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ダメ出しを「伸びしろ提案」に変える魔法~「成果を爆上げ」成長を促す3つのステップ
2025.06.17
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
ビジネスの現場では、日々、限られた時間と資源の中で
結果を出すことが求められます。
チームメンバーの育成、部下への指示、
あるいは仲間との共同プロジェクト。
そこには必ず「フィードバック」がつきものです。
しかし、「せっかくアドバイスしたのに、
なんだかやる気をなくさせてしまった」
「指摘しても改善されないどころか、
職場の雰囲気が悪くなった」
そんな苦い経験、あなたにもありませんか?
私たちはつい「相手のため」と思って、
足りない部分や改善点を指摘しがちです。
でも、その伝え方一つで、
相手のモチベーションは萎み、
成長曲線は停滞してしまいます。
実は、この「ダメ出し」のコミュニケーションこそが、
組織の成長を阻む大きな壁になっているのです。
では、どうすればフィードバックを
「叱責」ではなく、「付加価値」に変え、
チーム全体の成果を最大化できるのでしょうか?
本日は、日本キャッシュフローコーチ協会と
日本ペップトーク普及協会で学んだことを合成したもので
普段のコンサルティングの現場で私が
「意識している言動」をお伝えします。
何度も何度も練習は必要ですが
間違いなく誰もができるようになりますので
是非、自分のものにして、会社内のコミュニケーションや
家庭内での、子育てや夫婦間のやりとりなどに
使ってみて下さい。
周りの反応はおろか、自分の心の中まで変化が起きますよ。
フィードバックが成果を分ける「スイートスポット」
想像してみてください。会社内で長々と部下や同僚に対し
アドバイスができる時間がありますか?
多くの方は、そんな時間は、お互いに取れないと思います。
では、「限られた時間」で「最高の成果」を出すためには
どのようなフィードバックが必要でしょうか?
その答えの一つとして
アドバイスする側が、どれだけ質の高いフィードバックが
できたのかがカギを握ります。
「質の高いフィードバック」とは
実はあらかじめ「設計しておく」ものなのです。
つまり「型」があるということです。
そして、設計された質の高いフィードバックの有無は
・組織やチームのパフォーマンス
・従業員のエンゲージメント
・生産性向上
に大きく貢献するという研究は多数存在します。
従業員のエンゲージメントと生産性の向上
定期的に質の高いフィードバックを受けている従業員は、
そうでない従業員に比べてエンゲージメントが高く、
生産性も向上するというデータがあります。
ある調査では、フィードバックを受けている従業員の85%が
より主体的に行動するとされています。
出典元:The Impact Of Real-Time Feedback On Employee Productivity - SurveyConnect
離職率の低下
定期的なフィードバック、
特に強みに焦点を当てたフィードバックを行っている企業では、
従業員の離職率が有意に低いという報告もあります。
出典元:Surprising Employee Turnover and Retention Statistics - WebMD Health Services
目標達成率の向上
具体的なフィードバックは、個人の目標達成を促進し、
結果的にチームや組織全体の成果に寄与します。
出典元:(PDF) Feedback, goal-setting and task performance revisited. - ResearchGate
出典元:Goals and Progress Feedback: Effects on Self-Efficacy and Writing Achievement By - CORE
学習効果と行動定着
フィードバックが具体的かつタイムリーであるほど、
学習効果が高まり、望ましい行動の定着につながることが示されています。
出典元:Why Giving Instant Feedback is Important for Effective Learning - eduMe
部下が提出した報告書に修正が必要な時
営業ロールプレイングで改善点が露呈した時
子どもの家庭学習時に間違いを見つけた時
日常のあらゆるシーンで訪れる「フィードバック分岐点」で、
「何をどう伝えるか」によって、
相手のモチベーションも、アウトプットの質も大きく変わるのです。
ダメ出しで終われば、相手は萎縮し、成長は停滞します。
しかし、意図的に設計されたフィードバックなら、
学習曲線は急上昇し、チーム全体の生産性が飛躍的に向上するのです。
成果を最大化するフィードバック3ステップ
STEP 1: 自己評価を促す──「自律」を引き出す問いかけ
フィードバックの第一歩は、
相手に「君自身はどう感じた?」と問いかけることです。
人は、自分が「気づいたこと」しか変えることができません。
「人は変えられない」聞いたことありますよね。
外からの指摘は、時に「押しつけ」や「批判」と受け取られ、
防衛反応を引き起こします。
しかし、まず相手自身に内省を促し、
「何を感じ、どう評価したか」を言語化してもらうことで、
「自分ごと」として課題を捉えるスイッチが入ります。
ここで重要なことは、「正解・不正解を示さない」ことです。
大切なのは、「自由に感じたことを語ってもらうこと」です。
このプロセスを通じて、相手は自らのパフォーマンスを客観視し、
改善へのモチベーションを内側から高めていくことができます。
もし、忘れてしまう心配があるのなら
ノート1冊を用意し、なんでもいいので
気づいたことや感じたことをメモすることにより
行動の定着率をさらに高めることができます。
STEP 2: 強みを具体化する──「自信」を育てる承認
次に、相手が「すでにできている部分」を
具体的に言語化して伝えることです。
ここ、結構苦手という人、多いと思います。
実は私も、そうでした。
そんな私がはじめのうちに意識したことは
本来の「褒める」部分とは違うのですが、慣れるまでは
「相手のよいところや出来ているところを褒める」
と捉えることにより、定着速度が上がりました。
たとえば、こんなことを伝えてあげてください。
「今日のプレゼンの資料の色づかいがとても見やすかったよ」
「ストーリー構成が上手で、すごく理解しやすかった」
など、あなたが観察した事実そのままを伝えます。
「何が良かったのか」がクリアになるほど、
相手のセルフイメージは高まり、
「自分はできるんだ」という自信が生まれます。
この自信こそが、次の挑戦への大きなエネルギーとなるのです。
また、強みを具体的に承認することは、
後に伝える改善点を受け入れるための
「心のクッション」にもなります。
さらに、ここで見つけた強みを
第三者にも共有すれば、それは個人だけでなく、
組織全体の「資産」となり、活用されます。
STEP 3: 改善点はアイメッセージで提案
「防衛反応」を防ぎ「共創」へ
そして、いよいよ改善点の指摘についてです。
ここでのポイントは、
「私はこう感じた」というアイ(I)メッセージで伝えることです。
例えば、「この部分は少し聞き取りづらかったよ」
と断定するのではなく、
「私(I)はこの部分が少し聞き取りづらく感じたのですが、
あなた(YOU)はどう思いますか?」と問いかけます。
このように、主語を「私」にし、
相手に意見を求める形にすることで、
命令形や断定的な口調を避け、
相手の防衛本能が働くのを防ぎます。
相手の主体性を尊重しつつ、
具体的な改善策を「一緒に考える」という土台ができます。
フィードバックは、決して一方的な「指摘」ではありません。
「問い」を活用し、改善点を「共創プロジェクト」として捉えることで、
建設的な議論へとつながり、
より良い解決策が生まれる可能性が飛躍的に高まります。
最重要:信頼残高を積み上げる「日頃の貯金」
これら3つのステップが機能するための大前提があります。
それは、日ごろからの「信頼貯金(信頼残高)」です。
普段から感謝や称賛の言葉を伝え合い、
良好な関係性が築かれていれば、
たとえ厳しい指摘であっても、
相手は「自分のことを思ってくれているからこそ言ってくれたんだ」
と好意的に受け止めることができます。
逆に、信頼残高がない、もしくは低い関係性では、
どんなに正論を述べても、
それは単なる批判として跳ね返されてしまうでしょう。
朝礼でのちょっとした一言、チャットでの感謝のスタンプ、
すれ違いざまの短い声かけ。こうした小さな行動の積み重ねが、
着実に信頼口座に積み立てられ、
あなたのアドバイスが大活躍し、
大きな効果が生まれることにつながります。
明日からできる!
あなたのチームを変えるチェックリスト
さあ、明日から早速このフィードバック設計を実践してみましょう。
まずは1on1ミーティングや
小規模なチーム内での会話で試してみてください。
まだ、信頼貯金が貯まっていないのなら
まずは、日常会話を大切にしましょう。
では、ここでも私が貯金を増やすために行ったことを
お伝えします。 誰でもできます!
それは・・・
「ありがとう」の回数を増やすことです。
今まで言ったことがない人がいきなり
「アドバイス」的なことを話しても
恐らく相手は、相当驚かれると思います。
なので、それくらいならば、まずは「ありがとう」から
スタートしましょう。
フィードバックの際には、以下の点をチェックしてみてください。
チェックリストを作成するとよいでしょう。
もし、「チェックリストがほしい」という方には
プレゼントしますので、トップページ右上の
「お問い合わせ」https://sato-insurance.jp/contact/
より「チェックリストほしい」と書いて
連絡ください。
・KGI(目標やゴール)を相手と共有したか
・自己評価を引き出す質問をしたか
・強みを具体的に言語化できたか
・改善案を「一緒に解決していく問題」として提示できたか
・次回の日時を設定する
指導やフィードバックの質は、
組織全体のパフォーマンスの上限を決定します。
「ダメ出し」していた時間を
「成長のための時間」へと転換できた瞬間、
「ダメ出し」が「伸びしろ提案」に変わった瞬間、
部下やお子さんや会社の成果曲線は加速度的に伸び
あなたの大切な人や、組織の未来は、
大きく、そして明るく開けていくはずです。
伸びる~~~
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たった3つの数字で見極める!ラーメン屋で学ぶ価格転嫁の「超」実践法
2025.06.12
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
6/11付けの北海道新聞に
「価格転嫁 悩む道内企業」
という記事が書かれていた。
帝国データバンク札幌支店の調査によると
「もし金利が1%上昇したら」の問いに
「財務体質の改善」「価格転嫁」と答えた割合が
どちらも約25%との回答でした。
また、「経営に悪影響」と答えた割合は56.6%
との回答でした。
「財務体質の改善」中でも「経費削減による改善」は
既に多くの企業で限界を迎えているのではないかと
思われます。それでも「乾ききった雑巾」を
まだ絞るということになりますから
たとえ絞れたとしても、その効果はかなり限られたものに
なるのではないかと思います。
となると、次に来るのが
「価格転嫁」ということになりますが
「顧客離れ」や「販売量の減少」が怖くて
なかなか決断できないというのが
多くの経営者の悩みではないでしょうか。
では、どれくらいの「客離れ」や「売上低下」がおこると
自社が赤字に転落するのでしょうか?
この問いに、「根拠を持った数字」を示せる経営者が
どれくらいいるのでしょうか?
おそらく、1~2割程度ではないかと思われます。
私たち財務コンサルタントは
このような問いに対し、根拠ある数字をもって
値上げの有無や幅を経営者が判断できるように
お手伝いさせていただくわけですが
一般の経営者が、難解な管理会計の教科書を開き
勉強する前に、たった3つの数字を押さえるだけで
意思決定の8割はできるようになる方法を
ラーメン屋さんを題材にお伝えします。
(材料は全て仕入れするものとします)
決算書と電卓を片手に読み進めてみてください。
STEP1 費用を「動く」「動かない」で仕分けする
まずは会社のお金を 変動費(動く費用) と 固定費(動かない費用) に分けます。
ラーメン屋さんの主な変動費は
麺やスープのような材料です。
ラーメンを1杯売れれば使う麵は1玉
ラーメンを2杯売れば2玉
ラーメンが売れなければ0玉
このように「売れた分と連動して増減する」費用が変動費
一方
お客様が1人だけ来店しても
100人来店しても変わらない費用
給料や家賃や利息などのように
「売上に関係なく毎月ほぼ一定」な費用を固定費
決算書に書かれているさまざまな費用を
この2つに振り分けていきます。
ここまでが、第一段階です。
これを専門用語でいうと「固変分解」といいます。
名前を憶えても1円にもなりません。
この作業が終わったら
A4 用紙に次の式を書き出しましょう。
売上高 -変動費 (動く費用) = 手元に残るお金(限界利益)
この「手元に残るお金(限界利益)」が
経営判断を行う上で、とても大切な数字となります。
STEP2 「限界利益率」を算出する
限界利益を売上高で割った数字に100を掛けた数字を
限界利益率 といいます。
例)ラーメン1杯1,000 円
材料費 600 円 → 限界利益額 400 円
限界利益率 = (400 ÷1,000)✖100 = 40%
もし材料費が 10%(60 円)上がり
原価上昇分の60円をそのまま売価に転嫁し
同じ限界利益額 400 円を確保したとすると
限界利益率 = 400 ÷1,060 = 37.7%となり
「額」はキープできても「率」は低下します。
では「率」をキープするためには売価をいくらに
設定する必要があるかですが
限界利益率を(元の水準に)維持するには、
売価を約10%アップさせる必要がありますので、
算式としては
660円(変動費)÷0.6(変動費率)=1,100円
となります。
値上げのシミュレーションは、
「額を守る」か「率を守る」か で変わります。
とはいえ、一般的な中小企業なら、
まずは「額」を重視での判断が優先されるであろうと思います。
しかし、全ての商品や全ての判断基準を
「額」にしてしまうと、後々問題が発生します。
面倒がらずに、商品1品ごとに判断することをお勧めします。
この手間を惜しんで「ドンブリ経営」を続けても
何一つとして良いことは起こりません。
今回は、「額と率」の判断基準までは書きませんので
興味のある方は、ご連絡ください。
STEP3 「どこまで客数が減っても黒字なの?」をチェックする
最後は“赤字ライン”を確認します。
赤字にならない売上高 = 動かない費用 ÷ 限界利益率
(値引きなど、販売条件は変えない前提です)
例:月間固定費300万円、限界利益率40%。
現在の売上高が1000万円で、
限界利益額が400万円のラーメン屋さんであれば、
400万(限界利益額)-300万(固定費)=100万円で、
現在の経常利益は100万円ということになります。
この条件で赤字ラインを計算すると…」
赤字ライン = 300 ÷ 0.4 = 750 万円
現在の売上高 1,000 万円なら、
黒字確保まで、許される売上ダウン金額は
1000万円―750 万円=250万円となり
仮に値上げで売上が 100万円ダウンし、900 万円に落ちても
750 万円を上回るため、まだ黒字圏内です。
黒字確保までの猶予額250 万円を
平均顧客単価で割ってやれば
顧客減数の許容範囲を把握可能となります。
ここまで把握できれば「値上げ幅」と「客離れの許容度」が
数字でクリアになります。
ただし、ここだけは勘違いしないでください!
「売上が10%ダウン」=「経常利益も10%」
ではありません!
「黒字圏内」なだけです!
あくまで「売上―経費」が黒字というだけの話です。
計算式のレベルでいうと「ただの引き算」レベルです。
参考までに、このラーメン屋さんですと
売上が10%ダウンすると
経常利益は40%ダウンの「60万円」となります。
もし、銀行への借入金返済額が月々80万円あった場合
このラーメン屋さんは、「毎月20万円」の現金を
どこからか調達しなければ
銀行への返済ができなくなるということです。
こんなことを続けていれば、どうなるか?
結論は、見えていますよね。
応用編:一律ではなく「厚い商品」から値上げ
「限界利益率が高い」つまり「粗利の厚い」商品ほど値上げによる
客離れの痛手も小さくて済みます。
多くの場合、利幅が大きい商品は、競合が真似しづらいサービスや機能
また、ファンの多い看板商品が多いと思われます。
よって優先的に改定しても受け入れられやすい
「価格耐久性」が高い商品と言えます。
すべての商品を一律に上げるのではなく
商品ごとの細かな調整を考えていきましょう。
まとめ:たった3つを明確にし決断力アップ
1.費用を「動く/動かない」に分類
2.限界利益率と額を確認
3.赤字にならない売上高を計算し、顧客離れ余裕度を把握
以上、わずか3ステップにより
数字という「事実」を把握することで
値上げへの不安はぐっと小さくなります。
一刻も早く「勘による値決め」から卒業し
「根拠ある経営」にステージアップしていきましょう。
数字はあなたの背中を押す最強の味方です!
小さな利益の積み重ねが大切ですね
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「失敗を恐れる心の正体~損失回避の法則を味方につける経営戦略~」
2025.06.06
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
今朝のテレビで一瞬だったのですが
こんなことを相談している小学生がいました。
「失敗すると、それが気になり集中できない」
「え!小学生が!」私はショックを受けました。
同時に、違うかもしれませんが
あの子は失敗するたびに、周りの大人に
「なぜ、失敗したのか」みたいな言葉を
幼いころから投げかけられていたのかなと思い
とても、残念に思いました。
(個人の勝手な思いです)
もし、失敗という事実は受け止め
チャレンジした過程を褒めていたら
「うまくいかなかったね、残念。
でも、このチャレンジをしたあなたは
すごいと思うよ」
こう語りかけていたら
きっと、あの子はそんな質問しないだろうな~と
勝手に考えてしまいました。
今日のブログは、その想いから生まれ出たものです。
振り返ってみると、私自身も含め
「それ、アカンやろー」という言葉を発しているなと思い
自戒の念も含めて書いてみました。
前段からは想像もつかない程
ビジネス寄りの内容です。
「もし失敗したらどうしよう」
新しい挑戦を前に足が止まるとき、
あなたの頭に浮かぶのは成功のイメージよりも、
失敗して失うかもしれない時間やお金ではないでしょうか。
これは性格の弱さではなく、人類に共通する心理的傾向です。
行動経済学者ダニエル・カーネマンと
エイモス・トヴェルスキーが提唱した
プロスペクト理論によれば、
人は利益よりも損失を約2~2.5倍強く感じ取ると言われています。
この現象を「損失回避の法則(Loss Aversion)」と呼びます。
ビジネスの世界でも、この法則に則ってしまい
チャンスを逸することが少なくありません。
申し訳ないのですが、行政のやることは
私が見ている限り「ほぼ100%」、この法則にハマります。
「仕方ない」と言えばそれまでですが
あらゆる世界の概念が急速に変わっている今
行政だけが、「以前のまま」でいいわけはありません。
特に、衰退が激しい地方都市の自治体においては
「損失回避の法則」を勇気をもって打ち破らなければ
また、そのような文化を育成しなければ
衰退の速度が増し、手遅れとなると思われます。
(そうです。私の住んでる街「函館」のことを
言っているのです)
では、「何をどうすればいいのか」ですが
ブログを読み進めていってもらえれば
そのヒントが書いてあります。
1. 数字で味わう損失の痛み
あなたに二つの選択肢があるとします。
A:確実に1万円もらえる
B:50%の確率で2万円もらえるが、50%の確率で0円
多くの人はAを選びます。
Bの期待値は1万円で同じにもかかわらず、
「もらえない」リスクを避けたいからです。
ところが場面を「損失」に変えると判断は逆転します。
C:確実に1万円失う
D:50%の確率で2万円失うが、50%の確率で0円
今度はDを選ぶ人が増えます。
確実な損失を避けるために、
ギャンブル的な選択に手を伸ばすのです。
利益と損失で意思決定の軸が入れ替わる典型例と言えます。
2.ビジネス現場に潜む損失回避
損失回避は会議室でもコンビニのレジ前でも姿を現します。
導入決定が遅れる
新しい商品の市場への導入は
導入効果より「売れなかったら大損」という
不安で棚上げされがちです。
もちろん、限界利益など
採算をとるために最低限必要な売上高や売上個数を
事前に把握するためにも「管理会計」の導入は
必要不可欠ですが、
そのような「数字の裏付け」があっても
「予定通りにいかなかった場合」つまりは
「損失」のことが頭の中を支配し
なかなか前に進めないことが少なくありません。
値決め戦略が保守的になる
価格を上げれば利益率向上が見込めても、
「顧客離れ」という損失が怖くて踏み切れない。
これも、多くの中小企業で起きている現象です。
大手と言われるところは、消費者からすると
「問答無用」状態で値上げし
確実に利益を確保しています。
そうしなければ、顧客へのサービスや
商品提供ができなくなるからです。
そうするかどうかは、個別の判断ですが
今は値上げし、原価等が下がったら
値下げをし顧客に喜んでいただく。
こうやって、世の中に合わせ、フレキシブルに
値決めをしていくことが、必要なのかもしれません。
マーケティング的にいうのなら「今だけ」が効く
「本日終了」「残り3席」といった表現は、
得を逃す=損失と感じさせ、購買率を高めます。
昔で言えば、万年「閉店セール」ですね。
(これ知ってる人は、それなりの年齢の方だけですね)
また、日付や席数や個数など
目に見えるものだけではなく
最近では「特別な経験」など
形のないものでも、購買意欲を高める手法が
使われています。
やはり「限定」や「あなただけに」は
心揺さぶられますよね。
「このチャンスを逸しては損だ」という心理を
ついているわけです。
3.損失回避を乗り越える4つのステップ
1.リスクを数字で「見える化」する
感情ではなくデータで判断する癖をつけましょう。
その為にも、やはり「管理会計」の導入は
企業経営には必須です。
例を書きます。
決算書の「損益計算書」を思い浮かべてください。
新商品のお菓子を発売したとしましょう。
今回は、わかりやすいように
今回発売する「お菓子のみ」しか扱っていない会社とします。
売上600万-製造原価300万=利益300万
つい、このように考えてしまいませんか?
