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「根拠ある事業計画の立て方 – 売上予測の不確実性を克服する逆算アプローチ」
2024.12.20
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にしたい」
そのために、一生懸命書き続けます。
では、スタート!
事業計画を立てるのは難しい?
「事業計画を立てましょう」とクライアントに話すと
その返答の多くは「わかっちゃいるけど、難しい」と返ってきます。
では、計画を立てる上での最大の課題は何でしょうか?
これもほぼ全ての返答が「売上予測が難しい」と返答されます。
確かに売上は、外部環境の変化などが計画に影響を与えるため、
予測通りにはいない要素はあります。
であれば、「確実性がある情報」から事業計画を
立ててみるのはいかがでしょうか?
実は「根拠ある事業計画」とは、根拠のある数字から
「逆算」して作るものなのです。
「対前年〇%アップ」や「ライバル社を上回れ」というような計画は
「何故、それだけの売り上げが必要なのか」と聞かれた時に
根拠がないため明確な答えが見つかりませんので
社員さんはもちろん、金融機関からも評価されないものとなります。
では、「根拠ある事業計画」とは、どのように作るのかご紹介します。
固定費と変動費の管理
事業計画を立案する際には、
経費を「固定費」と「変動費」に分類することが不可欠です。
固定費は売上がなくても発生する経費で、人件費、家賃、光熱費などが該当します。
変動費は売上に応じて増減する費用で、原材料費や外注費等が一般的です。
これらのデータを元に、逆算して経営計画を策定していきます。
特に計画を立てる時には「固定費」を使うことになります。
具体的なステップ
事業計画を具体的に立てる手順は以下の通りです
1 固定費の把握
人件費や家賃、光熱費、銀行への返済額など、
企業が必ず支払う必要のある経費をリストアップします。
2 減価償却費の把握
建物や設備等に投資をしていると減価償却が発生しているはずです。
減価償却費は「お金が出ていかない経費」なので
決算書上は、「経費」となっていますが
実際には「支払いの実態のない経費」ですので、お金が減ってはいません。
金額に関しては、「来年の減価償却費は、どれくらいなの?」と
税理士さんに聞いてみてください。教えていただけます。
3 粗利率の計算
前年度のデータを基に、「粗利率」を計算します。
多数の商品ラインナップの変更や
主力商品の変更がない限り、
粗利率は大きく変わることはないと思います。
計算式
粗利(売上高-変動費)÷売上高=粗利率
(まずは、始めてみることが大切ですから、細かなことや厳密さは
必要ありません。 脱 完璧主義 でいきましょう!)
参考までに、粗利率が高いとか低いとかを気にする必要はありません。
各業種や個社ごとに「率」は変わります。
何かと比べるのなら、業種ごとの平均の率と比べてみてください。
売上目標の設定
ここまで来たら、あと一息です。
まずは、銀行への借入金の返済額を出しましょう。
返済計画書や、通帳などを見てもわかるかと思います。
次に、その数字に「減価償却費」を足します。
その数値は「税引き後利益」となりますから
そこに法人税の金額を足してやります。
ざっくり、税引き後利益に0.7を乗じてあげます。
これが、「税引き前利益」というより、金融投資等がないのであれば
「経常利益」と考えて、ほぼ差し支えないかと思います。
この数字に「固定費」を足してあげます。
この数字こそが、会社維持に必要な「粗利」となります。
そして、これが最後
粗利に「粗利率」で割り返す
例えば、ここまでの数字が100で、粗利率が30%であれば
100÷0.3=333
この「333」が、最低限、目標とする売上です。
どうですか? 全然難しくないですよね?
おまけに、最低限必要な売上がわかると
その数値を超えたのなら、その後は粗利の金額が全て「経常利益」
つまり、「儲け」となります。
ワクワクしませんか? しますよね?
身体的にも、精神的にも、良さそうじゃありません?
その上、社員さんや外部の人に、事業計画書に書かれている数字の根拠を
説明できることになりますよね。
おめでとうございます! 「ドンブリ計画」卒業です!
