2025.08.08ブログ
会社の「血流」を改善する3つの処方箋 ~「お金がない」を防ぐキャッシュフロー経営入門
数あるブログの中から、私のブログへの訪問、有難うございます。
地元函館や北海道はもちろん、「お金に困まらない経営をしたいあなた」
そのために、一生懸命書き続けます。
2分で読めるAI要約:「売上はあるのにお金が残らない」理由と解決策
「売上は好調なのに、なぜか手元にお金が残らない」と感じる経営者は少なくありません。
その原因は、決算書の「利益」と会社の「現金(キャッシュ)」の流れが一致していないからです。
会社の生命線である現金の流れ(キャッシュフロー)は、①営業・②投資・③財務の3つの活動で成り立っています。
これを①呼吸・②筋肉増強・③循環と捉え、お金が残る体質への改善策を見ていきましょう。
1. 営業キャッシュフロー:「呼吸」を深く、楽にする
本業で稼ぐ現金の流れです。ここがマイナスなのは「呼吸困難」の状態。まずは流れをスムーズにすることが最優先です。
- 入金を早く:取引先に支払サイトの短縮を交渉する。高額な請求は分割も検討。
- 在庫を減らす:売れない在庫(罪庫)はセールで現金化し、過剰発注をやめる。在庫は「眠っているお金」です。
- 支払いを遅く:仕入先に支払サイトの延長を交渉する。
2. 投資キャッシュフロー:「筋肉増強」の刃を研ぐ
将来の成長のための設備投資などです。無計画な投資は会社の体力を奪います。
- 小さく試す:いきなり大規模投資せず、スモールテストで効果を検証してから拡大する。
- 資産を現金化:使っていない機械や不動産は「いつか使うかも」と放置せず、売却して現金に変える。
3. 財務キャッシュフロー:「循環」を整える
借入や返済など、資金調達の流れです。ここの管理を誤ると、資金繰りが一気に悪化します。
- 借入の期間と目的を一致させる:設備のような長期投資には「長期融資」、短期の運転資金には「短期融資」を使い、月々の返済負担を最適化する。
- 借入は「総額」より「月々の返済額」に注意:低金利に惹かれて安易に借入を重ねると、借入総額は同じでも「本数」が増えることで月々の返済額が膨れ上がり、首を絞めることになります。
まとめ
健全な経営とは、「①営業(呼吸)」で稼いだ現金を「②投資(筋肉増強)」に回し、
足りない分を「③財務(循環)」で賢く補うサイクルを回すことです。
資金難は「数字が苦手」という意識から始まります。
まずはこの3つのキャッシュフローを直視することから、お金に困らない「筋肉質」な経営体質への改善を始めましょう。
本文
「売上は好調なのに、なぜか手元にお金が残らない」
「月末の支払いがいつも不安で、頭から離れない」
もし、あなたがそう感じているなら、
それは決算書の「利益」と、会社の「現金」の流れが一致していないからです。
会社の生命線ともいえるキャッシュフロー(現金の流れ)は、
営業、投資、財務の3つの活動がバランス良く循環してこそ、健全な状態を保てます。
この3つの流れを、それぞれ「呼吸」「筋肉増強」「循環」と捉え、
あなたの会社のお金がなぜ残らないのか、その原因と具体的な改善策を見ていきましょう。
1. 営業キャッシュフロー 「呼吸」を深くする
営業キャッシュフローは、本業でどれだけの現金を稼ぎ出したかを示すものです。
ここがマイナスということは、まさに「呼吸困難」の状態。
まずは、楽に息ができるように、お金の流れをスムーズにすることから始めましょう。
改善のヒント
1. 売掛金の回収を早める
取引先に「支払サイトの短縮」を交渉してみましょう。
「そんなこと無理だ」と思うかもしれません。
しかし、支払いを少しでも早くしてもらえれば、
その分、運転資金として借りているお金を減らせます。当然、利息の負担も軽くなります。
せっかく稼いだ利益が、銀行への利息で消えていくのはもったいないですよね。
そのお金は、もっと前向きなことに使いましょう。
また、高額な売掛金は分割請求も検討し、入金までのタイムラグを圧縮することで、資金繰りに余裕が生まれます。
2. 在庫を圧縮する
いつまでも売れない在庫は、思い切って「処分セール」で現金化しましょう。
そして、発注ロットを見直し、過剰な在庫を持たないように最適化することも重要です。
「年に一度の注文でも、在庫を切らせたくない」という話を聞きます。気持ちわかります。
しかし、その「年一回の注文」の時期を特定し、
その時期に合わせて在庫を確保するなどの工夫はできませんか?
