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「中小企業が勝ち残るための戦略:安売り競争からの脱却と差別化戦略」
2024.12.23
多くの業界で依然として価格競争が続いています。
しかし、この安売り合戦には大きな落とし穴があります。
それは、
最終的な勝者は、規模の経済を活かせる大手企業1社のみとなることです。
現実的には、法律の問題もあり「1業種1社」とはなりませんが
最後の最後まで、戦ったのならば、勝ち残るのは必ず1社となります。
ですので、中小企業が生き残るためには、
安売り競争から抜け出し、独自の戦略で戦う必要があります。
では、中小企業はどのように競争優位性を確立すべきでしょうか。
ここでは、私自身が抱える悩みを基にした具体例を交えながら、
中小企業が取り組むべき3つの戦略について考えてみましょう。
なぜ「安売り合戦」に巻き込まれてはいけないのか?
「少しでも安く」という顧客心理は当然ですが、
良い意味で、「安売り」の世界に参入すると
一時的な売上アップにつながるかもしれませんが
長期的な視点で見ると、それは衰退への道を辿る危険な賭けとなります。
なぜなら、安売り合戦に参加するということは、
価格競争という泥沼に自ら飛び込むようなものだからです。
資金力のある大企業は、多少の赤字を出しながらも、
体力の限界を迎えた競合他社が撤退するまで、
延々と価格競争を続けることができます。
しかし、中小企業には、大企業のような体力はありません。
価格競争に巻き込まれれば、利益を圧迫され、
最終的には、事業の継続すら危ぶまれる可能性があります。
成功する差別化戦略の3つの柱
では、私たち中小企業はどのような戦略を取るべきでしょうか?
1. 差別化
差別化とは、自社の商品やサービスを他社と明確に区別し、
独自の価値を提供することです。
差別化することで、競争市場でのユニークなポジションを築き、
他社が簡単には模倣できない強みを持つことが重要です。
例えば、顧客の特定のニーズに応じた機能など、
顧客にとって特別な価値を提供することが差別化の一例です。
これにより、価格だけに頼らずとも選ばれる商品やサービスを実現できます。
2. 付加価値
付加価値とは、商品やサービスが提供する基本的な機能以上に、
顧客にとって有益な追加の価値です。
例えば、車のシートに特殊加工を施すことで犬の毛が絡みにくくし、
掃除を容易にするといった追加の利便性を提供することが挙げられます。
付加価値を提供することで、顧客は他社製品では得られない
特別なメリットを享受でき、価格競争から一線を画することが可能です。
また、高付加価値になればなるほど、販売価格を高めに設定でき
多くの利益を稼ぎ出すことも可能になります。
3. 伝える力
日本人のビジネスマンは、これが「弱い」
もしくは「伝えていない」ことが非常に多いと言われています。
伝える力は、単なる商品の特徴を伝えるだけでなく、
顧客がその商品を手にすることでどんな問題が解決され、
どんな未来が待っているかを効果的に訴求する能力です。
具体的な未来のビジョンを顧客に描かせることで、
製品説明を超えた感情的な共鳴を得ることができます。
(「そうそう! それなのよ」ってやつです)
顧客は単に商品を手にすることが目的ではなく、
その商品によって得られる「明るい未来」や「楽しい未来」
もしくは、「困った」が解消された未来を購入するのです。
また、自社の独自性は積極的にアピールしましょう。
「他社にはなく自社にあるもの」「製品・商品に込めた想い」は勿論
1個人として言うべきこととしては
「なぜ、この仕事をしているのか」
「この仕事を通じて、社会にどんな影響を与え
どんな貢献をしたいのか」を話しましょう。
このように単に商品の説明が上手いだけではなく
そこに存在する「商品に込められた想いやバックグラウンド」を
伝えることは、商品選定時の消費者に大きな影響を与えます。
車の販売における具体例
実は私自身、そろそろ車を買い替えようと考えています。
どのように営業されたら、「ググっと」心が動くかなと考えてみました。
私が、「営業マン」なら、まずは今の車が抱える問題点から聞いていきます。