「お金のブロックパズル」と専門家の活用
今まで、根拠の薄い計画を立てていてのなら、
是非、上記のところまでたどり着きましょう。
とはいえ、言葉だけでは「ピン!」とこないですよね。
そんな時には「お金のブロックパズル」を使いましょう。
ここまで話してきたことが、たった10数個のブロックで
示されますので、一瞬で理解が進みます。
私たちキャッシュフローコーチは、
この「お金のブロックパズル」の専門家ですので
お気軽に、相談ください。
また、下記のような計画も当然あると思います。
「5年後に借入金を〇〇〇万円まで減らしたい」
「数年後に古くなった設備を買い換えたい」
「新規事業の計画がある」
「自社ビルを持ちたい」
「社員を〇人増やしたい」
「社員の給料を〇%増やしたい」
「役員報酬を〇〇円にしたい」など
3年後や5年後のような中期目標や
「無借金経営を目指したい」というような長期目標に対しては、
「売上5%増」のような「1年きりの問題」
言い換えれば「損益計算書(P/L)」だけに着目した
計画だけでは、到達できないことがほとんどとなります。
貸借対照表(B/S)とP/Lを合わせてみる必要性がありますので
キャッシュの「フローとストック」の両方をつなぎ合わせてみれる
専門家の力を借りることをお勧めします。
なお、上記の
考え方や見方は、ブログには書きません。
混乱を招き、せっかく会社の数字に前向きになってくださった
経営者の方が、「さっぱりわからん。やめた」となってしまいますので。
ここまでの高度な計算や計画立案は、専門家に任せましょう!
(自分で書いていて、わかりずらいな~と思いましたので
ごく簡単な例を書きますね)
(借入金が3億円ある中小企業が「5年後に無借金にする」と
目標を立てたとして、1年で6000万円の税引き後利益を
たたき出すなんて、ほぼ不可能ですよね。
となると、B/Sに出ている様々な資産を勘案した
計画を立てる必要があるという話です)
今回は、「根拠ある事業計画の簡単な立て方」を書きました。
事業計画などの計画を立てている中小企業は1割程度と言われています。
また、計画もなしに経営をすることは
「目的地もなく、地図も持たずに旅に出るようなもの」と言われています。
私のブログを読んでくださっている皆さんは
「冒険のような会社経営」から是非、卒業してくださいね。
「遭難しそうです・・・」
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【在庫は悪?】眠れる在庫が会社を蝕む!?資金効率UPで黒字経営!
2024.12.16
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にしたい」
そのために、一生懸命書き続けます。
では、スタート!
「年に1個しか売れない商品も、販売チャンス逃したくない」
その気持ち、よく分かります。でもちょっと待ってください!
その在庫、もしかしたら会社の未来を暗くしているかもしれません。
今回は、「在庫が会社のお金に与える悪影響」 に焦点を当て、
具体的な改善策と合わせて解説していきます。
▼ 本記事の内容
1. 在庫過多の危険性とは?
2. 「資金効率」が悪化するってどういうこと?
3. 今すぐできる!在庫管理改善策3選
この記事を読めば、在庫管理の重要性と、
それが会社にもたらす明るい未来が見えてきます。
ぜひ最後まで読んで、明日からのビジネスに役立ててください!
在庫過多は会社の財政を悪化させる!?
「在庫 = 会社の現金」ということを忘れていませんか?
売れない在庫は、ただ倉庫のスペースを占領しているだけではありません。
会社の資金を眠らせることとなり、
本来、現金として使えたはずの資金が自由に使えないこととなります。
1. 資金効率の悪化
在庫として商品を購入するということは、
会社の資金(現金)が商品に形を変えているということ。
そして、売れない在庫はいつまで経っても現金として戻ってきません。
よって、資金が固定化され、新たな事業投資や設備投資の機会を逃すことになりかねません。
「年1回の販売機会のロス」と「会社の将来へ向けた機会ロス」
どちらを選ぶべきか再考する必要があります。
2. 利益の減少
売れない在庫は、当然ながら利益を生み出しません。
それどころか、保管費用や管理費用などのコストが発生し、利益を圧迫します。
つまりは、せっかく稼いだ「利益」を倉庫の中で寝ている「在庫」が
「溶かしている」ことになります。
3. 資金繰り悪化のリスク
在庫が増えすぎると、商品に投資された資金が回収できず、
会社の資金繰りが悪化する可能性があります。
さらに、金融機関からの評価にも悪影響があることも。
金融機関は、企業の「売上」と「在庫」のバランスを注視しています。
売上に対して在庫が増えすぎている状態、
もしくは、売上が落ちているのに在庫が増えている状態は
経営の健全性や決算内容が疑われ、
融資の判断時に良くない影響を与える可能性があります。
「在庫」は「財庫」にもなれば「罪庫」にもなることを
是非、認識してください。
いますぐできる!在庫管理3つの改善策
では、具体的にどのように在庫管理を改善すればよいのでしょうか?