製造し、すぐに市場に投入し、一瞬で完売なら
ほぼ、この計算で間違いありません。
では、完売まで3か月かかったらどうなるでしょうか?
実は利益がグッと下がります。
なぜなら、製造していなくても原価が増えるからです。
何が増えるのか?
そうです。人件費です。
たとえ工場が止まっていても、工場で働く人の
給料は、発生し続けます。
これが、損益計算書(P/L)経営の落とし穴なのです。
このような計算ミスを防ぐためにも
会社経営には「管理会計」が必須なのです。
2.スモールスタート
大きな変化ではなく、少しずつ試し
失敗コストを最小化し
心理的ハードルを下げることが大切です。
いきなりの設備投資や人員増強は避け
「失敗しても痛くない」もしくは
「失敗しても会社の経営に支障はない」程度から
スタートしましょう。
では、「痛くない」や「経営に支障がない」投資金額て
どれくらいなのでしょう?
ここでも、「感情」による判断をしてはいけません。
やはり「数字」による判断が必要です。
具体的には、というより論理的には
今度は「貸借対照表」(B/S)の数字で判断します。
どの数字か?
そうです。一番右下の「繰越利益剰余金」です。
この金額の範囲内なら、たとえ新事業が失敗しても
会社が「債務超過」などに陥ることはありません。
(ただし、あくまで会計上のお金ですから
いわゆる「現金」とは違います)
3.損失の上限を設計
「最悪でもここでやめる」という出口戦略を決めましょう。
つまりは「引き際」をはじめから設定しておくのです。
ここでもつい「損したくない」「損を取り返した」
「せめて投資額だけでも、回収したい」という
損失回避の法則が働きます。
しかし、その判断もやはり「感情」による判断と言えます。
やはりここでも「1000万損失を出したら撤退」など
数字による明確な意思決定が大切です。
撤退の金額の目安は、先ほど書いた通りです。
4.学習コストという投資思考
失敗=損ではなく、
次の成功確率を上げるデータ取得と捉えましょう。
この考え方を腹落ちさせると
理論上は世の中から失敗はなくなります。
トライ&エラーを恐れず繰り返し
知識資産を蓄積しましょう。
4.現状維持バイアスとの関係
損失回避は「現状維持が一番安全」
という誤解を強化します。
しかし環境が変わり続ける現代において、
現状維持は実質的な後退です。
短期的な安心と引き換えに、
中長期的な機会損失を抱え込むリスクに
気づく必要があります。
これが冒頭に書いた「行政機関」の陥っている穴の正体です。
民間企業である私たちは、
是非とも「現状維持バイアス」の居心地の良さに打ち勝ち
前進し続けていきましょう。
5.最後に──恐怖の正体を数字で照らす
「失敗したらどうしよう」という声が聞こえたら、
それは損失回避の法則が働いている証拠です。
その声を無視するのではなく、
認識し、分析し、そして活用しましょう。
リスクを数値化し、段階的に進み、
学習機会として捉える。
そして時には、損失回避の力を借りて、
より良い習慣や仕組みを作る。
私たちの脳に組み込まれた
この古代からの警報システムを理解することで、
より賢明な選択ができるようになるのです。
「恐怖に支配されるのではなく、恐怖と共に前進する。」
それが、現代を生きる私たちに求められる知恵なのかもしれません。
「真っ黒だけど、いつもの私です」
みなさん、熱中症には、気を付けて下さいね~
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「高いのに売れる」企業の共通点――「価格」ではなく「価値」を売れ
2025.06.02
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
「お客様は安いものしか買わない」
この思い込みに囚われていませんか?
多くのビジネスが直面する価格競争は、
この誤解から生まれることが多いのです。
しかし、本当に消費者は価格だけで
商品を選んでいるのでしょうか?
今日は、この問いを起点にビジネスを再構築し、
価格競争の罠から抜け出して、顧客に真の価値を伝え、
選ばれるための具体的な方法を解説します。
是非、このような視点を持ち、
あなたのビジネスに役立ててください。
「価格だけ」という誤解を解く
多くの経営者が、明確な理由もなく自社は
価格競争に巻き込まれやすいと感じています。
というよりも、無意識のうちに自ら価格競争に
挑んでいるのではないでしょうか?
確かに、低価格競争は熾烈であり、
一見すると価格が全てであるかのように
思えるかもしれません。
しかし、本当にそうでしょうか?
例えば、自動車市場を考えてみましょう。
新車販売台数を見れば、低価格を売りにした
軽自動車やコンパクトカーは確かに人気です。
しかしその一方で、数百万円、
時には1000万円を超えるような高級車も、
その存在感を失うことなく根強く売れ続けています。
さらに、価格の安さだけを追求するのであれば
新車よりも中古車の方が売れているはずです。
これらの事実は、消費者が単に「価格」だけで
商品を選択しているわけではない明確な証拠です。
消費者は、「価格」に加えて
「価値」に基づいて商品を選んでいるのです。
安さだけを追求するのではなく、
その商品やサービスが自分にとってどのようなメリットをもたらし、
どのような「理想の未来」を実現してくれるのかを重視しているのです。
お客様が本当に求める「価値」とは?
では、お客様が本当に求めている
「価値」とは一体何でしょうか?
それは、お客様が商品やサービスを
購入することによって得られる理想の未来や、
具体的なメリットのことを指します。
たとえば健康食品を例に考えてみましょう。
お客様がその健康食品を購入する際、
単純に「健康食品」が欲しいわけではありません。
求めているのは、
「ダイエットに成功して自信を持ちたい」
「体力をつけて毎日を活動的に過ごしたい」
「健康な体を維持して老後も趣味を楽しみたい」
といった具体的な期待や願望です。
これこそが、
お客様がその商品に求めている「価値」なのです。
お客様が求めている本当の価値を明確にとらえれば、
あなたは価格競争から自然と距離を置けるようになります。
なぜなら、その価値は価格では測れない、
お客様自身の具体的なニーズと結びついているからです。
なぜ価格競争に巻き込まれるのか?
多くの企業が価格競争に陥ってしまう理由は、
非常にシンプルです。
それは、自社の商品やサービスの
「独自性」がお客様に十分に伝わっていないからです。
お客様にとって、
あなたの会社の商品と他社の商品に
明確な違いが見えなければ、
比較する際の判断基準は必然的に
「価格」だけになってしまいます。
もしお客様が、あなたの商品に対して
「どこで買っても同じなら、一番安いところで買おう」
と考えてしまうのであれば、
それはあなたのビジネスの独自性が伝わっていない証拠です。
つまり、独自性が明確に伝わっていなければ、
価格以外で勝負する術を失ってしまうことになります。
この状況こそが、「価格競争の罠」なのです。
お客様の「価値観」を具体的に把握する
価格競争の悪循環から抜け出すためには、
まずお客様が「何を価値と感じているのか」を
具体的に把握する必要があります。
これはビジネスにおいて最も重要なステップの一つです。
例えば
アンケート調査やヒアリングなどで
商品・サービスに何を期待しているか、
どのような点で満足・不満を感じているかなどを
尋ねてみましょう。
また最近ですとSNSのレビュー分析により
自社商品はおろか、競合商品に対する
評判も見ることができます。。
これらの作業を通じて、
「なぜその商品を選んだのか」
「購入後に何を期待しているのか」
といった、お客様の深層心理にあるニーズや
願望を深く掘り下げましょう。
これらの把握こそが、他社との明確な差別化を図り、
価格以外の魅力でお客様に選ばれるための
重要なヒントとなるのです。
「価値」を明確に伝える工夫
お客様が価値と感じているポイントを発見したら、
次はその価値を具体的に可視化し、
言語化や見える化して伝えることが必要となります。
日本人は「良いものを作れば自然と売れる」という
成功体験をしてきました。
ゆえに、この「伝える」という作業が
とても苦手だと言われています。
しかし、ここが、あなたのビジネスが
価格競争から抜け出すための最大の転換点となります。
ホームページやソーシャルメディアで
「高品質」「お客様第一」といった言葉を見かけます。
上場しているような大企業でさえ
このような言葉を口にしていない企業はないと思いますが、
「高品質」と書かれて商品の品質が伝わるでしょうか?
「お客様第一」と書かれて、アフターフォローの充実度を
想像できるでしょうか?
正直、私には商品の性能や良いところが
全く伝わってきません。
「当たり前」感すら覚えます。
やはり、お客様には
「この商品を買うと、自分にはこんな良いことがあるんだ」
「こんな困り事が解決でき、その結果こんなに爽快になるんだ」
と明確にイメージしてもらえるような
言語化が必要になります。
例えば
ビフォー・アフターの具体例を
明確な数字や写真などで示したり
実際のお客様の声を紹介し
お客様が自社の商品・サービスを利用して
どのように変わったのか、どのようなメリットを感じたのかを、
具体的なエピソードなどで紹介したり
信頼感のあるところからの
商品の効果や性能を示すデータや数字の提示などを行い
お客様が自分の未来像を
より想像しやすくする工夫が大切です。
また最近は、「商品が生まれた背景や開発者の想い」
お客様がその商品を通じて得られる
価値をストーリーとして語ることなど
動画を使い、共感を呼び、記憶に残るメッセージにするなどの
プロモーションもあります。
このように、「実際にどのように変わるのか」を
明確に伝えることで、
お客様はその商品がもたらす未来を
具体的に想像できるようになり、
価格以外の価値に注目するようになります。
価格以外の比較ポイントを作る
お客様が価格だけで判断しないようにするためには、
商品やサービスを比較するための新たな軸を
意図的に作り出すことが重要です。
競合他社にはない、
または他社よりも優れている自社の強みを明確に提示し、
それを比較基準としてお客様に提示しましょう。
たとえば、
納期: スピードを強みとしてアピールする
保証期間: 購入後のリスクを軽減する価値となる
サポート体制: 購入後のフォロー体制を強みとして打ち出す
カスタマイズの自由度:唯一無二の商品の提供
品質・耐久性: 結果的にコスパが高いという価値
付加サービス: 商品本体以外の独自の付加価値やサービス提供
これらのポイントを明確に示すことにより、
お客様が「価格以外の点で、この商品を選ぶ理由がある」
と感じるように誘導することで、
価格競争から一歩抜け出すことができます。
まとめ:価値で選ばれるビジネスへ
お客様は決して
価格だけで商品を選んでいるわけではありません。
彼らは、自分の課題を解決し
理想の未来を実現してくれる「価値」を求めているのです。
あなたが提供する商品やサービスが
どのような「価値」をお客様にもたらすのかを明確にし
それを効果的に伝えることで
価格競争に巻き込まれることなく
独自の市場ポジションを築くことが可能です。
今一度、自社の商品やサービスが
お客様にあたえる「価値」を再確認してみましょう。
そして、その価値を明確に伝えるための施策を実行すれば
顧客との「より深く」「長期的な関係」を築けるようになるはずです。
あなたのビジネスは、
お客様にどのような「価値」を提供していますか?
そして、その価値は明確に伝わっていますか?
「ドロンコ遊び」楽しかったのでしょうね・・・
十分、伝わります・・・
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成功と失敗は紙一重! 「 成功するための5つのステップ」
2025.05.30
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
「なぜあの人は成功するのか?」
「自分はなぜうまくいかなかったのか?」
私たちは日々、成功と失敗という結果に一喜一憂します。
しかし実は、成功者と失敗者の行動や思考には、
意外なほど共通点があるのです。
違いは「どう向き合ったか」「どこまで深く掘り下げたか」
つまり「解釈と活用」の部分にあります。
この記事では、成功と失敗のプロセスに潜む
5つの共通点を取り上げ、
それぞれから学ぶべき教訓と、
すぐに活かせる実践ポイントをご紹介します。
ビジネスでも人生でも、子育てでも、
次の一歩を確かなものにするヒント
としてお役立てください。
1.目標は誰もが立てているはず
成功者も失敗者も、例外なく「目標」を立てています。
ただ、その質には大きな違いがあります。
成功する人の目標は、具体的かつ測定可能です。
たとえば、「半年後に新規顧客を30社獲得する」
「年内に〇〇の資格試験に合格する」など。
一方、失敗に終わるケースでは、
「顧客をもっと増やしたい」
「いつか、〇〇になりたい」など、
曖昧でぼんやりした目標が多く見られます。
では、目標達成に必要な行動指針には
どんなものがあるでしょう。
代表的なものの1つに「SMARTの原則」があります。
SMARTの原則とは、
1981年にジョージ・T・ドランによって提唱され、
効果的な目標設定を助けるために広く使用されています。
Specific(具体的): 目標は明確で具体的であるべき
Measurable(測定可能): 進捗を測定できる基準が必要
Achievable(達成可能): 現実的に達成可能な目標であることが重要
Relevant(関連性): 組織や個人の目標に関連している必要がある
Time-bound(時間制約): 期限を設けることで、
目標達成のための時間的な枠組みを持つことが求められる
上記のように、「より具体的で」「進捗を確認出来て」
「頑張れば手が届く目標で」
「なりたいものや達成したい領域に関係するもので」
「目標を達成するまでの時間や日時を明確に決める」
この5つの要素を決め、毎日、毎週、振り返りをすることにより
目標達成がより確実になると示唆しています。
2.どちらも「計画」を立てている
成功者も失敗者も、
スタート時には何かしらの計画を持っています。
違いは「変化への対応力」です。
成功者は、計画どおりに進まない場面や
想定外の出来事が起きても、
冷静に、また柔軟に軌道修正できる力があるのです。
反対に、失敗者は、計画が狂った時に慌ててしまい、
迷走してしまいます。
先ほどのSMARTの原則に則り振り返ってみると
当然ながら、予定通りに進んでいない場面に出くわします。
その際に、どのように対応していくのか
「もうだめだ」や「うまくいかないな~」ではなく
「この方法や計画がだめなら、こっち」というような
柔軟性が大切なことになります。
よく、「うまくいかないことを前提に」考えることの
重要性が言われています。
否定はしません。事前に「プランBやC」を用意しておく
ことは、とても有益だと思いますし、
可能であれば、事前に準備しておく方がよいでしょう。
しかし、最近は物事の変化の流れが早く
事前の準備だけでは対応できないことも増えてきています。
失敗することを恐れて、足が前に出ないくらいなら
無策は困りますが、
事前準備に時間をかけすぎないことを私はお勧めします。
3.「行動量」だけでは差がつかない
成功も失敗も、「とにかくやってみる」ことで始まります。
しかし、行動量だけに頼ると、
結果がついてこないこともあります。
確かに成功者は、たくさんの行動を起こしています。
裏を返せば、それだけ「失敗」もしていると言えます。
では、成功者と失敗者の行動の違いは
どこにあるのでしょう。
私は「行動の質」に違いがあると考えています。
「行動の質」とは、「無駄な動きをしない」
「無駄な時間を過ごさない」ということです。
上手くいかなっかった時に、その原因を探し
的確に対処することにより
「目的に直結した行動」を選択できるようになります。
時間をかけるだけでなく、
成果につながる行動の「質」を意識しているのです。
「忙しい=成果」ではないということです。
行動の質を上げ、無駄な動きや時間を減らし、
より成果の出る取り組みに集中しましょう。
4.フィードバックの活かし方
誰でも人からの意見や評価を受けます。
それを「どう受け取るか」で、大きな差が出ます。
成功者は、批判や指摘を「成長の糧」として取り入れます。
自分のやり方を冷静に見直し、
柔軟に変えていく力があります。
一方で、失敗者は批判を「否定」と捉え、
防御的になりやすい傾向があります。
これが学びを止め、行動を阻害し
ひいては、自己肯定感すら低めてしまいます。
他人からのフィードバックは、
事実として受け取ることが大切です。
「真実」ではなく「事実」「現実」と受け取るのです。
人から何か言われると
「なんだよ」「チェッ」「うるさいな」など
つい、感情が先に出てしまう。
気持ちはわかりますし、
私も、そうなることはありますが
そのように受け取ってしまうと
せっかくのフィードバックを活かすことができず
本質的な学びが遠のいてしまいます。
「なぜそう言われたのか?」と
一歩引いて考える習慣が、あなたを成長させてくれます。
5.挑戦しているかどうか
挑戦することは、とても大切ですし
私は「挑戦者」が大好きです。
可能な限り、そういった人たちに囲まれて
これからも歩んでいきたいと思っています。
だからこそ、失敗してしまい
次の一歩が踏み出せない方に伝えたい言葉が
「成功者も失敗者も同じ“挑戦者”である」なのです。
挑戦したからこそ、結果としてうまくいかなかっただけです。
ビジネスの場面でも、子育ての場面でも成否を分けるのは、
「失敗を恐れずに続けられる環境づくり」が
できているかどうかだと思います。
基本的に、挑戦する価値があるものならば、
何度でもトライ&エラーを繰り返し
「〇〇までに、成功させる」と決め行動を起こす。
このような決断をさせる空気が職場や家庭にあることが
とても大切です。
もちろん「人・物・金」の関係により
いつまでも無限に挑戦させるわけにはいきませんが
「挑戦しようとする芽」を潰してしまうのは避けましょう。
まとめ 結果より「向き合い方」が分けるもの
成功と失敗は、たまたま結果が違っただけで、
その過程には多くの共通点があります。
大事なのは、その共通点をどう次に活かすかです。
もし今、うまくいっていないことがあったとしても、
それは「失敗」ではなく「途中経過」にすぎません。
成功も失敗も、次の行動のためのデータ(事実)として受け止め、
そこから何を学び、どう動くか。
それこそが、最も重要な分岐点になります。
今日から、成功と失敗を「別物」として見るのではなく、
「どちらも成長の材料」
として捉える視点を持ってみてください。
そのうえで、周りの人たちは
挑戦者の背中をそっと「応援し」
挑戦した過程を「褒めてあげて」
成功したら「一緒に喜ぶ」
「成功」という結果を一緒に喜び
挑戦の過程を褒める。
つまりは「挑戦者全員」が褒める対象なのです。
褒められるの「大好き」です
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山中伸弥氏の言葉に学ぶ「高く飛ぶには、低くかがめ」~中小企業のための4つの財務戦略
2025.05.29
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
「高く飛ぶためには、
おもいっきり低くかがむ
必要があるのです。」
─ 山中伸弥(ノーベル生理学・医学賞受賞者)
この言葉は、スポーツに限らず、
企業経営や財務戦略にも深く通じるものがあります。
ジャンプは宙に浮いている瞬間
企業活動で言えば「売上」に注目が集まりますが、
飛距離、言い換えれば「利益」を決めるのは
「どれだけ深く、正しくしゃがめたか」に尽きるのです。
特に、次のステージを目指している企業や経営者にとって、
「低くかがむ」という助走の意味をどう捉えるかは、
将来の飛距離を大きく左右します。
今回は、財務の観点からこの言葉をどう活かすか、
4つの視点で解説します。
1. かがむ=内部留保とキャッシュポジションの強化
キャッシュは、より高く飛ぶための「バネ」です。
バネを十分に縮める、
つまりキャッシュポジションを強化することで、
より高く、より遠くへ跳ぶことができます。
企業経営において、内部留保を厚くする行為は
次の飛躍に向けてだけではなく
破産からの距離を遠ざける意味があり
経営者が持つべき目標の最重要課題の1つであることは
紛れもない事実です。
先行投資の軍資金:
将来の成長に向けた設備投資や新規事業立ち上げには、
多額の資金が必要です。
例えば利益の20~30%を
「成長準備金」とし決めて内部留保し、
利益余剰資金を確保することで、
自己資金による投資が可能になります。
これにより、資金調達コストを圧縮し、
財務リスクを軽減できます。
不況や天災等への備え
予測不能な経済環境下では、
十分な運転資金を確保しておくことが重要です。
歴史を振り返れば10年程度に1度程度の割合で
コロナやリーマンショックのような
予測不能な上、自社だけでは避けようがない
事象が発生しています。
そして、その度に企業は、売上や利益が減少し
備えのない会社は、消滅してしまいました。
また、昨今、激増している大雨や洪水など
残念ながら、その場にいるというだけで
だれもが等しく損害を受けてしまう場面などでも
3~6ヶ月分の運転資金を現預金で確保していれば、
事業活動や、会社の維持が継続できます。
場合によっては、競合他社が停滞を余儀なくされ
市場シェアを拡大するチャンスを掴むことができるでしょう。
このように「使わないお金」を意識的に持つことは、
「もったいない」ではなく、
飛ぶためのバネを強くする行為と言えます。
2.負債の健全化とお金の「見える化」
山中教授の言葉の背景には、
「かがむ時期をどう過ごすかがジャンプの成否を分ける」
という意味も込められいると考えます。
財務の世界で言えば、
金利上昇リスクや
会社のお金の流れをしっかりと把握することが
「かがみの質」を決定づけます。
具体的なアクションをいくつか紹介します。
① 資金繰り表を作る
② 銀行借り入れ一覧表を作る
まずは、この2つの行動を起こしましょう。
①に関しては、もう何度も書いていますが
自社のお金の流れやキャッシュポジションを
把握せずに会社経営はできません。
資金ショートの時期やキャッシュポジションが低い時期
すなわち、破産リスクが高い時期に向け
銀行からの借入交渉をしなければなりません。
この時の交渉で少しでも良い条件を引き出す方法は
「銀行交渉スタートの時期」にあります。
当たり前の話ですが、
「来月に資金ショートしそうな会社」と
「半年後に資金ショートしそうな会社」
あなたなら、どちらの会社にお金を貸しますか?
