2025.08.19ブログ
「聞き上手」だけでは二流で終わる──トップセールスが育てるのは「対話の循環」
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2分で読めるAI要約
「聞く力」と「話す力」の本当の関係
主張
成果を出すために重要なのは「聞く力」か「話す力」か、という議論は本質的ではありません。
本当に大切なのは、両方の根源である「相手への関心」から生まれる「対話の循環」を育てる力です。
なぜ「対話の循環」が重要か
多くのビジネス現場では、ヒアリングが形式的なチェックリストの消化になり、
相手の隠れた本音やニーズを引き出せていません。
一方で、相手に聞く準備ができていなければ、どんなに良い提案も一方的な独り言で終わってしまいます。
「聞く」ことは相手を理解したいという関心、「話す」ことは自分を理解してほしいという欲求の現れです。
これらは対立するものではなく、どちらも良好な関係を築くための行為です。
価値が生まれる「対話の循環」
成果を出す人は、この循環の設計が上手です。
- 純粋な関心を持って相手の話を聞く。
- 相手は「理解してもらえた」と感じ、心を開き始める。
- 聞いた内容の要点を相手の言葉で返す(「つまり〇〇ということですね」)。
- 相手はさらに深く話す姿勢になり、対話が深まる。
この循環が強まることで、初めて価値のある提案が相手に届きます。
今日からできる実践ステップ
この循環を育てるには、まず以下のことから始めてみましょう。
- 順番を守る: まずは徹底的に「聞く」。そして「要約して返す」。自分の意見や提案は必ず最後にする。
- 相手の言葉で返す: 「つまり〇〇ですね」と相手の言葉を使って要約することで、理解していることを示す。
- 2秒待つ: 相手の発言後、すぐに反応せず2秒待つ。この間が、相手に深い思考を促し、本音を引き出すきっかけになる。
仕事でもプライベートでも、個別のスキルを磨くより、この「対話の循環」を意識することが、関係を劇的に変える鍵となります。
本文
「聞くこと」と「話すこと」は、実は同じ根っこから生まれている
〜ビジネスの現場で、見落とされている「対話の本質」〜
「聞くことは大切」──それって、本当?
「営業は聞くのが仕事」「ヒアリング力がある営業が売れる」
よく耳にする言葉です。たしかに成果の条件として「聞くこと」は欠かせません。
でも、なぜそれが大切なのか。
そこを本気で掘り下げずに、形だけの「ヒアリング」になっていないでしょうか。
原点の体験:飛び込み営業3万件からの学び
私のサラリーマン時代の営業スタイルは、完全な飛び込み営業でした。
1日50件、年間1万件超。これがノルマ。
最上階から非常階段で階を降り、見えない扉も遠慮なく開ける。
なので、時には「修羅場」に出くわすこともあれば、
その場でスカウトされることもありました。
ですが、「聞いてもらえる」ことは滅多にありません。
なので当時から、私の最大のテーマの1つがこれでした。
「どうしたら、話を聞いてもらえるか」
この問いが、のちに「聞く」と「話す」の本質に私を連れていきます。
「聞く」と「話す」はコインの裏表
現場での対話を重ねて気づいたのは、
「聞く」と「話す」は同じ源泉から生まれているということ。
- 「聞く」:相手を理解したいという、こちらから相手へ向かう能動的な関心
- 「話す」:自分をわかってほしいという、こちらから相手へ向かう表現の欲求
どちらもベクトルは「自分 → 相手」
つまり、両方とも「自分から相手への欲求」です。
相対するスキルではなく、関係性をつくるためのスキルであり
根っこは、同一で、エネルギーの使い方が違うだけなのです。
なぜ、あなたのヒアリングは「聞いてるつもり」で終わるのか
多くの現場で「聞く姿勢」が形式化もしくは形骸化しています。
チェックリスト通りに質問→メモ(リストにチェック)→商品を「当てにいく」
営業スキルを良い意味で均一化する目的で、多くの企業でこのようになっています。
これでは、語られていない本音に届きません。相手はこう感じます。
