2025.08.07ブログ
生き残る会社の財務習慣:「バスタブ理論」と「現金>利益>売上の法則」1
数あるブログの中から、私のブログへの訪問、有難うございます。
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2分で読めるAI要約:倒産を防ぐ「現金最優先」という考え方
会社が倒産する理由はただ一つ、「現金が底をつくこと(資金ショート)」です。
それは突然訪れるように見えても、多くの場合、予兆があります。
そして、その事態は「最低限の知識」で防ぐことが可能です。
最重要原則:優先順位をひっくり返す
多くの経営者が無意識に持つ優先順位は「①売上 → ②利益 → ③現金」です。
しかし、会社を絶対に潰さないためには、この順番を逆転させなければなりません。本当に大切な順番はこうです。
- 現金 (Cash)
- 利益 (Profit)
- 売上 (Sales)
手元の現金が減り始めると、多くの人が「どうやって売上を上げるか」を真っ先に考えます。しかし、それは間違った応急処置です。
バスタブの「栓」を閉めていますか?
会社の現金をバスタブのお湯に例えてみましょう。
- 蛇口から出る水 = 売上や借入(外部要因が絡み、時間がかかる)
- バスタブの栓 = 経費、在庫、業務プロセス(自社だけでコントロール可能)
現金が減っている状態は、「栓をせずにバスタブにお湯を注いでいる」のと同じです。
最初にすべきことは、蛇口をひねって水の量を増やすこと(売上増)ではありません。
まず、抜けている「栓」をきっちり閉めることです。
つまり、経費削減や在庫圧縮など、すぐ着手できる社内改善で、お金の流出を止めることが最優先です。
「鎧」より「生身の体」を鍛える
- 売上は、体を守る「鎧」のようなものです。見栄えは良いですが、脱げば(売上が落ちれば)無防備になります。
- 収益構造は、「生身の体」そのものです。
日頃からコスト構造を見直し、利益の出やすい筋肉質な「生身の体」を鍛えておけば、
売上という「鎧」が多少脆くなっても、会社は生き残れます。
社内の収益構造の改善は、一度行えば効果が持続し、リバウンドもありません。
会社の未来を守る第一歩は、外部環境に左右される売上を追いかける前に、
まず自社でコントロール可能な「お金の漏れ」を止め、利益体質を鍛え上げることなのです。
本文
夏の暑さが続く中、またひとつ、私の商圏から会社が消えてしまいました。
運送業を営むその会社は、運賃問題、人手不足、就労時間の制限といった厳しい環境の中で、
奮闘していたはずです。詳しい経営破綻の理由はわかりませんが、非常に残念な思いです。
会社が破産に至る唯一の条件は、「資金ショート」です。
つまり、現金が底をついた時です。
それは「ある日突然」起こるように見えるかもしれませんが、
多くの場合、前兆があります。
仮に突然死だったとしても、その時がいつ来るかは、事前に把握できる場合が大半です。
今回は、会社の経営破綻を防ぐために、
最低限押さえておきたいキャッシュフロー経営のポイントをお伝えします。
この「最低限」を実践することは、決して難しくありません。
「やり方がわからない」という方は、
会計士や税理士、商工会議所、そして私たちのようなお金の専門家に、ぜひ相談してみてください。
1 最重要原則:売上よりも現金を優先する
まず、すべての経営者が腹に落とすべき大前提があります。
会社の財務を根本から改善するには、
①売上高 ②利益 ③現金
この「常識的」とも思える順番をひっくり返す必要があります。
会社にとって本当に大切なのは、この順番です。
1. 現金
2. 利益
3. 売上
「そんなことはわかっている」と多くの経営者は言います。
しかし、手元のお金が減り始めると、
真っ先に考えはじめるのは「どうやって売上を上げるか」ではないでしょうか。
売上を上げること自体は悪いことではありません。
しかし、問題は「順序」と「効果が現れるまでの時間」です。
バスタブの「栓」と「蛇口からの水」
会社の現金は、多くのケースで「年単位」の時間をかけて少しずつ減少していきます。
その間も売上はあったはずですし、
銀行からの融資や資産売却で現金が一時的にでも増えたりしていたはずです。
それにもかかわらず現金が減っていく状態は、
まさに「栓をしていないバスタブにお湯を入れている」のと同じです。
これではいつまで経ってもお湯はたまりません。
最初にやるべきことは、まず「バスタブの栓」をすることです。
この「栓」とは、経費削減や業務プロセスの見直し、在庫管理の適正化など、
自社の努力だけでコントロールできることです。
一方、「バスタブの蛇口から出る水」は、
売上増や資金の回収サイトの変更、銀行からの借入方法の見直しなど、
外部の理解や協力がなければ実現できないことを指します。
早く利益を生むためには、まず自社でできる「栓」をすることが不可欠です。
強靭な「生身の体」をつくる
利益を増やすための施策も、やはり「自社内」でできることの方がより効果的です。
なぜなら、一度会社の収益構造を見直して筋肉質な体質に改善すれば、
その状態は持続するからです。人間と違い、「リバウンド」は基本的にありません。
売上は「鎧」のようなものです。
鎧を着ている間は強く見えますが、ひとたび脱いでしまえば(=売上が停滞・下降すれば)、
その真の強さが試されます。
日頃から収益構造という「生身の体」を鍛えていなければ、
厳しい環境下で生き残ることは難しいでしょう。
まずは、社内でできることから着手し、会社の収益構造を鍛え上げること。
それが会社の未来を守るための第一歩なのです。
次回は、「3つのキャッシュフロー」の話から
より具体的な「打ち手」をご紹介します。
本を読めば書いてある話です。
しかし、本を読むのにかかる「数日間」を
ほんの「5分程度」で読めるようにします。
これも、効果が出るまでの「時短」の1つです。
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