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ドンブリ勘定から卒業!現役経営者が教える「使える利益」の見極め方
2025.10.27
忙しいあなたへ「1分で読めるAI要約」
「利益率が5%に落ちた」——この言葉、本当に危険なサインでしょうか?
実は「利益」には種類があり、どの利益を見ているかで意味は全く異なります。
この記事は、複雑な利益の種類を「現役経営者」の視点から超実践的に解説します。
「受注や値引き」の判断には限界利益、「会社の体力診断」には営業利益、
「資金力」を測るにはEBITDAといったように、どの利益をいつ使うべきかが一目瞭然。
さらに、「値引き上限の決め方」や「損益分岐点」の計算例も具体的で、すぐに自社で活用できます。
数字が苦手な経営者でも感覚的に理解でき、
ドンブリ勘定から脱却して「儲かる会社」へ体質改善するための、最初の一歩となる内容です。
本文
テレビから、こんな話が聞こえてきた。
「鳥インフルエンザにより鶏が大量に殺処分。卵の価格が高騰か」
以前は「物価の優等生」といわれた卵ですが
ここ数年は、スーパーで見ても、簡単に手が出ないほどの価格になっている。
卵をよく使う、とある飲食店に取材で訪れ、話を聞いていたのだが
その飲食店の店主さんが「卵の高騰は痛い。以前は利益率10%だったのが
今や5%しかない」と話していた。
それを聞いて、私の頭の中は「ん???」
「その利益率、どの利益率?」となったわけです。
もし、「粗利益率」が5~10%なら、普通の飲食店なら、とっくに閉店しているはずだ。
「経常利益率」がその数値なら、中小企業なら、十分優秀な会社と言えるし
ましてや、税引き後利益が、その数値なら「超優良企業」と言える。
このように会社を経営していく上で目にする「利益」や「利益率」と言われる数値ですが
数種類、存在しています。そしてその「用途」も様々。
そこで、本日から数回に分けて、この「利益」と言われるものを
会社経営をする上で、必要と思われる順番に、その「意味」や「用途」を
できるだけ専門用語を使わずに、記事にしていこうと思います。
「無資格・無免許・現役の経営者」の私だからこその感覚を生かしていきますので
「有資格・有免許」の方から見ると「不正確」なところはありますが
実際の経営の現場で、「そのまま」そして「感覚的に」使えるような記事にしたいと思います。
では、本日は「総論」です。
「わかっている」という方は、斜め読みでかまいません。
忙しいのに儲からない。値引きが常態化する。どこから手を付けるべきか。
その混乱は「利益の種類」と「使いどころ」が曖昧なことから生まれます。
まずは、判断の拠り所になる「利益の全体図」を描きます。
1. 5分でつかむ「利益の系譜」
売上 − 変動費 = 限界利益
限界利益=「売上から、売るたびに増える費用を引いた残りの利益」のこと
この残りで固定費(家賃や基本人件費)をまかなって、残った分が利益になります
使いどころ:受注可否・値引き・撤退の即断
注:変動費=売上に比例して増えるコスト(材料費、出来高外注、配送、決済手数料など)
売上 − 売上原価 = 粗利(売上総利益)
売上原価の中身
小売・卸:期首商品棚卸高+当期仕入−期末商品棚卸高(+仕入運賃など付随費用)
製造:期首製品棚卸高+当期製造原価−期末製品棚卸高
使いどころ:商品・顧客選び、在庫・仕入の計画策定
注:売上原価=「売れた分」に対応する仕入・製造コスト
粗利 − 販管費 = 営業利益
販管費=販売管理費=「販売するために使った費用(販売員の給与・広告費など)
「会社を管理・運営するために使った費用「役員給与・減価償却費など」
使いどころ:固定費(人・広告・オフィス・サブスク)の重さが戦略に合っているかの体質診断
営業利益 + 減価償却 = EBITDA(イービットディーエー イービッダー)
EBITDA=会社が「本業で生み出す現金の力」 現金そのものではないが、それに近いもの
使いどころ:返済余力・投資余力=キャッシュ創出力の目安
