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2025.12.11ブログ

怒らないリーダーではなく「強くなる職場」をつくる心理的安全性の実践法

 

忙しいあなたへ「1分で読めるAI要約」

心理的安全性は「優しい職場」ではなく、成果を生むチームの鍵。

GoogleのProject Aristotle調査で証明されたように、

高い心理的安全性があるチームはミスを早期発見し、改善提案が活発化。結果、離職防止につながります。

例: 見積もりミス時、低い安全性では怒りが原因隠しを生み、再発を招く。

一方、高い安全性では「報告ありがとう」と受け止め、原因(例: システム不備)を共有。

ポイントは①感情と事実の分離、②解決志向の問い、③前向きな体験作り。

明日から実践: 第一声に「報告してくれてありがとう」、NGワードを言い換え、自分のミス共有。

こうして「強くなる職場」を築けます。詳細は本文で!(参考: Google調査)

本文

「心理的安全性を高めよう」と聞くと、「優しくしましょう」という話に聞こえがちです。

でも、経営者やリーダーが本当にほしいのは「ぬるま湯」ではなく、成果が出るチームですよね。

実際、Google社の大規模調査「Project Aristotle」をはじめ、多くの研究が

「高い成果を出すチームの最大の要因は、心理的安全性である」と結論付けています。

なぜなら、部下が不都合な真実を最速で報告できるかどうかが、企業の命運を分けるからです。

経営者・リーダーにとっては、ミスの早期発見・改善提案・離職防止に直結する重要テーマだと思いますので

少しの時間、私に頂戴できればと思います。

それでは今日は、現場でありそうな、こんなシーンの会話劇からスタートします。

 

シチュエーション

重要顧客への見積書で「桁」の間違いが発覚。

部下の佐藤さんが、青ざめた顔であなた(社長)のところへ来ます。

「社長、申し訳ありません。昨日の見積もりで、金額を間違えて送ってしまいました」


パターンA:心理的安全性が「低い」職場

社長:
「はぁ? お前、何年目だと思ってるんだ?」

佐藤:
「す、すみません。確認したつもりだったんですが」

社長:
「つもり」はいらない。なんでそんな初歩的ミスをした?

ダブルチェックは? 誰が確認した?」

佐藤:
「私が一人でやりました。すみません」

社長:
「たるんでるんじゃないのか。信用問題だぞ。すぐ先方に謝ってこい!」

佐藤(心の声):
(本当は、あの入力画面が見づらくてミスりやすいんだけど・・・

言ったら「言い訳するな」って言われそうだし、やめておこう)

 

この職場の「未来」

  • ミス=怒られる ⇒ 次はギリギリまで隠す
  • システムの不備という「真の原因」が上がってこない

同じミスがくり返される


パターンB:心理的安全性が「高い」職場

社長:
(内心「マジか」とザワつきつつ、ひと呼吸おく)

そうか。言いづらいのに、すぐ報告してくれてありがとう」

佐藤:
「えっ・・はい。本当に申し訳ありません」

社長:
「正直、驚いたし焦っているのも事実だ

でも、起きたことは起きた。まずはどうリカバリーするかに集中しよう」

佐藤:
「はい。すぐ電話でお詫びして、正しい見積もりをお持ちしたいです」

社長:
「そうだね。じゃあ「どうすれば最善か」を一緒に考えよう。

今回の原因は、どこにありそう?」

佐藤:
「私のチェック不足もあるんですが、

実は、入力画面の桁区切りが見づらくて、前から怖いなと思っていました」

社長:
「なるほど、それは他の人もミスしそうだ。教えてくれて助かった

今回の対応が落ち着いたら、あの画面の改善も進めよう

 

この職場の「未来」

  • 「報告してよかった」「次は改善しよう」という前向きな感情と行動
  • 「入力画面の不備」という経営課題が早期に見つかり、

組織として再発防止が打てる

 

「何が違うのか?」──3つのポイント

① 「感情」と「事実」を分けて扱う

Aでは、社長の怒り(感情)がそのまま相手への攻撃になっています。

Bでは、

  • 「驚いている・焦っている」という自分の感情を認めつつ、
  • 部下を責めずに、事実と対応の話に切り替えています。

怒りの本当の目的は「会社を守りたい」「成長してほしい」という期待のはずです

その目的に沿う行動を選べるかどうかが、分かれ目です。

 

② 「なぜやった?」ではなく「どうすれば?」を問う

Aの「なんでミスした?」は、部下の脳を「言い訳探しモード」にします。

Bでは最初から、

「どうすれば最善のリカバリーになる?」  「原因はどこにありそう?」

と、未来・解決志向の問いになっています。

これだけで、部下の思考は「責められ回避」から「改善提案」へと切り替わります。

 

③ 「言ったあと、何かが前に進む」経験をつくる

心理的安全性を決めるのは雰囲気ではなく、

「話した結果、どう扱われたか」の体験の積み重ねです。

  • 報告したら怒鳴られた → 「次は黙っておこう」
  • 報告したら一緒に考えてくれた → 「次も早く伝えよう」

たとえ提案が採用されなくても

「今回はこういう理由で見送る。でも言ってくれて助かった」

とフィードバックするだけで、「言ってよかった」という感情が残ります。

 

 

経営者・リーダーが“明日からできる”3つの実践

  1. ミス報告への第一声を決めておく
    • 「報告してくれてありがとう。まず状況を教えて」

これを「口ぐせ」にしてしまう。

リーダーや上司だって人間です。怒りを貯めたり殺したりし続けては

いずれ「パンク」してしまいます。

とはいえ、「吐き出す」わけにもいきませんので、

こういったルールを作っておくことで、感情をコントロールしましょう。

        2.NGワードを言いかえる

    • 「なんでやった?」 → 「何が起きた?」
    • 「誰が悪い?」 → 「どこで詰まった?」

リーダー的立場の人間は「言葉」を鍛えましょう。

スポーツの現場を見るとよくわかると思います。

選手は勝つために「体や技術」を鍛え上げます。

監督・コーチは、鍛え上げた選手が最高のパフォーマンスを出せるように

言葉で選手をその気にさせたり、鼓舞します。

自分の部下やチームのメンバーが最高のパフォーマンスが出せるよう

「言葉の力」を上手に使いこなしましょう。

 

           3.自分のミスも少しだけ共有する

    • 「実は昔、自分も似たミスをしてね」

完璧なフリをやめると、部下の肩の力も抜けます。

自己開示をすると、一気に距離が縮まり、

予想以上の関係が結びつきができることがあります。

 

 

まとめ:欲しいのは「怒られない職場」ではなく「強くなる職場」

心理的安全性とは、

ミスを許す優しい会社」をつくることではありません。

「不都合な事実を、最速でテーブルの上に出せる関係性」

をつくることです。

その鍵を握っているのは、ミスが起きた「その瞬間の一言」です。

次に誰かが青ざめた顔で「すみません」と言いに来たとき、

あなたは A と B、どちらの会話を選びますか?

まずは一言、こう返してみてください。

「言いづらいのに、報告してくれてありがとう」

その一言が、会社の未来を守る情報を

あなたのもとに集める「スイッチ」になります。

 

 

 

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