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銀行との賢い付き合い方:晴れた日にこそ備えるべき理由とは?
2024.10.04
「銀行は晴れた日に傘を貸し、雨の日には取り上げる」とよく言われます。
これは、経営が順調な時には融資が受けやすいのに、経営に陰りが出てくると
急に融資が難しくなるという状況を表しています。
言い換えれば、銀行は「返済が確実にできる状態でないとお金を貸さない」
というごく当たり前のビジネスを行っていることを指しています。
では、企業経営において「晴れた日」とはどのような状態でしょうか?
それは「業績が好調で資金に余裕がある状態」を指します。
しかし、皮肉なことに、この「晴れた日」には
急激に売り上げが伸びたなどではない限り
融資を必要としない、考えないことが多いものです。
一方で、「雨の日」とは業績が悪化し、資金繰りが厳しい時。
こんなときには借入が難しく、もし借りられたとしても金利が高く、条件が厳しいことが多いのです。
銀行との良好な関係を維持し、資金調達を円滑にするためには、
好調な時期にこそ「雨に備えた借入」を検討することが賢明です。
晴れた日に借入を行うメリット
1.借入がしやすい:経営が好調な時期には、銀行からの評価が高く、スムーズに融資を受けることが可能です。
2.低金利で借りられる:会社の財務状況や企業の信用度が高ければ、金利も低く抑えられます。
3.資金繰りが安定する:余裕がある時期に手元資金を確保しておくことで、アクシデントに備えられます。
4.経営者保証が外れやすい:経営状況が良好であれば、経営者の個人保証を外せる可能性があります。
5.プロパー融資が受けられる:銀行が保証なしで直接融資する「プロパー融資」も、条件が整えば受けやすくなります。
雨の日に借入を行うリスク
逆に、業績が悪化している「雨の日」には以下のようなリスクが伴います
1.借入が難しくなる:信用が低下し、融資のハードルが高くなります。
2.金利が高くなる:回収リスクが高いと判断されるため、金利が上昇します。
3.経営者保証が必要になる:銀行から個人保証や担保を求められることが増えます。
4.審査が厳しくなる:借入自体ができなくなる可能性が高まります。
金利は「保険料」と考える
「余計な金利を払いたくない」という経営者の声もあります。
十分、理解はできます。とはいえ、借りやすい時に借りておくことのメリットは大きい。
「わかっちゃいるけど~」という経営者の方へ、こんな考え方をご提案します。
晴れた日に、お金を借りておき、手元資金を厚くしておくことは、
会社に降ってくるかもしれない「事故」に備えるようなものです。
ですから、「余計と思われる金利」は、まさに「保険料」
その上、金利は経費として扱われるため、節税効果もあります。
節税になるということは、金利の約3割は国が負担してくれているようなものです。
どうでしょう? 少しは前向きに考えられませんか?
最後になりますが、決して「借金の勧め」をしているわけでも
「銀行のフォロー」をしているわけでもありません。
いつかは、無借金経営でも、会社が回り、発展するのがベストです。
ですが、そこにたどり着くには「順番」や「段階」があるのです。
「経営者」は「消費者」ではありません。
お金を消費するのではなく、上手にお金を使い、増やしつつ
会社や従業員さんたちを守り、成長させていきましょう。
晴れてる時には、一服したい・・・。でも、休んじゃいられない・・・
会社経営て大変ですね
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気づかぬ財務悪化のリスクに備える!在庫管理の重要性
2024.10.02
資金繰りの悪化の予兆を見逃さないために大切なことの1つに、「在庫管理」があります。
以下では、在庫増加が引き起こすリスクと、決算書の落とし穴について説明します。
1. 在庫増加のリスク
販売不振による影響
販売が計画通りに進まないと、在庫が積み上がります。これが続くと、デッドストックが増え、いずれ廃棄や値下げが必要になり、損失を生みます。
デッドストックのコスト
売れ残った商品はただの在庫ではありません。管理費や保管スペースのコストがかさみ、結果的に利益を圧迫する要因になります。
資金繰りの悪化
在庫を増やすことで、仕入れ代金の支払いが先行し、現金が減少します。
特に「支払いが先、回収が後」という一般的な商流の中で、現金が気づかぬうちに減っていきます。
2. 在庫管理とキャッシュフローの重要性
運転資金はビジネスの生命線の1つです。
商品が売れなければ、現金が在庫に変わるだけで、資金繰りがどんどん悪化します。
そのため、在庫管理を怠らず、現金と在庫の増減を定期的に確認することが重要です。
3. 決算書だけでは見えないリスク