注:減価償却=設備の分割費用 実際に現金は出ていない「会計上の費用」
営業利益 ± 営業外収支 = 経常利益
使いどころ:金利・為替等を含む「平時の稼ぐ力」
特別損益調整 → 税引前利益 → 当期純利益
使いどころ:内部留保・配当・次の投資配分の源泉
一言でまとめると:意思決定は限界利益 体質は営業利益 資金はEBITDA
2. どの利益を「いつ」使うのか(30秒フロー)
受注・値引き:限界利益がプラスか?(マイナスなら単価交渉・撤退を検討)
商品ラインナップ:粗利率 × 回転(低粗利でも高速回転は武器)
固定費の重さ:営業利益率で体質を点検(重すぎる固定費は要検討)
資金余力:EBITDAで返済余力・投資の天井を把握(どこまで借りられる・攻められるか)
3. 数字を「使える化」するツール
限界利益表(商品別・ 顧客別)を作成・更新
営業・購買など社内全体で同じ表を見る(コスト意識の向上)
損益分岐点を全員で共有
「損益分岐点」とは「 利益がちょうど0円になるところ」
つまり、±0になる価格のこと
損益分岐点売上:固定費÷限界利益率(売上ベース・売上個数ベースの2種類)
粗利マトリクス(粗利率 × 回転)
在庫・仕入・販促の優先順位と直結
「@あたりの粗利率が小さいが販売個数や回転がよい商品」
「販売個数や回転率は悪いが@あたりの粗利率がよい商品」
どちらに注力し営業をするのかの経営判断ができる
簡易EBITDA表
返済予定と比べる。
投資余力=EBITDA − 年間返済
お金のブロックパズル
会社のお金をたった1枚の紙で直観的に誰もが理解できるようになるツール
経営判断の際に用いるのは無論、会社全体の「共通言語」として使用することにより
経営層から現場まで、意思決定に際し、ブレが少なくなる
4. ミニ例:値引き上限を「秒」で決める
単価1,000円、変動費600円 → 限界利益400円(限界利益率40%)
固定費が月200万円なら、損益分岐点売上高:200万円÷40%=500万円
値引き相談が来たら:
限界利益ゼロの単価=変動費=600円
実務は配送・決済手数料で変動費が膨らむため、安全マージンを引いた「最低販売価格」を部門で統一
計算例
変動費600円+配送/決済等50円=実務変動費650円 マージン20円 → 最低販売価格=670円(ここを絶対に割らない)
ちなみに「損益分岐点売上の500万円を超えて売上が立った場合
500万円を超えた売上のうち、変動費を差し引いた部分が、そのまま利益になる
ポイント:限界利益が見えていれば、感情ではなく数字で「線」が引けます。
5. よくある誤解と処方箋
誤解:粗利が高ければ正義
処方箋:粗利率だけでなく「回転」と「在庫滞留」を同時に見る
誤解:売上のために値引きは仕方ない
処方箋:限界利益のゼロ点を可視化し、超えてはいけない線を現場に渡す
誤解:黒字なら安心
処方箋:EBITDAと運転資金(売掛・在庫・買掛)を見て、キャッシュで判断
黒字は「利益」の話であり、「現金」の話ではないことを理解する
6. 今日からのチェックリスト
自社の「変動費」の定義を決める
上位3商品・3顧客の限界利益率を算出(毎月更新)
固定費と損益分岐点売上を全社共有(壁に貼る)
経営会議で「EBITDAと年間返済予定」を同じ紙で確認
次回から各論で「限界利益 → 粗利 → 営業利益 → EBITDA → 経常・純利益」を深掘りします。
まずは「利益の全体図」を作成し、会社のお金の流れを全社員で共有。
コスト意識が醸成され、利益を生みやすい体質へと変えましょう。
何故かアップしたいイラストがアップできません。
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「半分の水」思考で成果を出す——10分でできる経営改善
2025.08.26
2分で読めるAI要約
テーマ
「コップ半分の水」を“時間・人・お金”に置き換え、ないものを嘆くより、あるものを使い切る発想へ。
鍵はフレーミング効果(言い換えで行動を変える)と、最善主義(完璧を待たず今ある資源を使う)、そして短いペップトーク。
フレーミング効果の使い方
