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財務が苦手な社長のための『会社の稼ぎ』が見える化できる一番やさしい話 「限界利益編」
2025.10.29
忙しいあなたへ「1分で読める」AI要約
経営判断を「勘」や「売上優先」で行うと、知らないうちに赤字の仕事を受けているかもしれません。
そこで役立つのが、会社の「かせぎ」を示す限界利益(=売上-変動費)です。
これを使えば、「どこまで値引きできるか」という最低ラインが明確になり、
現場での価格交渉がスムーズになります。
さらに、月の固定費を稼ぐために必要な売上高である「損益分岐点」を計算すれば、
月々の最低目標がクリアになります。
案件を受ける際は、以下のの3ステップで判断しましょう。
「①限界利益はプラスか」「②損益分岐点の達成に貢献するか」「③資金繰りは問題ないか」
このフレームワークを使えば、日々の「受けるか、やめるか」の判断を、
自信を持って迅速に行えるようになります。
本文
「財務」で勝ち残りたい社長のための「限界利益」超入門
「この案件、受けるべきか…?」
「値引きの相談が来たけど、どこまで下げて大丈夫かね〜?」
経営者や次期経営者にとって、こういう「その場の判断」は毎日のようにやってくる。
でも、その判断を「勘」と「売上優先」で動いていませんか?
実はそれ、売れば売るほど赤字の仕事を受けているかもしれませんよ。
1.30秒でわかる 「かせぎ」の正体(=限界利益)
まず、今回覚えてほしいのはたった一つの言葉
限界利益=売上 − 変動費
「変動費」ってなにかというと、「売れたら増える費用」のこと
変動費(売れたら増える)
材料費、仕入代
外注費(作れば払う)
決済手数料(カードなど)
送料、梱包費
固定費(売れても変わらない)
給料、オフィス家賃
広告(定額)、リース代
管理系の人件費
限界利益は、「会社にどれだけ“かせぎ”が残ったか」を表します
【3行で計算】
もし1個1,000円の商品を、変動費600円で作って500個売ったら?
限界利益=(1,000−600)×500=200,000円
この20万円が、家賃・人件費などの「固定費」を支える「かせぎ」
2. 値引きOKの「ゼロ点」って、どこ?
「どこまでなら値引きして大丈夫か?」
これを教えてくれるのも、限界利益
【基本ルール】
ゼロ点=変動費
変動費600円の商品なら、600円で売ったら限界利益0円
それ以下の価格は、売れば売るほど赤字
安全マージンを足して「最低ライン」を決めよう(実務編)
送料の上振れ、手数料の見落としなどのいわゆる「諸経費」
600円 × 1.03(安全マージン3%)= 618円
この「618円」が、営業が死守するラインとなる
※マージンをどれくらいに設定するかは、個社判断
ここまでは、言ってみれば営業などの現場の仕事です。
この「618円」が現場で承知されれば
現場レベルで「値引き交渉」に対応ができます。
3. その仕事、受けていい?「損益分岐点」で見える化
売って残る「かせぎ」が限界利益なら
それで「月の固定費をまかなえるか?」を見るのが「損益分岐点」
通常、社員は自社の「固定費」がどれくらいなのか知らない
つまり、ここから先は「経営層」が判断を下すこととなります。
【計算】
損益分岐点=固定費 ÷ 限界利益率
限界利益率=(単価−変動費)÷ 単価
→ 例:(1,000−600)÷ 1,000=40%
固定費が月200万円ならば、200万円 ÷ 0.4=500万円
月500万円売れば、トントンということ。
まず500万円を超えるのが最低目標となります。
ここを超えると利益が増えていくことになります。
4. 【受注判定フロー】この3ステップで判断!
ステップ1:限界利益はプラスか?
「ゼロ点以下なら原則NG」それでも売るべきかどうかは
戦略的に考えましょう
ステップ2:損益分岐点を超える助けになるか?
今月あと少しで届くなら、受ける価値アリ
分岐点500万円、現在480万円、今回の取引の限界利益20万円
このような場合は、前向きに受注を検討しましょう
ステップ3:キャッシュは詰まらないか?