すぐに実践できる3つの方法を紹介します。
1. 需要予測の精度向上
過去の販売データや市場トレンドを分析し、
需要を細かく予測することで、過剰な在庫を抱えるリスクを減らすことができます。
2. 在庫回転率の向上
在庫回転率は、在庫がどれだけ効率的に販売されているかを示す指標です。
適切な在庫管理システムを導入したり、
販売促進活動を見直したりすることで、在庫回転率を向上させることができます。
売れ筋商品を把握し、重点的に販売する
季節外れ商品をセールで販売する
顧客のニーズに合わせた商品開発を行う
3. 受注後生産や発注の導入
これは、「今すぐ」というわけにはいきませんが
在庫の減少には高い効果があります。
例えば、「オーダー型」の商品販売をしている会社なんかが
その見本です。
自社の商品の中で「受注後生産」ができる商品はないのかを
再検討することは、在庫数の改善、しいては資金繰りの改善に
大きく役立つことでしょう。
また、サプライチェーン全体を可視化し、
サプライヤーとの連携を強化することや、
「長い付き合いだから」ではなく、効率的に仕入れや卸ができるように
することも大切です。
こちらも一度立ち止まり、「なぜ、この会社から仕入れているのか?」
を検討し、仕入れ先への改善提案や最悪、変更なども
考えていく必要があります。
(ローカルベンチマークを用いた業務改善策作成の際などに
このような考えが出てきます。「ロカベン」で検索してみて下さい)
在庫管理は会社の未来を左右する!
「在庫管理は会社の未来を左右する」と書くと
非常に大袈裟に聞こえるかもしれませんが
在庫を抱える企業である以上、永続的に関わる問題です。
その上、「資金繰り改善のために売上を伸ばす」ような施策と違い
ある程度は「自社だけの工夫」で改善できるものです。
つまりは「手が付けやすい改善策」となりますので
積極的に取り入れてほしい施策の一つです。
まとめ
在庫管理は資金効率や収益性に影響を与える重要な業務の1つです。
資金繰りの改善、収益性の向上、しいては、企業価値の向上を実現できます。
まずは、自社の在庫状況を把握し、課題を明確にすることから始めましょう。
人口が増え、自然発生的に市場が拡大する時代には
どんなに頑張っても20年以上はかかります。
財務も在庫も以前と同じ「ドンブリ」では経営は成り立たなくなります。
最後にもう一度
「在庫」は「財庫」にも「罪庫」にもなる
在庫、積み上がってませんか?
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【資金繰りの悪化】倒産の前兆を見逃すな!意識が変われば会社が変わる 会社が変われば夢が叶う
2024.12.06
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にしたい」
そのために、一生懸命書き続けます。
では、スタート!
企業経営において欠かせない課題の一つが資金繰りです。
資金が枯渇すると、企業は破綻の危機に直面します。
その前兆となるのが「資金繰りの悪化」です。
体調不良の際に早期の検査と治療が重要であるように、
資金繰りの問題も早期に対処することが不可欠です。
ここでは、資金繰り悪化の主な原因とその解決策について考察していきます。
この記事を読めば、資金繰りの重要性を再認識し、
会社を安定経営に導くための具体的な方法がわかります!
なぜ資金繰りは悪化する? 経営を脅かす5つの原因
資金繰りが悪化する原因は、一つとは限りません。
複合的な要因が重なり、徐々に経営を圧迫していくケースがほとんどです。
まずは、よくある原因を把握し、
自社に当てはまるものがないかチェックしてみましょう。
1. 売上の減少・予測の難しさ
売上は利益の根源の一つです。
とはいえ特に天候に左右される業種などは
自力では、どうにもできないことが発生し
予定の売上を上げれない事態が発生します。
また、コロナやリーマンショックのような
世界的な問題が、ほぼ「10年に1度」のペースで起こっており
こちらも、売上に悪影響を与えます。
2. 急激な売上増加への対応不足
売上増加は喜ばしいことですが、仕入れ資金の準備が追いついていないと、
買掛金などの支払いができなくなってしまいます。
「商売の基本」と言っても過言ではないと思いますが
仕入れが先にあり、販売は後になります。
お金の動きも同様に「買掛の支払いが先」で「売掛の回収が後」
となりますから、資金計画を立て、不足しそうな運転資金を
あらかじめ借入などを使い、手元に置いておく必要があります。
余談となりますが、これこそが俗に言われる「黒字倒産」の原因です。
実は、倒産企業の約50%が、黒字倒産なのです。
3. 資金管理の甘さ
資金繰り表や出納帳をつけずに、「どんぶり勘定」で経営していませんか?