同じ事実も言い換えで前向きに:
「会議30分短縮」=「30分の売上づくり時間を確保」
「在庫20%削減」=「眠っている現金を20%通帳へ戻す」
最善主義:3つのアクション
10分だけやる:大計画より確実な一歩。
半分に削る:やることを絞りムダを落とす。
完了の一行を決める:着手前に“何ができたら終わりか”を明確化。
合言葉:「できる、できる、私ならできる」
ケーススタディ(今すぐ効く3改善)
① 時間:会議が長くて進まない
やること:
事前共有(資料は前送付)
議題は決めること3つに限定
終了時刻を先に宣言(例:60分)
完了の一行:次回「決めること3つ」を決定
効果:90→60分に短縮/毎回最低3決定/浮いた30分を売上行動へ
② 人:人手不足感が消えない
やること:
各メンバーの強み3つを書き出す
強みでない仕事を減らす
強みの仕事を増やす
完了の一行:担当を1つ入れ替える合意
効果:同人数で効率UP/ミス減/表情が軽くなる
③ 現金:黒字なのにお金が残らない
やること:
30日先までの資金繰り表で見える化
支出項目を1つだけ半減して止血
全社共通言語として**「お金のブロックパズル」導入
完了の一行:毎日、今月の入出金3件**を資金繰り表に記入
効果:来月末残高が事前に見える/出費が締まる/お金の認識ズレ解消
本文
みなさんも聞いたことがあると思います。
「コップに半分の水」の話。
本稿は、この話を中小企業のビジネスにどのように生かすかを
書きたいと思います。
ベースとなるのは「最善主義」と視点こそ違え「フレーミング効果」
最後に、自分を動かすための「ペップトーク」です。
コップの中の水を、ビジネスでいう「時間・人・お金」と捉え
「まだ、半分もある」という視点で見て
「ないものを嘆くのではなく、今あるものを使い切る」考え方への転換の
ヒントになれば幸いです。
なお、恥ずかしながら本稿は、以前、私の会社で実際に起きていた「困り事」を
ベースに「どのように改善していったのか」(現在も改善中なのですが)を
書いています。
まず、視点を整える:フレーミング効果の一言メモ
同じ事実でも、言い換え次第で行動が変わります。
(例)「生存率90%」と「死亡率10%」は同じ情報です。しかし受け取り方が変わると思います。
経営でも、
「会議を30分短縮」=「30分の売上づくり時間を確保」
「在庫20%削減」=「倉庫に眠る現金を20%通帳に戻す」のように、「ある」側から言い換えるのがコツです。
最善主義の3つのアクション
最善主義=完璧を待たず、今あるものを使い切る。
そのために、やることは3つだけです。
1. 10分だけやる:大きな計画より、確実な一歩を。
2. 半分に削る:やることを絞り、ムダを落とす。
3. 完了の一行を決める:「何ができたら終わりか」を先に決めてから着手する。
合言葉:「できる、できる、私ならできる」(背中を押す短いペップ)
ケーススタディ:いますぐ試せる3つの改善術
ケース1:時間(会議が長くて仕事が進まない)
こんな心当たりありませんか?
会社の定例会議。時間が90分。
話をしている人は、いつも決まった人ばかりで
結局は「何も決まらない」「とにかく、やれ」のみ。
正直、私も聞かされる立場だった時は「うんざり」でした。
会議開始前から「どうせ、いつもと同じ」としか思っておらず
結果も、ほぼ予想の範囲内。何も決まらず「情報の共有」程度で終了。
なので、思い切って この「無駄な時間」を半分に削ってみました。
(現実的には30分)
やること(3ステップ)
1. 事前に情報共有:資料は会議前に送る
2. 決めることを絞る:議題は「決めること」3つに限定
3. 終わり時間を先に宣言:「今日は60分で終了します」
完了の一行 「次回の議題=次回の会議で決めること3つを決める」
見える変化
会議時間が90→60分に
会議1回で決定が最低3つ出る
浮いた30分で売上に結び付きそうなことを1つやる
ケース2:人(人手が足りない気がする)
新しい人が欲しい。でもなかなか採用ができない。
採用の前に、今のいる人を活かしきっていますか?