損益計算書(P/L)や貸借対照表(B/S)は経営状態を表す重要な資料ですが、これだけでは全てのリスクを把握できません。
特に在庫や資金の流れを細かく見ていないと、足元に迫る危機に気づけないことがあります。
なぜか。決算書などの財務諸表の「勘定科目」の並び方が、そうさせるのです。
P/L(損益計算書)の一番上(トップライン)は「売上高」
そこから、仕入れ値や様々な経費が引かれていくかのように書かれています。
勘のいい方なら、もうお気づきですよね。トップラインの時点で、実際の商売とはかけ離れているわけです。
「代金回収が先」「支払いが後」と書いてあるわけです。
B/S(貸借対照表)でいうと、今度は左側の一番下「資産の合計額」
現金が在庫に化けただけですから、科目が現金と商品だけなら、合計額は変わりません。
もちろん、現金と商品在庫の数字を見れば、増減はわかりますが、
「対前年」や「対前月」という見比べ方をしていなければ気づきません。
どうでしょうか。P/LとB/Sだけ見ていると、一見順調に見えても、足元には危険が忍び寄ってる。
「全てのお客様の注文に対応したい」「チャンスを逸したくない」
気持ちは、十分わかります。
ですが、適切な在庫数の管理と商品ラインナップの見直しは常に必要となります。
「在庫」は「財庫」 お金が形を変えただけです。
「在庫」は「罪庫」 これくらいならいいだろうが、後々大変なことになりかねません。
いかがでしたか?
在庫管理の大切さと決算書(財務諸表)を鵜呑みにすることの危うさにお気づきいただけたでしょうか。
現場の状況や資金の動きを把握することは、健全な経営の鍵です。
「現場に任せている」「経理に任せている」「税理士の先生に任せている」
現場も経理の人も、ましてや、税理士の先生も、あなたの会社を管理してくれません。
当然ですが、責任もとってくれません。
社員さんや税理士さんの出してくれた数字の意味を「理解」し「活用する」ことは
経営者にしかできない仕事です。
経営者って、大変なお仕事なんですね(時期ズレですが)
2024.10.04
「銀行は晴れた日に傘を貸し、雨の日には取り上げる」とよく言われます。
これは、経営が順調な時には融資が受けやすいのに、経営に陰りが出てくると
急に融資が難しくなるという状況を表しています。
言い換えれば、銀行は「返済が確実にできる状態でないとお金を貸さない」
というごく当たり前のビジネスを行っていることを指しています。
では、企業経営において「晴れた日」とはどのような状態でしょうか?
それは「業績が好調で資金に余裕がある状態」を指します。
しかし、皮肉なことに、この「晴れた日」には
急激に売り上げが伸びたなどではない限り
融資を必要としない、考えないことが多いものです。
一方で、「雨の日」とは業績が悪化し、資金繰りが厳しい時。
こんなときには借入が難しく、もし借りられたとしても金利が高く、条件が厳しいことが多いのです。
銀行との良好な関係を維持し、資金調達を円滑にするためには、
好調な時期にこそ「雨に備えた借入」を検討することが賢明です。
晴れた日に借入を行うメリット
1.借入がしやすい:経営が好調な時期には、銀行からの評価が高く、スムーズに融資を受けることが可能です。
2.低金利で借りられる:会社の財務状況や企業の信用度が高ければ、金利も低く抑えられます。
3.資金繰りが安定する:余裕がある時期に手元資金を確保しておくことで、アクシデントに備えられます。
4.経営者保証が外れやすい:経営状況が良好であれば、経営者の個人保証を外せる可能性があります。
5.プロパー融資が受けられる:銀行が保証なしで直接融資する「プロパー融資」も、条件が整えば受けやすくなります。
雨の日に借入を行うリスク
逆に、業績が悪化している「雨の日」には以下のようなリスクが伴います
1.借入が難しくなる:信用が低下し、融資のハードルが高くなります。
2.金利が高くなる:回収リスクが高いと判断されるため、金利が上昇します。
3.経営者保証が必要になる:銀行から個人保証や担保を求められることが増えます。
4.審査が厳しくなる:借入自体ができなくなる可能性が高まります。
金利は「保険料」と考える
「余計な金利を払いたくない」という経営者の声もあります。
十分、理解はできます。とはいえ、借りやすい時に借りておくことのメリットは大きい。
「わかっちゃいるけど~」という経営者の方へ、こんな考え方をご提案します。
晴れた日に、お金を借りておき、手元資金を厚くしておくことは、
会社に降ってくるかもしれない「事故」に備えるようなものです。
ですから、「余計と思われる金利」は、まさに「保険料」
その上、金利は経費として扱われるため、節税効果もあります。
節税になるということは、金利の約3割は国が負担してくれているようなものです。
どうでしょう? 少しは前向きに考えられませんか?
