように利益を出す必要があるため、慎重な計画が必要です。
2. 社員への決算ボーナス支給
決算ボーナスの支給は、社員に喜ばれる上に経費として計上できる節税策です。
特に、利益が多い年には有効ですが、社員は翌年以降もボーナスを期待するものです。
支給できない年があった場合には、社員のモチベーションへの影響を考える必要があります。
経営者にとって、このバランスを保つことが求められます。
3. 経営者への賞与支給
経営者に対する賞与支給は、一見すると損金不算入ですが、特定の条件を満たす方法を活用すれば、
経費として計上することも可能です。これには、正確な手続きが必要であり、適法であることが求められます。
また、決算期直前では手を打つことはできません。
詳しい方法については、トップページの「問い合わせ」からご相談ください。
4. セーフティ共済への加入
かつては「最強の節税商品」として知られたセーフティ共済ですが、
2024年10月以降の新規加入分については、最初の2年間は掛け金の損金算入が認められなくなりました。
したがって、今後の加入を考えている方は、注意が必要です。
まとめ:節税対策とキャッシュフロー管理
いずれの方法も、節税に役立つ手段ですが、同時に大きなキャッシュアウトを伴うことを忘れてはなりません。
節税を目的とするのではなく、企業の長期的な経営戦略の一部として取り入れることが大切です。
特に、資金繰りに余裕がない場合、無理な節税策は逆効果になる可能性もあるため、専門家の助言を受けながら計画的に進めましょう。
もし、「どうしても節税したい」とお考えなら、一概には言えませんが相談相手としての
選択肢の見つけ方を、ご紹介いたします。
ズバリ「月額報酬25万以上の人」この辺のレベルの人の中には「この人凄い!」て人がいます。
裏を返せば「年間300万以上の節税ができる人」とも言えます。
様々な「投資」を利用した節税策を提案してくださいますので
言い方を変えれば「年間300万以上、お金を増やしてくれる人」とも言えます。
もし自社の財務状態や節税対策に関してお悩みの方は、ご相談ください。
残念ですが、私は、そこまで高額の顧問料はいただけません。
そこまで凄い、節税策もできませんし、何より私は
「社長や社員の夢を、お金という裏付けをもって実現する」のが仕事なので。
秋ですね~
2024.10.10

かつて、生命保険を使った節税策は「節税の王道」として多くの経営者に利用されていましたが、
国の規制強化により、その効果は大きく変わってきています。
特に、「バレンタインショック」や「ホワイトデーショック」と呼ばれる規制は、
多くの企業が利用していた「節税保険」と呼ばれていた商品の販売停止を引き起こしました。
このような背景から、生命保険を利用した節税策は、慎重に検討する必要があります。
現在は、節税を売りにした生命保険は、ほぼ全てなくなってしまいましたが
現在でも「1/2損金」みたいな保険は存在しています。
その保険自体が、良い・悪いということではなく、「誤った」もしくは「知らなかった」
ことによる、企業に与えるダメージをお伝えします。
多くの企業はもちろん、生命保険を販売している人間も多くの人たちが
「財務」の知識不足により陥っている部分です。
少なくとも私は、一度もこのことを「生命保険会社の人間」からも聞いたことはありません。
生命保険と節税:過去の規制強化による影響
かつては「節税保険」として、企業が保険料を経費として処理しつつ、
解約時には一定のキャッシュが戻ってくるという仕組みの生命保険が広く使われていました。
しかし、これが税制の「抜け道」として問題視され、国が規制を強化。
これにより、保険会社も販売を停止することを余儀なくされ、「名義変更プラン」なども同様に封じられました。
なかには度が過ぎて、金融庁からお灸を据えられた生命保険会社もあります。
そのため現在の生命保険の「設計書」なるものには、
「この保険は、節税できませんよ」と書いていると思います。
節税より重要な「キャッシュフローの管理」
生命保険の「半損定期保険(1/2損金保険)」などは、保険料の半分を経費として落とし、
残りの半分を資産計上するとなっていますが、この資産に計上している部分の保険料は
決算書のどこに出てくるでしょうか ?