また、社長や家庭の財布と会社の財布が混同されていませんか?
これでは、会社の財務状況はおろか、資金繰りすら正確に把握できません。
きちんとした資金管理体制を構築しなければなりません。
4. 過度な節税
節税自体は、何も悪いことではありません。
しかし、節税には「適切な節税」と「節税になっていない節税」があります。
「税率の差」などを使った節税や「投資を伴った節税」など
テクニカルな節税方法は存在しますが、これは「プロ」だからできる節税で
きちんとした知識なしに、見よう見まねで行うことは危険だと思います。
また、節税には、その企業における「時期」や「フェーズ」が重要です。
自社が節税すべき状態なのかどうかの判断を誤ると
会社の体力をそぎ落とすこととなり、資金繰りの悪化の一因となります。
「利益が出たから、節税する」そんな単純なものではありません。
5. 経営者の勉強不足
大変生意気ですが、経営者の勉強不足はあってはならないことの1つです。
また、勉強不足のまま経営を続けても、誰も幸せにしません。
なかでも、「会社のお金」つまりは「資金繰り」に対する勉強不足は
会社の存続に直結します。
また、資金繰りや決算書の活用の仕方を学ぶことは
的確な経営判断を可能にし、利益を増やすことにつながります。
【改善策】資金繰りの不安を解消!今すぐできる5つの対策
資金繰りの悪化を防ぐためには、早め早めの対策が重要です。
「まだ大丈夫」と楽観視せず、今すぐできることから取り組み始めましょう。
1. 定期的な資金繰り計画の策定
過去のデータや今後の見通しを踏まえ、
資金の流入と流出を予測した資金繰り表を作成しましょう。
また、計画と実績を定期的に比較し、
必要があれば計画を修正することも大切です。
無料で使える資金繰り表作成ツールなどもあるので、積極的に活用しましょう。
2. 適切な運転資金の確保
販売状況はもちろんですが、
売上の季節変動や、仕入れ価格の変動リスクなども考慮し、
余裕を持った運転資金を確保しましょう。
金融機関からの融資なども視野に入れ、
いざという時に備えておくことが大切です。
手元資金は、たくさんあるに越したことはありません。
ほとんどの中小企業は、「株主=経営者」ですから
資金効率をとやかく言われることはないはずですから
まずは、資金的に安定した会社を目指しましょう。
目安はいろいろとありますが
「売上高の3か月分」「固定費の6か月分」くらいをめどに
考えてみるといいでしょう。
3. 銀行の通帳残高を毎日確認する
損益計算書 (P/L) だけでは、資金の流れを把握することはできません。
「利益」と「現金」は別物だからです。
ましてや、P/Lには「現金」という勘定科目はありませんから
そこだけ考えても、P/Lと資金繰り表は別物であることがわかります。
では、どうすればよいのかですが
まず、最低限として「通帳残高の確認」は毎日しましょう。
まずは、お金の大きな流れを確認します。
普段、自分が感じている「売上の増減」と「現金の増減」の違いを
把握してみましょう。
そのうえで、正確な残高を確認すれば、少なくとも会社は「突然死」とは
ならないはずです。資金繰り表と見比べれば、資金ショート時期や金額も
ある程度は予測できるはずです。
4. 会社のお金に関する教育・研修
経営者が資金繰りや会社のお金に関して一定の理解ができたのなら
社員さんも巻き込んで、「会社のお金」への理解を深める機会を設けましょう。
社内全体で会社のお金への意識を高めることにより、
経費削減への意識の向上はもちろん、経費削減に向けた自主的な行動なども
期待できます。また、売上アップや経費削減が、
社員一人一人の「手取りアップ」につながることがわかれば
会社の業績アップや経営の安定に繋がります。
5. 専門家への相談
税理士や診断士、コンサルタントなど、専門家の力を借りることも有効です。
客観的な立場からアドバイスをもらえたり
経営者の思考整理や社長はもちろん、社員さんの意識の向上が期待できます。
「お金」を増やして「夢」を叶える!
資金繰りを安定させることは、会社の成長だけでなく、
経営者の夢を実現するためにも不可欠です。
「経理に任せている」「税理士にお任せ」という考え方は卒業し、
経営者自らが率先して資金繰りに向き合いましょう。
資金繰りの知識とスキルを身につけることは、
経営者としての大きな武器になります。
財務や資金繰りの知識を深めることで、
会社に「お金」が増え、社長の「夢」を実現するための礎となります。
目指せ!「脱★ドンブリ経営」
私も訓練に励みます!