計画性や経営者のお金に対する意識や資質
どれをとっても、「半年後に」という経営者の方を
選ぶのではないでしょうか。
②に関しては、以前に少しだけ触れましたが
銀行側でも、この資料を作成しているほど
大切な資料となります。
融資一覧表のフォーマットによりますが
企業にとっても、たくさんの有益な情報が詰まっています。
・借入額・借入残高・預貯金残高・利率・返済期間・借入種類
・借入目的・返済額・保証の種類 など
この情報だけでも、取引のある銀行なら
融資の提案ができますし、(決定は別ですよ)
企業側からしても、プロパー融資の相談や
個人保証をはずす相談、保証協会枠の残高
長期・短期融資のバランス調整
そして、返済金額の圧縮など
企業財務には、かかせない情報の山なのです。
なお、各種フォーマットは、自社と付き合いのある銀行の
ものを使用するのが、お勧めです。
各銀行のHPからダウンロードしてみて下さい。
もし、「見つからない」場合は
webにたくさん出ていますので、入手してください。
この2つを実行するだけで
「かがみの質」は大幅に良質なものになります。
すなわち、飛躍の際に「より遠くへ」「より高く」
飛ぶことが可能になります。
3.固定費を見直し、軽やかに跳ぶ体制へ
より遠く、より高く飛ぶためには、
体を軽くするも大切です。
企業にとってその「重さ」とは、
主に固定費の硬直性にあります。
人件費などは、むやみに削るのではなく
「適切な人員配置」
仕事の棚卸や断捨離をすることにより
安易な補充や増員を防ぐ
パートや派遣などを上手に利用し「変動費型」にする
離職者を出さないような施策を考える など
柔軟な体制を構築しましょう。
設備なども、効率的な配置を考える
メンテナンスの回数を増やす
内製化と外注化とのコスト比較をするなど
じっと動かず耐えるばかりではなく
「柔軟に構える」ことが大切です。
4.「かがみの深さ」をKPIとして可視化する
「かがんでいる」つまり、飛躍に向け備えている
準備をしている期間は、見えにくく評価されにくいものです。
しかし、財務においても「準備の深さ」を
数値化して管理することで、
組織全体が「今は跳ぶための期間なんだ」
と納得できるようになります。
たとえば:
目標現預金残高の目標設定
目標利益額の目標設定
内部留保額の目標設定
労働分配率の目標設定
リスキリングや人材育成への投資額設定 など
他にも、目標にしたい数字はたくさんあると思います。
「いくら現預金を持てばいいのか」
「いくら利益を出す必要があるのか」
「新規事業や設備投資に必要な額はいくらなのか」
など、アクシデントや失敗した時に
会社が傾かないために必要なお金の額を
KPIとして立ててみましょう。
精神論やドンブリ経営のような状態ですと
この「かがみKPI」は、すぐに忘れさられます。
可能なものは、会社全体で共有したり
役員の方々で共有したり、そのような体制がなければ
私たちのような外部の人間と共有し
月に1度は、予実管理を行うことが大切です。
そのうえで、「ジャンプ後」の到達地点
(売上高・利益額・借入金額・人員数など)
KGIを明確に示すことにより
社内外から信頼を得ることが可能になります。
お勧めというか注意点というか、
このKPIやKGIを設定する時は
よくある「〇〇率」や「〇〇比率」のような
主に「%」で示されるようなものは避けましょう。
このような数値は、どこか「かっこいい」「使えそう」
みたいな感覚がありますが
中小企業の経営の面からみると
私はあまり意味をなさないと考えています。
今回は、その理由の説明は書きませんが
中小企業はその「額」を目標に立てるべきです。
「%」は大企業の指標だと考えてください。
まとめ:助走なくして躍進なし
キャッシュを厚くし、
資金ショックに強い財務体質を構築する。
負債と資本コストを最適化し、
自己資本という「バネ」を強化する。
固定費を見直して、身軽な状態でジャンプに備える。
「かがみKPI」を設定し、準備期間を可視化・評価する。
これら4つのポイントを実践することで、
力強いジャンプのための「助走」を
着実に進めることができます。
高く飛ぶとき、人は一瞬「地を離れ」ます。
企業もジャンプの瞬間、
すなわち新たな挑戦にはリスクが伴います。
だからこそ、しっかりと「しゃがむ」、
つまりエネルギーを蓄える財務設計が、
次の成長フェーズを確実にし、
持続的な発展へと導くのです。
さあ、あなたの会社はどれだけ深く、
賢く「しゃがめて」いますか?
今日から「助走の質」を磨き、
誰よりも、どの会社よりも高く、遠くに跳びましょう。
力の限りのジャンプ!
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言葉の力で組織を鼓舞する──再挑戦・視点変換・挑戦文化の育み方
2025.05.23
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
ビジネスでは、誰もが何度も壁にぶつかります。
「もうダメかもしれない」と思う瞬間を乗り越える時に、
ポジティブな「言葉の力」が役に立ちます。
今回は、世界的な偉人たちの言葉から、
仕事に活かせる3つの名言と
その具体的な使い方を紹介します。
────────────────────────
1.トーマス・エジソン
「私たちの最大の弱点はあきらめることにある。
成功するための最も確実な方法は、
常にもう一度だけ試してみることだ」
発明王として知られるエジソンのこの言葉は、
諦めずに挑戦することの大切さを教えてくれます。
「プレゼンテーションがうまくいかなかった」
「重要な契約を逃してしまった」
そんな時こそ、この言葉を思い出してみてください。
「もう一度だけやってみよう」という小さな一歩が、
大きな成果につながる可能性を秘めています。
チーム全体を鼓舞したい時にも有効です。
社長や上司が部下に対して
「諦めるな」と叱咤激励するよりも、
「もう一度、挑戦してみよう」
と優しく声を掛けることで、
前向きな行動を促せるでしょう。
この「諦めるな」と「もう一度だけ」
という言葉遣いは、何も「きれいごと」を
言っているのではありません。
脳科学的にも心理学的にも言われていることなのです。
「諦めるな」は「諦め」+「てはいけない」と
分解できます。そうすると人間の脳は
「諦め」という言葉に反応し
「諦め」をイメージしてしまうそうです。
つまり「もうダメだ」と考えがちになるのです。
また、冷静に考えるとわかることなのですが
うまくいかなかった際に
次に起こしてもらいたい行動は
「再チャレンジ」ではないですか?
もし、言葉を投げかける相手が
自分の子供だったら、家族だったら
間違いなく「再チャレンジしてほしい」
となるはずです。
となると、かける言葉は「やってほしいこと」
すなわち「もう一度、挑戦してみよう」と
なるはずです。
「もうダメだ」ではなく「もう一度」
このわずかな言い換えが、
組織の再挑戦意欲を大きく左右します。
────────────────────────
2.フェデリコ・フェリーニ
「もう終わりだと思うのも、
さあ始まりだと思うのも、どちらも自分だ」
イタリアを代表する映画監督
フェリーニの言葉です。
プロジェクトの頓挫、部署の閉鎖など、
一見「終わり」と思える状況でも、
新たなスタート地点になり得ます。
重要なのは「それをどう捉えるか」
というあなたの視点です。
変化の激しい現代社会において、
この「終わりを始まりに変える」柔軟な思考は、
企業の成長を大きく左右するでしょう。
過去の失敗を糧に、
新たな挑戦へと踏み出す勇気を与えてくれる言葉です。
この言葉の使い方は
「自分に話しかける」です。
ネガティブになりそうな自分を
ポジティブなポジションに持っていく。
そのような場面の際に使ってみましょう。
これを「セルフペップトーク」と言います。
一言で言えば、「自分を励ます」行動です。
私たちは、全く意識していませんが
人は毎日、自分と3千~4千回も会話や問いかけを
しているのそうです。
さすがに、「息をしよう」「心臓を動かそう」は
問いかけることはないですが
「腹が減った」⇒「飯を食おう」
「何を食べるか」⇒「ラーメンにしよう」
「どこの店に行く」⇒「あそこの店にしよう」
この後も、「どうやって行く」「時間は何時に」
「味は何にする」などなど
全て自分で自分に問いかけ、出した答えにのっとり
行動をしています。
だからこそ、自分に投げかける言葉こそ
良質で前向きな言葉を使うべきなのです。
そのようにして、常に前向きで、
バイタリティーあふれる生活を送っていると
幸運やチャンスが、向こうから寄ってくるものなのです。
「終わり」という事実を「新たな挑戦への始まり」
と位置付けることがビジネスの場でも大切になります。
────────────────────────
3.カール・ルイス
「失敗したことのない人間は成功することもない。
たゆまざる挑戦が成功につながるからだ」
陸上競技界のレジェンド
カール・ルイスの言葉は、
失敗を恐れないことの大切さを伝えています。
特に若手社員の育成や新人研修の際に、
この言葉を共有することで、
失敗を前向きに捉える組織文化を築くことができます。
「チャレンジした結果の失敗は評価される」
という雰囲気を作ることで、
社員一人ひとりの成長を促し、
ひいてはチーム全体の能力向上につながります。
失敗を許容する心理的安全性が確保された職場は、
高いパフォーマンスを生み出す土壌となるのです。
私は、今でも鮮明に覚えている。
サッカー女子ワールドカップ決勝の対アメリカ戦
PK戦で、優勝を決めるゴールを決めたのが
今や日本代表のキャプテンであり精神的支柱である
札幌出身の熊谷選手。道民として誇らしい!
あの当時は、まだチーム最年少くらいのはずでしたが
見事に優勝のPKを決めてみせました。
実は私は、「PK」には、とても苦い思い出があります。
同列に並べるわけではありませんが
その当時のコーチに投げかけられた言葉を紹介します。
日本代表監督の言葉同様、「言葉の持つ力」を感じてください。
私も10歳の時から23歳までサッカーをやってきて
「これを決めなければ、負け」という場面のPKキッカー
という経験がある。見事に相手キーパーにセーブされ敗退。
優勝を逃して、上のステージに行けなかった。
今でも、はっきり覚えていますし、
「なぜあの時、自分の一番得意なキックで
得意なコースに蹴らなかったのか?」と
後悔というよりも、「トラウマ」のように
心に刺さっています。
中学生だった私は「もうサッカーなんてやらない」と
声を出して泣きました。
そんな私にコーチが
「そうだよな。悔しいよな。
ならば、その悔しさを晴らすには
どうしたらいいだろう?」
「そうだ、サッカーを続けるんだ。
高校で、その悔しさは晴らすんだ」
そう言われたことを今でも覚えています。
一方、ワールドカップのあのPK戦
日本の佐々木監督は全員で円陣を組み
こう言ったそうです。
「思いっきり楽しんで来い」
選手は、監督の言葉通り自分の持てる力を全て発揮し
とんでもないプレッシャーさえ乗り越え勝利しました。
一方、アメリカの監督はなんと言ったでしょう?
確証はありませんが、広く伝えられている話によると
当時、何年も負けなしで断トツの「世界トップ」
であったアメリカチームだからこそでしょうか
「私たちは、勝てねばならない」と言ったそうです。
「楽しんで来い」vs 「勝たねばならない」
どちらの方が、普段の力が出せるでしょうか?
どちらの方が、目標に向かい挑戦できるでしょうか?
答えは、わかりますよね。
言葉自体は、軽い感じですし
あの場にふさわしい言葉とは感じられない
かもしれませんが
圧倒的に「言葉の持つ力」が違いますよね。
緊張して体が硬くならないはずはありません。
ビジネスの場でもそんな場面
いくらでもあるはずです。
そんな場面に遭遇している相手に
「緊張するな」は逆効果なのです。
悔しくて泣きじゃくっている私に
「なんだ、このくらいのことでやめるなんて」は
前に進む気にはなれない私には
なんの励ましや後押しにはならないのです。
①「悔しい」という事実を受容し
②「悔しい気持ちを晴らす」つまりプラス方向に
もっていくための言葉に変換し
③「自分の力で悔しさを晴らしてほしい」
優しく促し、顔を上げらせ
④「サッカーを続けるんだ。
お前なら、その悔しさを晴らせる!」
と背中を押す
子供を持つ親や
社員や部下をもつ立場の人
そして、どちらにも該当する私も含めて
今一度、自分の言動を振り返ってみてほしいと思います。
新人研修の場や子育ての場で
「失敗はチャレンジの証」と明言し
挑戦しないことこそリスクだと理解させる
経営層や親が、自らの失敗談とともにこの名言を語り、
心理的安全性の風土を醸成する。
失敗を咎める文化では、
イノベーションや前進する力は生まれません。
ルイスの言葉は、挑戦を賞賛する組織文化の礎となります。
まとめ:名言を「行動トリガー」に変える
名言は「読むだけ」で終わらせてはもったいないと思います。
●モチベーションが下がったとき
●部下が落ち込んでいるとき
●判断に迷いが生じ、前に進めないとき
そんな瞬間に引き出しから取り出し、
「具体的な次の一歩」と結びつけてこそ威力を発揮します。
エジソンで「再挑戦」を促し
フェリーニで「視点転換」を行い
ルイスで「挑戦肯定」の文化を育む
これら3つの名言を、
あなた自身とチームの行動指針として使いこなし、
壁を乗り越え続けるビジネス人生を歩んでいきましょう。
「できる できる 君ならできる!」
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売上・利益・資金を強化!――『分ければ見える』中小企業の経営改善術
2025.05.20
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にしたい」
そのために、一生懸命書き続けます。
「難問は分割せよ」――ルネ・デカルト
はじめに:難題は“分ければ”必ず動く
フランスの哲学者 デカルトの言葉に
「難問は分割せよ」という言葉があります。
これは、問題解決の方法として、今も昔も
不変の真実と言えます。
では、「企業経営にどういかすのか?」
「売上を上げたい」
「思ったほど利益が残らない」
「会社のお金(数字)が見えづらい」
中小企業の経営者の多くが抱く
この3つの悩みも、
課題を細かく切り分ければ、
手を付けやすいタスクへ変換できます。
この記事では、「細分化 → 1つずつ解決」
というプロセスを採用することにより
あなたのビジネスで即実践できる情報をお届けします。
1. 売上を上げたい
このブログで以前にも書きましたが
売上は、客数・客単価・購買頻度の掛け算で構成されます。
よって、この3要素の「どこを、どれだけ、誰が伸ばすか」
ここを設定できれば、おのずと戦術は決まります。
「そんなの当たり前」と思われた方!
つい営業会議などで「売上目標 対前〇%増」という
目標設定をしていませんか?
幸か不幸か、私の経験上は、「対前」という目標設定しか
されたことはありませんし、コンサルの現場でも
社長に「売上目標は?」とお聞きしても
このような目標設定のされ方がほとんどです。
この目標設定の最大の問題点であり弱点は
営業数字を「個人の力」のみに
頼らざるを得ないところです。
つまりは、「スーパー営業マン」や「エース」
と呼ばれるような営業マンに会社の売上や
会社の明暗を託しているだけなのです。
その上、この「スーパー営業マン」の多くは
「社長自身」であることが多く
これでは、社長が会社を成長させるために
本当にやらなければならないことが
時間的にも体力的にも精神的にもできなくなります。
そこで、会議や1on1などの場では以下のような
「細分化思考」で売上を上げる戦術を考えましょう。
例
【年間売上対前10%アップ】を目標とします。
① 客数
「お客様の数を年間で3%増やす」
例えば、このような目標を立てたとしましょう。
顧客数が100人だったとすれば、「年間3人」
12か月で割れば「4か月に1人」
新規顧客を増やす役割は「営業部」
増やし方(戦術)は「通常の営業活動」と「SNS広告」
「キャンペーン」など
② 客単価
「客単価を3%上げる」
既存のお客様に「アップセル・クロスセル」していく
役割は「営業部」
「高付加価値商品」や「限定商品」の開発
役割は「開発部」や「生産部」
商品ラインナップを見直し「低価格商品の販売停止」
役割は「経営者」
③ 購買頻度
「定期購入者数を3%増やす」
「サブスクリプション」「定期配送」商品の開発
役割は「会社全員」
「会員制度」や「ポイント制度」による「顧客の囲い込み」
役割は「会社全員」
商品購入後のメンテナンスやフォロー体制の構築
役割は「サービス部」や「テレアポ部」
もし、このような「戦略」を立て
全社一丸となって「戦術」を考え実行したのなら
103%(顧客数)✖103%(客単価)✖103%(購入頻度)
=109%≒【年間売上対前10%アップ】
いかがでしょうか?
