いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にしたい」
そのために、一生懸命書き続けます。
最近、新聞に「ニトリ」さんの企業理念改定の話が出ていた。
企業理念というと、「一度策定したら変えてはいけない」的な
感覚をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
新聞によると「ニトリ」は2003年にも変えているそうです。
また、企業理念を「ロマン」と呼び
現在のロマンは
「暮らしの豊かさを世界の人々に提供する。」
新聞によると、2003年より前は
「世界」の部分が「日本」 であったらしい。
そして、今回は
「暮らし」の部分が「住まい」から改定された。
なるほどニトリは「日本」から「世界」へ羽ばたき
「家具」は勿論「家電」へと、そのビジネスを広げている。
変更した理由はどうあれ、会社が進む方向を
社員はおろか、お客様まで一目でわかる
とてもすばらしい企業理念(ロマン)であると思う。
これは、「ニトリ」だからできたことだろうか?
全く持って、そんなことはないはずだ。
全ての企業で十分可能なことではないだろうか?
では私たち中小企業はどうだろう?
「改定」はおろか、残念ながら「規定」している会社も
少ないのが現実ではないだろうか?
あったとしても、「先代」の時代に定めてものが多いと思う。
このこと自体が良い悪いではないが
現代の自社の活動や方向性に、果たして合致しているだろうか?
別のコラムで読んだ中に、株式会社アクラム代表取締役 勝谷 仁彦様
の記事があり、企業理念が会社復活に大きな力の1つとなった
事例が出ていましたので、かい摘んでお伝えしようと思う。
(出典元 https://bizhint.jp/report/1167927)
お父様から会社を引き継いだ時は、財務状況は既に「ボロボロ」
なんとか資金ショートを回避し営業を続けるも
コミュニケーション等で苦戦。
それでもなんとか乗り越え、
「下請けだけではいけない」と、新自社ブランドを立ち上げ
「自らブランドを持ち、自分たちが作りたい商品を売りたい値段で勝負したい」
という決意のもと奮闘します。
やがて、事業は軌道にのり、大成功なさるのです。
私はこの「奮闘」の部分にとても感銘を受けました。
当初、昇華プリントという技術を使って
「納期が早い」「見た目が美しい」「汗をよく吸う」といった
機能性や利便性を訴求していましたが、
うまくいかなかったそうです。
それは、何故か?
それだけでは差別化できないからです。
私たちはつい、「納期が早い」「見た目が美しい」「汗をよく吸う」など
機能性や利便性を訴求してしまいますよね。
「この理由により、優れた商品」だと考え、
相手に買ってもらうために一生懸命説明をします。
しかし、よく考えると、機能性や利便性は他社が同じものを
売りはじめたら、同じことを言い始めますよね。
なのでライバルが増えると売上はなかなか伸びなくなります。
そこで熟考し、気づかれたそうです。
「機能性や利便性は、ただ特徴に過ぎない」
ブランドに必要なのは機能だけではなく、
ブランド哲学、作り手のビジョン、
そして物語が込められていなければいけないと。
その後、様々なブランドを研究し、辿り着いた答えが
「事業を通じて、地球上の人類がひとつのチームになれるようになりたい。
また製品を通じてそのお手伝いがしたい」
ユニフォームのタグの裏には
現在のブランドメッセージにもなっている
“「勝つ」ことだけが目的では、勝負には勝てない。”
というフレーズの刺繍を入れたそうです。
「勝利」つまり売上や利益だけを目的としていては、
会社が存在する意味がない。
我々が存在する意義は理念の実現にある
そういった想いがこもっているそうです。
やがて、その理念は多くの人々に知れ渡り
共感を得、見事に業績をV字回復させました。
と、ここまでが私が感銘を受けた部分だけの要約ですが
みなさん、どう思われました?
現代よく言われることとのひとつとして「コモディティ化」があります。
ようは、「すぐにマネされて、どれも一緒」ゆえに
せっかくの新商品もすぐに「価格競争」に巻き込まれる。
さらにそこに大手が参入したのなら、
我々、中小企業は太刀打ちできない。
物が少なかった時代、古き良き日本の時代は、
「商品売り」という手法で商売ができましたが
現代では、長くは通用しません。
そこで必要になってくるものが
「企業理念に基づいた商品開発と販売」
それに伴って、自然発生的に完成される「想い」や「物語」
そして、その物語の「言語化」
こういうことが必要になるのだと思います。
いかがでしたか?
企業理念やミッション・ビジョンなどを考えようとしても
つい日常の仕事に忙殺され、
優先順位が下がってしまいます。
また「理念で飯は食えない」なんておっしゃる方がいるのも事実。
とはいえ、ほぼ全ての経営者が、理念やミッション策定の
必要性は理解なさっています。
当社のミッション等は、私が作りました。
壁には先代が作った企業理念が飾られています。
当然、私の作ったものとは全然違います。
私は現在のミッションを策定するために
約2年の時間を要しました。
「壁打ち」の相手となっていただいた方の数は約25名です。
しかし、既に「少し違うな」と思っています。
私の進歩にともない、目指すべきところや、やるべき仕事が
変容していっているからです。
また、私が壁打ちの壁になる機会も増えていくにつれ
変容の速度もどんどん増しています。
すでに3月。年度末という会社も多いと思います。
可能であれば、新年度に「企業理念」の発表ができれば
カッコいいと思いますが
「目的地」と「未来へ続く道」そして「その歩き方」の発表に
時期なんて関係ありません。
一人で考えるのは、正直大変ですから
信頼できる「壁」をみつけ、何度も壁打ちし
社員はもちろん、お客様にまで、世界で唯一の
御社の「想い」を伝えてみませんか?
御社発の誰にもマネできない「永遠の独自商品」となりますよ。
先代(黒ラブ)と2代目(白ゴル)の広報部長
並んでいても「い~んです」(古い・・・)