2024.12.20
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にしたい」
そのために、一生懸命書き続けます。
では、スタート!
事業計画を立てるのは難しい?
「事業計画を立てましょう」とクライアントに話すと
その返答の多くは「わかっちゃいるけど、難しい」と返ってきます。
では、計画を立てる上での最大の課題は何でしょうか?
これもほぼ全ての返答が「売上予測が難しい」と返答されます。
確かに売上は、外部環境の変化などが計画に影響を与えるため、
予測通りにはいない要素はあります。
であれば、「確実性がある情報」から事業計画を
立ててみるのはいかがでしょうか?
実は「根拠ある事業計画」とは、根拠のある数字から
「逆算」して作るものなのです。
「対前年〇%アップ」や「ライバル社を上回れ」というような計画は
「何故、それだけの売り上げが必要なのか」と聞かれた時に
根拠がないため明確な答えが見つかりませんので
社員さんはもちろん、金融機関からも評価されないものとなります。
では、「根拠ある事業計画」とは、どのように作るのかご紹介します。
固定費と変動費の管理
事業計画を立案する際には、
経費を「固定費」と「変動費」に分類することが不可欠です。
固定費は売上がなくても発生する経費で、人件費、家賃、光熱費などが該当します。
変動費は売上に応じて増減する費用で、原材料費や外注費等が一般的です。
これらのデータを元に、逆算して経営計画を策定していきます。
特に計画を立てる時には「固定費」を使うことになります。
具体的なステップ
事業計画を具体的に立てる手順は以下の通りです
1 固定費の把握
人件費や家賃、光熱費、銀行への返済額など、
企業が必ず支払う必要のある経費をリストアップします。
2 減価償却費の把握
建物や設備等に投資をしていると減価償却が発生しているはずです。
減価償却費は「お金が出ていかない経費」なので
決算書上は、「経費」となっていますが
実際には「支払いの実態のない経費」ですので、お金が減ってはいません。
金額に関しては、「来年の減価償却費は、どれくらいなの?」と
税理士さんに聞いてみてください。教えていただけます。
3 粗利率の計算
前年度のデータを基に、「粗利率」を計算します。
多数の商品ラインナップの変更や
主力商品の変更がない限り、
粗利率は大きく変わることはないと思います。
計算式
粗利(売上高-変動費)÷売上高=粗利率
(まずは、始めてみることが大切ですから、細かなことや厳密さは
必要ありません。 脱 完璧主義 でいきましょう!)
参考までに、粗利率が高いとか低いとかを気にする必要はありません。
各業種や個社ごとに「率」は変わります。
何かと比べるのなら、業種ごとの平均の率と比べてみてください。
売上目標の設定
ここまで来たら、あと一息です。
まずは、銀行への借入金の返済額を出しましょう。
返済計画書や、通帳などを見てもわかるかと思います。
次に、その数字に「減価償却費」を足します。
その数値は「税引き後利益」となりますから
そこに法人税の金額を足してやります。
ざっくり、税引き後利益に0.7を乗じてあげます。
これが、「税引き前利益」というより、金融投資等がないのであれば
「経常利益」と考えて、ほぼ差し支えないかと思います。
この数字に「固定費」を足してあげます。
この数字こそが、会社維持に必要な「粗利」となります。
そして、これが最後
粗利に「粗利率」で割り返す
例えば、ここまでの数字が100で、粗利率が30%であれば
100÷0.3=333
この「333」が、最低限、目標とする売上です。
どうですか? 全然難しくないですよね?
おまけに、最低限必要な売上がわかると
その数値を超えたのなら、その後は粗利の金額が全て「経常利益」
つまり、「儲け」となります。
ワクワクしませんか? しますよね?
身体的にも、精神的にも、良さそうじゃありません?
その上、社員さんや外部の人に、事業計画書に書かれている数字の根拠を
説明できることになりますよね。
おめでとうございます! 「ドンブリ計画」卒業です!