答えは
一般的な中小企業の決算書には「どこにも出てこない」 です。
これが、生命保険に関して言えば、企業経営、特に「現金」に与えるインパクトが大きいところなのです。
何故、大きいのか。 それは
「税引き後の利益から保険料の半分を支払う」からです。
税引き後利益とは、文字の通り税金を支払った後に残ったお金。
つまりは、「手持ちの現金」にあたるお金です。
この税金を含めたすべての支払いが終わった後に残るお金は、
最も代表的なものとして、銀行への借入金の「元本返済金」の支払い原資となります。
多くの会社が、銀行からの借入をして、会社を回していると思います。
そして返済をし、信頼を積み重ねることにより、繰り返し融資を受けていると思います。
そこに、輪をかけて、生命保険の資産計上部分の保険料がのしかかる。
多くの企業がこの事実に気づかずに、また、保険募集人がこの事実を知らずに
生命保険の契約をしているのが残念ながら現実です。
保険料の支払いが会社の資金ショートの原因となるリスクの一つであることを
ご理解いただけたと思います。
正しい保険契約の見直しが会社の健全経営を支える
保険契約は、「保障」を第一に考えつつ、キャッシュフローの管理も忘れないことが重要です。
経営者として、節税目的だけにとらわれず、財務戦略全体の一部として保険を活用するべきです。
保険契約が会社の資金繰りにどのように影響を与えるかを確認し、
不要なキャッシュアウトを避けるための判断が求められます。
もし、「自分の会社はどうなっているのか」確認してみたいという方がいましたら
ホームページの「問い合わせ」から、ご連絡下さい。
たった1枚の紙に書かれた、ブロックを使い、だれでも簡単に自社の財務状態が
一瞬で理解できる資料をお渡しいたします。
「隠れたリスク」発見しませんか?
2024.10.09

決算前に知っておきたい節税の落とし穴:車(備品)の購入は本当にお得か?
決算が近づくと、会計事務所や税理士から「今期、利益が出ていますよ」とアドバイスを受けることがあります。
その際、多くの経営者が「節税のために何か買おうか」と考え、
車の購入や備品の購入、生命保険の加入を検討することも少なくありません。
決算直前の車購入が持つ意外な落とし穴
例えば、決算前に急いで車を購入するケースを考えてみましょう。
一見、節税効果が期待できそうに見えますが、実は「減価償却」という壁が存在します。
車などの高額な固定資産は、購入した年に全額を経費として計上できず、
数年間にわたって少しずつ経費化されます。
特に決算直前の購入では、その年の経費に計上できるのは、決算日までの「月割り」分だけ。
したがって、期待していたほどの節税効果が得られないばかりか、
手元の現金が大幅に減ってしまっただけなんてことになりかねません。
節税対策としてのキャッシュ管理の重要性
手元資金が十分に潤沢であれば、節税のために大きな買い物をすることも問題ありません。
しかし、内部留保が十分ではない場合には、慎重な判断が必要です。
コロナの時や自然災害など、売上が一時的にゼロ、もしくは激減した場合を考えてみましょう。
自然災害や予期せぬトラブル、SNSによる風評被害など、いつどこで企業の収益が一時停止するかは予測できません。
実際に、ペヤングソース焼きそばの、消費者からの異物混入の訴えへの対応では
6か月間も工場を閉鎖しました。それでも従業員の給与を支払い続けられたのは、手元に現金を確保していたからです。
車のローン購入や中古車の選択肢は本当に得策か?
一度に、多額の現金が手元からなくならないようにするために、キャッシュアウトは頭金程度とし
「車を借入をして買えばいいのでは?」と考えるかもしれませんが、
翌年以降の税負担や保険料など、必ず発生する経費があります。
また、借入金の元本返済額は経費にはならないため、
税引き後利益からの「キャッシュアウト」となります。
また、中古車を購入する選択肢も一部では有効な戦略ですが、
それでも翌年以降の固定資産税や保険料の負担は避けられません。
結果的に、短期的な節税を狙った買い物が、長期的には企業のキャッシュフローを圧迫する可能性があるわけです。
「節税」という名の「お買い物」
節税と言えば響きはイイですが、要は「お買い物」です。
そして、大きな買い物をすれば、「何を買ったのか」の記録が残ります。
そう、決算書の貸借対照表(B/S)と言われる紙に。
もし、家計簿や、お小遣い帳に「これって、ほんとに必要なのかな?」という買い物が
書き込まれていたら、どうでしょうか?
下駄箱に入りきれないほど大量の靴があるのに、靴を買って帰ってきたら、どう思うでしょうか?