今時【年間売上対前10%アップ】なんて
通常は難しい目標であり、チャレンジする前から
諦め気味となりそうですが
このように細分化することにより
「これならやれそう」と前向きになりませんか?
2. 利益を増やしたい
「売上が伸びても利益が薄い」
その主因は変動費と固定費の膨張です。
まずは 「粗利率」を商品ごとに把握することが大切です。
その結果として
「売れ筋だが粗利率が低い」
「あまり売れてはいないが利益率が高い」
「気づかぬうちに赤字商品」 など
今まで見えていなかった「利益の構造」が見えてきます。
利益の構造を把握することにより
削るべき経費や販売に注力すべき商品などがわかり
それをもとに、次の行動を決めていきます。
① 変動費:原価率と外注コストを最適化
仕入れ交渉・代替材料の検討
歩留まり可視化:在庫ロスや返品コストを把握
外注単価の定期見直し:相見積もり・共同購買
② 固定費:人件費と費用の見直し
業務フローの見直し:DXやAIの利用による「人時生産性UP」
様々な団体などの会費削減
③ 粗利思考:儲かる商品を育てる
商品別P/L作成:利益率の高い商品を優先プロモーション
低採算案件の価格改定 や 撤退判断
損益分岐点の把握:達成率で目標を可視化
現場の人たちに、各々の仕事を棚卸してもらい
部署ごとの改善はもちろん、会社全体で横断的に
仕事を見直すことにより、無駄を省き
「スムーズな流れ」を作り上げることが可能になります。
そのうえで、最終判断を下すのは「経営者」になります。
「価格改定」や「撤退の判断」
「損益分岐点」や「損益分岐点売上高」などの判断や把握など
まさに「戦略」を立てなければいけない部分となります。
3. 会社のお金を見える化したい
さて、ここで質問です。
①「今日の会社の現預金残高はいくらですか?」
②「内部留保の金額はいくらですか?」
この質問を先日、とある経営者にお聞きしたところ
どちらも把握していませんでした。
①は倒産(破産) ②は「債務超過」
つまりは、どちらも会社の生死を分ける数字です。
しかし、逆に言えば「半年後」の数字を予測できていれば
資金ショートや債務超過などの不安は激減します。
もし、銀行員との話の中で「半年後の数字」を
サラっと言えたのなら、評価も上がりますし
融資のタイミングを逃すこともなくなります。
銀行員の方々は、頭が切れますから
こちらより先に最適なタイミングで融資の提案を
してくれると思います。
では、半年後の数字はどのように把握するのでしょうか?
ここでも「細分化」がキーポイントとなります。
「半年後の売上なんて、わかるわけない」
よく聞きます。その通りだと思います。
では、半年後の数字で、わかっている数字はありませんか?
① 銀行への返済の金額も変わらないはずです
② 多少の前後はあるにせよ、どこの会社でも「固定費」は
ほぼ現在とかわらないのではないでしょうか?
③ 粗利率も大きく変わらないと思います
実は、この3つの数字を把握するだけで
経営に必要な数字の大部分は把握できます。
今回は、数字の出し方は書きませんが
① 最低限、稼がねばならない利益額
② ①と「固定費」を足した金額が最低限必要な「粗利額」
③ ①と②から導き出した金額を粗利額で
割り返してやれば、最低限必要な売上高
このように、会社の費用を細分化していれば
あとは逆算することにより、「必達すべき売上高」を
計算できるのです。
現預金の把握も同じように細分化して
ルールを決めましょう。
まず、大前提として最低限「資金繰り表」は
作成しましょう。
これは経営者の役割です。
残念ながら今はまだ作れないのならば
外部の人間を活用しましょう。
私たちコンサルタントは
資金繰り表の作成にとどまらず
それを基にした経営戦略の策定や
銀行交渉まで、社長と共に考えることができますので
相談してみましょう。
「資金繰り表を作るぞ!」と覚悟を決めた上で
会社のお金の見える化のために
下記のようなルールを作りましょう。
請求書等の伝票を毎日整理する
翌日には、ソフトなどに入力する
月明け3営業日以内に、会計事務所に書類提出
毎月15日には、試算表を受け取る
予実の差異の分析をする
資金繰り表の更新日を決める
経理の人間がいない会社などは
正直なかなか厳しいとは思いますが
会社の生命線となりますので
経理の外注化やコンサルタントの利用などしながら
まずは、スタートしてみましょう。
ルールを作り、あとは「習慣化」すれば
自力で、できるようになります。頑張りましょう!
まとめ:今日「ひとつ」動けば、来月には違う景色が見える
売上は「客数・単価・頻度」のどこを伸ばすか決める
利益は「変動費・固定費」など、費用の細分化
資金は「伝票整理など」のルールの策定
自分で書いておいてなんですが
このブログに書いてあることを
いきなり全て着手するのは、やめましょう。
気づいたらできるようになっている秘訣は
「小さく試して、早く学ぶ」こと。
まずは 「なにか1つ」できそうなことから
スタートしましょう。
数字が「動き始めた」「見え始めた」手応えが、
次の一手を加速させてくれます。
もし、「もっと深く知りたい」「社員と共通意識を持ちたい」
という方がいましたら、トップページ右上の
お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
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社員向けの「会社のお金と自分の給与の繋がり」がわかる
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ただいま、お母さんのクロックス「細分化中」
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「過去と未来」をつなぐお金のプロ 税理士と財務(経営)コンサルタントの役割と使い分け
2025.05.16
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にしたい」
そのために、一生懸命書き続けます。
企業経営に欠かせない「お金」の専門家。
その代表格が「税理士」と「財務コンサルタント」ですが、
この2つの職種にはどんな違いがあるのでしょうか?
『経理』と『財務』の違いとも共通点が多いため、
併せて参考にしてください。
1. 税理士の主な仕事・役割
● 税務のスペシャリスト
税理士は、何といっても安心の
「国家資格」保有者であり
「税金」に関する専門家です。
具体的には、
・記帳代行
・決算書や確定申告書の作成
・税務署への各種申告・届出
・節税対策のアドバイス
・税務調査の立ち会い・対応
・銀行融資の際の資料作りやアドバイス など
もちろん、財務に強い税理士もいますが、
全体としてはまだ多くありません。
また、元々、「財務の専門家」ではないのも事実です。
● 「過去」の数字を扱うプロ
税理士の仕事は、過去1年間の会計データを整理し、
正しく税務申告すること。
つまり、過去の数字に基づいて
「現在の納税額」を算出し、法令遵守をサポートするのが役割です。
確かに「節税」は未来に対するアクションの1つですが
現在の「節税」に対するアドバイスどまりが多い
ように感じます。
銀行融資の際は、
とても心強いパートナーとなってくれますが
正しい借り方などのアドバイスまでは
なかなか難しいと思われます。
2. 財務(経営)コンサルタントの主な仕事・役割
● 未来志向の財務アドバイザー
財務(経営)コンサルタントは、
会社の資金繰りや利益計画、経営戦略など
「これから」の数字をどう動かすかを考える専門家です。
しかし、日本において「経営コンサルタント」といえる国家資格は
一般的には「中小企業診断士」しかなく、他は全て民間資格です。
主な業務は
・事業計画・資金繰り表の作成支援
・銀行交渉や融資サポート
・売上・利益の目標設定と実現策
・キャッシュフロー改善のための提案
・経営者への財務コーチング
・事業の立て直しや再生
・ミッション/ビジョン/バリュー/の策定援助
・社長の相談役
・社長と社員間のギャップを埋める支援 など
それぞれが持つバックボーンにより
その業務範囲は多岐にわたります。
● 「未来」を描くパートナー
財務(経営)コンサルタントは、
会社の未来を社長や社員と一緒に考え、設計し、
「どうすればお金が残るか」
「どこに手を打てば利益が出るのか」
「社長や社員の夢を叶えるために必要なことは何か」など、
経営者に寄り添いアドバイスを行います。
ちなみに、「経理」と「財務」の違いも
「会計」と「資金繰り」
「過去」と「未来」
「現金等の入出金管理」と「キャッシュフロー管理」 など
税理士とコンサルタントの違いと
似ているところがあります。
3. どちらが必要?両者の活用ポイント
税理士は、ほとんどの中小企業で必須ですが、
財務コンサルタントは必須とは言えません。
しかし、「経営や会社全体の強化や改善」
には力を発揮します。
また、メインで使う「会計」の種類が異なります。
税理士は「財務会計」や「税務会計」といわれるもので
コンサルタントは「管理会計」といわれるものです。
一番の違いは
「財務会計」は外部の人のために作成するもの
「管理会計」は内部の人のために作成するもの
外部とは、投資家・取引先・銀行・税務署
内部とは、社長・社員
イメージでいうのなら
「管理会計」⇒経営判断・計画策定・行動指針
「財務会計」⇒「管理会計」から導かれたことを
実行した結果の集計表
しかし、管理会計は税理士の先生が財務会計にのっとり作った
「決算書」や「試算表」や「総勘定元帳」などから
数字を組み替えて作ります。
よって、結果的に税理士とコンサルタントは
会社経営にとって「両輪」と言えます。
財務(経営)コンサルは
「必要だとわかってはいるが、急ぎではない」領域と
よく言われます。
しかし、残念ながらここが「手遅れ」の第一歩と
なることが多いのも事実です。
例をあげると
「銀行融資」をメインとした銀行交渉の時
気づいたら「現金がない」なんて時
「人を増やす」「設備投資」の正しい判断
「利益が出ない」時の施策作成時
誤った「経費削減」 など
「経営判断」の遅れや過ちを防ぎ、「数字の裏付け」を伴った
判断や行動をするための相談役と言えます。
もう一つ、是非覚えておいていただきたいのが
財務コンサルタントは「B/S」(貸借対照表)を改善するのが
メインの仕事になります。
つまりは、「潰れにくい会社」や
「社長をお金の心配から解放する」のが主な仕事となります。
P/L(損益計算書)の数字は、会社のみんなで
作る仕事となります。
もちろん、可能な限りのお手伝いはしますが
コンサルタントが御社の商材を売ったり仕入れたり
するわけではありません。
この話をすると
「売れれば利益が上がるから、コンサルは必要ないね」と
お考えになる方がいますが
それは「昭和以前の経営」です。
黙っていても人口が増えていた時代の経営です。
現在の状況は「人口減」「利益幅減」
「商品サイクルの激流化」など
頑張って売ればなんとかなった時代とは
ビジネスの形が異なっています。
それにともない経営者がライバルや市場と
戦うための新たな武器として
「財務」が必須となっているのです。
税理士は、正確な申告や節税対策をお願いしたい時に。
財務コンサルタントは、「もっと会社を良くしたい」
「資金繰りを強くしたい」「未来を描きたい」時に。
両者の役割を理解し、
目的に応じて上手に使い分けることが、経営の成功のカギです。
みなさ~ん 「よい週末を」
-
「B/Sで見る“会社の体力”―3つの指標と資金繰り改善のポイント」
2025.05.09
いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にしたい」
そのために、一生懸命書き続けます。
昨日、地元の水産物販売などを
メインとした会社が倒産したという
ニュースが流れた。
従業員が新会社を設立し、販売部門を引き継ぐ
ようですが取引先等がスムーズに
取引してくれるのかは、疑問視されます。
どうか、頑張ってください。
二度と同じことが起きないよう
しっかりと「会社のお金」の勉強をし
強い会社を作ってください。
先日、B/S全体を図形によって把握する方法を
書きましたが、本日は、
B/Sの勘定科目を使った「自社の体力測定」の方法
を書いてみようと思います。
(前回の記事)
https://sato-insurance.jp/blog/377/
本題に入る前に、大切なことなので
繰り返し言います!
「会社は、P/L(売上)ではなく、B/S(資金・現預金)で倒産します」
新聞等のメディアには「コロナにより売上急減」や
「融資残高」つまり「借金の額」などの
数字がピックアップされますが
誤解を恐れずに言うのなら
「売上が減る」や「借金が多い」は
倒産の直接的な原因ではありません。
「そんな、馬鹿言ってんじゃない」という方
日産を見てください。2024年度の決算予測が
7500億の巨額な赤字ですよ。
(うち、5000億程度は減損損失)
しかし、全く「倒産」だなんて聞きません。
どころか、発表後一時株価が上がりました。
何故か?
2024年3月末の時点で現預金が
「1兆8000億円」あるからです。
もし、現預金が8000億円しかなかったら
そりゃもう、大騒ぎとなるはずです。
「うちは売上があるから大丈夫」
「うちは売り上げが上がっているから大丈夫」
そう思っていませんか?
本当にそうでしょうか?
決算書上は利益が出ていても、
ある日突然資金ショートに陥ってしまい、
黒字倒産してしまう企業は少なくありません。
実際、倒産した会社の約5割が
「P/L上は黒字」だと言われています。
企業の「本当の体力」は売上や利益ではなく、
「現金(キャッシュ)」なのです。
もし明日、仕入先への支払いができなくなったら?
従業員の給与が払えなくなったら?
いずれも事業の継続は極めて難しくなってしまいます。
経営者はまず、「会社の体力=資金力」を測るために
次の3つの指標を押さえください。
そのうえで資金繰りを改善するための
具体的なアクションをわかりやすくご紹介します。
今のうちに会社のお金の「見える化」を進めておけば、
いざという時にも柔軟に対応できるでしょうし
その「いざ」がいつ訪れるのかを把握できます。
1.会社の資金体力を把握する3つの指標
① 運転資金の残り月数(資金繰りの耐久度)
「運転資金の残り月数」とは、
現預金が毎月の固定費もしくは、月商に対して
どれほどの期間を支えられるかの目安です。
計算式は至ってシンプルで、
「現預金 ÷ 毎月の固定費」
最低でも3か月分が望ましく、
できれば6か月分を確保しておくと安心です。
コロナのような自力では防ぎようのない現象や
仕入先や取引先の突然の倒産による売掛金回収不能
大口取引先との取引消滅などの際にも
数か月の余力があれば立て直しや
銀行からの資金調達などの猶予が生まれます。
もし、どうしても現金は持ちたくないという方は
「当座貸越」の設定にチャレンジしましょう。
詳しくは書きませんが、銀行への十分な信用力があれば
可能です。
② 売掛金サイトと買掛金サイトのズレの確認
売掛金が回収できるのが3か月後なのに、
買掛金の支払いは2か月後……。
このように、入金サイトと出金サイトにズレがあれば、
その分1か月分の資金が不足してしまいます。
図や表を使い、今後のキャッシュフローを予測してみると、
このギャップが一目瞭然。
入金と出金のタイミングを調整できれば、
資金ショートのリスクを減らせるのです。
一番いい状態は「売掛金が先 買掛金が後」
Amazonは、その代表格と言えます。
売掛金回転率が12.5回/年
買掛金回転率が4.38回/年
(2023年度の財務データから算出)
年間4.38回支払い 12.5回入金がある
羨ましい限りです。
③ 毎月の資金繰り表の作成
会社のキャッシュを安定的に回すには、
「今後どれくらいの入出金があり、
いつごろ現金が不足するのか」を
見える化する必要があります。
そこでおすすめしたいのが、
1か月単位の資金繰り表の作成です。
まずは、ザックリでも構いませんので、
翌月以降の現金残高をシミュレーションしてみましょう。
早めに危機を察知できれば、
金融機関への借入打診や、支出の削減など、
手を打つ時間が十分に取れます。
とはいえ、資金繰り表を作っている中小企業は
非常に少ないのが現実です。
理由としては
「そもそも、作り方がわからない」
「伝票類が整理されていない」
「時間がない」 などなど
上記の問題を1発で解消するとすれば
売掛の伝票を毎日整理する「仕組み」を作ったうえで
経理の専門職の人間を雇うこと
これが一番早い解決策です。
そのうえで、可能であれば会計事務所と連携した
会計ソフトを導入すれば、ほぼ完璧です。
「・・・・・・年間何百万の支出増」
厳しいですよね。
現実的な解決策としては
「1日10分だけ、時間を空ける」(伝票整理)
これだけです。
可能であれば「出納簿」をつけましょう。
そして、月が明けたら整理した伝票と出納簿を
会計事務所に即提出
「勘定元帳」を作ってもらったうえで
会計事務所や私たちのようなコンサルタントに
資金繰り表を作ってもらいましょう。
どのような資金繰り表になるかは
それぞれなのでわかりませんが
例えば私なら、資金繰り表をもとに
事業計画や資金計画、銀行借り入れの際の資料などに
なるような資金繰り表を作ります。
デメリットとしては
会計事務所もしくはコンサルタントへ
新たな報酬の支払いが発生することです。
しかし、経営者と一緒になり経営計画を立てたり
銀行交渉の手助けができたり
社長と社員の数字に対する「意識のズレ」を
修正してくれたりしてくれれば、
支払った報酬以上の成果が生まれるでしょうし、
なにより、経理担当者を雇用するより、遥かに低額で
「社長の右腕」を得ることができるメリットが生まれます。
3.資金体力を改善する3つのアクション
① 無駄な支出の削減
まず手を付けやすいのは、固定費の削減です。
オフィスの家賃や通信費、サブスクリプション契約など
不要な出費はないか、定期的に洗い出しましょう。
なお、固定費の代名詞である「人件費」
ここに手を付けるのは最後にしましょう。
現在の売り上げの減少はもちろん
将来の会社の成長の芽を摘み取ってしまう
可能性があります。
確かに経費削減としては、効果が高いですが
「もろ刃の剣」であることをお忘れなく。
「人件費」は「コスト」ではなく「投資」である。
基本はこのスタンスで経営にあたりましょう。
② 入金サイトの短縮/出金サイトの交渉
取引先との契約内容を見直し、
入金サイトを短縮できるよう交渉することも一案です。
また、支払いサイクルを後ろ倒しにできるよう、
仕入先と相談するのも有効。
お互いの信頼関係を大切にしつつ、
少しでも資金ギャップを埋める努力が必要です。
とはいえ、こんな教科書的なこと言っても
当たり前すぎますし、上記は全て「相手」がある話です。
つまりは、自分の努力だけでは解決できないことです。
そこで、「一人支払いサイクル改善作戦」
自社の商品や在庫1点1点を見直しましょう。
「受注販売できるものはないか?」
もしくは、「その体制に移行できそうなものはないか?」
「数年に1度くらいしか、売れない商品はないか?」
販売機会をロスする可能性はありますが
こまめな仕入れや在庫整理は
確実に利益やキャッシュ増に貢献します。
しかも、自社の努力だけでできることですから
「やらない」という選択肢はないはずです。
③ 資金繰り表や借入残高一覧表の作成
資金繰り表の作成、銀行への提出は
みなさんが思っている以上に銀行へのアピールになります。
インパクトや破壊力があると言ってもいいでしょう。
また、借入残高一覧の作成により
信用保証枠の事前確認や適切な借入方法への転換が
一目でわかるようになります。
プロパー融資や当座貸越の設定など
金融機関との交渉時にも役に立ちます。
銀行担当者に見せることにより
思わぬ好条件の融資の紹介などの
きっかけとなりますので、お勧めです。
このようにして、金融機関と日頃から関係を
築いておくことがポイントです。
「借入残高一覧表」フォーマット
各種書式ダウンロード | 南日本銀行
(金融機関取引状況表)
他にも、たくさん無料のものがあります。
「資金繰り表ってどう作ればいいの?」
「自社の資金耐久月数を知りたい!」
そんな方は、お気軽に無料相談をお使いください。
今すぐ「資金の見える化」を始めましょう。
本当の意味での「強い会社」を目指して一歩を踏み出しましょう。
この本「お勧め」ですよ
2025.06.17

いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
ビジネスの現場では、日々、限られた時間と資源の中で
結果を出すことが求められます。
チームメンバーの育成、部下への指示、
あるいは仲間との共同プロジェクト。
そこには必ず「フィードバック」がつきものです。
しかし、「せっかくアドバイスしたのに、
なんだかやる気をなくさせてしまった」
「指摘しても改善されないどころか、
職場の雰囲気が悪くなった」
そんな苦い経験、あなたにもありませんか?