「こんにちは。お車をご検討なされているようですが
今乗られているお車で、何か不都合等ございましたか?」
「私は、大型犬と3人家族で大型犬と暮らしています。
普段から犬を連れて旅行やドライブに出かけますが、
車内のラゲッジスペースや犬の毛の掃除の手間に悩んでいます。」
こんな硬くは話しませんが、こんな感じからスタートします。
このように、相手の「困り事」をリサーチした上で、こう提案します。
「こちらの車は、ご家族3人がゆったりとくつろげるスペースがあり、
大型の荷物を積むことができるラゲッジスペースも確保されています。
加えてシートに当社独自の特殊な加工をしていますので
犬の毛がシートに絡まりにくく、掃除機一つで簡単に清掃ができます。
これにより、煩わしい掃除から解放され、
ご家族との楽しい思い出作りに集中できるでしょう。
車は、走る・止まる・曲がるの基本性能は勿論大切ですが
家族との大切な思い出作りをお手伝いできる商品ですので
納得できるまで、ごゆっくり検討いただければと思います。
実は、私も犬を連れて、旅行に行くもので
犬の毛の問題で困っていました。
今は、その問題も解消され、快適なカーライフを過ごしています。
掃除の仕方など、お教えしますので、お気軽に声をかけてください」
実際にこんな車があるのかどうか、わかりませんし
こんな堅苦しくは話しませんが
このように「差別化」「付加価値」「伝える力」を組み合わせることで、
私の困り事を解決しつつ、家族との楽しい未来を予感させられたら
少なくとも「候補の1つ」には入ると思います。
その結果、単なる安売り競争から抜け出し、競争力を高めることができます。
価格競争から脱却し、持続可能な事業を展開するためには、
明確な差別化戦略が不可欠です。
顧客の課題を深く理解し、その解決策を提供することで、
価格以外の価値を創造することができます。
重要なのは、単なる商品やサービスの提供ではなく、
顧客の「より良い未来」を提案し
商品・サービスを購入した「結果」にスポットを当てることです。
そのためには、「差別化」・「付加価値」・「伝える力」の
3要素を効果的に組み合わせることが重要です。
自社の強みを活かした差別化戦略を実践することで、
大手企業との価格競争を避け、
独自の市場ポジションを確立することが可能となります。
最後になりますが、上記のような話をさせていただくと
高確率で、出てくる返答があります。
「言ってることはわかるけど、そんな強みや想いなんて
考えたこともないし、あるのかどうかも、わからないよ」
そんな時は、「壁打ちの壁」になってくれる人を探してください。
社内でも家庭内でも、いいと思います。
「そんな人間は、いないな・・・」という方は
私たち「キャッシュフローコーチ」にお声がけ下さい。
頭の整理をし、自身が気づいていない強みの発見などを
お手伝いできるように日々訓練しています。
お気軽に、ご相談下さい。
私の旅行の時の荷物は、これだけです
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【社長必見】売上よりも利益を重視すべき理由とは?社員にも分かりやすく解説!
2024.12.03
「会社にとって大切なのは売上と利益、どっち?」
そう聞かれたら、多くの社長は「利益」と答えるでしょう。
しかし、社員は「売上」を重視しがちなのが現実です。
なぜなら会社や上司の口から出てくるのは「売上目標」ばかり
そのため、結果的に「利益」の重要性が社員まで
浸透していないケースが多くなります。
この記事では、会社にとって「利益」がなぜ重要なのか
そして、その重要性を社員にも理解してもらうための
分かりやすい説明方法をご紹介します。
売上よりも利益を重視すべき理由
「売上」は会社の規模を示す指標になりますが、
利益が出なければ会社は存続できません。
利益こそが、事業を継続し、成長させるための源泉となるのです。
よくメディアでは「売上〇〇億の会社経営者」などと紹介されていますが
正直、私は「そうなんだ~頑張ってますね」としか思いません。
確かに売上が大きいのは、凄いと思いますが
そこに利益が伴わなければ、売上の大きさは意味をなしません。
では、なぜ多くの会社で「売上」が重視されるのでしょうか?