入金が遅くない?前金はもらえないか?
ここが一番重要です
限界利益がプラスでも、「入金が半年後」「前金ゼロ」といった条件だとどうでしょう?
先に変動費(仕入代)や固定費(給料)の支払いが来てしまい、資金繰りが詰まります(黒字倒産)
限界利益が薄い(例:5%)のに、大量の受注をすると、売れば売るほど手元の現金が減っていく事態にもなります
この3つがすべてOKなら、「GOサイン」を出せる仕事と言えます。
1つでも怪しい、もしくは「今回だけは」などの戦略的判断や
「支払い条件の交渉」などは、まさに「社長の腕の見せどころ」となります。
5.今日からやってみること
1.変動費の定義を社内で統一する
→ 材料費?外注費?まずは見える化
2.代表商品の「限界利益」「ゼロ点」を出してみる
→ 価格交渉が楽になり、判断基準が明確になる
3.損益分岐点(=最低売上目標)を1回だけでいいから計算する
→ 今月の「目安」が見えてくる。通常、固定費は大きく変わらないはず
6. よくある“落とし穴”と回避策
落とし穴:売上至上主義(限界利益が薄い大量受注で資金ショート)回避:限界利益率の下限を設定(例:20%未満の新規は要決裁など)
落とし穴:最低売価の未共有(現場が気づかず値引き)回避:商品別・顧客別の最低売価一覧を営業に配布
落とし穴:利益OKでもキャッシュNG(入金遅延)回避:着手金・中間金・サイト短縮を標準の提案項目に盛り込む
7. 30秒テンプレ(そのまま使える!)
限界利益:(単価_____ − 変動費_____) × 数量_____ = _____円
最低売価:変動費_____ × 1.03〜1.05 = _____円
分岐点:固定費_____ ÷ 限界利益率_____ = 売上_____円
まとめ
限界利益で「案件のかせぎ」を即確認
最低売価で「値引きのデッドライン」を全社共有
損益分岐点で「今月のクリアライン(最低目標売上高)」を把握
この3点セットで、「受ける・値引く・やめる」を1分で判断できます。
まずは主力商品の変動費→最低売価→限界利益率を今日中に書き出して、
営業全員に配布しましょう。明日から、判断の質が変わります。
ちょっとひと言
「数字は苦手でね」という経営者ほど、限界利益を知ると行動が変わってきます。
損益分岐点を知ると、会社にお金が貯まってきます。
「なんだこれ、赤字だったのか!」って気づいたらもう前進
頑張りすぎず、ひとつずつ、「数字と仲よく」していきましょう。
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ドンブリ勘定から卒業!現役経営者が教える「使える利益」の見極め方
2025.10.27
忙しいあなたへ「1分で読めるAI要約」
「利益率が5%に落ちた」——この言葉、本当に危険なサインでしょうか?
実は「利益」には種類があり、どの利益を見ているかで意味は全く異なります。
この記事は、複雑な利益の種類を「現役経営者」の視点から超実践的に解説します。
「受注や値引き」の判断には限界利益、「会社の体力診断」には営業利益、
「資金力」を測るにはEBITDAといったように、どの利益をいつ使うべきかが一目瞭然。
さらに、「値引き上限の決め方」や「損益分岐点」の計算例も具体的で、すぐに自社で活用できます。
数字が苦手な経営者でも感覚的に理解でき、
ドンブリ勘定から脱却して「儲かる会社」へ体質改善するための、最初の一歩となる内容です。
本文
テレビから、こんな話が聞こえてきた。
「鳥インフルエンザにより鶏が大量に殺処分。卵の価格が高騰か」
以前は「物価の優等生」といわれた卵ですが
ここ数年は、スーパーで見ても、簡単に手が出ないほどの価格になっている。
卵をよく使う、とある飲食店に取材で訪れ、話を聞いていたのだが
その飲食店の店主さんが「卵の高騰は痛い。以前は利益率10%だったのが
今や5%しかない」と話していた。
それを聞いて、私の頭の中は「ん???」
「その利益率、どの利益率?」となったわけです。