私たちはつい「相手のため」と思って、
足りない部分や改善点を指摘しがちです。
でも、その伝え方一つで、
相手のモチベーションは萎み、
成長曲線は停滞してしまいます。
実は、この「ダメ出し」のコミュニケーションこそが、
組織の成長を阻む大きな壁になっているのです。
では、どうすればフィードバックを
「叱責」ではなく、「付加価値」に変え、
チーム全体の成果を最大化できるのでしょうか?
本日は、日本キャッシュフローコーチ協会と
日本ペップトーク普及協会で学んだことを合成したもので
普段のコンサルティングの現場で私が
「意識している言動」をお伝えします。
何度も何度も練習は必要ですが
間違いなく誰もができるようになりますので
是非、自分のものにして、会社内のコミュニケーションや
家庭内での、子育てや夫婦間のやりとりなどに
使ってみて下さい。
周りの反応はおろか、自分の心の中まで変化が起きますよ。
フィードバックが成果を分ける「スイートスポット」
想像してみてください。会社内で長々と部下や同僚に対し
アドバイスができる時間がありますか?
多くの方は、そんな時間は、お互いに取れないと思います。
では、「限られた時間」で「最高の成果」を出すためには
どのようなフィードバックが必要でしょうか?
その答えの一つとして
アドバイスする側が、どれだけ質の高いフィードバックが
できたのかがカギを握ります。
「質の高いフィードバック」とは
実はあらかじめ「設計しておく」ものなのです。
つまり「型」があるということです。
そして、設計された質の高いフィードバックの有無は
・組織やチームのパフォーマンス
・従業員のエンゲージメント
・生産性向上
に大きく貢献するという研究は多数存在します。
従業員のエンゲージメントと生産性の向上
定期的に質の高いフィードバックを受けている従業員は、
そうでない従業員に比べてエンゲージメントが高く、
生産性も向上するというデータがあります。
ある調査では、フィードバックを受けている従業員の85%が
より主体的に行動するとされています。
出典元:The Impact Of Real-Time Feedback On Employee Productivity - SurveyConnect
離職率の低下
定期的なフィードバック、
特に強みに焦点を当てたフィードバックを行っている企業では、
従業員の離職率が有意に低いという報告もあります。
出典元:Surprising Employee Turnover and Retention Statistics - WebMD Health Services
目標達成率の向上
具体的なフィードバックは、個人の目標達成を促進し、
結果的にチームや組織全体の成果に寄与します。
出典元:(PDF) Feedback, goal-setting and task performance revisited. - ResearchGate
出典元:Goals and Progress Feedback: Effects on Self-Efficacy and Writing Achievement By - CORE
学習効果と行動定着
フィードバックが具体的かつタイムリーであるほど、
学習効果が高まり、望ましい行動の定着につながることが示されています。
出典元:Why Giving Instant Feedback is Important for Effective Learning - eduMe
部下が提出した報告書に修正が必要な時
営業ロールプレイングで改善点が露呈した時
子どもの家庭学習時に間違いを見つけた時
日常のあらゆるシーンで訪れる「フィードバック分岐点」で、
「何をどう伝えるか」によって、
相手のモチベーションも、アウトプットの質も大きく変わるのです。
ダメ出しで終われば、相手は萎縮し、成長は停滞します。
しかし、意図的に設計されたフィードバックなら、
学習曲線は急上昇し、チーム全体の生産性が飛躍的に向上するのです。
成果を最大化するフィードバック3ステップ
STEP 1: 自己評価を促す──「自律」を引き出す問いかけ
フィードバックの第一歩は、
相手に「君自身はどう感じた?」と問いかけることです。
人は、自分が「気づいたこと」しか変えることができません。
「人は変えられない」聞いたことありますよね。
外からの指摘は、時に「押しつけ」や「批判」と受け取られ、
防衛反応を引き起こします。
しかし、まず相手自身に内省を促し、
「何を感じ、どう評価したか」を言語化してもらうことで、
「自分ごと」として課題を捉えるスイッチが入ります。
ここで重要なことは、「正解・不正解を示さない」ことです。
大切なのは、「自由に感じたことを語ってもらうこと」です。
このプロセスを通じて、相手は自らのパフォーマンスを客観視し、
改善へのモチベーションを内側から高めていくことができます。
もし、忘れてしまう心配があるのなら
ノート1冊を用意し、なんでもいいので
気づいたことや感じたことをメモすることにより
行動の定着率をさらに高めることができます。
STEP 2: 強みを具体化する──「自信」を育てる承認
次に、相手が「すでにできている部分」を
具体的に言語化して伝えることです。
ここ、結構苦手という人、多いと思います。
実は私も、そうでした。
そんな私がはじめのうちに意識したことは
本来の「褒める」部分とは違うのですが、慣れるまでは
「相手のよいところや出来ているところを褒める」
と捉えることにより、定着速度が上がりました。
たとえば、こんなことを伝えてあげてください。
「今日のプレゼンの資料の色づかいがとても見やすかったよ」
「ストーリー構成が上手で、すごく理解しやすかった」
など、あなたが観察した事実そのままを伝えます。
「何が良かったのか」がクリアになるほど、
相手のセルフイメージは高まり、
「自分はできるんだ」という自信が生まれます。
この自信こそが、次の挑戦への大きなエネルギーとなるのです。
また、強みを具体的に承認することは、
後に伝える改善点を受け入れるための
「心のクッション」にもなります。
さらに、ここで見つけた強みを
第三者にも共有すれば、それは個人だけでなく、
組織全体の「資産」となり、活用されます。
STEP 3: 改善点はアイメッセージで提案
「防衛反応」を防ぎ「共創」へ
そして、いよいよ改善点の指摘についてです。
ここでのポイントは、
「私はこう感じた」というアイ(I)メッセージで伝えることです。
例えば、「この部分は少し聞き取りづらかったよ」
と断定するのではなく、
「私(I)はこの部分が少し聞き取りづらく感じたのですが、
あなた(YOU)はどう思いますか?」と問いかけます。
このように、主語を「私」にし、
相手に意見を求める形にすることで、
命令形や断定的な口調を避け、
相手の防衛本能が働くのを防ぎます。
相手の主体性を尊重しつつ、
具体的な改善策を「一緒に考える」という土台ができます。
フィードバックは、決して一方的な「指摘」ではありません。
「問い」を活用し、改善点を「共創プロジェクト」として捉えることで、
建設的な議論へとつながり、
より良い解決策が生まれる可能性が飛躍的に高まります。
最重要:信頼残高を積み上げる「日頃の貯金」
これら3つのステップが機能するための大前提があります。
それは、日ごろからの「信頼貯金(信頼残高)」です。
普段から感謝や称賛の言葉を伝え合い、
良好な関係性が築かれていれば、
たとえ厳しい指摘であっても、
相手は「自分のことを思ってくれているからこそ言ってくれたんだ」
と好意的に受け止めることができます。
逆に、信頼残高がない、もしくは低い関係性では、
どんなに正論を述べても、
それは単なる批判として跳ね返されてしまうでしょう。
朝礼でのちょっとした一言、チャットでの感謝のスタンプ、
すれ違いざまの短い声かけ。こうした小さな行動の積み重ねが、
着実に信頼口座に積み立てられ、
あなたのアドバイスが大活躍し、
大きな効果が生まれることにつながります。
明日からできる!
あなたのチームを変えるチェックリスト
さあ、明日から早速このフィードバック設計を実践してみましょう。
まずは1on1ミーティングや
小規模なチーム内での会話で試してみてください。
まだ、信頼貯金が貯まっていないのなら
まずは、日常会話を大切にしましょう。
では、ここでも私が貯金を増やすために行ったことを
お伝えします。 誰でもできます!
それは・・・
「ありがとう」の回数を増やすことです。
今まで言ったことがない人がいきなり
「アドバイス」的なことを話しても
恐らく相手は、相当驚かれると思います。
なので、それくらいならば、まずは「ありがとう」から
スタートしましょう。
フィードバックの際には、以下の点をチェックしてみてください。
チェックリストを作成するとよいでしょう。
もし、「チェックリストがほしい」という方には
プレゼントしますので、トップページ右上の
「お問い合わせ」https://sato-insurance.jp/contact/
より「チェックリストほしい」と書いて
連絡ください。
・KGI(目標やゴール)を相手と共有したか
・自己評価を引き出す質問をしたか
・強みを具体的に言語化できたか
・改善案を「一緒に解決していく問題」として提示できたか
・次回の日時を設定する
指導やフィードバックの質は、
組織全体のパフォーマンスの上限を決定します。
「ダメ出し」していた時間を
「成長のための時間」へと転換できた瞬間、
「ダメ出し」が「伸びしろ提案」に変わった瞬間、
部下やお子さんや会社の成果曲線は加速度的に伸び
あなたの大切な人や、組織の未来は、
大きく、そして明るく開けていくはずです。
伸びる~~~
2025.06.12

いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
6/11付けの北海道新聞に
「価格転嫁 悩む道内企業」
という記事が書かれていた。
帝国データバンク札幌支店の調査によると
「もし金利が1%上昇したら」の問いに
「財務体質の改善」「価格転嫁」と答えた割合が
どちらも約25%との回答でした。
また、「経営に悪影響」と答えた割合は56.6%
との回答でした。
「財務体質の改善」中でも「経費削減による改善」は
既に多くの企業で限界を迎えているのではないかと
思われます。それでも「乾ききった雑巾」を
まだ絞るということになりますから
たとえ絞れたとしても、その効果はかなり限られたものに
なるのではないかと思います。
となると、次に来るのが
「価格転嫁」ということになりますが
「顧客離れ」や「販売量の減少」が怖くて
なかなか決断できないというのが
多くの経営者の悩みではないでしょうか。
では、どれくらいの「客離れ」や「売上低下」がおこると
自社が赤字に転落するのでしょうか?
この問いに、「根拠を持った数字」を示せる経営者が
どれくらいいるのでしょうか?
おそらく、1~2割程度ではないかと思われます。
私たち財務コンサルタントは
このような問いに対し、根拠ある数字をもって
値上げの有無や幅を経営者が判断できるように
お手伝いさせていただくわけですが
一般の経営者が、難解な管理会計の教科書を開き
勉強する前に、たった3つの数字を押さえるだけで
意思決定の8割はできるようになる方法を
ラーメン屋さんを題材にお伝えします。
(材料は全て仕入れするものとします)
決算書と電卓を片手に読み進めてみてください。
STEP1 費用を「動く」「動かない」で仕分けする
まずは会社のお金を 変動費(動く費用) と 固定費(動かない費用) に分けます。
ラーメン屋さんの主な変動費は
麺やスープのような材料です。
ラーメンを1杯売れれば使う麵は1玉
ラーメンを2杯売れば2玉
ラーメンが売れなければ0玉
このように「売れた分と連動して増減する」費用が変動費
一方
お客様が1人だけ来店しても
100人来店しても変わらない費用
給料や家賃や利息などのように
「売上に関係なく毎月ほぼ一定」な費用を固定費
決算書に書かれているさまざまな費用を
この2つに振り分けていきます。
ここまでが、第一段階です。
これを専門用語でいうと「固変分解」といいます。
名前を憶えても1円にもなりません。
この作業が終わったら
A4 用紙に次の式を書き出しましょう。
売上高 -変動費 (動く費用) = 手元に残るお金(限界利益)
この「手元に残るお金(限界利益)」が
経営判断を行う上で、とても大切な数字となります。
STEP2 「限界利益率」を算出する
限界利益を売上高で割った数字に100を掛けた数字を
限界利益率 といいます。
例)ラーメン1杯1,000 円
材料費 600 円 → 限界利益額 400 円
限界利益率 = (400 ÷1,000)✖100 = 40%
もし材料費が 10%(60 円)上がり
原価上昇分の60円をそのまま売価に転嫁し
同じ限界利益額 400 円を確保したとすると
限界利益率 = 400 ÷1,060 = 37.7%となり
「額」はキープできても「率」は低下します。
では「率」をキープするためには売価をいくらに
設定する必要があるかですが
限界利益率を(元の水準に)維持するには、
売価を約10%アップさせる必要がありますので、
算式としては
660円(変動費)÷0.6(変動費率)=1,100円
となります。
値上げのシミュレーションは、
「額を守る」か「率を守る」か で変わります。
とはいえ、一般的な中小企業なら、
まずは「額」を重視での判断が優先されるであろうと思います。
しかし、全ての商品や全ての判断基準を
「額」にしてしまうと、後々問題が発生します。
面倒がらずに、商品1品ごとに判断することをお勧めします。
この手間を惜しんで「ドンブリ経営」を続けても
何一つとして良いことは起こりません。
今回は、「額と率」の判断基準までは書きませんので
興味のある方は、ご連絡ください。
STEP3 「どこまで客数が減っても黒字なの?」をチェックする
最後は“赤字ライン”を確認します。
赤字にならない売上高 = 動かない費用 ÷ 限界利益率
(値引きなど、販売条件は変えない前提です)
例:月間固定費300万円、限界利益率40%。
現在の売上高が1000万円で、
限界利益額が400万円のラーメン屋さんであれば、
400万(限界利益額)-300万(固定費)=100万円で、
現在の経常利益は100万円ということになります。
この条件で赤字ラインを計算すると…」
赤字ライン = 300 ÷ 0.4 = 750 万円
現在の売上高 1,000 万円なら、
黒字確保まで、許される売上ダウン金額は
1000万円―750 万円=250万円となり
仮に値上げで売上が 100万円ダウンし、900 万円に落ちても
750 万円を上回るため、まだ黒字圏内です。
黒字確保までの猶予額250 万円を
平均顧客単価で割ってやれば
顧客減数の許容範囲を把握可能となります。
ここまで把握できれば「値上げ幅」と「客離れの許容度」が
数字でクリアになります。
ただし、ここだけは勘違いしないでください!
「売上が10%ダウン」=「経常利益も10%」
ではありません!
「黒字圏内」なだけです!
あくまで「売上―経費」が黒字というだけの話です。
計算式のレベルでいうと「ただの引き算」レベルです。
参考までに、このラーメン屋さんですと
売上が10%ダウンすると
経常利益は40%ダウンの「60万円」となります。
もし、銀行への借入金返済額が月々80万円あった場合
このラーメン屋さんは、「毎月20万円」の現金を
どこからか調達しなければ
銀行への返済ができなくなるということです。
こんなことを続けていれば、どうなるか?
結論は、見えていますよね。
応用編:一律ではなく「厚い商品」から値上げ
「限界利益率が高い」つまり「粗利の厚い」商品ほど値上げによる
客離れの痛手も小さくて済みます。
多くの場合、利幅が大きい商品は、競合が真似しづらいサービスや機能
また、ファンの多い看板商品が多いと思われます。
よって優先的に改定しても受け入れられやすい
「価格耐久性」が高い商品と言えます。
すべての商品を一律に上げるのではなく
商品ごとの細かな調整を考えていきましょう。
まとめ:たった3つを明確にし決断力アップ
1.費用を「動く/動かない」に分類
2.限界利益率と額を確認
3.赤字にならない売上高を計算し、顧客離れ余裕度を把握
以上、わずか3ステップにより
数字という「事実」を把握することで
値上げへの不安はぐっと小さくなります。
一刻も早く「勘による値決め」から卒業し
「根拠ある経営」にステージアップしていきましょう。
数字はあなたの背中を押す最強の味方です!
小さな利益の積み重ねが大切ですね
2025.06.06

いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
今朝のテレビで一瞬だったのですが
こんなことを相談している小学生がいました。
「失敗すると、それが気になり集中できない」
「え!小学生が!」私はショックを受けました。
同時に、違うかもしれませんが
あの子は失敗するたびに、周りの大人に
「なぜ、失敗したのか」みたいな言葉を
幼いころから投げかけられていたのかなと思い
とても、残念に思いました。
(個人の勝手な思いです)
もし、失敗という事実は受け止め
チャレンジした過程を褒めていたら
「うまくいかなかったね、残念。
でも、このチャレンジをしたあなたは
すごいと思うよ」
こう語りかけていたら
きっと、あの子はそんな質問しないだろうな~と
勝手に考えてしまいました。
今日のブログは、その想いから生まれ出たものです。
振り返ってみると、私自身も含め
「それ、アカンやろー」という言葉を発しているなと思い
自戒の念も含めて書いてみました。
前段からは想像もつかない程
ビジネス寄りの内容です。
「もし失敗したらどうしよう」
新しい挑戦を前に足が止まるとき、
あなたの頭に浮かぶのは成功のイメージよりも、
失敗して失うかもしれない時間やお金ではないでしょうか。
これは性格の弱さではなく、人類に共通する心理的傾向です。
行動経済学者ダニエル・カーネマンと
エイモス・トヴェルスキーが提唱した
プロスペクト理論によれば、
人は利益よりも損失を約2~2.5倍強く感じ取ると言われています。
この現象を「損失回避の法則(Loss Aversion)」と呼びます。
ビジネスの世界でも、この法則に則ってしまい
チャンスを逸することが少なくありません。
申し訳ないのですが、行政のやることは
私が見ている限り「ほぼ100%」、この法則にハマります。
「仕方ない」と言えばそれまでですが
あらゆる世界の概念が急速に変わっている今
行政だけが、「以前のまま」でいいわけはありません。
特に、衰退が激しい地方都市の自治体においては
「損失回避の法則」を勇気をもって打ち破らなければ
また、そのような文化を育成しなければ
衰退の速度が増し、手遅れとなると思われます。
(そうです。私の住んでる街「函館」のことを
言っているのです)
では、「何をどうすればいいのか」ですが
ブログを読み進めていってもらえれば
そのヒントが書いてあります。
1. 数字で味わう損失の痛み
あなたに二つの選択肢があるとします。
A:確実に1万円もらえる
B:50%の確率で2万円もらえるが、50%の確率で0円
多くの人はAを選びます。
Bの期待値は1万円で同じにもかかわらず、
「もらえない」リスクを避けたいからです。
ところが場面を「損失」に変えると判断は逆転します。
C:確実に1万円失う
D:50%の確率で2万円失うが、50%の確率で0円
今度はDを選ぶ人が増えます。
確実な損失を避けるために、
ギャンブル的な選択に手を伸ばすのです。
利益と損失で意思決定の軸が入れ替わる典型例と言えます。
2.ビジネス現場に潜む損失回避
損失回避は会議室でもコンビニのレジ前でも姿を現します。
導入決定が遅れる
新しい商品の市場への導入は
導入効果より「売れなかったら大損」という
不安で棚上げされがちです。
もちろん、限界利益など
採算をとるために最低限必要な売上高や売上個数を
事前に把握するためにも「管理会計」の導入は
必要不可欠ですが、
そのような「数字の裏付け」があっても
「予定通りにいかなかった場合」つまりは
「損失」のことが頭の中を支配し
なかなか前に進めないことが少なくありません。
値決め戦略が保守的になる
価格を上げれば利益率向上が見込めても、
「顧客離れ」という損失が怖くて踏み切れない。
これも、多くの中小企業で起きている現象です。
大手と言われるところは、消費者からすると
「問答無用」状態で値上げし
確実に利益を確保しています。
そうしなければ、顧客へのサービスや
商品提供ができなくなるからです。
そうするかどうかは、個別の判断ですが
今は値上げし、原価等が下がったら
値下げをし顧客に喜んでいただく。
こうやって、世の中に合わせ、フレキシブルに
値決めをしていくことが、必要なのかもしれません。
マーケティング的にいうのなら「今だけ」が効く
「本日終了」「残り3席」といった表現は、
得を逃す=損失と感じさせ、購買率を高めます。
昔で言えば、万年「閉店セール」ですね。
(これ知ってる人は、それなりの年齢の方だけですね)
また、日付や席数や個数など
目に見えるものだけではなく
最近では「特別な経験」など
形のないものでも、購買意欲を高める手法が
使われています。
やはり「限定」や「あなただけに」は
心揺さぶられますよね。
「このチャンスを逸しては損だ」という心理を
ついているわけです。
3.損失回避を乗り越える4つのステップ
1.リスクを数字で「見える化」する
感情ではなくデータで判断する癖をつけましょう。
その為にも、やはり「管理会計」の導入は
企業経営には必須です。
例を書きます。
決算書の「損益計算書」を思い浮かべてください。
新商品のお菓子を発売したとしましょう。
今回は、わかりやすいように
今回発売する「お菓子のみ」しか扱っていない会社とします。
売上600万-製造原価300万=利益300万
つい、このように考えてしまいませんか?