それは、
「売上は目標設定しやすく、進捗を把握しやすい」
「売上は目に見える成果として評価しやすい」
といった理由が考えられます。
その為、売上を上げることが重要視され、
本来企業存続に最も必要なはずである「利益」に対する意識が
希薄になってしまうのではないでしょうか。
売上重視の落とし穴
売上を重視しすぎると「落とし穴」にハマってしまいます。
その典型例が「安売り競争」です。
安売り競争に陥ると、売上は上がっても
利益は減ってしまう可能性があります。
平常時に
仕入れ値が50円のボールペンを売価100円で売ったとしましょう。
100本売ったとしたら
(100-50) ×100=5000円の利益
ライバル店が80円で販売開始
負けてたまるかと70円で販売したところ
200本も売れました
(70-50) ×200=4000円の利益
倍の数量を売りさばいても利益は減っています。
「それでも利益が出てるんだからいいじゃん」なんて
経営者なら考えませんよね?
社員さんたちは、そう考えてしまうことが多いのではないでしょうか?
そうです。ここで出た利益は「粗利」です。
現実の会社では、この粗利から人件費や光熱費等の「固定費」が
出ていくわけです。
もし、この会社の普段の労働分配率(粗利に対する人件費の割合)が
60%ならば人件費は3000円(5000×60%)
その他固定費が1000円とすると
経常利益は「5000円-3000円-1000円=1000円」
安売り競争に参入してしまうと
経常利益は「4000円-3000円-1000円=0円」
「よかった~赤字にならなくて」なんて
経営者なら「まさか」思いませんよね?
そうです。この経常利益から
法人税が引かれ、更にそこから銀行から借り入れたお金の
「元本返済分」や生命保険の「資産計上分」が
引かれていくわけですよね。
この会社が安売り競争に参入し
頑張って普段の2倍の数量を販売したとしても
この会社の現金は確実に減ってしまうのです。
そうです。この部分が「キャッシュフロー」と呼ばれるもの考え方です。
キャッシュフローがマイナスの会社の運命は「破産」に向かっている
わけですから、その状態を放置しておくわけにはいかないはずです。
これが「安売りの落とし穴」なのです。
「安売り合戦」の勝者は1人
安売りをするということは、「薄利多売」により
利益を稼ぎ出す戦略です。
突き詰めていくと安売りや薄利多売型のビジネスモデルには
勝者は1人しかいないことがわかります。
では、それは誰なのでしょう。
答えは
「業界のトップ企業」です。
資金力と販売力により消耗戦に持ち込めばいいだけの話です。
相手は、耐えることができなくなり、消えていきます。
市場の寡占化防止のため、実際にはそんなことは起きませんが
理論的には、最も体力がある会社しか生き残れません。
つまり「安売り競争」や「薄利多売」は、
資金力のある大手企業だからできる戦略なのです。
中小企業が安易に価格競争に飛び込むと、
あっと言う間に、体力を消耗し、
最悪の場合、破産に追い込まれてしまこととなります。
社員に利益の重要性を理解させる方法
社員に利益の重要性を理解してもらうためには、
以下の2点を分かりやすく説明することが重要です。
1. 会社の利益の仕組み
2. 利益と給与の関係
1. 利益の仕組みを分かりやすくする!
