2025.07.23ブログ
「わからない」は最大のチャンス ~元・数字オンチ社長の告白~
私は最近、右ひじに余計なカルシウムができ
そのせいで、少し負荷をかけると
右ひじから手先までが痛む。
二人の医師に診察してもらったのですが
私の症状に対してかけられた言葉が正反対で驚いた。
一人は
「痛いなら、動かさなければいいでしょ」
もう一人は
「以前のように動きたいから、治療を受けに来たんだよね」
どちらが、患者にとって前向きに希望を持ち
手術やリハビリに前向きに取り組めるか
答えは、言うまでもありませんよね。
このように、同じ現象や症状に対してでも
「使う言葉」によって全く違う効果や結果が出ることが
ご理解いただけると思います。
本日は、その病院の待合時間に読んだ本
「言いかえ 便利帳」
著者 みらいクリニック院長 今井一彰 より、
寺田寅彦の言葉を基に、財務や決算書が苦手で
その知識が必要なのはわかっているが
後回しにしてしまうことが多い経営者向けに書いていきます。
もちろん一般論として、なかなか最初の一歩を踏み出せないという方の
参考にもなると思います。
「病人には回復という楽しみがある」
「健康な人には病気になるという心配があるが
病人には回復するという楽しみがある」
この言葉を残したのは、物理学者で随筆家の寺田寅彦です。
私たちは、とかく今の状態を「良い」「悪い」
と決めつけてしまいがちです。
しかし、視点を変えるだけで、見える景色は一変します。
これは、経営や財務にもまったく同じことが言えます。
財務は「未来の地図」
中小企業の経営者の多くが、「数字は苦手で」とおっしゃいます。
決算書を見てもピンとこないし、資金繰り表も税理士さん任せ。
「ウチの経営は、感覚と経験が頼りなんだよ」と。
確かに、創業経営者の方々は、鋭い感覚と
豊富な経験を持っている方が多いのは事実です。
しかし、2代目以降は、そうはいきませんよね。
だからと言って、立ち止まっているわけにはいきません。
まずは、視点を少し変えてみてほしいのです。
財務の数字は、あなたの会社の「健康診断書」であり、
「未来への地図」でもあります。
そして、もし今その数字が芳しくないのだとしたら、
それは「伸びしろ」であり、「回復という楽しみ」があるということなのです。
数字が見えないと、不安になる。
数字が見えると、希望が持てる。
たとえば、資金繰りが厳しいとき、
「もう終わりだ…」と感じてしまうのは当然です。
でも、冷静に数字を整理してみると
「売上は変わっていないのに
利益が減ってる。固定費が増えたせいだ」
「在庫が増えて資金が詰まってるだけだ」と
原因と対策が見えてきます。
それはまるで、暗闇の中で光を見つけたような感覚です。
このように、視点が変われば、やるべきことがわかり
行動が変わるはずです。
そして、行動が変われば、結果も変わるはずです。
「わからない」は「チャンス」でもある
私は様々な業種の経営者とお会いしてきました。
どの社長さんも、最初は「わからないことが恥ずかしい」
と思っておられました。
そりゃそうですよね。
経営者という立場にも関わらず、経営数字が読めないだなんて
大っぴらに言えるはずはありません。
何を隠そう、私も7~8年前までは
決算書を読み、戦略や計画を立てるなんて
大企業のやることであり、必要ないだろうと
思っていましたし、それを言い訳にして
全く学ぼうとも思っていませんでした。
1つ1つの勘定科目の意味すら知りませんでした。
しかし、今なら経験上ハッキリ言えます。
「わからないなら、学べばいい」
「わからない」は、「わかるようになれる」という
大きなチャンスだと。
むしろ、今の段階で「数字が見えていない」からこそ
財務の力で会社を大きく変えることができるのです。
社長にしかできない「視点の転換」
良い悪いではなく、当たり前のこととして
社員は自分の「給与を守ること」で精一杯です。
でも社長だけは、視点を変えることができる存在です。
売上が減った →「 ピンチだ」ではなく
売上が減った → 「利益構造を見直すチャンスだ」
資金繰りが悪い → 「不安だ」ではなく
資金繰りが悪い →「 ビジネスモデルを見直す好機だ」
こんなふうに、同じ現象を「どう見るか」で
行動が変わり、未来が変わります。
視点を変えることは、新たな武器を手に入れる
チャンスとも言えます。
経営は常に「決断の連続」です。
そして、その決断は「視点の質や位置」によって変わってきます。
私自身の例ですが
経営の勉強をし、自分の会社の存在意義や目的を明文化し
そのうえに、財務の考え方を積み上げた結果
内部留保は、ここ5年間で5倍以上に増やすことができました。
その結果、今年と2年後に、大きな投資が可能となりました。
ちなみに私は、大学で経済や経営を学んできたわけではありません。
(今、とある市長のおかげで名前が出てくる大学の文学部教育学科卒です)
こんな私だからこそ言います。
「悪いところは良くなるだけ」
「わからないことは、のびしろである」
最後に、寺田寅彦の言葉を、
私の解釈に置き換え、要約してみます。
「不安」は、「希望」の裏返し
「苦手」「わからない」は、「のびしろ」の別名
「売上」や「利益」だけでなく、数字を見る視点を変えれば、
財務や決算書は「経営判断の力強い味方」になります。
さあ、今日から視点を変えて、未来を動かしましょう。
あなたの会社やあなた自身には、まだまだ伸びしろがあるはずです。
「いつか、必ず上がるはず! 可能性は無限大」
(個人的に、この絵ずら大好きです)
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