製造し、すぐに市場に投入し、一瞬で完売なら
ほぼ、この計算で間違いありません。
では、完売まで3か月かかったらどうなるでしょうか?
実は利益がグッと下がります。
なぜなら、製造していなくても原価が増えるからです。
何が増えるのか?
そうです。人件費です。
たとえ工場が止まっていても、工場で働く人の
給料は、発生し続けます。
これが、損益計算書(P/L)経営の落とし穴なのです。
このような計算ミスを防ぐためにも
会社経営には「管理会計」が必須なのです。
2.スモールスタート
大きな変化ではなく、少しずつ試し
失敗コストを最小化し
心理的ハードルを下げることが大切です。
いきなりの設備投資や人員増強は避け
「失敗しても痛くない」もしくは
「失敗しても会社の経営に支障はない」程度から
スタートしましょう。
では、「痛くない」や「経営に支障がない」投資金額て
どれくらいなのでしょう?
ここでも、「感情」による判断をしてはいけません。
やはり「数字」による判断が必要です。
具体的には、というより論理的には
今度は「貸借対照表」(B/S)の数字で判断します。
どの数字か?
そうです。一番右下の「繰越利益剰余金」です。
この金額の範囲内なら、たとえ新事業が失敗しても
会社が「債務超過」などに陥ることはありません。
(ただし、あくまで会計上のお金ですから
いわゆる「現金」とは違います)
3.損失の上限を設計
「最悪でもここでやめる」という出口戦略を決めましょう。
つまりは「引き際」をはじめから設定しておくのです。
ここでもつい「損したくない」「損を取り返した」
「せめて投資額だけでも、回収したい」という
損失回避の法則が働きます。
しかし、その判断もやはり「感情」による判断と言えます。
やはりここでも「1000万損失を出したら撤退」など
数字による明確な意思決定が大切です。
撤退の金額の目安は、先ほど書いた通りです。
4.学習コストという投資思考
失敗=損ではなく、
次の成功確率を上げるデータ取得と捉えましょう。
この考え方を腹落ちさせると
理論上は世の中から失敗はなくなります。
トライ&エラーを恐れず繰り返し
知識資産を蓄積しましょう。
4.現状維持バイアスとの関係
損失回避は「現状維持が一番安全」
という誤解を強化します。
しかし環境が変わり続ける現代において、
現状維持は実質的な後退です。
短期的な安心と引き換えに、
中長期的な機会損失を抱え込むリスクに
気づく必要があります。
これが冒頭に書いた「行政機関」の陥っている穴の正体です。
民間企業である私たちは、
是非とも「現状維持バイアス」の居心地の良さに打ち勝ち
前進し続けていきましょう。
5.最後に──恐怖の正体を数字で照らす
「失敗したらどうしよう」という声が聞こえたら、
それは損失回避の法則が働いている証拠です。
その声を無視するのではなく、
認識し、分析し、そして活用しましょう。
リスクを数値化し、段階的に進み、
学習機会として捉える。
そして時には、損失回避の力を借りて、
より良い習慣や仕組みを作る。
私たちの脳に組み込まれた
この古代からの警報システムを理解することで、
より賢明な選択ができるようになるのです。
「恐怖に支配されるのではなく、恐怖と共に前進する。」
それが、現代を生きる私たちに求められる知恵なのかもしれません。
「真っ黒だけど、いつもの私です」
みなさん、熱中症には、気を付けて下さいね~
2025.06.02

いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
「お客様は安いものしか買わない」
この思い込みに囚われていませんか?
多くのビジネスが直面する価格競争は、
この誤解から生まれることが多いのです。
しかし、本当に消費者は価格だけで
商品を選んでいるのでしょうか?
今日は、この問いを起点にビジネスを再構築し、
価格競争の罠から抜け出して、顧客に真の価値を伝え、
選ばれるための具体的な方法を解説します。
是非、このような視点を持ち、
あなたのビジネスに役立ててください。
「価格だけ」という誤解を解く
多くの経営者が、明確な理由もなく自社は
価格競争に巻き込まれやすいと感じています。
というよりも、無意識のうちに自ら価格競争に
挑んでいるのではないでしょうか?
確かに、低価格競争は熾烈であり、
一見すると価格が全てであるかのように
思えるかもしれません。
しかし、本当にそうでしょうか?
例えば、自動車市場を考えてみましょう。
新車販売台数を見れば、低価格を売りにした
軽自動車やコンパクトカーは確かに人気です。
しかしその一方で、数百万円、
時には1000万円を超えるような高級車も、
その存在感を失うことなく根強く売れ続けています。
さらに、価格の安さだけを追求するのであれば
新車よりも中古車の方が売れているはずです。
これらの事実は、消費者が単に「価格」だけで
商品を選択しているわけではない明確な証拠です。
消費者は、「価格」に加えて
「価値」に基づいて商品を選んでいるのです。
安さだけを追求するのではなく、
その商品やサービスが自分にとってどのようなメリットをもたらし、
どのような「理想の未来」を実現してくれるのかを重視しているのです。
お客様が本当に求める「価値」とは?
では、お客様が本当に求めている
「価値」とは一体何でしょうか?
それは、お客様が商品やサービスを
購入することによって得られる理想の未来や、
具体的なメリットのことを指します。
たとえば健康食品を例に考えてみましょう。
お客様がその健康食品を購入する際、
単純に「健康食品」が欲しいわけではありません。
求めているのは、
「ダイエットに成功して自信を持ちたい」
「体力をつけて毎日を活動的に過ごしたい」
「健康な体を維持して老後も趣味を楽しみたい」
といった具体的な期待や願望です。
これこそが、
お客様がその商品に求めている「価値」なのです。
お客様が求めている本当の価値を明確にとらえれば、
あなたは価格競争から自然と距離を置けるようになります。
なぜなら、その価値は価格では測れない、
お客様自身の具体的なニーズと結びついているからです。
なぜ価格競争に巻き込まれるのか?
多くの企業が価格競争に陥ってしまう理由は、
非常にシンプルです。
それは、自社の商品やサービスの
「独自性」がお客様に十分に伝わっていないからです。
お客様にとって、
あなたの会社の商品と他社の商品に
明確な違いが見えなければ、
比較する際の判断基準は必然的に
「価格」だけになってしまいます。
もしお客様が、あなたの商品に対して
「どこで買っても同じなら、一番安いところで買おう」
と考えてしまうのであれば、
それはあなたのビジネスの独自性が伝わっていない証拠です。
つまり、独自性が明確に伝わっていなければ、
価格以外で勝負する術を失ってしまうことになります。
この状況こそが、「価格競争の罠」なのです。
お客様の「価値観」を具体的に把握する
価格競争の悪循環から抜け出すためには、
まずお客様が「何を価値と感じているのか」を
具体的に把握する必要があります。
これはビジネスにおいて最も重要なステップの一つです。
例えば
アンケート調査やヒアリングなどで
商品・サービスに何を期待しているか、
どのような点で満足・不満を感じているかなどを
尋ねてみましょう。
また最近ですとSNSのレビュー分析により
自社商品はおろか、競合商品に対する
評判も見ることができます。。
これらの作業を通じて、
「なぜその商品を選んだのか」
「購入後に何を期待しているのか」
といった、お客様の深層心理にあるニーズや
願望を深く掘り下げましょう。
これらの把握こそが、他社との明確な差別化を図り、
価格以外の魅力でお客様に選ばれるための
重要なヒントとなるのです。
「価値」を明確に伝える工夫
お客様が価値と感じているポイントを発見したら、
次はその価値を具体的に可視化し、
言語化や見える化して伝えることが必要となります。
日本人は「良いものを作れば自然と売れる」という
成功体験をしてきました。
ゆえに、この「伝える」という作業が
とても苦手だと言われています。
しかし、ここが、あなたのビジネスが
価格競争から抜け出すための最大の転換点となります。
ホームページやソーシャルメディアで
「高品質」「お客様第一」といった言葉を見かけます。
上場しているような大企業でさえ
このような言葉を口にしていない企業はないと思いますが、
「高品質」と書かれて商品の品質が伝わるでしょうか?
「お客様第一」と書かれて、アフターフォローの充実度を
想像できるでしょうか?
正直、私には商品の性能や良いところが
全く伝わってきません。
「当たり前」感すら覚えます。
やはり、お客様には
「この商品を買うと、自分にはこんな良いことがあるんだ」
「こんな困り事が解決でき、その結果こんなに爽快になるんだ」
と明確にイメージしてもらえるような
言語化が必要になります。
例えば
ビフォー・アフターの具体例を
明確な数字や写真などで示したり
実際のお客様の声を紹介し
お客様が自社の商品・サービスを利用して
どのように変わったのか、どのようなメリットを感じたのかを、
具体的なエピソードなどで紹介したり
信頼感のあるところからの
商品の効果や性能を示すデータや数字の提示などを行い
お客様が自分の未来像を
より想像しやすくする工夫が大切です。
また最近は、「商品が生まれた背景や開発者の想い」
お客様がその商品を通じて得られる
価値をストーリーとして語ることなど
動画を使い、共感を呼び、記憶に残るメッセージにするなどの
プロモーションもあります。
このように、「実際にどのように変わるのか」を
明確に伝えることで、
お客様はその商品がもたらす未来を
具体的に想像できるようになり、
価格以外の価値に注目するようになります。
価格以外の比較ポイントを作る
お客様が価格だけで判断しないようにするためには、
商品やサービスを比較するための新たな軸を
意図的に作り出すことが重要です。
競合他社にはない、
または他社よりも優れている自社の強みを明確に提示し、
それを比較基準としてお客様に提示しましょう。
たとえば、
納期: スピードを強みとしてアピールする
保証期間: 購入後のリスクを軽減する価値となる
サポート体制: 購入後のフォロー体制を強みとして打ち出す
カスタマイズの自由度:唯一無二の商品の提供
品質・耐久性: 結果的にコスパが高いという価値
付加サービス: 商品本体以外の独自の付加価値やサービス提供
これらのポイントを明確に示すことにより、
お客様が「価格以外の点で、この商品を選ぶ理由がある」
と感じるように誘導することで、
価格競争から一歩抜け出すことができます。
まとめ:価値で選ばれるビジネスへ
お客様は決して
価格だけで商品を選んでいるわけではありません。
彼らは、自分の課題を解決し
理想の未来を実現してくれる「価値」を求めているのです。
あなたが提供する商品やサービスが
どのような「価値」をお客様にもたらすのかを明確にし
それを効果的に伝えることで
価格競争に巻き込まれることなく
独自の市場ポジションを築くことが可能です。
今一度、自社の商品やサービスが
お客様にあたえる「価値」を再確認してみましょう。
そして、その価値を明確に伝えるための施策を実行すれば
顧客との「より深く」「長期的な関係」を築けるようになるはずです。
あなたのビジネスは、
お客様にどのような「価値」を提供していますか?
そして、その価値は明確に伝わっていますか?
「ドロンコ遊び」楽しかったのでしょうね・・・
十分、伝わります・・・
2025.05.30

いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
「なぜあの人は成功するのか?」
「自分はなぜうまくいかなかったのか?」
私たちは日々、成功と失敗という結果に一喜一憂します。
しかし実は、成功者と失敗者の行動や思考には、
意外なほど共通点があるのです。
違いは「どう向き合ったか」「どこまで深く掘り下げたか」
つまり「解釈と活用」の部分にあります。
この記事では、成功と失敗のプロセスに潜む
5つの共通点を取り上げ、
それぞれから学ぶべき教訓と、
すぐに活かせる実践ポイントをご紹介します。
ビジネスでも人生でも、子育てでも、
次の一歩を確かなものにするヒント
としてお役立てください。
1.目標は誰もが立てているはず
成功者も失敗者も、例外なく「目標」を立てています。
ただ、その質には大きな違いがあります。
成功する人の目標は、具体的かつ測定可能です。
たとえば、「半年後に新規顧客を30社獲得する」
「年内に〇〇の資格試験に合格する」など。
一方、失敗に終わるケースでは、
「顧客をもっと増やしたい」
「いつか、〇〇になりたい」など、
曖昧でぼんやりした目標が多く見られます。
では、目標達成に必要な行動指針には
どんなものがあるでしょう。
代表的なものの1つに「SMARTの原則」があります。
SMARTの原則とは、
1981年にジョージ・T・ドランによって提唱され、
効果的な目標設定を助けるために広く使用されています。
Specific(具体的): 目標は明確で具体的であるべき
Measurable(測定可能): 進捗を測定できる基準が必要
Achievable(達成可能): 現実的に達成可能な目標であることが重要
Relevant(関連性): 組織や個人の目標に関連している必要がある
Time-bound(時間制約): 期限を設けることで、
目標達成のための時間的な枠組みを持つことが求められる
上記のように、「より具体的で」「進捗を確認出来て」
「頑張れば手が届く目標で」
「なりたいものや達成したい領域に関係するもので」
「目標を達成するまでの時間や日時を明確に決める」
この5つの要素を決め、毎日、毎週、振り返りをすることにより
目標達成がより確実になると示唆しています。
2.どちらも「計画」を立てている
成功者も失敗者も、
スタート時には何かしらの計画を持っています。
違いは「変化への対応力」です。
成功者は、計画どおりに進まない場面や
想定外の出来事が起きても、
冷静に、また柔軟に軌道修正できる力があるのです。
反対に、失敗者は、計画が狂った時に慌ててしまい、
迷走してしまいます。
先ほどのSMARTの原則に則り振り返ってみると
当然ながら、予定通りに進んでいない場面に出くわします。
その際に、どのように対応していくのか
「もうだめだ」や「うまくいかないな~」ではなく
「この方法や計画がだめなら、こっち」というような
柔軟性が大切なことになります。
よく、「うまくいかないことを前提に」考えることの
重要性が言われています。
否定はしません。事前に「プランBやC」を用意しておく
ことは、とても有益だと思いますし、
可能であれば、事前に準備しておく方がよいでしょう。
しかし、最近は物事の変化の流れが早く
事前の準備だけでは対応できないことも増えてきています。
失敗することを恐れて、足が前に出ないくらいなら
無策は困りますが、
事前準備に時間をかけすぎないことを私はお勧めします。
3.「行動量」だけでは差がつかない
成功も失敗も、「とにかくやってみる」ことで始まります。
しかし、行動量だけに頼ると、
結果がついてこないこともあります。
確かに成功者は、たくさんの行動を起こしています。
裏を返せば、それだけ「失敗」もしていると言えます。
では、成功者と失敗者の行動の違いは
どこにあるのでしょう。
私は「行動の質」に違いがあると考えています。
「行動の質」とは、「無駄な動きをしない」
「無駄な時間を過ごさない」ということです。
上手くいかなっかった時に、その原因を探し
的確に対処することにより
「目的に直結した行動」を選択できるようになります。
時間をかけるだけでなく、
成果につながる行動の「質」を意識しているのです。
「忙しい=成果」ではないということです。
行動の質を上げ、無駄な動きや時間を減らし、
より成果の出る取り組みに集中しましょう。
4.フィードバックの活かし方
誰でも人からの意見や評価を受けます。
それを「どう受け取るか」で、大きな差が出ます。
成功者は、批判や指摘を「成長の糧」として取り入れます。
自分のやり方を冷静に見直し、
柔軟に変えていく力があります。
一方で、失敗者は批判を「否定」と捉え、
防御的になりやすい傾向があります。
これが学びを止め、行動を阻害し
ひいては、自己肯定感すら低めてしまいます。
他人からのフィードバックは、
事実として受け取ることが大切です。
「真実」ではなく「事実」「現実」と受け取るのです。
人から何か言われると
「なんだよ」「チェッ」「うるさいな」など
つい、感情が先に出てしまう。
気持ちはわかりますし、
私も、そうなることはありますが
そのように受け取ってしまうと
せっかくのフィードバックを活かすことができず
本質的な学びが遠のいてしまいます。
「なぜそう言われたのか?」と
一歩引いて考える習慣が、あなたを成長させてくれます。
5.挑戦しているかどうか
挑戦することは、とても大切ですし
私は「挑戦者」が大好きです。
可能な限り、そういった人たちに囲まれて
これからも歩んでいきたいと思っています。
だからこそ、失敗してしまい
次の一歩が踏み出せない方に伝えたい言葉が
「成功者も失敗者も同じ“挑戦者”である」なのです。
挑戦したからこそ、結果としてうまくいかなかっただけです。
ビジネスの場面でも、子育ての場面でも成否を分けるのは、
「失敗を恐れずに続けられる環境づくり」が
できているかどうかだと思います。
基本的に、挑戦する価値があるものならば、
何度でもトライ&エラーを繰り返し
「〇〇までに、成功させる」と決め行動を起こす。
このような決断をさせる空気が職場や家庭にあることが
とても大切です。
もちろん「人・物・金」の関係により
いつまでも無限に挑戦させるわけにはいきませんが
「挑戦しようとする芽」を潰してしまうのは避けましょう。
まとめ 結果より「向き合い方」が分けるもの
成功と失敗は、たまたま結果が違っただけで、
その過程には多くの共通点があります。
大事なのは、その共通点をどう次に活かすかです。
もし今、うまくいっていないことがあったとしても、
それは「失敗」ではなく「途中経過」にすぎません。
成功も失敗も、次の行動のためのデータ(事実)として受け止め、
そこから何を学び、どう動くか。
それこそが、最も重要な分岐点になります。
今日から、成功と失敗を「別物」として見るのではなく、
「どちらも成長の材料」
として捉える視点を持ってみてください。
そのうえで、周りの人たちは
挑戦者の背中をそっと「応援し」
挑戦した過程を「褒めてあげて」
成功したら「一緒に喜ぶ」
「成功」という結果を一緒に喜び
挑戦の過程を褒める。
つまりは「挑戦者全員」が褒める対象なのです。
褒められるの「大好き」です
2025.05.29

いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
「高く飛ぶためには、
おもいっきり低くかがむ
必要があるのです。」
─ 山中伸弥(ノーベル生理学・医学賞受賞者)
この言葉は、スポーツに限らず、
企業経営や財務戦略にも深く通じるものがあります。
ジャンプは宙に浮いている瞬間
企業活動で言えば「売上」に注目が集まりますが、
飛距離、言い換えれば「利益」を決めるのは
「どれだけ深く、正しくしゃがめたか」に尽きるのです。
特に、次のステージを目指している企業や経営者にとって、
「低くかがむ」という助走の意味をどう捉えるかは、
将来の飛距離を大きく左右します。
今回は、財務の観点からこの言葉をどう活かすか、
4つの視点で解説します。
1. かがむ=内部留保とキャッシュポジションの強化
キャッシュは、より高く飛ぶための「バネ」です。
バネを十分に縮める、
つまりキャッシュポジションを強化することで、
より高く、より遠くへ跳ぶことができます。
企業経営において、内部留保を厚くする行為は
次の飛躍に向けてだけではなく
破産からの距離を遠ざける意味があり
経営者が持つべき目標の最重要課題の1つであることは
紛れもない事実です。
先行投資の軍資金:
将来の成長に向けた設備投資や新規事業立ち上げには、
多額の資金が必要です。
例えば利益の20~30%を
「成長準備金」とし決めて内部留保し、
利益余剰資金を確保することで、
自己資金による投資が可能になります。
これにより、資金調達コストを圧縮し、
財務リスクを軽減できます。
不況や天災等への備え
予測不能な経済環境下では、
十分な運転資金を確保しておくことが重要です。
歴史を振り返れば10年程度に1度程度の割合で
コロナやリーマンショックのような
予測不能な上、自社だけでは避けようがない
事象が発生しています。
そして、その度に企業は、売上や利益が減少し
備えのない会社は、消滅してしまいました。
また、昨今、激増している大雨や洪水など
残念ながら、その場にいるというだけで
だれもが等しく損害を受けてしまう場面などでも
3~6ヶ月分の運転資金を現預金で確保していれば、
事業活動や、会社の維持が継続できます。
場合によっては、競合他社が停滞を余儀なくされ
市場シェアを拡大するチャンスを掴むことができるでしょう。
このように「使わないお金」を意識的に持つことは、
「もったいない」ではなく、
飛ぶためのバネを強くする行為と言えます。
2.負債の健全化とお金の「見える化」
山中教授の言葉の背景には、
「かがむ時期をどう過ごすかがジャンプの成否を分ける」
という意味も込められいると考えます。
財務の世界で言えば、
金利上昇リスクや
会社のお金の流れをしっかりと把握することが
「かがみの質」を決定づけます。
具体的なアクションをいくつか紹介します。
① 資金繰り表を作る
② 銀行借り入れ一覧表を作る
まずは、この2つの行動を起こしましょう。
①に関しては、もう何度も書いていますが
自社のお金の流れやキャッシュポジションを
把握せずに会社経営はできません。
資金ショートの時期やキャッシュポジションが低い時期
すなわち、破産リスクが高い時期に向け
銀行からの借入交渉をしなければなりません。
この時の交渉で少しでも良い条件を引き出す方法は
「銀行交渉スタートの時期」にあります。
当たり前の話ですが、
「来月に資金ショートしそうな会社」と
「半年後に資金ショートしそうな会社」
あなたなら、どちらの会社にお金を貸しますか?