「お金のブロックパズル」と専門家の活用
今まで、根拠の薄い計画を立てていてのなら、
是非、上記のところまでたどり着きましょう。
とはいえ、言葉だけでは「ピン!」とこないですよね。
そんな時には「お金のブロックパズル」を使いましょう。
ここまで話してきたことが、たった10数個のブロックで
示されますので、一瞬で理解が進みます。
私たちキャッシュフローコーチは、
この「お金のブロックパズル」の専門家ですので
お気軽に、相談ください。
また、下記のような計画も当然あると思います。
「5年後に借入金を〇〇〇万円まで減らしたい」
「数年後に古くなった設備を買い換えたい」
「新規事業の計画がある」
「自社ビルを持ちたい」
「社員を〇人増やしたい」
「社員の給料を〇%増やしたい」
「役員報酬を〇〇円にしたい」など
3年後や5年後のような中期目標や
「無借金経営を目指したい」というような長期目標に対しては、
「売上5%増」のような「1年きりの問題」
言い換えれば「損益計算書(P/L)」だけに着目した
計画だけでは、到達できないことがほとんどとなります。
貸借対照表(B/S)とP/Lを合わせてみる必要性がありますので
キャッシュの「フローとストック」の両方をつなぎ合わせてみれる
専門家の力を借りることをお勧めします。
なお、上記の
考え方や見方は、ブログには書きません。
混乱を招き、せっかく会社の数字に前向きになってくださった
経営者の方が、「さっぱりわからん。やめた」となってしまいますので。
ここまでの高度な計算や計画立案は、専門家に任せましょう!
(自分で書いていて、わかりずらいな~と思いましたので
ごく簡単な例を書きますね)
(借入金が3億円ある中小企業が「5年後に無借金にする」と
目標を立てたとして、1年で6000万円の税引き後利益を
たたき出すなんて、ほぼ不可能ですよね。
となると、B/Sに出ている様々な資産を勘案した
計画を立てる必要があるという話です)
今回は、「根拠ある事業計画の簡単な立て方」を書きました。
事業計画などの計画を立てている中小企業は1割程度と言われています。
また、計画もなしに経営をすることは
「目的地もなく、地図も持たずに旅に出るようなもの」と言われています。
私のブログを読んでくださっている皆さんは
「冒険のような会社経営」から是非、卒業してくださいね。
「遭難しそうです・・・」
2024.12.16
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にしたい」
そのために、一生懸命書き続けます。
では、スタート!
「年に1個しか売れない商品も、販売チャンス逃したくない」
その気持ち、よく分かります。でもちょっと待ってください!
その在庫、もしかしたら会社の未来を暗くしているかもしれません。
今回は、「在庫が会社のお金に与える悪影響」 に焦点を当て、
具体的な改善策と合わせて解説していきます。
▼ 本記事の内容
1. 在庫過多の危険性とは?
2. 「資金効率」が悪化するってどういうこと?
3. 今すぐできる!在庫管理改善策3選
この記事を読めば、在庫管理の重要性と、
それが会社にもたらす明るい未来が見えてきます。
ぜひ最後まで読んで、明日からのビジネスに役立ててください!
在庫過多は会社の財政を悪化させる!?
「在庫 = 会社の現金」ということを忘れていませんか?
売れない在庫は、ただ倉庫のスペースを占領しているだけではありません。
会社の資金を眠らせることとなり、
本来、現金として使えたはずの資金が自由に使えないこととなります。
1. 資金効率の悪化
在庫として商品を購入するということは、
会社の資金(現金)が商品に形を変えているということ。
そして、売れない在庫はいつまで経っても現金として戻ってきません。
よって、資金が固定化され、新たな事業投資や設備投資の機会を逃すことになりかねません。
「年1回の販売機会のロス」と「会社の将来へ向けた機会ロス」
どちらを選ぶべきか再考する必要があります。
2. 利益の減少
売れない在庫は、当然ながら利益を生み出しません。
それどころか、保管費用や管理費用などのコストが発生し、利益を圧迫します。
つまりは、せっかく稼いだ「利益」を倉庫の中で寝ている「在庫」が
「溶かしている」ことになります。
3. 資金繰り悪化のリスク
在庫が増えすぎると、商品に投資された資金が回収できず、
会社の資金繰りが悪化する可能性があります。
さらに、金融機関からの評価にも悪影響があることも。
金融機関は、企業の「売上」と「在庫」のバランスを注視しています。
売上に対して在庫が増えすぎている状態、
もしくは、売上が落ちているのに在庫が増えている状態は
経営の健全性や決算内容が疑われ、
融資の判断時に良くない影響を与える可能性があります。
「在庫」は「財庫」にもなれば「罪庫」にもなることを
是非、認識してください。
いますぐできる!在庫管理3つの改善策
では、具体的にどのように在庫管理を改善すればよいのでしょうか?
