2025.02.14ブログ
「保険募集の常識を疑う – 保険を考える際の本当のスタートラインとは」(個人保険編)
今回は、法人の財務の話はお休みしまして
「個人契約」の生命保険について
私の考える「契約前に考えてほしいこと」を
書いてみようと思います。
では、スタート
世の中にたくさんの生命保険に関するウェブサイトが
ありますよね。
様々な保険種類の説明があったり
「こんな時に役立ちます」 「こんな心配ありませんか」
みたいな、お悩み相談してくれるサイト
必要補償額の考え方を書いているサイト
見直しのポイントを教えてくれるサイト など
どれも、理路整然と考え方や論理を書いていて
まさに「おっしゃる通り」なものばかりです。
一応私も、そのようなことも書けますが
ほとんどのサイトが、保険を検討している方や
見直そうとしている方が立っている「スタートライン」より
30mくらい先の話をしているように私は感じます。
ですので、今回は、スタートラインの話をしたいと思います。
「生命保険」を「保険料」と「保険金」から見てみよう
加入率が下がってきているとはいえ
日本人の生命保険加入率は非常に高い。
日本の影響ということはないだろうが
アジアの国々は、欧米にくらべ加入率が高いそうだ。
理由は、わからないが、心配性な人が多いのかもしれない。
しかし、日本は新入社員以外の収入は実質減収だからこそ
生命保険のような「高額商品」を買う時には
十分な吟味をしてほしい。
では、どれくらい「高額商品」なのか計算してみよう。
Aさんが「25歳から65歳までの40年間」の間
「月々20000円(40年間平均して)を支払ったら」
一体いくら支払うことになるでしょうか?
20000✖40✖12=9,600,000円
約1000万円のお金を支払うことになります。
かなりの高額商品ですよね。
次に保険金から見てみましょう。
40代で亡くなった方の受取保険金は約3000万と高く
全世代平均では1300万程度となっています。
生命保険は、宝くじではないので、「あたり」や「はずれ」
という概念では考えてはいけませんが
上記のAさんのように、1000万円支払って
その支払った額より少ない死亡保険金を貰った人たちの割合は
「48.4%」(死亡保険金1000万円以下だった人の割合)
((公財)生命保険文化センター「平成30年度年度 生命保険に関する全国実態調査」より出典
約半分の人たちが支払った額より少ない金額を受け取っています。
「これだから、生命保険はいらない」
いえいえ、そんなことありません。
確かに、独身の方なら、最低限の保障(葬式代や死後整理代)で
十分だと思いますし、それに見合う「現金」を持っていれば
死亡保険は必要ありません。
もちろん、多額の財産があり、相続税がかかる人は別です。
しかし、結婚や起業を目指すなら、お金を貯める必要もあるでしょう。
そのために、「今は生命保険にお金は使わない」も
選択肢の1つかもしれませんね。
いずれにしても、今後の人生をどのように送りたいのかを考えて
ライフプランを立てる必要があります。
しかし、40代で配偶者・子供がいるとなると話は全く変わります。
上記に「40代なら3000万位の死亡保険金」と書きましたが
配偶者と子供の年齢にもよりますが
私自身の家庭で考えると、40代の時は、子供が小学生でしたので
「3000万の死亡保険金」なんかじゃ全然足りません。
「配偶者も働けばなんとか」とおっしゃる方もいますが
その考えは「捕らぬ狸の皮算用」ですよ。
働いたとしても、いくら稼げるのかわかりませんから
そんな皮算用を人生設計の中に入れてライフプランを設計するなんて
あり得ない話だと思います。
しかし、高額の死亡保障が必要な年代であったとしても
数億円の現金があれば、やはり「生命保険なんていらない」
という選択肢も選べます。
では、65歳の方だったらどうでしょう。
仕事も退職し、子供も巣立ったとしましょう。
いわゆる「夫婦ふたりの老後生活」です。
一時、国から老後生活には「2000万円が必要」と発表がありましたが
つい最近のテレビでは、1500万だの、0円だのとおっしゃられる
有識者が出ていましたね。
私ならこう答えます。「全く、わかりません」
私の家庭で考えると、というか私の考えや思い、夢を考えると
2000万なんかじゃ全然たりません。
贅沢をしたいわけではありません。
やりたいことがたくさんあるのです。
やはり、ここでも必要なのは「保険は何を選べは?」ではなく
「老後の生活は、どうしたいの?」からスタートした
ライフプランを作ることとなります。
では、「医療保険」はどうでしょう。
ここに関しては、FPや保険募集人の中でも
意見が分かれるところだと思います。
私は「いらない派」です。
でも、自分や家族はみんな、医療保険やガン保険に入っています。
加入している理由は
1. 高額療養費制度を使っても発生してしまう自己負担分
2. 個室が空いてたら、個室に入りたいな~という夢の実現
3. 妻や娘が、大病した場合、出来る限りの治療を受けさせたいから
4. 今のところ、私は借金の保証人ではないから
4に関しては、多くの保険募集人や保険会社の人間はじめ
税理士さんなども、多くの方が間違ってしまう
法律が絡むことなので、今回は割愛します。
1に関しては、国が患者負担分を増やすといってますが
現在、ガン患者さんなどの激しい抗議を受けて
修正中のようです。
普段私は、この「自己負担分と医療保険」の考え方として
こんなことを、お話させていただいてます。
「今、ご家庭の財布(口座)から、10万円を支払ったら
明日から、ご飯が食べれなくなりますか?」
今まで、「はい、食べられません」と答えた方はいません。
上記の、ガンと戦っている方々のように、毎月10万円かかるのなら
話は別ですが、普通の方は入院なんて、
何年、何十年に1度程度だと思います。
その時に、10万円を負担できれば、通常の治療は可能となります。
そう考えると、治療さえできればいいと考えるのなら
医療保険への加入、いや、もっと平たく言います。
「医療保険を買う」という優先順位は低いと言えます。
お金で表すとこうです。
「医療保険の月額保険料が5000円」
5000✖12=60000円
60000✖2年間=120000円
数字だけ見れば、
頑張って「2年に1度」の入院をしてトントン。
確かに病気がいつ発症するかわかりませんが
入院する確率を考えると、保険料を貯金しておけば
通常の治療はもちろん、保険適用外の治療や
差額ベッド代だって、十分支払える可能性は低くないと思います。
医療保険は、必要性や用途によって
保険金額や特約などを選ぶ必要性があります。
ましてや、「買わないで貯金する」という選択肢さえあります。
自分はどうしたいか、家族にはどうしたいのかなど
ライフプランを立ててから、買うものを決めましょう。
さて、そろそろまとめに入ります。
このブログをここまで読んでいただいた方は
もうお気づきになっていますよね。
何度も同じ言葉が出てきていることに。
そう、保険を選んだり検討する前に
「自分はどうしたいのか」
自分がいなくなった後「家族には、どうなってもらいたいのか」
などの「想い」を整理して、その想いを実現するために必要な
「お金の裏付け」をつけていく。
そこで足りない「お金」を生命保険でカバーしていく。
「この保険、今の自分に合っているのかな?」の相談に
保険種類の変更や契約の付け替えで対処するのは間違いです。
「ライフプラン」に生命保険を合わせる。
当たり前のことなんですが、この順番で保険を設計してくれる
保険募集人は非常に少ないのが現実です。
読者の皆さんは是非、「当たり前ができる」保険募集人と
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