計画性や経営者のお金に対する意識や資質
どれをとっても、「半年後に」という経営者の方を
選ぶのではないでしょうか。
②に関しては、以前に少しだけ触れましたが
銀行側でも、この資料を作成しているほど
大切な資料となります。
融資一覧表のフォーマットによりますが
企業にとっても、たくさんの有益な情報が詰まっています。
・借入額・借入残高・預貯金残高・利率・返済期間・借入種類
・借入目的・返済額・保証の種類 など
この情報だけでも、取引のある銀行なら
融資の提案ができますし、(決定は別ですよ)
企業側からしても、プロパー融資の相談や
個人保証をはずす相談、保証協会枠の残高
長期・短期融資のバランス調整
そして、返済金額の圧縮など
企業財務には、かかせない情報の山なのです。
なお、各種フォーマットは、自社と付き合いのある銀行の
ものを使用するのが、お勧めです。
各銀行のHPからダウンロードしてみて下さい。
もし、「見つからない」場合は
webにたくさん出ていますので、入手してください。
この2つを実行するだけで
「かがみの質」は大幅に良質なものになります。
すなわち、飛躍の際に「より遠くへ」「より高く」
飛ぶことが可能になります。
3.固定費を見直し、軽やかに跳ぶ体制へ
より遠く、より高く飛ぶためには、
体を軽くするも大切です。
企業にとってその「重さ」とは、
主に固定費の硬直性にあります。
人件費などは、むやみに削るのではなく
「適切な人員配置」
仕事の棚卸や断捨離をすることにより
安易な補充や増員を防ぐ
パートや派遣などを上手に利用し「変動費型」にする
離職者を出さないような施策を考える など
柔軟な体制を構築しましょう。
設備なども、効率的な配置を考える
メンテナンスの回数を増やす
内製化と外注化とのコスト比較をするなど
じっと動かず耐えるばかりではなく
「柔軟に構える」ことが大切です。
4.「かがみの深さ」をKPIとして可視化する
「かがんでいる」つまり、飛躍に向け備えている
準備をしている期間は、見えにくく評価されにくいものです。
しかし、財務においても「準備の深さ」を
数値化して管理することで、
組織全体が「今は跳ぶための期間なんだ」
と納得できるようになります。
たとえば:
目標現預金残高の目標設定
目標利益額の目標設定
内部留保額の目標設定
労働分配率の目標設定
リスキリングや人材育成への投資額設定 など
他にも、目標にしたい数字はたくさんあると思います。
「いくら現預金を持てばいいのか」
「いくら利益を出す必要があるのか」
「新規事業や設備投資に必要な額はいくらなのか」
など、アクシデントや失敗した時に
会社が傾かないために必要なお金の額を
KPIとして立ててみましょう。
精神論やドンブリ経営のような状態ですと
この「かがみKPI」は、すぐに忘れさられます。
可能なものは、会社全体で共有したり
役員の方々で共有したり、そのような体制がなければ
私たちのような外部の人間と共有し
月に1度は、予実管理を行うことが大切です。
そのうえで、「ジャンプ後」の到達地点
(売上高・利益額・借入金額・人員数など)
KGIを明確に示すことにより
社内外から信頼を得ることが可能になります。
お勧めというか注意点というか、
このKPIやKGIを設定する時は
よくある「〇〇率」や「〇〇比率」のような
主に「%」で示されるようなものは避けましょう。
このような数値は、どこか「かっこいい」「使えそう」
みたいな感覚がありますが
中小企業の経営の面からみると
私はあまり意味をなさないと考えています。
今回は、その理由の説明は書きませんが
中小企業はその「額」を目標に立てるべきです。
「%」は大企業の指標だと考えてください。
まとめ:助走なくして躍進なし
キャッシュを厚くし、
資金ショックに強い財務体質を構築する。
負債と資本コストを最適化し、
自己資本という「バネ」を強化する。
固定費を見直して、身軽な状態でジャンプに備える。
「かがみKPI」を設定し、準備期間を可視化・評価する。
これら4つのポイントを実践することで、
力強いジャンプのための「助走」を
着実に進めることができます。
高く飛ぶとき、人は一瞬「地を離れ」ます。
企業もジャンプの瞬間、
すなわち新たな挑戦にはリスクが伴います。
だからこそ、しっかりと「しゃがむ」、
つまりエネルギーを蓄える財務設計が、
次の成長フェーズを確実にし、
持続的な発展へと導くのです。
さあ、あなたの会社はどれだけ深く、
賢く「しゃがめて」いますか?
今日から「助走の質」を磨き、
誰よりも、どの会社よりも高く、遠くに跳びましょう。
力の限りのジャンプ!
2025.05.23

いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にする」
そのために、一生懸命書き続けます。
ビジネスでは、誰もが何度も壁にぶつかります。
「もうダメかもしれない」と思う瞬間を乗り越える時に、
ポジティブな「言葉の力」が役に立ちます。
今回は、世界的な偉人たちの言葉から、
仕事に活かせる3つの名言と
その具体的な使い方を紹介します。
────────────────────────
1.トーマス・エジソン
「私たちの最大の弱点はあきらめることにある。
成功するための最も確実な方法は、
常にもう一度だけ試してみることだ」
発明王として知られるエジソンのこの言葉は、
諦めずに挑戦することの大切さを教えてくれます。
「プレゼンテーションがうまくいかなかった」
「重要な契約を逃してしまった」
そんな時こそ、この言葉を思い出してみてください。
「もう一度だけやってみよう」という小さな一歩が、
大きな成果につながる可能性を秘めています。
チーム全体を鼓舞したい時にも有効です。
社長や上司が部下に対して
「諦めるな」と叱咤激励するよりも、
「もう一度、挑戦してみよう」
と優しく声を掛けることで、
前向きな行動を促せるでしょう。
この「諦めるな」と「もう一度だけ」
という言葉遣いは、何も「きれいごと」を
言っているのではありません。
脳科学的にも心理学的にも言われていることなのです。
「諦めるな」は「諦め」+「てはいけない」と
分解できます。そうすると人間の脳は
「諦め」という言葉に反応し
「諦め」をイメージしてしまうそうです。
つまり「もうダメだ」と考えがちになるのです。
また、冷静に考えるとわかることなのですが
うまくいかなかった際に
次に起こしてもらいたい行動は
「再チャレンジ」ではないですか?
もし、言葉を投げかける相手が
自分の子供だったら、家族だったら
間違いなく「再チャレンジしてほしい」
となるはずです。
となると、かける言葉は「やってほしいこと」
すなわち「もう一度、挑戦してみよう」と
なるはずです。
「もうダメだ」ではなく「もう一度」
このわずかな言い換えが、
組織の再挑戦意欲を大きく左右します。
────────────────────────
2.フェデリコ・フェリーニ
「もう終わりだと思うのも、
さあ始まりだと思うのも、どちらも自分だ」
イタリアを代表する映画監督
フェリーニの言葉です。
プロジェクトの頓挫、部署の閉鎖など、
一見「終わり」と思える状況でも、
新たなスタート地点になり得ます。
重要なのは「それをどう捉えるか」
というあなたの視点です。
変化の激しい現代社会において、
この「終わりを始まりに変える」柔軟な思考は、
企業の成長を大きく左右するでしょう。
過去の失敗を糧に、
新たな挑戦へと踏み出す勇気を与えてくれる言葉です。
この言葉の使い方は
「自分に話しかける」です。
ネガティブになりそうな自分を
ポジティブなポジションに持っていく。
そのような場面の際に使ってみましょう。
これを「セルフペップトーク」と言います。
一言で言えば、「自分を励ます」行動です。
私たちは、全く意識していませんが
人は毎日、自分と3千~4千回も会話や問いかけを
しているのそうです。
さすがに、「息をしよう」「心臓を動かそう」は
問いかけることはないですが
「腹が減った」⇒「飯を食おう」
「何を食べるか」⇒「ラーメンにしよう」
「どこの店に行く」⇒「あそこの店にしよう」
この後も、「どうやって行く」「時間は何時に」
「味は何にする」などなど
全て自分で自分に問いかけ、出した答えにのっとり
行動をしています。
だからこそ、自分に投げかける言葉こそ
良質で前向きな言葉を使うべきなのです。
そのようにして、常に前向きで、
バイタリティーあふれる生活を送っていると
幸運やチャンスが、向こうから寄ってくるものなのです。
「終わり」という事実を「新たな挑戦への始まり」
と位置付けることがビジネスの場でも大切になります。
────────────────────────
3.カール・ルイス
「失敗したことのない人間は成功することもない。
たゆまざる挑戦が成功につながるからだ」
陸上競技界のレジェンド
カール・ルイスの言葉は、
失敗を恐れないことの大切さを伝えています。
特に若手社員の育成や新人研修の際に、
この言葉を共有することで、
失敗を前向きに捉える組織文化を築くことができます。
「チャレンジした結果の失敗は評価される」
という雰囲気を作ることで、
社員一人ひとりの成長を促し、
ひいてはチーム全体の能力向上につながります。
失敗を許容する心理的安全性が確保された職場は、
高いパフォーマンスを生み出す土壌となるのです。
私は、今でも鮮明に覚えている。
サッカー女子ワールドカップ決勝の対アメリカ戦
PK戦で、優勝を決めるゴールを決めたのが
今や日本代表のキャプテンであり精神的支柱である
札幌出身の熊谷選手。道民として誇らしい!
あの当時は、まだチーム最年少くらいのはずでしたが
見事に優勝のPKを決めてみせました。
実は私は、「PK」には、とても苦い思い出があります。
同列に並べるわけではありませんが
その当時のコーチに投げかけられた言葉を紹介します。
日本代表監督の言葉同様、「言葉の持つ力」を感じてください。
私も10歳の時から23歳までサッカーをやってきて
「これを決めなければ、負け」という場面のPKキッカー
という経験がある。見事に相手キーパーにセーブされ敗退。
優勝を逃して、上のステージに行けなかった。
今でも、はっきり覚えていますし、
「なぜあの時、自分の一番得意なキックで
得意なコースに蹴らなかったのか?」と
後悔というよりも、「トラウマ」のように
心に刺さっています。
中学生だった私は「もうサッカーなんてやらない」と
声を出して泣きました。
そんな私にコーチが
「そうだよな。悔しいよな。
ならば、その悔しさを晴らすには
どうしたらいいだろう?」
「そうだ、サッカーを続けるんだ。
高校で、その悔しさは晴らすんだ」
そう言われたことを今でも覚えています。
一方、ワールドカップのあのPK戦
日本の佐々木監督は全員で円陣を組み
こう言ったそうです。
「思いっきり楽しんで来い」
選手は、監督の言葉通り自分の持てる力を全て発揮し
とんでもないプレッシャーさえ乗り越え勝利しました。
一方、アメリカの監督はなんと言ったでしょう?
確証はありませんが、広く伝えられている話によると
当時、何年も負けなしで断トツの「世界トップ」
であったアメリカチームだからこそでしょうか
「私たちは、勝てねばならない」と言ったそうです。
「楽しんで来い」vs 「勝たねばならない」
どちらの方が、普段の力が出せるでしょうか?
どちらの方が、目標に向かい挑戦できるでしょうか?
答えは、わかりますよね。
言葉自体は、軽い感じですし
あの場にふさわしい言葉とは感じられない
かもしれませんが
圧倒的に「言葉の持つ力」が違いますよね。
緊張して体が硬くならないはずはありません。
ビジネスの場でもそんな場面
いくらでもあるはずです。
そんな場面に遭遇している相手に
「緊張するな」は逆効果なのです。
悔しくて泣きじゃくっている私に
「なんだ、このくらいのことでやめるなんて」は
前に進む気にはなれない私には
なんの励ましや後押しにはならないのです。
①「悔しい」という事実を受容し
②「悔しい気持ちを晴らす」つまりプラス方向に
もっていくための言葉に変換し
③「自分の力で悔しさを晴らしてほしい」
優しく促し、顔を上げらせ
④「サッカーを続けるんだ。
お前なら、その悔しさを晴らせる!」
と背中を押す
子供を持つ親や
社員や部下をもつ立場の人
そして、どちらにも該当する私も含めて
今一度、自分の言動を振り返ってみてほしいと思います。
新人研修の場や子育ての場で
「失敗はチャレンジの証」と明言し
挑戦しないことこそリスクだと理解させる
経営層や親が、自らの失敗談とともにこの名言を語り、
心理的安全性の風土を醸成する。
失敗を咎める文化では、
イノベーションや前進する力は生まれません。
ルイスの言葉は、挑戦を賞賛する組織文化の礎となります。
まとめ:名言を「行動トリガー」に変える
名言は「読むだけ」で終わらせてはもったいないと思います。
●モチベーションが下がったとき
●部下が落ち込んでいるとき
●判断に迷いが生じ、前に進めないとき
そんな瞬間に引き出しから取り出し、
「具体的な次の一歩」と結びつけてこそ威力を発揮します。
エジソンで「再挑戦」を促し
フェリーニで「視点転換」を行い
ルイスで「挑戦肯定」の文化を育む
これら3つの名言を、
あなた自身とチームの行動指針として使いこなし、
壁を乗り越え続けるビジネス人生を歩んでいきましょう。
「できる できる 君ならできる!」
2025.05.20

いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にしたい」
そのために、一生懸命書き続けます。
「難問は分割せよ」――ルネ・デカルト
はじめに:難題は“分ければ”必ず動く
フランスの哲学者 デカルトの言葉に
「難問は分割せよ」という言葉があります。
これは、問題解決の方法として、今も昔も
不変の真実と言えます。
では、「企業経営にどういかすのか?」
「売上を上げたい」
「思ったほど利益が残らない」
「会社のお金(数字)が見えづらい」
中小企業の経営者の多くが抱く
この3つの悩みも、
課題を細かく切り分ければ、
手を付けやすいタスクへ変換できます。
この記事では、「細分化 → 1つずつ解決」
というプロセスを採用することにより
あなたのビジネスで即実践できる情報をお届けします。
1. 売上を上げたい
このブログで以前にも書きましたが
売上は、客数・客単価・購買頻度の掛け算で構成されます。
よって、この3要素の「どこを、どれだけ、誰が伸ばすか」
ここを設定できれば、おのずと戦術は決まります。
「そんなの当たり前」と思われた方!
つい営業会議などで「売上目標 対前〇%増」という
目標設定をしていませんか?
幸か不幸か、私の経験上は、「対前」という目標設定しか
されたことはありませんし、コンサルの現場でも
社長に「売上目標は?」とお聞きしても
このような目標設定のされ方がほとんどです。
この目標設定の最大の問題点であり弱点は
営業数字を「個人の力」のみに
頼らざるを得ないところです。
つまりは、「スーパー営業マン」や「エース」
と呼ばれるような営業マンに会社の売上や
会社の明暗を託しているだけなのです。
その上、この「スーパー営業マン」の多くは
「社長自身」であることが多く
これでは、社長が会社を成長させるために
本当にやらなければならないことが
時間的にも体力的にも精神的にもできなくなります。
そこで、会議や1on1などの場では以下のような
「細分化思考」で売上を上げる戦術を考えましょう。
例
【年間売上対前10%アップ】を目標とします。
① 客数
「お客様の数を年間で3%増やす」
例えば、このような目標を立てたとしましょう。
顧客数が100人だったとすれば、「年間3人」
12か月で割れば「4か月に1人」
新規顧客を増やす役割は「営業部」
増やし方(戦術)は「通常の営業活動」と「SNS広告」
「キャンペーン」など
② 客単価
「客単価を3%上げる」
既存のお客様に「アップセル・クロスセル」していく
役割は「営業部」
「高付加価値商品」や「限定商品」の開発
役割は「開発部」や「生産部」
商品ラインナップを見直し「低価格商品の販売停止」
役割は「経営者」
③ 購買頻度
「定期購入者数を3%増やす」
「サブスクリプション」「定期配送」商品の開発
役割は「会社全員」
「会員制度」や「ポイント制度」による「顧客の囲い込み」
役割は「会社全員」
商品購入後のメンテナンスやフォロー体制の構築
役割は「サービス部」や「テレアポ部」
もし、このような「戦略」を立て
全社一丸となって「戦術」を考え実行したのなら
103%(顧客数)✖103%(客単価)✖103%(購入頻度)
=109%≒【年間売上対前10%アップ】
いかがでしょうか?