普段私は、社員さんたちに対して図形を使い
会社の会計と個人の家計を連動させて説明しています。
すると、社員さんたちにも理解しやすくなります。
この図形を連動させるのです。
項目を家庭用に下記のように変えてあげるだけです。
売値 = 給与支給額
変動費 = 所得税などの税金や社会保険料
粗利 = 手取り
固定費 = 食費や家賃など
利益 = 遊興費や貯金
このように会社の図形と個人の図形を並べてあげたうえで
「一番、増やしたいところは、どのブロックですか?」
と尋ねます。
多くの方は、自分の懐に入るお金である「手取り」と答えます。
確かに「手取り」の源泉は「支給額」ですが
税金や社会保険料のしくみが階段状になっていることを
知っていれば、支給額アップにより税率や社保の保険料が
上がってしまい、手取りが減ることがわかるはずです。
今流行りの言葉で言えば「103万の壁」や「130万の壁」です。
このように、会社の収益構造と家計を対比してみると
「粗利=手取り」が一番大切なことが理解してもらえます。
2. 利益と給与の関係性を明確に!
「粗利が大きくなれば、給与もアップする、賞与も増える」
という関係性を明確に示すことが重要です。
これも、上記の図形を見ると一目瞭然となります。
給与等の人件費は中小企業の場合
「固定費」の中の大部分を占めます。
つまり、「粗利」を大きくすることが
人件費を大きくすることにつながります。
(労働分配率を下げないという前提です。
下げるのは経営判断となりますが
「頑張っても、報われない」こととなり
社員さんの雇用や、やる気に悪影響が出かねません)
売上ばかりを追求し、安易な安売りや値引きをしてしまうと、
会社の利益は減少し、結果的に給与や賞与にも
悪影響があることを理解してもらいましょう。
利益を追求し、会社も社員も共に成長を!
今回は、会社にとって「利益」がなぜ重要なのか、
そして、その重要性を社員にも理解してもらうための
分かりやすい説明方法をご紹介しました。
利益を追求することは、会社を成長させ、
社員の待遇を向上させることに繋がります。
ぜひ、本記事を参考にして、
社員一人ひとりが「利益」を意識して行動できるような
社内体制を構築していきましょう。
み~んな「笑顔」✨
2024.12.23
多くの業界で依然として価格競争が続いています。
しかし、この安売り合戦には大きな落とし穴があります。
それは、
最終的な勝者は、規模の経済を活かせる大手企業1社のみとなることです。
現実的には、法律の問題もあり「1業種1社」とはなりませんが
最後の最後まで、戦ったのならば、勝ち残るのは必ず1社となります。
ですので、中小企業が生き残るためには、
安売り競争から抜け出し、独自の戦略で戦う必要があります。
では、中小企業はどのように競争優位性を確立すべきでしょうか。
ここでは、私自身が抱える悩みを基にした具体例を交えながら、
中小企業が取り組むべき3つの戦略について考えてみましょう。
なぜ「安売り合戦」に巻き込まれてはいけないのか?
「少しでも安く」という顧客心理は当然ですが、
良い意味で、「安売り」の世界に参入すると
一時的な売上アップにつながるかもしれませんが
長期的な視点で見ると、それは衰退への道を辿る危険な賭けとなります。
なぜなら、安売り合戦に参加するということは、
価格競争という泥沼に自ら飛び込むようなものだからです。
資金力のある大企業は、多少の赤字を出しながらも、
体力の限界を迎えた競合他社が撤退するまで、
延々と価格競争を続けることができます。
しかし、中小企業には、大企業のような体力はありません。
価格競争に巻き込まれれば、利益を圧迫され、
最終的には、事業の継続すら危ぶまれる可能性があります。
成功する差別化戦略の3つの柱
では、私たち中小企業はどのような戦略を取るべきでしょうか?