「今いる人」というリソースを最大限に活かす方法を考えましょう
やること(3ステップ)
1. 強みを書き出す:各メンバーの得意なこと3つをメモ
2. ズレを減らす:得意じゃない仕事を減らす
3. 強みを増やす:得意な仕事を増やす
完了の一行 「担当(仕事)を1つ入れ替える合意できたら完了」
見える変化
同じ人数でも仕事の効率が上がる。
ミスが減る。
メンバーの表情が少し軽くなる。
ケース3:現金(黒字なのにお金が残らない)
売上は出ているのに、月末の通帳は心細い。
この状態は、「現金」の流れが見えていないことが原因です。
やること(3ステップ)
1. 見える化:30日先までの入出金と残高を1枚にまとめる。
2. 止血:まずは、1つの支出項目の支出金額を半分だけ止める。
3. 全社員共通の言語を導入:お金や利益に関する共通言語
「お金のブロックパズル」を導入する。
完了の一行 「毎日、今月の入出金3件ずつを資金繰り表に書き込めたら完了」
見える変化
来月末の残高が前もって見える
今月の出費が必要最小限に締まる
経営者と社員間のお金や利益に対する認識のズレが解消できる
最後の宿題(やることは、本当に1つだけです)
この記事を閉じた後、たった10分だけ時間をつくってください。
そして、ノートかスマホのメモ帳に、上記を参考に、
すぐにできそうな「最善の施策」を書き出し、「最善の一歩」を1つだけ実行してみてください。
くれぐれも「完了(ゴール)」の設定も忘れずに。
そして、完璧ではなくても最善に向けて一歩でも進めば「今日の私は合格」と
自分に「OK」を出しましょう。
完璧な計画はいりません。この小さな一歩が、明日を変える最も確実な打ち手です。
できる、できる、あなたならできる。
2025.10.27
忙しいあなたへ「1分で読めるAI要約」
「利益率が5%に落ちた」——この言葉、本当に危険なサインでしょうか?
実は「利益」には種類があり、どの利益を見ているかで意味は全く異なります。
この記事は、複雑な利益の種類を「現役経営者」の視点から超実践的に解説します。
「受注や値引き」の判断には限界利益、「会社の体力診断」には営業利益、
「資金力」を測るにはEBITDAといったように、どの利益をいつ使うべきかが一目瞭然。
さらに、「値引き上限の決め方」や「損益分岐点」の計算例も具体的で、すぐに自社で活用できます。
数字が苦手な経営者でも感覚的に理解でき、
ドンブリ勘定から脱却して「儲かる会社」へ体質改善するための、最初の一歩となる内容です。
本文
テレビから、こんな話が聞こえてきた。
「鳥インフルエンザにより鶏が大量に殺処分。卵の価格が高騰か」
以前は「物価の優等生」といわれた卵ですが
ここ数年は、スーパーで見ても、簡単に手が出ないほどの価格になっている。
卵をよく使う、とある飲食店に取材で訪れ、話を聞いていたのだが
その飲食店の店主さんが「卵の高騰は痛い。以前は利益率10%だったのが
今や5%しかない」と話していた。
それを聞いて、私の頭の中は「ん???」
「その利益率、どの利益率?」となったわけです。
もし、「粗利益率」が5~10%なら、普通の飲食店なら、とっくに閉店しているはずだ。
「経常利益率」がその数値なら、中小企業なら、十分優秀な会社と言えるし
ましてや、税引き後利益が、その数値なら「超優良企業」と言える。
このように会社を経営していく上で目にする「利益」や「利益率」と言われる数値ですが
数種類、存在しています。そしてその「用途」も様々。
そこで、本日から数回に分けて、この「利益」と言われるものを
会社経営をする上で、必要と思われる順番に、その「意味」や「用途」を
できるだけ専門用語を使わずに、記事にしていこうと思います。
「無資格・無免許・現役の経営者」の私だからこその感覚を生かしていきますので
「有資格・有免許」の方から見ると「不正確」なところはありますが
実際の経営の現場で、「そのまま」そして「感覚的に」使えるような記事にしたいと思います。
では、本日は「総論」です。
「わかっている」という方は、斜め読みでかまいません。
忙しいのに儲からない。値引きが常態化する。どこから手を付けるべきか。
その混乱は「利益の種類」と「使いどころ」が曖昧なことから生まれます。