今時【年間売上対前10%アップ】なんて
通常は難しい目標であり、チャレンジする前から
諦め気味となりそうですが
このように細分化することにより
「これならやれそう」と前向きになりませんか?
2. 利益を増やしたい
「売上が伸びても利益が薄い」
その主因は変動費と固定費の膨張です。
まずは 「粗利率」を商品ごとに把握することが大切です。
その結果として
「売れ筋だが粗利率が低い」
「あまり売れてはいないが利益率が高い」
「気づかぬうちに赤字商品」 など
今まで見えていなかった「利益の構造」が見えてきます。
利益の構造を把握することにより
削るべき経費や販売に注力すべき商品などがわかり
それをもとに、次の行動を決めていきます。
① 変動費:原価率と外注コストを最適化
仕入れ交渉・代替材料の検討
歩留まり可視化:在庫ロスや返品コストを把握
外注単価の定期見直し:相見積もり・共同購買
② 固定費:人件費と費用の見直し
業務フローの見直し:DXやAIの利用による「人時生産性UP」
様々な団体などの会費削減
③ 粗利思考:儲かる商品を育てる
商品別P/L作成:利益率の高い商品を優先プロモーション
低採算案件の価格改定 や 撤退判断
損益分岐点の把握:達成率で目標を可視化
現場の人たちに、各々の仕事を棚卸してもらい
部署ごとの改善はもちろん、会社全体で横断的に
仕事を見直すことにより、無駄を省き
「スムーズな流れ」を作り上げることが可能になります。
そのうえで、最終判断を下すのは「経営者」になります。
「価格改定」や「撤退の判断」
「損益分岐点」や「損益分岐点売上高」などの判断や把握など
まさに「戦略」を立てなければいけない部分となります。
3. 会社のお金を見える化したい
さて、ここで質問です。
①「今日の会社の現預金残高はいくらですか?」
②「内部留保の金額はいくらですか?」
この質問を先日、とある経営者にお聞きしたところ
どちらも把握していませんでした。
①は倒産(破産) ②は「債務超過」
つまりは、どちらも会社の生死を分ける数字です。
しかし、逆に言えば「半年後」の数字を予測できていれば
資金ショートや債務超過などの不安は激減します。
もし、銀行員との話の中で「半年後の数字」を
サラっと言えたのなら、評価も上がりますし
融資のタイミングを逃すこともなくなります。
銀行員の方々は、頭が切れますから
こちらより先に最適なタイミングで融資の提案を
してくれると思います。
では、半年後の数字はどのように把握するのでしょうか?
ここでも「細分化」がキーポイントとなります。
「半年後の売上なんて、わかるわけない」
よく聞きます。その通りだと思います。
では、半年後の数字で、わかっている数字はありませんか?
① 銀行への返済の金額も変わらないはずです
② 多少の前後はあるにせよ、どこの会社でも「固定費」は
ほぼ現在とかわらないのではないでしょうか?
③ 粗利率も大きく変わらないと思います
実は、この3つの数字を把握するだけで
経営に必要な数字の大部分は把握できます。
今回は、数字の出し方は書きませんが
① 最低限、稼がねばならない利益額
② ①と「固定費」を足した金額が最低限必要な「粗利額」
③ ①と②から導き出した金額を粗利額で
割り返してやれば、最低限必要な売上高
このように、会社の費用を細分化していれば
あとは逆算することにより、「必達すべき売上高」を
計算できるのです。
現預金の把握も同じように細分化して
ルールを決めましょう。
まず、大前提として最低限「資金繰り表」は
作成しましょう。
これは経営者の役割です。
残念ながら今はまだ作れないのならば
外部の人間を活用しましょう。
私たちコンサルタントは
資金繰り表の作成にとどまらず
それを基にした経営戦略の策定や
銀行交渉まで、社長と共に考えることができますので
相談してみましょう。
「資金繰り表を作るぞ!」と覚悟を決めた上で
会社のお金の見える化のために
下記のようなルールを作りましょう。
請求書等の伝票を毎日整理する
翌日には、ソフトなどに入力する
月明け3営業日以内に、会計事務所に書類提出
毎月15日には、試算表を受け取る
予実の差異の分析をする
資金繰り表の更新日を決める
経理の人間がいない会社などは
正直なかなか厳しいとは思いますが
会社の生命線となりますので
経理の外注化やコンサルタントの利用などしながら
まずは、スタートしてみましょう。
ルールを作り、あとは「習慣化」すれば
自力で、できるようになります。頑張りましょう!
まとめ:今日「ひとつ」動けば、来月には違う景色が見える
売上は「客数・単価・頻度」のどこを伸ばすか決める
利益は「変動費・固定費」など、費用の細分化
資金は「伝票整理など」のルールの策定
自分で書いておいてなんですが
このブログに書いてあることを
いきなり全て着手するのは、やめましょう。
気づいたらできるようになっている秘訣は
「小さく試して、早く学ぶ」こと。
まずは 「なにか1つ」できそうなことから
スタートしましょう。
数字が「動き始めた」「見え始めた」手応えが、
次の一手を加速させてくれます。
もし、「もっと深く知りたい」「社員と共通意識を持ちたい」
という方がいましたら、トップページ右上の
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社員向けの「会社のお金と自分の給与の繋がり」がわかる
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ただいま、お母さんのクロックス「細分化中」
2025.05.16

いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にしたい」
そのために、一生懸命書き続けます。
企業経営に欠かせない「お金」の専門家。
その代表格が「税理士」と「財務コンサルタント」ですが、
この2つの職種にはどんな違いがあるのでしょうか?
『経理』と『財務』の違いとも共通点が多いため、
併せて参考にしてください。
1. 税理士の主な仕事・役割
● 税務のスペシャリスト
税理士は、何といっても安心の
「国家資格」保有者であり
「税金」に関する専門家です。
具体的には、
・記帳代行
・決算書や確定申告書の作成
・税務署への各種申告・届出
・節税対策のアドバイス
・税務調査の立ち会い・対応
・銀行融資の際の資料作りやアドバイス など
もちろん、財務に強い税理士もいますが、
全体としてはまだ多くありません。
また、元々、「財務の専門家」ではないのも事実です。
● 「過去」の数字を扱うプロ
税理士の仕事は、過去1年間の会計データを整理し、
正しく税務申告すること。
つまり、過去の数字に基づいて
「現在の納税額」を算出し、法令遵守をサポートするのが役割です。
確かに「節税」は未来に対するアクションの1つですが
現在の「節税」に対するアドバイスどまりが多い
ように感じます。
銀行融資の際は、
とても心強いパートナーとなってくれますが
正しい借り方などのアドバイスまでは
なかなか難しいと思われます。
2. 財務(経営)コンサルタントの主な仕事・役割
● 未来志向の財務アドバイザー
財務(経営)コンサルタントは、
会社の資金繰りや利益計画、経営戦略など
「これから」の数字をどう動かすかを考える専門家です。
しかし、日本において「経営コンサルタント」といえる国家資格は
一般的には「中小企業診断士」しかなく、他は全て民間資格です。
主な業務は
・事業計画・資金繰り表の作成支援
・銀行交渉や融資サポート
・売上・利益の目標設定と実現策
・キャッシュフロー改善のための提案
・経営者への財務コーチング
・事業の立て直しや再生
・ミッション/ビジョン/バリュー/の策定援助
・社長の相談役
・社長と社員間のギャップを埋める支援 など
それぞれが持つバックボーンにより
その業務範囲は多岐にわたります。
● 「未来」を描くパートナー
財務(経営)コンサルタントは、
会社の未来を社長や社員と一緒に考え、設計し、
「どうすればお金が残るか」
「どこに手を打てば利益が出るのか」
「社長や社員の夢を叶えるために必要なことは何か」など、
経営者に寄り添いアドバイスを行います。
ちなみに、「経理」と「財務」の違いも
「会計」と「資金繰り」
「過去」と「未来」
「現金等の入出金管理」と「キャッシュフロー管理」 など
税理士とコンサルタントの違いと
似ているところがあります。
3. どちらが必要?両者の活用ポイント
税理士は、ほとんどの中小企業で必須ですが、
財務コンサルタントは必須とは言えません。
しかし、「経営や会社全体の強化や改善」
には力を発揮します。
また、メインで使う「会計」の種類が異なります。
税理士は「財務会計」や「税務会計」といわれるもので
コンサルタントは「管理会計」といわれるものです。
一番の違いは
「財務会計」は外部の人のために作成するもの
「管理会計」は内部の人のために作成するもの
外部とは、投資家・取引先・銀行・税務署
内部とは、社長・社員
イメージでいうのなら
「管理会計」⇒経営判断・計画策定・行動指針
「財務会計」⇒「管理会計」から導かれたことを
実行した結果の集計表
しかし、管理会計は税理士の先生が財務会計にのっとり作った
「決算書」や「試算表」や「総勘定元帳」などから
数字を組み替えて作ります。
よって、結果的に税理士とコンサルタントは
会社経営にとって「両輪」と言えます。
財務(経営)コンサルは
「必要だとわかってはいるが、急ぎではない」領域と
よく言われます。
しかし、残念ながらここが「手遅れ」の第一歩と
なることが多いのも事実です。
例をあげると
「銀行融資」をメインとした銀行交渉の時
気づいたら「現金がない」なんて時
「人を増やす」「設備投資」の正しい判断
「利益が出ない」時の施策作成時
誤った「経費削減」 など
「経営判断」の遅れや過ちを防ぎ、「数字の裏付け」を伴った
判断や行動をするための相談役と言えます。
もう一つ、是非覚えておいていただきたいのが
財務コンサルタントは「B/S」(貸借対照表)を改善するのが
メインの仕事になります。
つまりは、「潰れにくい会社」や
「社長をお金の心配から解放する」のが主な仕事となります。
P/L(損益計算書)の数字は、会社のみんなで
作る仕事となります。
もちろん、可能な限りのお手伝いはしますが
コンサルタントが御社の商材を売ったり仕入れたり
するわけではありません。
この話をすると
「売れれば利益が上がるから、コンサルは必要ないね」と
お考えになる方がいますが
それは「昭和以前の経営」です。
黙っていても人口が増えていた時代の経営です。
現在の状況は「人口減」「利益幅減」
「商品サイクルの激流化」など
頑張って売ればなんとかなった時代とは
ビジネスの形が異なっています。
それにともない経営者がライバルや市場と
戦うための新たな武器として
「財務」が必須となっているのです。
税理士は、正確な申告や節税対策をお願いしたい時に。
財務コンサルタントは、「もっと会社を良くしたい」
「資金繰りを強くしたい」「未来を描きたい」時に。
両者の役割を理解し、
目的に応じて上手に使い分けることが、経営の成功のカギです。
みなさ~ん 「よい週末を」
2025.05.09

いつも、ブログを読んでいただき、有難うございます。
地域はもちろん、「日本中の中小企業を元気にしたい」
そのために、一生懸命書き続けます。
昨日、地元の水産物販売などを
メインとした会社が倒産したという
ニュースが流れた。
従業員が新会社を設立し、販売部門を引き継ぐ
ようですが取引先等がスムーズに
取引してくれるのかは、疑問視されます。
どうか、頑張ってください。
二度と同じことが起きないよう
しっかりと「会社のお金」の勉強をし
強い会社を作ってください。
先日、B/S全体を図形によって把握する方法を
書きましたが、本日は、
B/Sの勘定科目を使った「自社の体力測定」の方法
を書いてみようと思います。
(前回の記事)
https://sato-insurance.jp/blog/377/
本題に入る前に、大切なことなので
繰り返し言います!
「会社は、P/L(売上)ではなく、B/S(資金・現預金)で倒産します」
新聞等のメディアには「コロナにより売上急減」や
「融資残高」つまり「借金の額」などの
数字がピックアップされますが
誤解を恐れずに言うのなら
「売上が減る」や「借金が多い」は
倒産の直接的な原因ではありません。
「そんな、馬鹿言ってんじゃない」という方
日産を見てください。2024年度の決算予測が
7500億の巨額な赤字ですよ。
(うち、5000億程度は減損損失)
しかし、全く「倒産」だなんて聞きません。
どころか、発表後一時株価が上がりました。
何故か?
2024年3月末の時点で現預金が
「1兆8000億円」あるからです。
もし、現預金が8000億円しかなかったら
そりゃもう、大騒ぎとなるはずです。
「うちは売上があるから大丈夫」
「うちは売り上げが上がっているから大丈夫」
そう思っていませんか?
本当にそうでしょうか?
決算書上は利益が出ていても、
ある日突然資金ショートに陥ってしまい、
黒字倒産してしまう企業は少なくありません。
実際、倒産した会社の約5割が
「P/L上は黒字」だと言われています。
企業の「本当の体力」は売上や利益ではなく、
「現金(キャッシュ)」なのです。
もし明日、仕入先への支払いができなくなったら?
従業員の給与が払えなくなったら?
いずれも事業の継続は極めて難しくなってしまいます。
経営者はまず、「会社の体力=資金力」を測るために
次の3つの指標を押さえください。
そのうえで資金繰りを改善するための
具体的なアクションをわかりやすくご紹介します。
今のうちに会社のお金の「見える化」を進めておけば、
いざという時にも柔軟に対応できるでしょうし
その「いざ」がいつ訪れるのかを把握できます。
1.会社の資金体力を把握する3つの指標
① 運転資金の残り月数(資金繰りの耐久度)
「運転資金の残り月数」とは、
現預金が毎月の固定費もしくは、月商に対して
どれほどの期間を支えられるかの目安です。
計算式は至ってシンプルで、
「現預金 ÷ 毎月の固定費」
最低でも3か月分が望ましく、
できれば6か月分を確保しておくと安心です。
コロナのような自力では防ぎようのない現象や
仕入先や取引先の突然の倒産による売掛金回収不能
大口取引先との取引消滅などの際にも
数か月の余力があれば立て直しや
銀行からの資金調達などの猶予が生まれます。
もし、どうしても現金は持ちたくないという方は
「当座貸越」の設定にチャレンジしましょう。
詳しくは書きませんが、銀行への十分な信用力があれば
可能です。
② 売掛金サイトと買掛金サイトのズレの確認
売掛金が回収できるのが3か月後なのに、
買掛金の支払いは2か月後……。
このように、入金サイトと出金サイトにズレがあれば、
その分1か月分の資金が不足してしまいます。
図や表を使い、今後のキャッシュフローを予測してみると、
このギャップが一目瞭然。
入金と出金のタイミングを調整できれば、
資金ショートのリスクを減らせるのです。
一番いい状態は「売掛金が先 買掛金が後」
Amazonは、その代表格と言えます。
売掛金回転率が12.5回/年
買掛金回転率が4.38回/年
(2023年度の財務データから算出)
年間4.38回支払い 12.5回入金がある
羨ましい限りです。
③ 毎月の資金繰り表の作成
会社のキャッシュを安定的に回すには、
「今後どれくらいの入出金があり、
いつごろ現金が不足するのか」を
見える化する必要があります。
そこでおすすめしたいのが、
1か月単位の資金繰り表の作成です。
まずは、ザックリでも構いませんので、
翌月以降の現金残高をシミュレーションしてみましょう。
早めに危機を察知できれば、
金融機関への借入打診や、支出の削減など、
手を打つ時間が十分に取れます。
とはいえ、資金繰り表を作っている中小企業は
非常に少ないのが現実です。
理由としては
「そもそも、作り方がわからない」
「伝票類が整理されていない」
「時間がない」 などなど
上記の問題を1発で解消するとすれば
売掛の伝票を毎日整理する「仕組み」を作ったうえで
経理の専門職の人間を雇うこと
これが一番早い解決策です。
そのうえで、可能であれば会計事務所と連携した
会計ソフトを導入すれば、ほぼ完璧です。
「・・・・・・年間何百万の支出増」
厳しいですよね。
現実的な解決策としては
「1日10分だけ、時間を空ける」(伝票整理)
これだけです。
可能であれば「出納簿」をつけましょう。
そして、月が明けたら整理した伝票と出納簿を
会計事務所に即提出
「勘定元帳」を作ってもらったうえで
会計事務所や私たちのようなコンサルタントに
資金繰り表を作ってもらいましょう。
どのような資金繰り表になるかは
それぞれなのでわかりませんが
例えば私なら、資金繰り表をもとに
事業計画や資金計画、銀行借り入れの際の資料などに
なるような資金繰り表を作ります。
デメリットとしては
会計事務所もしくはコンサルタントへ
新たな報酬の支払いが発生することです。
しかし、経営者と一緒になり経営計画を立てたり
銀行交渉の手助けができたり
社長と社員の数字に対する「意識のズレ」を
修正してくれたりしてくれれば、
支払った報酬以上の成果が生まれるでしょうし、
なにより、経理担当者を雇用するより、遥かに低額で
「社長の右腕」を得ることができるメリットが生まれます。
3.資金体力を改善する3つのアクション
① 無駄な支出の削減
まず手を付けやすいのは、固定費の削減です。
オフィスの家賃や通信費、サブスクリプション契約など
不要な出費はないか、定期的に洗い出しましょう。
なお、固定費の代名詞である「人件費」
ここに手を付けるのは最後にしましょう。
現在の売り上げの減少はもちろん
将来の会社の成長の芽を摘み取ってしまう
可能性があります。
確かに経費削減としては、効果が高いですが
「もろ刃の剣」であることをお忘れなく。
「人件費」は「コスト」ではなく「投資」である。
基本はこのスタンスで経営にあたりましょう。
② 入金サイトの短縮/出金サイトの交渉
取引先との契約内容を見直し、
入金サイトを短縮できるよう交渉することも一案です。
また、支払いサイクルを後ろ倒しにできるよう、
仕入先と相談するのも有効。
お互いの信頼関係を大切にしつつ、
少しでも資金ギャップを埋める努力が必要です。
とはいえ、こんな教科書的なこと言っても
当たり前すぎますし、上記は全て「相手」がある話です。
つまりは、自分の努力だけでは解決できないことです。
そこで、「一人支払いサイクル改善作戦」
自社の商品や在庫1点1点を見直しましょう。
「受注販売できるものはないか?」
もしくは、「その体制に移行できそうなものはないか?」
「数年に1度くらいしか、売れない商品はないか?」
販売機会をロスする可能性はありますが
こまめな仕入れや在庫整理は
確実に利益やキャッシュ増に貢献します。
しかも、自社の努力だけでできることですから
「やらない」という選択肢はないはずです。
③ 資金繰り表や借入残高一覧表の作成
資金繰り表の作成、銀行への提出は
みなさんが思っている以上に銀行へのアピールになります。
インパクトや破壊力があると言ってもいいでしょう。
また、借入残高一覧の作成により
信用保証枠の事前確認や適切な借入方法への転換が
一目でわかるようになります。
プロパー融資や当座貸越の設定など
金融機関との交渉時にも役に立ちます。
銀行担当者に見せることにより
思わぬ好条件の融資の紹介などの
きっかけとなりますので、お勧めです。
このようにして、金融機関と日頃から関係を
築いておくことがポイントです。
「借入残高一覧表」フォーマット
各種書式ダウンロード | 南日本銀行
(金融機関取引状況表)
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