もし、「粗利益率」が5~10%なら、普通の飲食店なら、とっくに閉店しているはずだ。
「経常利益率」がその数値なら、中小企業なら、十分優秀な会社と言えるし
ましてや、税引き後利益が、その数値なら「超優良企業」と言える。
このように会社を経営していく上で目にする「利益」や「利益率」と言われる数値ですが
数種類、存在しています。そしてその「用途」も様々。
そこで、本日から数回に分けて、この「利益」と言われるものを
会社経営をする上で、必要と思われる順番に、その「意味」や「用途」を
できるだけ専門用語を使わずに、記事にしていこうと思います。
「無資格・無免許・現役の経営者」の私だからこその感覚を生かしていきますので
「有資格・有免許」の方から見ると「不正確」なところはありますが
実際の経営の現場で、「そのまま」そして「感覚的に」使えるような記事にしたいと思います。
では、本日は「総論」です。
「わかっている」という方は、斜め読みでかまいません。
忙しいのに儲からない。値引きが常態化する。どこから手を付けるべきか。
その混乱は「利益の種類」と「使いどころ」が曖昧なことから生まれます。
まずは、判断の拠り所になる「利益の全体図」を描きます。
1. 5分でつかむ「利益の系譜」
売上 − 変動費 = 限界利益
限界利益=「売上から、売るたびに増える費用を引いた残りの利益」のこと
この残りで固定費(家賃や基本人件費)をまかなって、残った分が利益になります
使いどころ:受注可否・値引き・撤退の即断
注:変動費=売上に比例して増えるコスト(材料費、出来高外注、配送、決済手数料など)
売上 − 売上原価 = 粗利(売上総利益)
売上原価の中身
小売・卸:期首商品棚卸高+当期仕入−期末商品棚卸高(+仕入運賃など付随費用)
製造:期首製品棚卸高+当期製造原価−期末製品棚卸高
使いどころ:商品・顧客選び、在庫・仕入の計画策定
注:売上原価=「売れた分」に対応する仕入・製造コスト
粗利 − 販管費 = 営業利益
販管費=販売管理費=「販売するために使った費用(販売員の給与・広告費など)
「会社を管理・運営するために使った費用「役員給与・減価償却費など」
使いどころ:固定費(人・広告・オフィス・サブスク)の重さが戦略に合っているかの体質診断
営業利益 + 減価償却 = EBITDA(イービットディーエー イービッダー)
EBITDA=会社が「本業で生み出す現金の力」 現金そのものではないが、それに近いもの
使いどころ:返済余力・投資余力=キャッシュ創出力の目安
注:減価償却=設備の分割費用 実際に現金は出ていない「会計上の費用」
営業利益 ± 営業外収支 = 経常利益
使いどころ:金利・為替等を含む「平時の稼ぐ力」
特別損益調整 → 税引前利益 → 当期純利益
使いどころ:内部留保・配当・次の投資配分の源泉
一言でまとめると:意思決定は限界利益 体質は営業利益 資金はEBITDA
2. どの利益を「いつ」使うのか(30秒フロー)
受注・値引き:限界利益がプラスか?(マイナスなら単価交渉・撤退を検討)
商品ラインナップ:粗利率 × 回転(低粗利でも高速回転は武器)
固定費の重さ:営業利益率で体質を点検(重すぎる固定費は要検討)
資金余力:EBITDAで返済余力・投資の天井を把握(どこまで借りられる・攻められるか)
3. 数字を「使える化」するツール
限界利益表(商品別・ 顧客別)を作成・更新
営業・購買など社内全体で同じ表を見る(コスト意識の向上)
損益分岐点を全員で共有
「損益分岐点」とは「 利益がちょうど0円になるところ」
つまり、±0になる価格のこと
損益分岐点売上:固定費÷限界利益率(売上ベース・売上個数ベースの2種類)
粗利マトリクス(粗利率 × 回転)
在庫・仕入・販促の優先順位と直結
「@あたりの粗利率が小さいが販売個数や回転がよい商品」
「販売個数や回転率は悪いが@あたりの粗利率がよい商品」
どちらに注力し営業をするのかの経営判断ができる
簡易EBITDA表
返済予定と比べる。