1. 差別化
差別化とは、自社の商品やサービスを他社と明確に区別し、
独自の価値を提供することです。
差別化することで、競争市場でのユニークなポジションを築き、
他社が簡単には模倣できない強みを持つことが重要です。
例えば、顧客の特定のニーズに応じた機能など、
顧客にとって特別な価値を提供することが差別化の一例です。
これにより、価格だけに頼らずとも選ばれる商品やサービスを実現できます。
2. 付加価値
付加価値とは、商品やサービスが提供する基本的な機能以上に、
顧客にとって有益な追加の価値です。
例えば、車のシートに特殊加工を施すことで犬の毛が絡みにくくし、
掃除を容易にするといった追加の利便性を提供することが挙げられます。
付加価値を提供することで、顧客は他社製品では得られない
特別なメリットを享受でき、価格競争から一線を画することが可能です。
また、高付加価値になればなるほど、販売価格を高めに設定でき
多くの利益を稼ぎ出すことも可能になります。
3. 伝える力
日本人のビジネスマンは、これが「弱い」
もしくは「伝えていない」ことが非常に多いと言われています。
伝える力は、単なる商品の特徴を伝えるだけでなく、
顧客がその商品を手にすることでどんな問題が解決され、
どんな未来が待っているかを効果的に訴求する能力です。
具体的な未来のビジョンを顧客に描かせることで、
製品説明を超えた感情的な共鳴を得ることができます。
(「そうそう! それなのよ」ってやつです)
顧客は単に商品を手にすることが目的ではなく、
その商品によって得られる「明るい未来」や「楽しい未来」
もしくは、「困った」が解消された未来を購入するのです。
また、自社の独自性は積極的にアピールしましょう。
「他社にはなく自社にあるもの」「製品・商品に込めた想い」は勿論
1個人として言うべきこととしては
「なぜ、この仕事をしているのか」
「この仕事を通じて、社会にどんな影響を与え
どんな貢献をしたいのか」を話しましょう。
このように単に商品の説明が上手いだけではなく
そこに存在する「商品に込められた想いやバックグラウンド」を
伝えることは、商品選定時の消費者に大きな影響を与えます。
車の販売における具体例
実は私自身、そろそろ車を買い替えようと考えています。
どのように営業されたら、「ググっと」心が動くかなと考えてみました。
私が、「営業マン」なら、まずは今の車が抱える問題点から聞いていきます。
「こんにちは。お車をご検討なされているようですが
今乗られているお車で、何か不都合等ございましたか?」
「私は、大型犬と3人家族で大型犬と暮らしています。
普段から犬を連れて旅行やドライブに出かけますが、
車内のラゲッジスペースや犬の毛の掃除の手間に悩んでいます。」
こんな硬くは話しませんが、こんな感じからスタートします。
このように、相手の「困り事」をリサーチした上で、こう提案します。
「こちらの車は、ご家族3人がゆったりとくつろげるスペースがあり、
大型の荷物を積むことができるラゲッジスペースも確保されています。
加えてシートに当社独自の特殊な加工をしていますので
犬の毛がシートに絡まりにくく、掃除機一つで簡単に清掃ができます。
これにより、煩わしい掃除から解放され、
ご家族との楽しい思い出作りに集中できるでしょう。
車は、走る・止まる・曲がるの基本性能は勿論大切ですが
家族との大切な思い出作りをお手伝いできる商品ですので
納得できるまで、ごゆっくり検討いただければと思います。
実は、私も犬を連れて、旅行に行くもので
犬の毛の問題で困っていました。
今は、その問題も解消され、快適なカーライフを過ごしています。
掃除の仕方など、お教えしますので、お気軽に声をかけてください」
実際にこんな車があるのかどうか、わかりませんし
こんな堅苦しくは話しませんが
このように「差別化」「付加価値」「伝える力」を組み合わせることで、
私の困り事を解決しつつ、家族との楽しい未来を予感させられたら
少なくとも「候補の1つ」には入ると思います。
その結果、単なる安売り競争から抜け出し、競争力を高めることができます。