私も零細企業とはいえ、経営者ですから
「自分のお金」と「会社のお金」に対する、妙な感覚の違いを感じます。
なので最近は、会社のお金を使う時には、いい意味で「自分のお金感覚」を
意識するようにしています。
悪い意味での「自分のお金」感覚には、くれぐれもご注意くださいね。
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正しい節税とは?社長!確認してください!節税戦略とリスク ① – (有)佐藤保険事務所 (sato-insurance.jp)
社長!確認してください!会社にとって必要な節税戦略とリスク ② – (有)佐藤保険事務所 (sato-insurance.jp)
犬に合羽は必要か?
まぁ~ 可愛いからいいか
2024.10.08

いつもご訪問ありがとうございます。
今日は、世の中で広く言われている「節税」の際のポイントや
誤解されがちな点について、解説していきます。
節税の基本: 利益を抑えるだけでは不十分
節税の基本的な考え方は「利益を抑える」ことにあります。
しかし、ここで重要なのは、「キャッシュフローを確保しつつ節税を行う」という視点を忘れてはならない点です。
法人税は「所得」に基づき計算されるため、税負担を抑えるために利益を調整することは有効ですが、
現金(キャッシュ)を失ってしまうような節税策は企業にとって逆効果になりかねません。
しかし、残念ながら「キャッシュアウト」を伴わない節税対策と呼ばれているものは非常に少なく、
また、「利益の繰り延べ」にしかなっていない節税対策なるものは大変多く見られます。
キャッシュフローを優先する節税の重要性
会社が倒産する最大の理由は「キャッシュが途切れたとき」です。
そのため、節税を考える際に最も重要なことは「キャッシュを一定程度維持しながら、税負担を減らすこと」です。
また、利益を投資などで繰り延べる節税策がありますが、これは長期的な視点で判断する必要があります。
企業経営は、山あり谷ありです。赤字の際にも続けていくべき対策なのか
赤字の際に活用できるリソースとして(赤字の補填)、使えるものなのかなど、あらかじめ確認しておくことが大切です。
決算書に表れない隠れた出費に注意
節税を行う際には、決算書上に出てこない「隠れたコスト」にも注意が必要です。
たとえば、借入金の返済や損金算入できない生命保険料などは大きな出費となり得ます。
これらを無視して節税を行うと、結果的にキャッシュが不足し、「自転車操業」に陥るリスクが高まります。
キャッシュを守る節税を
節税策を検討する際には、「利益を抑えるだけ」ではなく、キャッシュフローを守りつつ実行することが不可欠です。
また、節税のタイミングや方法については、経営者が慎重に判断する必要があります。
しっかりとした財務戦略を持ち、企業の成長を促進するための節税を実践しましょう。
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まじめに書いてます!
2024.10.07

世の中には、さまざまな「節税方法」が存在しますが、その多くが誤解されていることも少なくありません。
この記事では、正しい節税の考え方や、それが企業成長にどう関わるのかについて解説していきます。
一度では書ききれないので、数回シリーズにして、お送り致します。
節税の定義とは?