投資余力=EBITDA − 年間返済
お金のブロックパズル
会社のお金をたった1枚の紙で直観的に誰もが理解できるようになるツール
経営判断の際に用いるのは無論、会社全体の「共通言語」として使用することにより
経営層から現場まで、意思決定に際し、ブレが少なくなる
4. ミニ例:値引き上限を「秒」で決める
単価1,000円、変動費600円 → 限界利益400円(限界利益率40%)
固定費が月200万円なら、損益分岐点売上高:200万円÷40%=500万円
値引き相談が来たら:
限界利益ゼロの単価=変動費=600円
実務は配送・決済手数料で変動費が膨らむため、安全マージンを引いた「最低販売価格」を部門で統一
計算例
変動費600円+配送/決済等50円=実務変動費650円 マージン20円 → 最低販売価格=670円(ここを絶対に割らない)
ちなみに「損益分岐点売上の500万円を超えて売上が立った場合
500万円を超えた売上のうち、変動費を差し引いた部分が、そのまま利益になる
ポイント:限界利益が見えていれば、感情ではなく数字で「線」が引けます。
5. よくある誤解と処方箋
誤解:粗利が高ければ正義
処方箋:粗利率だけでなく「回転」と「在庫滞留」を同時に見る
誤解:売上のために値引きは仕方ない
処方箋:限界利益のゼロ点を可視化し、超えてはいけない線を現場に渡す
誤解:黒字なら安心
処方箋:EBITDAと運転資金(売掛・在庫・買掛)を見て、キャッシュで判断
黒字は「利益」の話であり、「現金」の話ではないことを理解する
6. 今日からのチェックリスト
自社の「変動費」の定義を決める
上位3商品・3顧客の限界利益率を算出(毎月更新)
固定費と損益分岐点売上を全社共有(壁に貼る)
経営会議で「EBITDAと年間返済予定」を同じ紙で確認
次回から各論で「限界利益 → 粗利 → 営業利益 → EBITDA → 経常・純利益」を深掘りします。
まずは「利益の全体図」を作成し、会社のお金の流れを全社員で共有。
コスト意識が醸成され、利益を生みやすい体質へと変えましょう。
何故かアップしたいイラストがアップできません。
2025.10.29
忙しいあなたへ「1分で読める」AI要約
経営判断を「勘」や「売上優先」で行うと、知らないうちに赤字の仕事を受けているかもしれません。
そこで役立つのが、会社の「かせぎ」を示す限界利益(=売上-変動費)です。
これを使えば、「どこまで値引きできるか」という最低ラインが明確になり、
現場での価格交渉がスムーズになります。
さらに、月の固定費を稼ぐために必要な売上高である「損益分岐点」を計算すれば、
月々の最低目標がクリアになります。
案件を受ける際は、以下のの3ステップで判断しましょう。
「①限界利益はプラスか」「②損益分岐点の達成に貢献するか」「③資金繰りは問題ないか」
このフレームワークを使えば、日々の「受けるか、やめるか」の判断を、
自信を持って迅速に行えるようになります。
本文
「財務」で勝ち残りたい社長のための「限界利益」超入門
「この案件、受けるべきか…?」
「値引きの相談が来たけど、どこまで下げて大丈夫かね〜?」
経営者や次期経営者にとって、こういう「その場の判断」は毎日のようにやってくる。
でも、その判断を「勘」と「売上優先」で動いていませんか?
実はそれ、売れば売るほど赤字の仕事を受けているかもしれませんよ。
1.30秒でわかる 「かせぎ」の正体(=限界利益)
まず、今回覚えてほしいのはたった一つの言葉
限界利益=売上 − 変動費
「変動費」ってなにかというと、「売れたら増える費用」のこと
変動費(売れたら増える)
材料費、仕入代
外注費(作れば払う)
決済手数料(カードなど)
送料、梱包費
固定費(売れても変わらない)
給料、オフィス家賃
広告(定額)、リース代
管理系の人件費
限界利益は、「会社にどれだけ“かせぎ”が残ったか」を表します
【3行で計算】
もし1個1,000円の商品を、変動費600円で作って500個売ったら?
