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有限会社佐藤保険事務所

2025.10.16ブログ

倒産リスクを減らす『現金基準』の意思決定

忙しいあなたへ「1分で読めるAI要約」

 

「黒字なのにお金が足りない」という状況は、現金管理の不足が原因で起こります。

会社が倒産する直接の理由は「利益不足」ではなく「現金不足」。

利益は未来の入金を含む「意見」ですが、現金は誰の目にも明らかな「事実」であり、

給与や家賃など支払いには現金のみが使えます。

そこで、最低限確保すべき現金ラインを設定して、

それを守るための借入や節税、投資などを判断しましょう。

最初にチェックすべきは貸借対照表(B/S)の現金残高であり、

今後の資金繰り表を作成・更新することで、将来の資金不足を防げます。

結局、「Cash is King」という言葉は知っているだけでは意味がなく、

実際に現金を「王様」としてあらゆる経営判断を下すことこそが、

会社の未来を支える最短距離なのです。

 

本文

先日、とある経営者と話をした際に、こんな質問をされました。

「この投資をしても大丈夫なのか判断がつかない」

その質問に対して「考え方」をお伝えしたのですが

その重要性が腹落ちしていない様子でした。

「このままでは、まずいことになるかもしれない」

そう感じたのが本稿を書こうと思ったきっかけです。

財務の「キホンのキ」ともいえる部分ですので

是非一読してみて下さい。

 

なぜ「現金は王様」なのか

 

「黒字のはずなのに、月末がいつも苦しい」

「事業も順調に成長している」

なのに、月末が近づくと現金がいつも心許ない。

この矛盾は、黒字倒産の入り口です。

「会社は利益不足では倒れず、現金不足で倒れる」

まずは、この現実をしっかりと腹落ちさせましょう。

 

この記事では、なぜ「Cash is King(現金が王様)」なのか、

そして、現金を基準とした意思決定がなぜ大切なのかを、

具体的な実践方法と共にお伝えします。

これは、財務の専門家でなくとも、すべての経営者、そして次代を担うリーダーが必ず身につけるべき経営の羅針盤です。

 

利益は「意見」 キャッシュは「事実」

P/Lの利益には売掛金や在庫など、まだ現金化されていない要素が混ざります。

解釈で揺れる「意見」に近い数値です。

一方、B/Sの現金・預金残高は今この瞬間(決算日)に使える資金のことです。

誰が見ても変わらない「事実」であり、企業の生死を握ります。

 

現金が「王様」である3つの理由

1.支払いは現金でしかできない

給与・家賃・仕入・税・返済等。支払日に残高が尽きたらゲームオーバー

 2.現金は選択肢と時間を買う

想定外や好機に、撤退/延命/再投資を選べるのは手元資金がある会社だけ

 3.成長は先払い

売上増は在庫・売掛・買掛を膨らませ、黒字でも資金は痩せる。

伸びる会社ほど現金管理が生命線

 

決算書が雄弁に語る「現金こそが最優先」という真実

多くの経営者は、決算書を受け取ると真っ先に損益計算書(P/L)を見て、

「今期は儲かったか、損したか」に一喜一憂しがちです。

しかし、決算書の正式な並び順は、必ず貸借対照表(B/S)が先で、その次に損益計算書(P/L)です。

そして、そのB/Sの一番上に記載されている勘定科目(トップライン)こそが、「現金及び預金」です。

 

これは偶然ではありません。

決算書は、「経営者よ、何よりも先に会社の現金の状態を確認しなさい」という、

財務や経営者としての原則に基づいた強力なメッセージを発しているのです。

財務分析とは、小難しい経営指標(〇〇比率など)をこねくり回すことではありません。

まず自社の現金を、以下の3つの視点で徹底的に分析することからはじめましょう

  • ストック:確保すべき現金残高を維持できているか
  • 増減:過去1年~3年間の残高推移
  • 予測:半年後・1年後の見込み残高

 

経営判断のすべてを「最低現金基準金額」から逆算する

まず自社の最低現金基準金額(目安:固定費の6か月分 月商の3か月分など)を決める

 

以降の意思決定はこの物差し一本です

  • 借入は悪か? 現金残高維持のための借入は「善」  「借りるか否か」ではなく、「必要現金を守れるか否か」が判断基準
  • 節税は? 現金を痩せさせる(基準金額を割り込む)節税は本末転倒
  • 投資は? 投資後も基準金額を割らないかで判断。割るなら借入をする
  • 在庫は? 在庫増により現金が基準額を割るなら減らす。維持できるなら必要分は持つ

 

明日からできる現金管理 4ステップ

  1. 3か月先までの資金繰り表を作り毎週更新(ズレ=改善点)
  2. 最低現金ライン(黄ライン/赤ライン)を設定し、到達前に手を打つ
  3. 回収前倒し・支払後倒しを標準化(着手金/中間金・口座振替・サイト交渉)
  4. 週15分の資金会議:入出金差分→危険ポイント→誰が/いつまでに/何をの3点だけ決める

 

まとめ:未来の自由は、今日の現金残高から生まれる

 

利益は過去の採点、キャッシュは未来の自由

この言葉を、ぜひあなたの経営の第一の哲学としませんか?

すべての意思決定を「その決断は、我々が守るべき現金を増やすのか、減らすのか?」

という問いに立ち返って行う。

これが、不確実性の高い時代を生き抜き、いかなる環境変化にも揺るがない、

強くしなやかな会社を創り上げるための最短距離です。

「Cash is King」を誰かの名言として知っているだけでは意味がありませんし、

本当に自社で現金を「王様」として扱えているかどうかを見直してみましょう。

 

さあ、今日からまずは、自社の預金残高を改めて確認し、

4週間先までの入出金予定を書き出すことから始めてみませんか。

その小さな一歩が、あなたの会社の未来を大きく変えるのです。

 

 

 

 

 

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