在庫は「眠っているお金」です。お金が固定化されている状態は、資金繰りを圧迫します。
滞留在庫のことを「罪庫」と呼ぶこともあります。
この「罪庫」を解消することは、キャッシュフロー改善に直結します。
3. 仕入れ条件を改善する
仕入先に「支払サイトの延長」を交渉してみるのも一つの手です。
これも難しいと感じるかもしれません。
しかし、取引先にとっても、未回収になるよりはマシなはずです。
選択肢として捨てるべきではありません。
また、もし可能であれば、同業他社と共同で仕入れすることで、
交渉力が上がり、仕入れコストを下げられる可能性もあります。
4. 売上を上げる
これは言わずもがな。キャッシュフローを改善する最も直接的な方法です。
2. 投資キャッシュフロー 「成長の刃」を研ぐ
投資キャッシュフローは、会社の将来的な成長のために行う設備投資や不動産の売買などを示すものです。
リスクとリターンをしっかり見極め、確実に成果を出すことが重要です。
投資3原則
1.スモールテスト → 検証 → 拡大
まず小規模に導入し、成果を確認してから本投資へ向かうようにしましょう。
2.PBP(投資回収期間)を算定
借入金の返済期間や減価償却年数を超えるような投資は
「夢」ではなく「賭け」かもしれません。再検討が必要です。
3.眠れる資産をキャッシュ化
使っていない設備・不動産は売却を検討しましょう。
「いつか使うかも」「いつか値上がりするかも」
これも、その気持ちよくわかります。
しかし、1円も生んでいない資産を持つことは
会社経営として正しい状態ではありません。
3. 財務キャッシュフロー 「循環系」を整える
1. 資金の用途と期間を一致させる
設備投資には、その設備の耐用年数に応じた「長期融資」を、
短期的な運転資金には「短期融資」を使いましょう。
長期借入で運転資金を賄ってしまうと、月々の返済負担が増えてしまいます。
補足
本来は「短期資金は短期借入、設備資金は長期借入」が原則。
長期借入で運転資金を賄うこと自体が“悪”というより、
上記記述は、返済年限が用途より長すぎても短すぎても資金繰りを圧迫するという意味です。
2. 借入は「金額」ではなく「本数」に注意する
「多額の借金で経営破綻」というニュースをよく見ますが、
実は問題は「借入金の総額」だけではありません。
以下の例を見てみましょう。わかりやすさを重視するため
利息は考えないものとします。
- 借入金A:1200万円(10年返済、月々10万円)
- 5年後に残債600万円
5年間の返済後、追加で600万円を借り入れたとします
(新たな借入金B、10年返済、月々5万円)
借入総額は1200万円で変わりませんが、
月々の返済額は15万円に増えてしまいます。
(借入Aの返済分10万円と借入Bの返済分5万円)
更に返済期間も実質6.6年と短くなります。
(1200万円÷(15万円×12か月)=6.666年)
金利の低さだけに目を奪われ、無計画に借入を重ねると、
このように月々の返済額が増え、資金繰りが厳しくなることがあります。
銀行へ融資を申し込む際には「借入総額」や「金利の高低」ではなく
「月々の返済金額」と「返済期間」を確認することが大切です。
まとめ
資金難は「数字が苦手」から始まります。
そして、「数字を直視」した瞬間から改善は始まります。
今日から3つのキャッシュフローを診断し、「お金の調子」を整えましょう。
あなたの会社の血液は、きっと再び力強く巡り始め
筋肉質で、美しい経営体質へと変貌するはずです。
本文とは、全く関係ないですが、この兄弟
昨日6歳になりました。
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