限界利益=(1,000−600)×500=200,000円
この20万円が、家賃・人件費などの「固定費」を支える「かせぎ」
2. 値引きOKの「ゼロ点」って、どこ?
「どこまでなら値引きして大丈夫か?」
これを教えてくれるのも、限界利益
【基本ルール】
ゼロ点=変動費
変動費600円の商品なら、600円で売ったら限界利益0円
それ以下の価格は、売れば売るほど赤字
安全マージンを足して「最低ライン」を決めよう(実務編)
送料の上振れ、手数料の見落としなどのいわゆる「諸経費」
600円 × 1.03(安全マージン3%)= 618円
この「618円」が、営業が死守するラインとなる
※マージンをどれくらいに設定するかは、個社判断
ここまでは、言ってみれば営業などの現場の仕事です。
この「618円」が現場で承知されれば
現場レベルで「値引き交渉」に対応ができます。
3. その仕事、受けていい?「損益分岐点」で見える化
売って残る「かせぎ」が限界利益なら
それで「月の固定費をまかなえるか?」を見るのが「損益分岐点」
通常、社員は自社の「固定費」がどれくらいなのか知らない
つまり、ここから先は「経営層」が判断を下すこととなります。
【計算】
損益分岐点=固定費 ÷ 限界利益率
限界利益率=(単価−変動費)÷ 単価
→ 例:(1,000−600)÷ 1,000=40%
固定費が月200万円ならば、200万円 ÷ 0.4=500万円
月500万円売れば、トントンということ。
まず500万円を超えるのが最低目標となります。
ここを超えると利益が増えていくことになります。
4. 【受注判定フロー】この3ステップで判断!
ステップ1:限界利益はプラスか?
「ゼロ点以下なら原則NG」それでも売るべきかどうかは
戦略的に考えましょう
ステップ2:損益分岐点を超える助けになるか?
今月あと少しで届くなら、受ける価値アリ
分岐点500万円、現在480万円、今回の取引の限界利益20万円
このような場合は、前向きに受注を検討しましょう
ステップ3:キャッシュは詰まらないか?
入金が遅くない?前金はもらえないか?
ここが一番重要です
限界利益がプラスでも、「入金が半年後」「前金ゼロ」といった条件だとどうでしょう?
先に変動費(仕入代)や固定費(給料)の支払いが来てしまい、資金繰りが詰まります(黒字倒産)
限界利益が薄い(例:5%)のに、大量の受注をすると、売れば売るほど手元の現金が減っていく事態にもなります
この3つがすべてOKなら、「GOサイン」を出せる仕事と言えます。
1つでも怪しい、もしくは「今回だけは」などの戦略的判断や
「支払い条件の交渉」などは、まさに「社長の腕の見せどころ」となります。
5.今日からやってみること
1.変動費の定義を社内で統一する
→ 材料費?外注費?まずは見える化
2.代表商品の「限界利益」「ゼロ点」を出してみる
→ 価格交渉が楽になり、判断基準が明確になる
3.損益分岐点(=最低売上目標)を1回だけでいいから計算する
→ 今月の「目安」が見えてくる。通常、固定費は大きく変わらないはず
6. よくある“落とし穴”と回避策
落とし穴:売上至上主義(限界利益が薄い大量受注で資金ショート)回避:限界利益率の下限を設定(例:20%未満の新規は要決裁など)
落とし穴:最低売価の未共有(現場が気づかず値引き)回避:商品別・顧客別の最低売価一覧を営業に配布
落とし穴:利益OKでもキャッシュNG(入金遅延)回避:着手金・中間金・サイト短縮を標準の提案項目に盛り込む
7. 30秒テンプレ(そのまま使える!)