価格競争から脱却し、持続可能な事業を展開するためには、
明確な差別化戦略が不可欠です。
顧客の課題を深く理解し、その解決策を提供することで、
価格以外の価値を創造することができます。
重要なのは、単なる商品やサービスの提供ではなく、
顧客の「より良い未来」を提案し
商品・サービスを購入した「結果」にスポットを当てることです。
そのためには、「差別化」・「付加価値」・「伝える力」の
3要素を効果的に組み合わせることが重要です。
自社の強みを活かした差別化戦略を実践することで、
大手企業との価格競争を避け、
独自の市場ポジションを確立することが可能となります。
最後になりますが、上記のような話をさせていただくと
高確率で、出てくる返答があります。
「言ってることはわかるけど、そんな強みや想いなんて
考えたこともないし、あるのかどうかも、わからないよ」
そんな時は、「壁打ちの壁」になってくれる人を探してください。
社内でも家庭内でも、いいと思います。
「そんな人間は、いないな・・・」という方は
私たち「キャッシュフローコーチ」にお声がけ下さい。
頭の整理をし、自身が気づいていない強みの発見などを
お手伝いできるように日々訓練しています。
お気軽に、ご相談下さい。
私の旅行の時の荷物は、これだけです
2024.12.03
「会社にとって大切なのは売上と利益、どっち?」
そう聞かれたら、多くの社長は「利益」と答えるでしょう。
しかし、社員は「売上」を重視しがちなのが現実です。
なぜなら会社や上司の口から出てくるのは「売上目標」ばかり
そのため、結果的に「利益」の重要性が社員まで
浸透していないケースが多くなります。
この記事では、会社にとって「利益」がなぜ重要なのか
そして、その重要性を社員にも理解してもらうための
分かりやすい説明方法をご紹介します。
売上よりも利益を重視すべき理由
「売上」は会社の規模を示す指標になりますが、
利益が出なければ会社は存続できません。
利益こそが、事業を継続し、成長させるための源泉となるのです。
よくメディアでは「売上〇〇億の会社経営者」などと紹介されていますが
正直、私は「そうなんだ~頑張ってますね」としか思いません。
確かに売上が大きいのは、凄いと思いますが
そこに利益が伴わなければ、売上の大きさは意味をなしません。
では、なぜ多くの会社で「売上」が重視されるのでしょうか?
それは、
「売上は目標設定しやすく、進捗を把握しやすい」
「売上は目に見える成果として評価しやすい」
といった理由が考えられます。
その為、売上を上げることが重要視され、
本来企業存続に最も必要なはずである「利益」に対する意識が
希薄になってしまうのではないでしょうか。
売上重視の落とし穴
売上を重視しすぎると「落とし穴」にハマってしまいます。
その典型例が「安売り競争」です。
安売り競争に陥ると、売上は上がっても
利益は減ってしまう可能性があります。
平常時に
仕入れ値が50円のボールペンを売価100円で売ったとしましょう。
100本売ったとしたら
(100-50) ×100=5000円の利益
ライバル店が80円で販売開始
負けてたまるかと70円で販売したところ
200本も売れました
(70-50) ×200=4000円の利益
倍の数量を売りさばいても利益は減っています。
「それでも利益が出てるんだからいいじゃん」なんて
経営者なら考えませんよね?
社員さんたちは、そう考えてしまうことが多いのではないでしょうか?
そうです。ここで出た利益は「粗利」です。
現実の会社では、この粗利から人件費や光熱費等の「固定費」が
出ていくわけです。
もし、この会社の普段の労働分配率(粗利に対する人件費の割合)が
60%ならば人件費は3000円(5000×60%)
その他固定費が1000円とすると
経常利益は「5000円-3000円-1000円=1000円」
安売り競争に参入してしまうと
経常利益は「4000円-3000円-1000円=0円」
「よかった~赤字にならなくて」なんて
経営者なら「まさか」思いませんよね?