最後になりますが、決して「借金の勧め」をしているわけでも
「銀行のフォロー」をしているわけでもありません。
いつかは、無借金経営でも、会社が回り、発展するのがベストです。
ですが、そこにたどり着くには「順番」や「段階」があるのです。
「経営者」は「消費者」ではありません。
お金を消費するのではなく、上手にお金を使い、増やしつつ
会社や従業員さんたちを守り、成長させていきましょう。
晴れてる時には、一服したい・・・。でも、休んじゃいられない・・・
会社経営て大変ですね
2024.10.02
資金繰りの悪化の予兆を見逃さないために大切なことの1つに、「在庫管理」があります。
以下では、在庫増加が引き起こすリスクと、決算書の落とし穴について説明します。
1. 在庫増加のリスク
販売不振による影響
販売が計画通りに進まないと、在庫が積み上がります。これが続くと、デッドストックが増え、いずれ廃棄や値下げが必要になり、損失を生みます。
デッドストックのコスト
売れ残った商品はただの在庫ではありません。管理費や保管スペースのコストがかさみ、結果的に利益を圧迫する要因になります。
資金繰りの悪化
在庫を増やすことで、仕入れ代金の支払いが先行し、現金が減少します。
特に「支払いが先、回収が後」という一般的な商流の中で、現金が気づかぬうちに減っていきます。
2. 在庫管理とキャッシュフローの重要性
運転資金はビジネスの生命線の1つです。
商品が売れなければ、現金が在庫に変わるだけで、資金繰りがどんどん悪化します。
そのため、在庫管理を怠らず、現金と在庫の増減を定期的に確認することが重要です。
3. 決算書だけでは見えないリスク
損益計算書(P/L)や貸借対照表(B/S)は経営状態を表す重要な資料ですが、これだけでは全てのリスクを把握できません。
特に在庫や資金の流れを細かく見ていないと、足元に迫る危機に気づけないことがあります。
なぜか。決算書などの財務諸表の「勘定科目」の並び方が、そうさせるのです。
P/L(損益計算書)の一番上(トップライン)は「売上高」
そこから、仕入れ値や様々な経費が引かれていくかのように書かれています。
勘のいい方なら、もうお気づきですよね。トップラインの時点で、実際の商売とはかけ離れているわけです。
「代金回収が先」「支払いが後」と書いてあるわけです。
B/S(貸借対照表)でいうと、今度は左側の一番下「資産の合計額」
現金が在庫に化けただけですから、科目が現金と商品だけなら、合計額は変わりません。
もちろん、現金と商品在庫の数字を見れば、増減はわかりますが、
「対前年」や「対前月」という見比べ方をしていなければ気づきません。
どうでしょうか。P/LとB/Sだけ見ていると、一見順調に見えても、足元には危険が忍び寄ってる。
「全てのお客様の注文に対応したい」「チャンスを逸したくない」
気持ちは、十分わかります。
ですが、適切な在庫数の管理と商品ラインナップの見直しは常に必要となります。
「在庫」は「財庫」 お金が形を変えただけです。
「在庫」は「罪庫」 これくらいならいいだろうが、後々大変なことになりかねません。
いかがでしたか?
在庫管理の大切さと決算書(財務諸表)を鵜呑みにすることの危うさにお気づきいただけたでしょうか。
現場の状況や資金の動きを把握することは、健全な経営の鍵です。
「現場に任せている」「経理に任せている」「税理士の先生に任せている」
現場も経理の人も、ましてや、税理士の先生も、あなたの会社を管理してくれません。
当然ですが、責任もとってくれません。
社員さんや税理士さんの出してくれた数字の意味を「理解」し「活用する」ことは
経営者にしかできない仕事です。
経営者って、大変なお仕事なんですね(時期ズレですが)