まず、「節税」とは何か? その基本的な定義を確認しましょう。
節税とは、法律に基づいて合法的に税負担を軽減する行為のことを指します。
重要なのは、税法の「範囲内」で行うことが条件であり、範囲を超えた行為は当然「脱税」と見なされます。
税法は時折見直され、今までの節税方法が使えなくなることもあります。
最新の情報を確認することが必要です。
また、税務署や税理士の前では、「節税」という言葉を避け、
「適正な税負担」と表現するのがマナーです。
節税に関する注意点
近年、YouTubeなどやSNSでも節税に関する情報が数多く配信されていますが、
全ての情報が信頼できるわけではありません。
また、YouTubeで紹介された節税方法が税制の変更に影響を与えたケースがあるくらい、
最近は、国をも動かすほどの影響力をもった番組まで現れましたので
全てを鵜呑みにせず、最新の情報を信頼できる人間と一緒にチェックすることも大切です。
会社のステージに応じた節税戦略
節税が効果的かどうか、必要かどうかなどは、会社の成長段階によって異なります。
企業は「誕生期」「成長期」「安定期」「衰退期」「消滅期」のようなステージを辿り、
それぞれの段階に応じた財務戦略が求められます。
このタイミングを誤ると、将来的に「こうしておけばよかった」と後悔する場面が出てきますし
利益が出ているにも関わらず、いつまでたっても「体力がなく」「体質の弱い」会社から脱することができず
しいては、銀行からの借入れの際にも、思ったような額や条件で借りられなかったり
コロナや災害の発生時や〇〇ショックといわれる「10年に一度」程度の間隔で発生する
自分の力では、どうにもできない災害や不況の際に、簡単に苦境に陥ってしまいます。
「今期、利益が出たから節税する」が来期以降の会社の苦境の際にあだとならぬよう
「税務」に詳しいではなく「財務」詳しい人間と関わりをもつことは、とても重要です。
あま~い囁き「節税できますよ」の誘い文句
「節税になります」「節税できますよ」の誘い文句には、十分気を付けましょう。
節税と言われるものの多くは「税金は安くなる」が安くなる税金の額より多くのお金がなくなる
なんてものが、多いのは事実です。それでは、「本末転倒」ですよね。
節税すべき状態や環境かどうか、もしくは、社長自身が、一番守りたいものや
どのような会社にしたいのかなどによって、節税をするしないは勿論
どのような節税をするかも、変わってきます。
その決断ができるのは、まさに「社長たったひとり」なのです。
慎重には慎重を重ねて、お考え下さいね。
では、明日以降、具体的な話を交えながら、書き進めていこうと思います。
晴れた日に、見通しが良くても
一度立ち止まり「確認、確認」
2024.10.04

「銀行は晴れた日に傘を貸し、雨の日には取り上げる」とよく言われます。
これは、経営が順調な時には融資が受けやすいのに、経営に陰りが出てくると
急に融資が難しくなるという状況を表しています。
言い換えれば、銀行は「返済が確実にできる状態でないとお金を貸さない」
というごく当たり前のビジネスを行っていることを指しています。
では、企業経営において「晴れた日」とはどのような状態でしょうか?
それは「業績が好調で資金に余裕がある状態」を指します。
しかし、皮肉なことに、この「晴れた日」には
急激に売り上げが伸びたなどではない限り
融資を必要としない、考えないことが多いものです。
一方で、「雨の日」とは業績が悪化し、資金繰りが厳しい時。
こんなときには借入が難しく、もし借りられたとしても金利が高く、条件が厳しいことが多いのです。
銀行との良好な関係を維持し、資金調達を円滑にするためには、
好調な時期にこそ「雨に備えた借入」を検討することが賢明です。
晴れた日に借入を行うメリット
1.借入がしやすい:経営が好調な時期には、銀行からの評価が高く、スムーズに融資を受けることが可能です。
2.低金利で借りられる:会社の財務状況や企業の信用度が高ければ、金利も低く抑えられます。
3.資金繰りが安定する:余裕がある時期に手元資金を確保しておくことで、アクシデントに備えられます。
4.経営者保証が外れやすい:経営状況が良好であれば、経営者の個人保証を外せる可能性があります。
5.プロパー融資が受けられる:銀行が保証なしで直接融資する「プロパー融資」も、条件が整えば受けやすくなります。
雨の日に借入を行うリスク
逆に、業績が悪化している「雨の日」には以下のようなリスクが伴います
1.借入が難しくなる:信用が低下し、融資のハードルが高くなります。
2.金利が高くなる:回収リスクが高いと判断されるため、金利が上昇します。
3.経営者保証が必要になる:銀行から個人保証や担保を求められることが増えます。
4.審査が厳しくなる:借入自体ができなくなる可能性が高まります。
金利は「保険料」と考える
「余計な金利を払いたくない」という経営者の声もあります。
十分、理解はできます。とはいえ、借りやすい時に借りておくことのメリットは大きい。
「わかっちゃいるけど~」という経営者の方へ、こんな考え方をご提案します。
晴れた日に、お金を借りておき、手元資金を厚くしておくことは、
会社に降ってくるかもしれない「事故」に備えるようなものです。
ですから、「余計と思われる金利」は、まさに「保険料」
その上、金利は経費として扱われるため、節税効果もあります。
節税になるということは、金利の約3割は国が負担してくれているようなものです。
どうでしょう? 少しは前向きに考えられませんか?