まずは、判断の拠り所になる「利益の全体図」を描きます。
1. 5分でつかむ「利益の系譜」
売上 − 変動費 = 限界利益
限界利益=「売上から、売るたびに増える費用を引いた残りの利益」のこと
この残りで固定費(家賃や基本人件費)をまかなって、残った分が利益になります
使いどころ:受注可否・値引き・撤退の即断
注:変動費=売上に比例して増えるコスト(材料費、出来高外注、配送、決済手数料など)
売上 − 売上原価 = 粗利(売上総利益)
売上原価の中身
小売・卸:期首商品棚卸高+当期仕入−期末商品棚卸高(+仕入運賃など付随費用)
製造:期首製品棚卸高+当期製造原価−期末製品棚卸高
使いどころ:商品・顧客選び、在庫・仕入の計画策定
注:売上原価=「売れた分」に対応する仕入・製造コスト
粗利 − 販管費 = 営業利益
販管費=販売管理費=「販売するために使った費用(販売員の給与・広告費など)
「会社を管理・運営するために使った費用「役員給与・減価償却費など」
使いどころ:固定費(人・広告・オフィス・サブスク)の重さが戦略に合っているかの体質診断
営業利益 + 減価償却 = EBITDA(イービットディーエー イービッダー)
EBITDA=会社が「本業で生み出す現金の力」 現金そのものではないが、それに近いもの
使いどころ:返済余力・投資余力=キャッシュ創出力の目安
注:減価償却=設備の分割費用 実際に現金は出ていない「会計上の費用」
営業利益 ± 営業外収支 = 経常利益
使いどころ:金利・為替等を含む「平時の稼ぐ力」
特別損益調整 → 税引前利益 → 当期純利益
使いどころ:内部留保・配当・次の投資配分の源泉
一言でまとめると:意思決定は限界利益 体質は営業利益 資金はEBITDA
2. どの利益を「いつ」使うのか(30秒フロー)
受注・値引き:限界利益がプラスか?(マイナスなら単価交渉・撤退を検討)
商品ラインナップ:粗利率 × 回転(低粗利でも高速回転は武器)
固定費の重さ:営業利益率で体質を点検(重すぎる固定費は要検討)
資金余力:EBITDAで返済余力・投資の天井を把握(どこまで借りられる・攻められるか)
3. 数字を「使える化」するツール
限界利益表(商品別・ 顧客別)を作成・更新
営業・購買など社内全体で同じ表を見る(コスト意識の向上)
損益分岐点を全員で共有
「損益分岐点」とは「 利益がちょうど0円になるところ」
つまり、±0になる価格のこと
損益分岐点売上:固定費÷限界利益率(売上ベース・売上個数ベースの2種類)
粗利マトリクス(粗利率 × 回転)
在庫・仕入・販促の優先順位と直結
「@あたりの粗利率が小さいが販売個数や回転がよい商品」
「販売個数や回転率は悪いが@あたりの粗利率がよい商品」
どちらに注力し営業をするのかの経営判断ができる
簡易EBITDA表
返済予定と比べる。
投資余力=EBITDA − 年間返済
お金のブロックパズル
会社のお金をたった1枚の紙で直観的に誰もが理解できるようになるツール
経営判断の際に用いるのは無論、会社全体の「共通言語」として使用することにより
経営層から現場まで、意思決定に際し、ブレが少なくなる
4. ミニ例:値引き上限を「秒」で決める
単価1,000円、変動費600円 → 限界利益400円(限界利益率40%)
固定費が月200万円なら、損益分岐点売上高:200万円÷40%=500万円
値引き相談が来たら:
限界利益ゼロの単価=変動費=600円
実務は配送・決済手数料で変動費が膨らむため、安全マージンを引いた「最低販売価格」を部門で統一
計算例
変動費600円+配送/決済等50円=実務変動費650円 マージン20円 → 最低販売価格=670円(ここを絶対に割らない)
ちなみに「損益分岐点売上の500万円を超えて売上が立った場合
500万円を超えた売上のうち、変動費を差し引いた部分が、そのまま利益になる
ポイント:限界利益が見えていれば、感情ではなく数字で「線」が引けます。
5. よくある誤解と処方箋
誤解:粗利が高ければ正義
処方箋:粗利率だけでなく「回転」と「在庫滞留」を同時に見る
誤解:売上のために値引きは仕方ない