限界利益:(単価_____ − 変動費_____) × 数量_____ = _____円
最低売価:変動費_____ × 1.03〜1.05 = _____円
分岐点:固定費_____ ÷ 限界利益率_____ = 売上_____円
まとめ
限界利益で「案件のかせぎ」を即確認
最低売価で「値引きのデッドライン」を全社共有
損益分岐点で「今月のクリアライン(最低目標売上高)」を把握
この3点セットで、「受ける・値引く・やめる」を1分で判断できます。
まずは主力商品の変動費→最低売価→限界利益率を今日中に書き出して、
営業全員に配布しましょう。明日から、判断の質が変わります。
ちょっとひと言
「数字は苦手でね」という経営者ほど、限界利益を知ると行動が変わってきます。
損益分岐点を知ると、会社にお金が貯まってきます。
「なんだこれ、赤字だったのか!」って気づいたらもう前進
頑張りすぎず、ひとつずつ、「数字と仲よく」していきましょう。
2025.10.27
忙しいあなたへ「1分で読めるAI要約」
「利益率が5%に落ちた」——この言葉、本当に危険なサインでしょうか?
実は「利益」には種類があり、どの利益を見ているかで意味は全く異なります。
この記事は、複雑な利益の種類を「現役経営者」の視点から超実践的に解説します。
「受注や値引き」の判断には限界利益、「会社の体力診断」には営業利益、
「資金力」を測るにはEBITDAといったように、どの利益をいつ使うべきかが一目瞭然。
さらに、「値引き上限の決め方」や「損益分岐点」の計算例も具体的で、すぐに自社で活用できます。
数字が苦手な経営者でも感覚的に理解でき、
ドンブリ勘定から脱却して「儲かる会社」へ体質改善するための、最初の一歩となる内容です。
本文
テレビから、こんな話が聞こえてきた。
「鳥インフルエンザにより鶏が大量に殺処分。卵の価格が高騰か」
以前は「物価の優等生」といわれた卵ですが
ここ数年は、スーパーで見ても、簡単に手が出ないほどの価格になっている。
卵をよく使う、とある飲食店に取材で訪れ、話を聞いていたのだが
その飲食店の店主さんが「卵の高騰は痛い。以前は利益率10%だったのが
今や5%しかない」と話していた。
それを聞いて、私の頭の中は「ん???」
「その利益率、どの利益率?」となったわけです。
もし、「粗利益率」が5~10%なら、普通の飲食店なら、とっくに閉店しているはずだ。
「経常利益率」がその数値なら、中小企業なら、十分優秀な会社と言えるし
ましてや、税引き後利益が、その数値なら「超優良企業」と言える。
このように会社を経営していく上で目にする「利益」や「利益率」と言われる数値ですが
数種類、存在しています。そしてその「用途」も様々。
そこで、本日から数回に分けて、この「利益」と言われるものを
会社経営をする上で、必要と思われる順番に、その「意味」や「用途」を
できるだけ専門用語を使わずに、記事にしていこうと思います。
「無資格・無免許・現役の経営者」の私だからこその感覚を生かしていきますので
「有資格・有免許」の方から見ると「不正確」なところはありますが
実際の経営の現場で、「そのまま」そして「感覚的に」使えるような記事にしたいと思います。
では、本日は「総論」です。
「わかっている」という方は、斜め読みでかまいません。
忙しいのに儲からない。値引きが常態化する。どこから手を付けるべきか。
その混乱は「利益の種類」と「使いどころ」が曖昧なことから生まれます。
まずは、判断の拠り所になる「利益の全体図」を描きます。
1. 5分でつかむ「利益の系譜」
売上 − 変動費 = 限界利益
限界利益=「売上から、売るたびに増える費用を引いた残りの利益」のこと
この残りで固定費(家賃や基本人件費)をまかなって、残った分が利益になります
使いどころ:受注可否・値引き・撤退の即断
注:変動費=売上に比例して増えるコスト(材料費、出来高外注、配送、決済手数料など)
売上 − 売上原価 = 粗利(売上総利益)
売上原価の中身
小売・卸:期首商品棚卸高+当期仕入−期末商品棚卸高(+仕入運賃など付随費用)
製造:期首製品棚卸高+当期製造原価−期末製品棚卸高
使いどころ:商品・顧客選び、在庫・仕入の計画策定
注:売上原価=「売れた分」に対応する仕入・製造コスト
