本日は、会社経営における、「計画の立て方」について。
売上目標計画や利益計画を立てる際に、みなさんはどのように考えて策定しますか?
多く見られるのが「対前年〇%アップ」もしくは、ライバル社等の「他社対比」ではないでしょうか?
もちろん、それ自体が悪いとはいいません。
しかし、そのような目標数字に対して社員さんから「なぜ、その売上が必要なのですか?」
と聞かれた際に、明確に根拠を説明できるでしょうか?
また、そのような根拠の薄い目標に対し、社員さんは「よし!やるぞ!」と
高いモチベーションを持ち、1年間走り続けることができるでしょうか?
そこで、今回は、「社長さんも社員さんも納得」の目標の立て方の1例を書きます。
1. 会社に必要な最低限の「利益」
みなさんの会社を維持するために、最低限必要な利益はどれくらいなのかを計算したことありますか?
考え方としては、「売上が0であっても出ていくお金」のことです。
その会社により、多少の違いはありますが、代表的なものとして
・銀行借り入れに対する元本返済額 ・人件費 ・家賃 ・その他固定費
その以外にも、投資のためのお金 万が一などへの備えのお金 生命保険料の資産計上分 など
があります。青字の3つは、最悪0の場合もあるでしょうが
赤字の3つは、会社が存続している以上、ほぼ必ず必要となるお金でしょう。
まず、ここがスタートラインとなります。
人の出入りや社屋の引っ越しなどがなければ、この部分の昨年の数字を拾うだけですから
難しくはありませんよね。
では、次のステップ
2. 計画は「逆算の思考」で考える
先ほど書いた
銀行借り入れに対する元本返済額 投資のためのお金 万が一などへの備えのお金 生命保険料の資産計上分
このお金は決算書のどの部分から出ていくお金でしょうか?
そうなんです。決算書には書いていない「お金の出」なのです。
決算書で言うのならば「税引き後利益」から出ていくお金なのです。
この部分の金額を計算し、その金額に法人税を勘案してあげると「税引き前利益」となります。
本来は、ここに「減価償却費」や「営業外の損益」を足し引きしてあげるのですが
ここでは、わかりやすくするために割愛します。
(「少しでも正確に知りたい」という方は、お問い合わせください)
上記の数字に人件費や家賃や法定福利費などの「固定費」を足してあげます。
そうすると、これらを賄うために必要な「最低限の利益額」≒「粗利」が出てきます。
ここまで来たら、あと1歩です。
出てきた「粗利」に昨年度などの「粗利率」で、割り返えしてあげます。
例 粗利 6000 粗利率 60% なら
6000÷0.6=10000
この10000が、最低限必要な「売上」となります。
3.お金のブロックパズルで会社のお金が見える
一度、逆算による計画立案をマスターすれば、今後も長期間にわたって効果的なビジネス戦略を立てることができます。
この手法は、中小企業の経営者にとって特に有効です。
年初の計画時と、年度末に下記の図を再度作成してみてください。
「売上目標は達成したのに、利益がない」理由が一目でわかります。
イメージしやすいように図形を載せておきます。
この図形を「お金のブロックパズル」といいます。
私たち、日本キャッシュコーチ協会に所属する「キャッシュフローコーチ」は
この図をそれぞれに工夫し駆使して、コンサルティングに役立てています。
本日のブログ記事は、この図を右下から左上に逆算したことを文字にしています。
4.「社長」も「社員」も喜ぶ計画とは
さて、ここまでの作業で出来上がった計画は、いってみれば最低限の計画です。
ここから、計画に「夢と希望」を注入しましょう!
今回は、「お金のブロックパズル」自体の説明ではありませんので詳しくは書きません。
(この内容は、セミナーや顧問先でお話させていただいております。
ご希望の方は、トップページ右上のお問い合わせよりご連絡下さい)
今出した「最低限の売上」を10%アップしてみましょう。
上記の図で説明します。
売上10%アップすると
・売上 110
・粗利 88
・人件費 44
・利益 14
!!!
人件費は10%アップ
利益は 40%アップ
どうでしょう。社長さんも社員さんも「みんな喜ぶ計画」に変身していませんか?
「売上対前年比〇%アップが目標だ と言われて「勘弁してよ~」と思ってしまう社員さんが
頑張れば報われることが、はっきりとわかるとモチベーションアップしませんか?
社長さんもどうでしょう。利益が1.4倍ですよ!
将来に向けての夢や希望が膨らみませんか?
さぁ、いますぐ計画策定に取り掛かりましょう!
みんな「笑顔」