最後になりますが、決して「借金の勧め」をしているわけでも
「銀行のフォロー」をしているわけでもありません。
いつかは、無借金経営でも、会社が回り、発展するのがベストです。
ですが、そこにたどり着くには「順番」や「段階」があるのです。
「経営者」は「消費者」ではありません。
お金を消費するのではなく、上手にお金を使い、増やしつつ
会社や従業員さんたちを守り、成長させていきましょう。
晴れてる時には、一服したい・・・。でも、休んじゃいられない・・・
会社経営て大変ですね
2024.10.01

「無借金経営をしたい!」と思うのは、多くの経営者にとって目標です。
では逆に、借入金が多い会社はダメな会社でしょうか?
答えは「NO」です。
借入金の有無やその額が、会社の良し悪し判断する理由とはなりません。
借入金と会社の実態:A社 vs. B社
例を挙げてみましょう。
A社: 借入金1億円、現金1億円
B社: 借入金0円、現金0円
新規で取引するとしたら、どちらの会社と取引したいですか? 答えは明らかでしょう。
どちらも自前の資金はゼロですが、B社とは取引したくないはずです。
A社は現金があり、借入金を全額返しても資産は残らなくとも倒産しない状況です。
一方B社は、ほんの少しのアクシデントや予定外があっただけで、一瞬で資金ショートします。
このように、借入自体が悪いわけではありません。
「借りたお金を返せない」とが問題となるです。
だから、将来の利益を見込んでの借入は健全な資金運用といえます。
借金を溶かさないことが大事
借入は「将来の利益の先食い」と言われることがありますが、
それは、銀行が「将来的に返済できるだけの利益を生むだろう」と見込んで貸していることから見ても明らかです。
借りたお金を事業拡大や新製品開発に使い、結果として利益を生めば問題ありません。
しかし、赤字補填のために借入金を使うと、資金が溶けてしまい、お金がなくなります。
だから、経営が苦しい時に「お金を貸してくれ」と頼んでも、
銀行はお金を貸せないのです。お金が消えてしまう(溶けてしまう)リスクを理解しているからです。
その観点からみて、「コロナ融資」は異常な融資であると言えます。
はじめから、溶けてなくなったお金を補填する目的の融資です。
だからこそ、「返済不能」に陥る企業が増えるぞと言われているわけです。
将来生まれるであろう「利益」を見込んでの融資ではないのですから
そうなるのは、当然とも言えます。
実質無借金経営のすすめ
では、中小企業が目指すべき、財務状況とは、どんな状態でしょうか?
もちろん最終的には、運転資金から設備投資まで全てを自己資金で補えるのが理想ですが
そんな簡単なものではないとことは、みなさん承知だと思います。
では、まず目指すべき姿はといえば、やはり 「実質無借金経営」ではないでしょうか。
多くの専門家も推奨しています。
これは、現預金と有利子負債がバランスする状態を指します。
たとえば、A社のように、手元資金が借入金と同額ある状態を指します。
専門用語など使わずに言えば
銀行から「すぐに、融資したお金、全額返して」と言われても
「はい、どうぞ」と返せる状態です。
余談になりますが、全額返すと手元資金が「ゼロ」となりますが
銀行からすれば、銀行の収益である「利息」が「ゼロ」となりますから
困ってしまうのは銀行となります。
企業は、別の銀行から借りればいいだけの話です。
銀行との付き合いの重要性
前段で少し銀行をディスってしまいましたが、銀行との健全なお付き合いは大変重要です。
健全なお付き合いとは、「お金を借りて、ちゃんと返す」こと。
「無借金経営」は一見魅力的ですが、「実質無借金経営」の方が「健全なお付き合い」ができます。
理由は、銀行との取引関係が維持されているからです。
銀行との健全な関係がなければ、急な資金調達が必要な際に審査に時間がかかり、
ビジネスチャンスを逃すことがあります。
健全なお付き合いを保ったうえで、定期的に資金繰り表を提出するなど、
日頃から銀行との健全な関係を築いておくことが重要です。
最後に
借りたお金を返すことは、当たり前ですが大切です。
しかし、経営者の仕事は、借りたお金を返すことではありません。
借りたお金を必要なところに投資し、「さらに増やす」ことにあります。
ですから、無用に借金を怖がる必要はありません。
自社の体力(返済能力や資金力)に応じた借入金を把握した上で
正しい資金運用とキャッシュフロー管理が、会社の長期的な成長に繋がります。
まずは、自社の状況をしっかり確認してみよう