すぐに実践できる3つの方法を紹介します。
1. 需要予測の精度向上
過去の販売データや市場トレンドを分析し、
需要を細かく予測することで、過剰な在庫を抱えるリスクを減らすことができます。
2. 在庫回転率の向上
在庫回転率は、在庫がどれだけ効率的に販売されているかを示す指標です。
適切な在庫管理システムを導入したり、
販売促進活動を見直したりすることで、在庫回転率を向上させることができます。
売れ筋商品を把握し、重点的に販売する
季節外れ商品をセールで販売する
顧客のニーズに合わせた商品開発を行う
3. 受注後生産や発注の導入
これは、「今すぐ」というわけにはいきませんが
在庫の減少には高い効果があります。
例えば、「オーダー型」の商品販売をしている会社なんかが
その見本です。
自社の商品の中で「受注後生産」ができる商品はないのかを
再検討することは、在庫数の改善、しいては資金繰りの改善に
大きく役立つことでしょう。
また、サプライチェーン全体を可視化し、
サプライヤーとの連携を強化することや、
「長い付き合いだから」ではなく、効率的に仕入れや卸ができるように
することも大切です。
こちらも一度立ち止まり、「なぜ、この会社から仕入れているのか?」
を検討し、仕入れ先への改善提案や最悪、変更なども
考えていく必要があります。
(ローカルベンチマークを用いた業務改善策作成の際などに
このような考えが出てきます。「ロカベン」で検索してみて下さい)
在庫管理は会社の未来を左右する!
「在庫管理は会社の未来を左右する」と書くと
非常に大袈裟に聞こえるかもしれませんが
在庫を抱える企業である以上、永続的に関わる問題です。
その上、「資金繰り改善のために売上を伸ばす」ような施策と違い
ある程度は「自社だけの工夫」で改善できるものです。
つまりは「手が付けやすい改善策」となりますので
積極的に取り入れてほしい施策の一つです。
まとめ
在庫管理は資金効率や収益性に影響を与える重要な業務の1つです。
資金繰りの改善、収益性の向上、しいては、企業価値の向上を実現できます。
まずは、自社の在庫状況を把握し、課題を明確にすることから始めましょう。
人口が増え、自然発生的に市場が拡大する時代には
どんなに頑張っても20年以上はかかります。
財務も在庫も以前と同じ「ドンブリ」では経営は成り立たなくなります。
最後にもう一度
「在庫」は「財庫」にも「罪庫」にもなる
在庫、積み上がってませんか?
2024.12.06
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にしたい」
そのために、一生懸命書き続けます。
では、スタート!
企業経営において欠かせない課題の一つが資金繰りです。
資金が枯渇すると、企業は破綻の危機に直面します。
その前兆となるのが「資金繰りの悪化」です。
体調不良の際に早期の検査と治療が重要であるように、
資金繰りの問題も早期に対処することが不可欠です。
ここでは、資金繰り悪化の主な原因とその解決策について考察していきます。
この記事を読めば、資金繰りの重要性を再認識し、
会社を安定経営に導くための具体的な方法がわかります!
なぜ資金繰りは悪化する? 経営を脅かす5つの原因
資金繰りが悪化する原因は、一つとは限りません。
複合的な要因が重なり、徐々に経営を圧迫していくケースがほとんどです。
まずは、よくある原因を把握し、
自社に当てはまるものがないかチェックしてみましょう。
1. 売上の減少・予測の難しさ
売上は利益の根源の一つです。
とはいえ特に天候に左右される業種などは
自力では、どうにもできないことが発生し
予定の売上を上げれない事態が発生します。
また、コロナやリーマンショックのような
世界的な問題が、ほぼ「10年に1度」のペースで起こっており
こちらも、売上に悪影響を与えます。
2. 急激な売上増加への対応不足
売上増加は喜ばしいことですが、仕入れ資金の準備が追いついていないと、
買掛金などの支払いができなくなってしまいます。
「商売の基本」と言っても過言ではないと思いますが
仕入れが先にあり、販売は後になります。
お金の動きも同様に「買掛の支払いが先」で「売掛の回収が後」
となりますから、資金計画を立て、不足しそうな運転資金を
あらかじめ借入などを使い、手元に置いておく必要があります。
余談となりますが、これこそが俗に言われる「黒字倒産」の原因です。
実は、倒産企業の約50%が、黒字倒産なのです。
3. 資金管理の甘さ
資金繰り表や出納帳をつけずに、「どんぶり勘定」で経営していませんか?