そうです。この経常利益から
法人税が引かれ、更にそこから銀行から借り入れたお金の
「元本返済分」や生命保険の「資産計上分」が
引かれていくわけですよね。
この会社が安売り競争に参入し
頑張って普段の2倍の数量を販売したとしても
この会社の現金は確実に減ってしまうのです。
そうです。この部分が「キャッシュフロー」と呼ばれるもの考え方です。
キャッシュフローがマイナスの会社の運命は「破産」に向かっている
わけですから、その状態を放置しておくわけにはいかないはずです。
これが「安売りの落とし穴」なのです。
「安売り合戦」の勝者は1人
安売りをするということは、「薄利多売」により
利益を稼ぎ出す戦略です。
突き詰めていくと安売りや薄利多売型のビジネスモデルには
勝者は1人しかいないことがわかります。
では、それは誰なのでしょう。
答えは
「業界のトップ企業」です。
資金力と販売力により消耗戦に持ち込めばいいだけの話です。
相手は、耐えることができなくなり、消えていきます。
市場の寡占化防止のため、実際にはそんなことは起きませんが
理論的には、最も体力がある会社しか生き残れません。
つまり「安売り競争」や「薄利多売」は、
資金力のある大手企業だからできる戦略なのです。
中小企業が安易に価格競争に飛び込むと、
あっと言う間に、体力を消耗し、
最悪の場合、破産に追い込まれてしまこととなります。
社員に利益の重要性を理解させる方法
社員に利益の重要性を理解してもらうためには、
以下の2点を分かりやすく説明することが重要です。
1. 会社の利益の仕組み
2. 利益と給与の関係
1. 利益の仕組みを分かりやすくする!
普段私は、社員さんたちに対して図形を使い
会社の会計と個人の家計を連動させて説明しています。
すると、社員さんたちにも理解しやすくなります。
この図形を連動させるのです。
項目を家庭用に下記のように変えてあげるだけです。
売値 = 給与支給額
変動費 = 所得税などの税金や社会保険料
粗利 = 手取り
固定費 = 食費や家賃など
利益 = 遊興費や貯金
このように会社の図形と個人の図形を並べてあげたうえで
「一番、増やしたいところは、どのブロックですか?」
と尋ねます。
多くの方は、自分の懐に入るお金である「手取り」と答えます。
確かに「手取り」の源泉は「支給額」ですが
税金や社会保険料のしくみが階段状になっていることを
知っていれば、支給額アップにより税率や社保の保険料が
上がってしまい、手取りが減ることがわかるはずです。
今流行りの言葉で言えば「103万の壁」や「130万の壁」です。
このように、会社の収益構造と家計を対比してみると
「粗利=手取り」が一番大切なことが理解してもらえます。
2. 利益と給与の関係性を明確に!
「粗利が大きくなれば、給与もアップする、賞与も増える」
という関係性を明確に示すことが重要です。
これも、上記の図形を見ると一目瞭然となります。
給与等の人件費は中小企業の場合
「固定費」の中の大部分を占めます。
つまり、「粗利」を大きくすることが
人件費を大きくすることにつながります。
(労働分配率を下げないという前提です。
下げるのは経営判断となりますが
「頑張っても、報われない」こととなり
社員さんの雇用や、やる気に悪影響が出かねません)
売上ばかりを追求し、安易な安売りや値引きをしてしまうと、
会社の利益は減少し、結果的に給与や賞与にも
悪影響があることを理解してもらいましょう。
利益を追求し、会社も社員も共に成長を!
今回は、会社にとって「利益」がなぜ重要なのか、
そして、その重要性を社員にも理解してもらうための
分かりやすい説明方法をご紹介しました。
利益を追求することは、会社を成長させ、
社員の待遇を向上させることに繋がります。
ぜひ、本記事を参考にして、
社員一人ひとりが「利益」を意識して行動できるような
社内体制を構築していきましょう。
み~んな「笑顔」✨