処方箋:限界利益のゼロ点を可視化し、超えてはいけない線を現場に渡す
誤解:黒字なら安心
処方箋:EBITDAと運転資金(売掛・在庫・買掛)を見て、キャッシュで判断
黒字は「利益」の話であり、「現金」の話ではないことを理解する
6. 今日からのチェックリスト
自社の「変動費」の定義を決める
上位3商品・3顧客の限界利益率を算出(毎月更新)
固定費と損益分岐点売上を全社共有(壁に貼る)
経営会議で「EBITDAと年間返済予定」を同じ紙で確認
次回から各論で「限界利益 → 粗利 → 営業利益 → EBITDA → 経常・純利益」を深掘りします。
まずは「利益の全体図」を作成し、会社のお金の流れを全社員で共有。
コスト意識が醸成され、利益を生みやすい体質へと変えましょう。
何故かアップしたいイラストがアップできません。
2025.08.26
2分で読めるAI要約
テーマ
「コップ半分の水」を“時間・人・お金”に置き換え、ないものを嘆くより、あるものを使い切る発想へ。
鍵はフレーミング効果(言い換えで行動を変える)と、最善主義(完璧を待たず今ある資源を使う)、そして短いペップトーク。
フレーミング効果の使い方
同じ事実も言い換えで前向きに:
「会議30分短縮」=「30分の売上づくり時間を確保」
「在庫20%削減」=「眠っている現金を20%通帳へ戻す」
最善主義:3つのアクション
10分だけやる:大計画より確実な一歩。
半分に削る:やることを絞りムダを落とす。
完了の一行を決める:着手前に“何ができたら終わりか”を明確化。
合言葉:「できる、できる、私ならできる」
ケーススタディ(今すぐ効く3改善)
① 時間:会議が長くて進まない
やること:
事前共有(資料は前送付)
議題は決めること3つに限定
終了時刻を先に宣言(例:60分)
完了の一行:次回「決めること3つ」を決定
効果:90→60分に短縮/毎回最低3決定/浮いた30分を売上行動へ
② 人:人手不足感が消えない
やること:
各メンバーの強み3つを書き出す
強みでない仕事を減らす
強みの仕事を増やす
完了の一行:担当を1つ入れ替える合意
効果:同人数で効率UP/ミス減/表情が軽くなる
③ 現金:黒字なのにお金が残らない
やること:
30日先までの資金繰り表で見える化
支出項目を1つだけ半減して止血
全社共通言語として**「お金のブロックパズル」導入
完了の一行:毎日、今月の入出金3件**を資金繰り表に記入
効果:来月末残高が事前に見える/出費が締まる/お金の認識ズレ解消
本文
みなさんも聞いたことがあると思います。
「コップに半分の水」の話。
本稿は、この話を中小企業のビジネスにどのように生かすかを
書きたいと思います。
ベースとなるのは「最善主義」と視点こそ違え「フレーミング効果」
最後に、自分を動かすための「ペップトーク」です。
コップの中の水を、ビジネスでいう「時間・人・お金」と捉え
「まだ、半分もある」という視点で見て
「ないものを嘆くのではなく、今あるものを使い切る」考え方への転換の
ヒントになれば幸いです。
なお、恥ずかしながら本稿は、以前、私の会社で実際に起きていた「困り事」を
ベースに「どのように改善していったのか」(現在も改善中なのですが)を
書いています。
まず、視点を整える:フレーミング効果の一言メモ
同じ事実でも、言い換え次第で行動が変わります。
(例)「生存率90%」と「死亡率10%」は同じ情報です。しかし受け取り方が変わると思います。
経営でも、
「会議を30分短縮」=「30分の売上づくり時間を確保」
「在庫20%削減」=「倉庫に眠る現金を20%通帳に戻す」のように、「ある」側から言い換えるのがコツです。
最善主義の3つのアクション
最善主義=完璧を待たず、今あるものを使い切る。
そのために、やることは3つだけです。
1. 10分だけやる:大きな計画より、確実な一歩を。
2. 半分に削る:やることを絞り、ムダを落とす。
3. 完了の一行を決める:「何ができたら終わりか」を先に決めてから着手する。
合言葉:「できる、できる、私ならできる」(背中を押す短いペップ)
ケーススタディ:いますぐ試せる3つの改善術
ケース1:時間(会議が長くて仕事が進まない)
こんな心当たりありませんか?