また、社長や家庭の財布と会社の財布が混同されていませんか?
これでは、会社の財務状況はおろか、資金繰りすら正確に把握できません。
きちんとした資金管理体制を構築しなければなりません。
4. 過度な節税
節税自体は、何も悪いことではありません。
しかし、節税には「適切な節税」と「節税になっていない節税」があります。
「税率の差」などを使った節税や「投資を伴った節税」など
テクニカルな節税方法は存在しますが、これは「プロ」だからできる節税で
きちんとした知識なしに、見よう見まねで行うことは危険だと思います。
また、節税には、その企業における「時期」や「フェーズ」が重要です。
自社が節税すべき状態なのかどうかの判断を誤ると
会社の体力をそぎ落とすこととなり、資金繰りの悪化の一因となります。
「利益が出たから、節税する」そんな単純なものではありません。
5. 経営者の勉強不足
大変生意気ですが、経営者の勉強不足はあってはならないことの1つです。
また、勉強不足のまま経営を続けても、誰も幸せにしません。
なかでも、「会社のお金」つまりは「資金繰り」に対する勉強不足は
会社の存続に直結します。
また、資金繰りや決算書の活用の仕方を学ぶことは
的確な経営判断を可能にし、利益を増やすことにつながります。
【改善策】資金繰りの不安を解消!今すぐできる5つの対策
資金繰りの悪化を防ぐためには、早め早めの対策が重要です。
「まだ大丈夫」と楽観視せず、今すぐできることから取り組み始めましょう。
1. 定期的な資金繰り計画の策定
過去のデータや今後の見通しを踏まえ、
資金の流入と流出を予測した資金繰り表を作成しましょう。
また、計画と実績を定期的に比較し、
必要があれば計画を修正することも大切です。
無料で使える資金繰り表作成ツールなどもあるので、積極的に活用しましょう。
2. 適切な運転資金の確保
販売状況はもちろんですが、
売上の季節変動や、仕入れ価格の変動リスクなども考慮し、
余裕を持った運転資金を確保しましょう。
金融機関からの融資なども視野に入れ、
いざという時に備えておくことが大切です。
手元資金は、たくさんあるに越したことはありません。
ほとんどの中小企業は、「株主=経営者」ですから
資金効率をとやかく言われることはないはずですから
まずは、資金的に安定した会社を目指しましょう。
目安はいろいろとありますが
「売上高の3か月分」「固定費の6か月分」くらいをめどに
考えてみるといいでしょう。
3. 銀行の通帳残高を毎日確認する
損益計算書 (P/L) だけでは、資金の流れを把握することはできません。
「利益」と「現金」は別物だからです。
ましてや、P/Lには「現金」という勘定科目はありませんから
そこだけ考えても、P/Lと資金繰り表は別物であることがわかります。
では、どうすればよいのかですが
まず、最低限として「通帳残高の確認」は毎日しましょう。
まずは、お金の大きな流れを確認します。
普段、自分が感じている「売上の増減」と「現金の増減」の違いを
把握してみましょう。
そのうえで、正確な残高を確認すれば、少なくとも会社は「突然死」とは
ならないはずです。資金繰り表と見比べれば、資金ショート時期や金額も
ある程度は予測できるはずです。
4. 会社のお金に関する教育・研修
経営者が資金繰りや会社のお金に関して一定の理解ができたのなら
社員さんも巻き込んで、「会社のお金」への理解を深める機会を設けましょう。
社内全体で会社のお金への意識を高めることにより、
経費削減への意識の向上はもちろん、経費削減に向けた自主的な行動なども
期待できます。また、売上アップや経費削減が、
社員一人一人の「手取りアップ」につながることがわかれば
会社の業績アップや経営の安定に繋がります。
5. 専門家への相談
税理士や診断士、コンサルタントなど、専門家の力を借りることも有効です。
客観的な立場からアドバイスをもらえたり
経営者の思考整理や社長はもちろん、社員さんの意識の向上が期待できます。
「お金」を増やして「夢」を叶える!
資金繰りを安定させることは、会社の成長だけでなく、
経営者の夢を実現するためにも不可欠です。
「経理に任せている」「税理士にお任せ」という考え方は卒業し、
経営者自らが率先して資金繰りに向き合いましょう。
資金繰りの知識とスキルを身につけることは、
経営者としての大きな武器になります。
財務や資金繰りの知識を深めることで、
会社に「お金」が増え、社長の「夢」を実現するための礎となります。
目指せ!「脱★ドンブリ経営」
私も訓練に励みます!