粗利 − 販管費 = 営業利益
販管費=販売管理費=「販売するために使った費用(販売員の給与・広告費など)
「会社を管理・運営するために使った費用「役員給与・減価償却費など」
使いどころ:固定費(人・広告・オフィス・サブスク)の重さが戦略に合っているかの体質診断
営業利益 + 減価償却 = EBITDA(イービットディーエー イービッダー)
EBITDA=会社が「本業で生み出す現金の力」 現金そのものではないが、それに近いもの
使いどころ:返済余力・投資余力=キャッシュ創出力の目安
注:減価償却=設備の分割費用 実際に現金は出ていない「会計上の費用」
営業利益 ± 営業外収支 = 経常利益
使いどころ:金利・為替等を含む「平時の稼ぐ力」
特別損益調整 → 税引前利益 → 当期純利益
使いどころ:内部留保・配当・次の投資配分の源泉
一言でまとめると:意思決定は限界利益 体質は営業利益 資金はEBITDA
2. どの利益を「いつ」使うのか(30秒フロー)
受注・値引き:限界利益がプラスか?(マイナスなら単価交渉・撤退を検討)
商品ラインナップ:粗利率 × 回転(低粗利でも高速回転は武器)
固定費の重さ:営業利益率で体質を点検(重すぎる固定費は要検討)
資金余力:EBITDAで返済余力・投資の天井を把握(どこまで借りられる・攻められるか)
3. 数字を「使える化」するツール
限界利益表(商品別・ 顧客別)を作成・更新
営業・購買など社内全体で同じ表を見る(コスト意識の向上)
損益分岐点を全員で共有
「損益分岐点」とは「 利益がちょうど0円になるところ」
つまり、±0になる価格のこと
損益分岐点売上:固定費÷限界利益率(売上ベース・売上個数ベースの2種類)
粗利マトリクス(粗利率 × 回転)
在庫・仕入・販促の優先順位と直結
「@あたりの粗利率が小さいが販売個数や回転がよい商品」
「販売個数や回転率は悪いが@あたりの粗利率がよい商品」
どちらに注力し営業をするのかの経営判断ができる
簡易EBITDA表
返済予定と比べる。
投資余力=EBITDA − 年間返済
お金のブロックパズル
会社のお金をたった1枚の紙で直観的に誰もが理解できるようになるツール
経営判断の際に用いるのは無論、会社全体の「共通言語」として使用することにより
経営層から現場まで、意思決定に際し、ブレが少なくなる
4. ミニ例:値引き上限を「秒」で決める
単価1,000円、変動費600円 → 限界利益400円(限界利益率40%)
固定費が月200万円なら、損益分岐点売上高:200万円÷40%=500万円
値引き相談が来たら:
限界利益ゼロの単価=変動費=600円
実務は配送・決済手数料で変動費が膨らむため、安全マージンを引いた「最低販売価格」を部門で統一
計算例
変動費600円+配送/決済等50円=実務変動費650円 マージン20円 → 最低販売価格=670円(ここを絶対に割らない)
ちなみに「損益分岐点売上の500万円を超えて売上が立った場合
500万円を超えた売上のうち、変動費を差し引いた部分が、そのまま利益になる
ポイント:限界利益が見えていれば、感情ではなく数字で「線」が引けます。
5. よくある誤解と処方箋
誤解:粗利が高ければ正義
処方箋:粗利率だけでなく「回転」と「在庫滞留」を同時に見る
誤解:売上のために値引きは仕方ない
処方箋:限界利益のゼロ点を可視化し、超えてはいけない線を現場に渡す
誤解:黒字なら安心
処方箋:EBITDAと運転資金(売掛・在庫・買掛)を見て、キャッシュで判断
黒字は「利益」の話であり、「現金」の話ではないことを理解する
6. 今日からのチェックリスト
自社の「変動費」の定義を決める
上位3商品・3顧客の限界利益率を算出(毎月更新)
固定費と損益分岐点売上を全社共有(壁に貼る)
経営会議で「EBITDAと年間返済予定」を同じ紙で確認
次回から各論で「限界利益 → 粗利 → 営業利益 → EBITDA → 経常・純利益」を深掘りします。
まずは「利益の全体図」を作成し、会社のお金の流れを全社員で共有。
コスト意識が醸成され、利益を生みやすい体質へと変えましょう。
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