会社の定例会議。時間が90分。
話をしている人は、いつも決まった人ばかりで
結局は「何も決まらない」「とにかく、やれ」のみ。
正直、私も聞かされる立場だった時は「うんざり」でした。
会議開始前から「どうせ、いつもと同じ」としか思っておらず
結果も、ほぼ予想の範囲内。何も決まらず「情報の共有」程度で終了。
なので、思い切って この「無駄な時間」を半分に削ってみました。
(現実的には30分)
やること(3ステップ)
1. 事前に情報共有:資料は会議前に送る
2. 決めることを絞る:議題は「決めること」3つに限定
3. 終わり時間を先に宣言:「今日は60分で終了します」
完了の一行 「次回の議題=次回の会議で決めること3つを決める」
見える変化
会議時間が90→60分に
会議1回で決定が最低3つ出る
浮いた30分で売上に結び付きそうなことを1つやる
ケース2:人(人手が足りない気がする)
新しい人が欲しい。でもなかなか採用ができない。
採用の前に、今のいる人を活かしきっていますか?
「今いる人」というリソースを最大限に活かす方法を考えましょう
やること(3ステップ)
1. 強みを書き出す:各メンバーの得意なこと3つをメモ
2. ズレを減らす:得意じゃない仕事を減らす
3. 強みを増やす:得意な仕事を増やす
完了の一行 「担当(仕事)を1つ入れ替える合意できたら完了」
見える変化
同じ人数でも仕事の効率が上がる。
ミスが減る。
メンバーの表情が少し軽くなる。
ケース3:現金(黒字なのにお金が残らない)
売上は出ているのに、月末の通帳は心細い。
この状態は、「現金」の流れが見えていないことが原因です。
やること(3ステップ)
1. 見える化:30日先までの入出金と残高を1枚にまとめる。
2. 止血:まずは、1つの支出項目の支出金額を半分だけ止める。
3. 全社員共通の言語を導入:お金や利益に関する共通言語
「お金のブロックパズル」を導入する。
完了の一行 「毎日、今月の入出金3件ずつを資金繰り表に書き込めたら完了」
見える変化
来月末の残高が前もって見える
今月の出費が必要最小限に締まる
経営者と社員間のお金や利益に対する認識のズレが解消できる
最後の宿題(やることは、本当に1つだけです)
この記事を閉じた後、たった10分だけ時間をつくってください。
そして、ノートかスマホのメモ帳に、上記を参考に、
すぐにできそうな「最善の施策」を書き出し、「最善の一歩」を1つだけ実行してみてください。
くれぐれも「完了(ゴール)」の設定も忘れずに。
そして、完璧ではなくても最善に向けて一歩でも進めば「今日の私は合格」と
自分に「OK」を出しましょう。
完璧な計画はいりません。この小さな一歩が、明日を変える最も確実な打ち手です。
できる、できる、あなたならできる。