「この人、聞いてるようで聞いていない」
本当に聞くとは、言葉の背後にある感情・価値観・未言のニーズに関心を向けること。
テクニックというより、人間力の領域です。
これこそが意識はしていても、簡単には身に付かない理由です。
逆も真なり:「聞く準備」がない相手には、話は届かない
いくら想いを込めて提案しても、相手が聞いていない。
この状態を「独り言」と言います。
残念ながら人は「聞きたいことしか聞かない」ものなのです。
心理学的に言うと「確証バイアス」や「 動機づけられた推論」といいます。
だからこそ、話す前に相手の「聞く準備」をつくることが鍵です。
最初に相手の語りを引き出し、受け入れ、共感と安心をつくる。
そこからはじめて、あなたの提案が生きてきます。
この部分をまとめると
・信頼・安心という土台の上で
・言葉にならない感情に寄り添い、行動のエンジンを始動させ
・言葉でその道を照らしてあげる
こんな感じになります。
信頼は「対話の循環」から生まれる
成果を生むコミュニケーションは、
聞く → 話す → また聞く → また話す の循環です。
聞く→話させる→また聞く→また話させる でもいいでしょう。
- あなたが相手に対し「純粋な関心」を持ち聞く
- 相手は「わかってもらえた」と感じ、心を開く
- その本音を受け止め、あなたが要点を言葉にして返す
- 相手はさらに聞く姿勢になり、関係が深まる
この循環が育つほど、相手にとって価値ある提案が生まれます。
「売れる営業」とは、「話が上手い人」でも「聞き上手な人」でもなく、
「対話の循環」を育てられる人といえます。
実践:対話を循環させる7つの習慣
1.2秒ルール:相手の発言後、2秒沈黙してから応答
話をかぶせたり、話を食うことが防げます
2.相手の言葉で要約:「つまり〇〇ということですね」
相手の言葉を使った言語化は「わかってもらえた感」を生みます
3.問いを一段深く:「何が欲しいですか?」より「なぜそれが重要ですか?」
欲を満たすではなく、問題が解決できることが大切
4.聞く→要約→問い→提案:順番を守る。提案は最後が基本
慣れてくるとつい自己流に「自己流は事故のもと」
5.小さな自己開示:「実は私も」
等身大の自分や失敗の共有が安全地帯をつくる
6.感情の鏡:「不安」「もやもや」など、感情語をそっと返す
「沈黙」は大切な感情表現です。怖がらず一緒に沈黙しましょう
7.次の一歩を一緒に決める:合意は「行動」で締める
「では最初に〇〇から始めてみませんか」
3つのセルフ診断
- 直近の会話の中で、予想外の本音を引き出せたかましたか?
- あなたの提案を、相手は身を乗り出して聞いていましたか?
- 商談後、相手から「また話したい」と言われた、もしくは 次のアポイントが取れましたか?
「NO」が多いなら、聞く/話すのいずれかに偏っているサインです
私の原点:聞いてもらえなかった子ども時代
少し私の子どもの頃の話をします。
私は自分の話を親に聞いてもらえた実感がありませんでした。
特に、父親には聞いてもらえた記憶も褒められた記憶もありません。
大人になってから「褒めてくれ」と言ったことがあるくらいです。
そのせいでしょうか?だから今、「話すとは?」「聞くとは?」に誰よりも真剣です。
人の話を本当に聞ける人であること。そして、自分の声も自分で聞いてあげること。
仕事上でも家庭でも、この二つを、私はともて大切に考えるようになりました。
突き詰めれば、理由は「自分のことをわかってほしい。話を聞いてもらいたい」
ここに行きつくことを自覚するようになりました。
終わりに──あなたにとっての「聞く」「話す」とは?
営業でも経営でも、人との関わりでも、
「聞く」と「話す」は分けて語られがち。
でも実は、同じ根っこを持つ一つの営みです。
会社内や家庭内、営業先などで、是非「対話の循環」を意識してみてください。
きっと、これまで見えなかった可能性が見えてきます。
もし相手の反応が変わったら、ぜひ教えてください。
いつも、一生懸命聞いてくれます
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